有価証券報告書-第90期(平成31年1月1日-令和1年12月31日)

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2020/03/27 15:29
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(経営成績等の状況の概要)
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
(1) 経営成績の状況
① 事業の経過および成果
当連結会計年度における我が国経済は、内需面では、10月の消費増税後の落込みはあったものの、改元に伴う大型連休や消費増税前の駆込み需要などがカバーし、通期では前年比プラスを維持した一方、外需面では、米中貿易戦争の影響で中国向けなどアジアを中心に輸出が前年比で減少し、全体としては、景気は減速傾向で推移いたしました。
海外では、米国は消費や雇用など景気指標は総じて良好な水準を維持した一方で、中国は米国向け輸出の減少などによる景気の減速傾向は継続しているものの、内需面で個人消費の減少幅の縮小、外需面ではアセアンなど新興国需要により輸出の減少幅が縮小するなど、一部改善もみられるようになりました。アセアンの新興国については、中国の景気減速の影響から輸出が落ち込んでおり、特にタイの成長率の鈍化傾向が顕著となるなど、堅調に推移してきた景気にやや弱さが見られるようになりました。
当社グループが属する自動車業界におきましては、日本国内の自動車生産台数は10月の消費増税後の内需の落ち込みから前年同期比で減少しました。アセアンの自動車生産は、マレーシアの生産台数は増加しましたが、タイは国内販売が増加したものの輸出が減少し生産台数は減少、インドネシアの生産台数も減少となり、アセアン3カ国の合計では自動車生産台数は前年同期比で減少となりました。また、中国の自動車生産台数は、景気減速の影響から特に乗用車の生産がふるわず、前年同期比で減少しました。
このような環境のもと、当連結会計年度においては、アセアンの海外子会社の合算ベースでは増収増益を確保しました。一方で、中国のミラー生産子会社が減収減益となったことに加え、日本国内は、昨年来の好調な車種の増産は継続したものの輸出車種を中心とする減産などの影響や、研究開発費などの費用の増加により、前年同期比で減収減益となりました。この結果、売上高は133,053百万円(前年同期比5.4%減)、営業利益は6,440百万円(前年同期比28.5%減)となりました。また、経常利益は7,363百万円(前年同期比24.0%減)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は5,214百万円(前年同期比46.5%減)となりました.
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
自動車部品事業
自動車部品事業におきましては、アセアンの海外子会社の合算ベースでは増収増益を確保しました。一方で、中国のミラー生産子会社が減収減益となったことに加え、日本国内は、昨年来の好調な車種の増産は継続したものの輸出車種を中心とする減産などの影響や、研究開発費などの費用の増加により、前年同期比で減収減益となり、売上高は124,403百万円(前年同期比5.5%減)、営業利益は6,305百万円(前年同期比27.9%減)となりました。
用品事業におきましては、売上高は8,687百万円(前年同期比0.1%増)と前年並みとなりましたが、販売促進費の増加や新システムの導入費用などにより、営業利益は209百万円(前年同期比20.5%減)となりました。
その他事業におきましては、自動車用電球の需要減少に伴い、売上高は1,710百万円(前年同期比13.8%減)、営業損失は82百万円(前年同期は営業利益3百万円)となりました。
(2) 財政状態の状況
当連結会計年度末における総資産は109,813百万円となり、前連結会計年度末対比で7,397百万円の増加となりました。主な要因は、短期貸付金が5,888百万円、棚卸資産が全体で1,788百万円、有形固定資産が全体で3,711百万円それぞれ増加した一方で、現金及び預金が2,018百万円、受取手形及び売掛金が3,471百万円それぞれ減少したこと等によるものであります。なお、短期貸付金の増加はヴァレオ社及びその関連会社への貸付金の増加であります。当該貸付については、市場金利を勘案して利率を決定しています。
負債は64,407百万円となり、前連結会計年度末対比で1,989百万円の増加となりました。主な要因は、支払手形及び買掛金が3,718百万円、長期借入金(1年以内返済予定分を含む)が4,170百万円それぞれ増加した一方で、短期借入金が1,087百万円、リース債務(1年以内返済予定分を含む)が3,505百万円、未払金が1,455百万円それぞれ減少したこと等であります。
純資産は45,405百万円となり、前連結会計年度末対比で5,408百万円の増加となりました。主な要因は親会社株主に帰属する当期純利益の計上等により株主資本が4,474百万円、その他包括利益累計額が全体で968百万円、それぞれ増加したこと等によるものであります。なお、自己資本比率は40.3%となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、8,196百万円となり、前連結会計年度末比2,018百万円の減少となりました。
営業活動の結果獲得した資金は16,122百万円(前連結会計年度は21,630百万円の獲得)となりました。当期における主な増加要因は、税金等調整前当期純利益7,123百万円、減価償却費8,104百万円、退職給付に係る負債の増加206百万円及び仕入債務の増加3,603百万円等であり、主な減少要因は持分法による投資利益825百万円、その他流動負債の減少692百万円、たな卸資産の増加1,741百万円等であります。
投資活動の結果使用した資金は16,724百万円(前連結会計年度は5,824百万円の支出)となりました。当期における主な要因は、有形固定資産の取得による支出11,841百万円、短期貸付金のの純増減額5,888百万円等によるものであります。
財務活動の結果返済した資金は1,409百万円(前連結会計年度は14,818百万円の返済)となりました。当期における主な要因は、長期借入金の返済による支出1,329百万円、リース債務の返済による支出3,719百万円、短期借入金の純増減額1,087百万円等がある一方で長期借入れによる収入5,500百万円があること等によるものであります。
(生産、受注及び販売の状況)
(1) 生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次の通りであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2019年1月1日
至 2019年12月31日)
前年同期比(%)
自動車部品事業(百万円)126,068△3.2
用品事業(百万円)7,5880.3
報告セグメント計(百万円)133,657△3.0
その他(百万円)1,181△12.0
合計(百万円)134,838△3.1

(注) 1.金額は販売価額によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 受注状況
当社グループは見込み生産を行っているため、該当事項はありません。
(3) 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次の通りであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2019年1月1日
至 2019年12月31日)
前年同期比(%)
自動車部品事業(百万円)124,399△5.5
用品事業(百万円)7,488△2.1
報告セグメント計(百万円)131,888△5.3
その他(百万円)1,165△14.1
合計(百万円)133,053△5.4

(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次の通りであります。
相手先前連結会計年度
(自 2018年1月1日
至 2018年12月31日)
当連結会計年度
(自 2019年1月1日
至 2019年12月31日)
金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)
トヨタ自動車㈱45,93832.746,57935.0
日産自動車㈱26,04218.521,41616.1

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
当社グループに関する財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの分析、検討内容は原則として連結財務諸表に基づいて分析した内容であります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成に当たりましては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者はこれらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、第5「経理の状況」1「連結財務諸表等」の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、特に以下の重要な会計方針が連結財務諸表の作成に大きな影響を及ぼすものと判断しております。
① 製品保証引当金
当社グループは、製品保証に関する費用の支出に備えるため、過去の実績率に基づいて発生見込額を見積り計上すると共に、特定の製品に関しては、個別に算出した発生見込額を見積り計上しております。従いまして、実際の製品保証費用は見積りと異なる場合があり、将来の業績に影響を及ぼす可能性があります。
② 退職給付に係る負債
当社グループの従業員退職給付費用及び債務は、割引率をはじめとした数理計算上で設定される前提条件や年金資産の長期期待運用収益率に基づいて算出しております。このため、実際の結果が前提条件と異なる場合、又は前提条件が変更された場合には、その影響は累積され、将来の会計期間において償却されるため、将来期間における退職給付費用及び債務に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度のセグメントごとの経営成績は3「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」(1) 経営成績等の状況の概要に記載の通りであります。
① 経営成績の分析
当連結会計年度の売上高は133,053百万円(前年同期比5.4%減)、となりました。売上原価は105,482百万円となり、売上原価率は増減ありませんでした。販売費及び一般管理費は21,130百万円となり、売上高比率では1.6%増加しました。
以上の結果、営業利益は6,440百万円(前年同期比28.5%減)となりました。
営業外収益は、1,450百万円となりました。また、営業外費用は、527百万円となりました。
上記により、経常利益は7,363百万円(前年同期比24.0%減)となりました。
特別利益は、0百万円となりました。また、特別損失は、240百万円となりました。
法人税等調整額を含む、税金費用の合計額は1,937百万円となりました。また、非支配株主に帰属する当期純損失は29百万円となりました。
以上により、親会社株主に帰属する当期純利益は5,214百万円(前年同期比46.5%減)となりました。
なお、当連結会計年度の営業利益率は4.8%であり、中期経営計画の目標として掲げた営業利益率8.3%に向けて計画に沿って進捗しております。中期経営計画達成のため、①受注の獲得、②生産能力の増強・生産効率の向上、並びに③コスト構造改革の3点を重点的に推進してまいります。
② 財政状態の分析
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は、46,255百万円(前連結会計年度末は43,589百万円)となり、2,665百万円の増加となりました。主な要因は、短期貸付金が5,888百万円、たな卸資産が全体で1,788百万円それぞれ増加した一方で、現金及び預金が2,018百万円、受取手形及び売掛金が3,471百万円それぞれ減少したことによるものであります。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産の残高は、63,558百万円(前連結会計年度末は58,826百万円)となり、4,732百万円の増加となりました。主な要因は、有形固定資産の残高が全体で3,711百万円増加したことによるものであります。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は、45,821百万円(前連結会計年度末は46,853百万円)となり、1,031百万円の減少となりました。主な要因は、リース債務が2,342百万円、未払金が1,455百万円、短期借入金が1,087百万円それぞれ減少した一方で、支払手形及び買掛金が3,718百万円増加したことによるものであります。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債の残高は、18,586百万円(前連結会計年度末は15,565百万円)となり、3,020百万円の増加となりました。主な要因は、長期借入金が4,370百万円増加した一方で、リース債務が1,163百万円減少したことによるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産の残高は、45,405百万円(前連結会計年度末は39,997百万円)となり、5,408百万円の増加となりました。主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上等により株主資本が4,474百万円、その他包括利益累計額が全体で968百万円それぞれ増加したことによるものであります。
③ キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、8,196百万円となり、前連結会計年度末比2,018百万円の減少となりました。
営業活動の結果獲得した資金は16,122百万円(前連結会計年度は21,630百万円の獲得)となりました。当期における主な増加要因は、税金等調整前当期純利益7,123百万円、減価償却費8,104百万円、退職給付に係る負債の増加206百万円及び仕入債務の増加3,603百万円等であり、主な減少要因は持分法による投資利益825百万円、その他流動負債の減少692百万円、たな卸資産の増加1,741百万円等であります。
投資活動の結果使用した資金は16,724百万円(前連結会計年度は5,824百万円の支出)となりました。当期における主な要因は、有形固定資産の取得による支出11,841百万円、短期貸付金の実行による支出5,888百万円等によるものであります。
財務活動の結果返済した資金は1,409百万円(前連結会計年度は14,818百万円の返済)となりました。当期における主な要因は、長期借入金の返済による支出1,329百万円、リース債務の返済による支出3,719百万円、短期借入金の純増減による支出1,087百万円等がある一方で長期借入れによる収入5,500百万円があること等によるものであります。
④ 当社グループの資本の財源及び資本の流動性
当社グループの運転資金需要の主なものは、当社グループ製品の材料費、労務費、経費等であります。また投資資金需要は、新製品の生産、生産効率の向上や設備更新等の設備投資等であります。
当社グループは、運転資金については内部資金を基本としつつ、必要に応じて親会社からの借入をしております。投資資金については、内部資金を基本としつつ、必要に応じて金融機関からの長期借入及びリースによる調達をしています。
なお、翌年度の主たる設備投資の予定及びその資金調達方法については、第3「設備の状況」3「設備の新設、除却等の計画」に記載の通りであります。