訂正有価証券報告書
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財務状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
なお、本項において含まれる将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
① 経営成績
当連結会計年度は、米中通商問題に端を発する景気の先行き不透明感が依然として漂うなど、当社グループにとって厳しい幕開けとなりました。
このような状況下、当社グループは、主力地域であるアセアンにおいて新型『パジェロスポーツ』や新型『エクスパンダー クロス』を発売し、また日本においては、前連結会計年度末に発売した新型軽ハイトワゴン『eKクロス/eKワゴン』の通年貢献の最大化を図るとともに、新型軽スーパーハイトワゴン『eKクロス スペース/eKスペース』を2020年3月に発売するなど、販売台数の拡大に努めました。
しかしながら、中国の景気低迷の影響を受け、貿易国であるアセアンやオセアニア各国などの当社主要市場で自動車需要が軟調に推移したことに加え、本年に入ってからは新型コロナウイルス感染症拡大による世界経済への影響が深刻化し、当連結会計年度末にかけて市場環境が急速に悪化しました。この結果、通期の販売台数(小売)は1,127千台(前年度比△117千台、同△9%)と前連結会計年度を下回ることとなりました。
主な地域別の販売状況は次のとおりです。
アセアンでは、当連結会計年度下期以降、中国の景気減速の影響で市場そのものが縮小したことに加え、年度末にかけて新型コロナウイルス感染拡大の影響を大きく受けた結果、通期の販売台数は290千台(前年度比△28千台)となりました。
豪州・ニュージーランドでは、最大の貿易国である中国の景気減速の影響等により、自動車需要が大幅に減少した結果、通期の販売台数は88千台(前年度比△14千台)となりました。
日本では、eKシリーズのフルモデルチェンジなど意欲的に新車を投入しましたが、消費増税の反動減や、新型コロナウイルス感染拡大影響もあり、通期の販売台数は95千台(前年度比△10千台)となりました。
中国を含むその他地域では、需要の低迷に加え、新型コロナウイルス感染拡大による経済活動停止の影響により、通期の販売台数は162千台(前年度比△10千台)となりました。
北米では、販売セグメントの競争激化が進む中、期末には新型コロナウイルス感染拡大による需要低迷により競争環境がさらに激しさを増した結果、通期の販売台数は160千台(前年度比△13千台)となりました。
欧州では、当社が強みを持つアウトランダーPHEVの戦略的販売拡大は計画にそって伸長しましたが、全体の需要が軟調に推移したため、その影響で通期の販売台数は215千台(前年度比△21千台)となりました。
なお、中国の販売実績について、当連結会計年度から小売販売台数の集計方法を変更しました。このため、当連結会計年度に計上する小売台数については、前連結会計年度以前に計上した台数が含まれている場合があります。
自動車需要の落ち込みが進む中、当社グループは収支バランスを改善すべく、徹底した費用管理と投資の厳選を進め、固定費・経費の圧縮に努めました。しかしながら、新型コロナウイルス感染症拡大による販売台数の急減は当社の想定を大きく超えており、また、前連結会計年度からの為替の悪化なども重なった結果、当連結会計年度における当社グループの売上高は2兆2,703億円(前年度比△2,443億円、同△10%)、営業利益は128億円(前年度比△990億円、同△89%)と、減収減益となりました。また、営業減益に加え、持分法による投資損益の悪化などもあり、経常損益は38億円の損失、親会社株主に帰属する当期純損益は258億円の損失となりました。
なお、前年度からの営業利益変動のうち、販売台数・車種構成等の悪化による影響は△505億円であり、そのうちのおよそ30%以上が新型コロナウイルス感染症拡大の影響によるものと認識しています。
事業別セグメントの状況は以下の通りです。
(ⅰ)自動車
当連結会計年度における自動車事業に係る売上高は2兆2,519億円(前年度比△2,437億円)となり、営業利益は78億円(前年度比△1,006億円)となりました。営業減益は、主として販売台数の減少によるものです。
(ⅱ)金融
当連結会計年度における金融事業に係る売上高は404億円(前年度比+163億円)となり、営業利益は56億円(前年度比+16億円)となりました。
② 財政状態
当連結会計年度末の総資産は1兆9,381億円(前年度末比△722億円)となりました。そのうち現金及び預金は3,996億円(前年度末比△1,013億円)となりました。負債合計は1兆1,497億円(前年度末比+206億円)となり、そのうち有利子負債残高は、2,994億円(前年度末比+684億円)となりました。純資産は7,884億円(前年度末比△928億円)となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
① キャッシュ・フローの基本的な考え方
当社は、財務規律を維持しつつ健全で持続可能な成長を図り、企業価値を高めることで、株主の皆様への成果配分を安定的に維持することを基本としており、フリー・キャッシュ・フローをそのための経営管理指標の一つとして設定しております。
この考え方に基づき、当社グループにおける自動車の開発・生産・販売等の事業活動における運転資金需要(材料費、人件費、各種経費、金融事業に係る貸付資金等)や、MaaSやCASEなどの新技術や環境規制対応、老朽化した生産用設備の維持・更新などの設備資金需要の一元管理を行い、斯かる資金需要に対する対応は毎年、当社が新たに生み出すキャッシュ・フローを原資とすることを基本とし、必要に応じて過年度まで蓄積された内部資金の活用や金融機関からの借入やCPの発行により資金調達を行っております。
(注)フリー・キャッシュ・フローの算出においては、以下の計算式を使っております。
営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローの合計です。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローは、営業活動により188億円の収入(前年度比1,273億円の収入減少)、投資活動により1,057億円の支出(前年度比392億円の支出減少)、財務活動により96億円の収入(前年度比846億円の収入増加)となりました。加えて、現金及び現金同等物に係る為替換算差額等による126億円の減少もあり、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度末残高に対し899億円減少し、3,996億円となりました。
なお、当連結会計年度のフリー・キャッシュ・フローは、徹底した投資の厳選を進め投資活動による支出抑制を図ったものの、減収減益等に伴う営業活動による収入の減少が大きく、869億円の支出(前年度比881億円の支出増加)となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による収入は188億円となり、前連結会計年度の1,461億円の収入に対し1,273億円の収入減少となりました。これは主として、減収減益やそれに伴う仕入債務の減少、棚卸資産の増加等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による支出は1,057億円となり、前連結会計年度の1,449億円の支出に対し392億円の支出減少となりました。これは主として、設備投資の減少によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による収入は96億円となり、前連結会計年度の750億円の支出に対し846億円の収入増加となりました。これは主として、借入金の増加等によるものであります。
③ 資金の流動性及び資金調達
当連結会計年度末の連結預金残高は3,996億円、連結有利子負債残高は2,994億円となりました。また当社単体において、国内金融機関からは1,500億円のコミットメントラインを設定しており、現預金残高にコミットメントラインを加えた流動性は、月商の2.5か月以上に相当する約5,500億円となっております。
また足許の新型コロナウィルス感染症拡大に伴う事業環境の悪化による資金需要の増加に備えて、上記の流動性に加え、当社単体において新たに2,000億円の資金調達を行うなど国内外の金融機関から借入を進めており、当社グループの事業の維持拡大、運営に必要な資金の確保に努めております。
なお、当社グループは適切な国内2社の格付機関から格付を取得しており、本報告書提出時点において、格付投資情報センター:「BBB+」、S&P:「BB」となっております。
(3)生産、受注及び販売の実績
① 生産実績
当連結会計年度における生産実績は次のとおりであります。
(注)1.生産実績は当社及び連結子会社の完成車(国内はKDを含む)の生産台数を示し、他社へのOEM供給及び共同開発車の当社生産分を含んでおります。
2.海外生産台数には、従来統計に含めていた中国での現地ブランド車を2012年4月の統計より含めておりません。
② 受注実績
当社は、大口需要等特別の場合を除き、見込生産を行っております。
③ 販売実績
当連結会計年度における販売実績は、次のとおりであります。
(注)1.販売実績は、外部顧客の所在地別の当社及び連結子会社の完成車及びKDパックの卸売り台数を示しております。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
3.上記金額は、消費税等を含んでおりません。
(4)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成に当り、連結会計年度末日における資産・負債の計上および偶発資産・負債の開示、ならびに報告期間における収益・費用の計上に影響を与える見積りおよび仮定設定を行っております。これらの見積りは、過去の実績や合理的と考えられる方法に基づき行われておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等」の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、特に次の重要な会計方針が当社グループの連結財務諸表における重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。
① 燃費試験関連損失引当金
当社は、燃費試験に関連した損失に備えるため、当連結会計年度末において合理的に見積もることが可能な金額を計上しております。
② 市場措置関連費用
当社グループは、各国の安全・環境に関する規制の下で、規制に適合しない販売済みの製品について、安心・安全を最優先とした自主的な回収・修理を行うことによる将来発生費用を見積もって計上しております。
③ 製品保証引当金
当社グループは、製品のアフターサービスに対する費用の支出に備えるため、保証書の約款に従い過去の実績を基礎に将来の保証見込みを加味して計上しております。実際の製品不良率または修理コストが見積りと異なる場合、アフターサービス費用の見積額の修正が必要となる可能性があります。
④ 貸倒引当金
当社グループは、売上債権、貸付金等の貸倒損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しております。経済状況の変化等により顧客の財務状態が悪化し、その支払能力が低下した場合には、追加引当が必要となる可能性があります。
⑤ 退職給付費用及び債務
従業員退職給付費用および債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出されております。これらの前提条件には、割引率、将来の報酬水準、退職率、直近の統計数値に基づいて算出される死亡率および年金資産の長期収益率などが含まれております。実際の結果が前提条件と異なる場合、または前提条件が変更された場合、その影響は累積され、将来にわたって規則的に認識されるため、一般的には将来期間において認識される費用および計上される債務に影響を及ぼします。
⑥ 繰延税金資産の評価
当社グループでは、繰延税金資産について、回収可能性が高いと考えられる金額へ減額するために評価性引当額を控除し、純額を計上しております。評価性引当額は、将来の課税所得およびタックスプランニング等を勘案し算定しており、繰延税金資産の全部または一部を将来回収できないと判断した場合、当該判断を行った期間に繰延税金資産の調整額を費用として計上しております。また、繰延税金資産の計上金額を上回る繰延税金資産を将来回収できると判断した場合、繰延税金資産への調整により当該判断を行った期間に利益を増加させることとしております。
⑦ 投資有価証券の評価
当社グループは、価格変動性が高い公開会社の株式と、株価の決定が困難である非公開会社の株式を保有しております。当社グループは、投資有価証券の評価を一定期間ごとに見直し、その評価が取得原価または減損後の帳簿価額を一定率以上下回った場合、減損処理を実施しております。将来の市況悪化または投資先の業績不振により、現在の帳簿価額に反映されていない損失または帳簿価額の回収不能が発生した場合、減損処理の実施が必要となる可能性があります。
⑧ 固定資産の減損
当社グループは、固定資産の減損会計の適用に際し、生産用資産は主として事業会社単位、販売関連資産は主として事業拠点単位、賃貸用資産及び遊休資産は個々の資産グループとしてそれぞれグルーピングし、各グループの単位で将来キャッシュ・フローを見積もっております。将来キャッシュ・フローが帳簿価額を下回った場合、回収可能価額まで帳簿価額を減額しております。将来この回収可能価額が減少した場合、減損損失が発生し、損益に影響を与えることがあります。
なお、本項において含まれる将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
① 経営成績
当連結会計年度は、米中通商問題に端を発する景気の先行き不透明感が依然として漂うなど、当社グループにとって厳しい幕開けとなりました。
このような状況下、当社グループは、主力地域であるアセアンにおいて新型『パジェロスポーツ』や新型『エクスパンダー クロス』を発売し、また日本においては、前連結会計年度末に発売した新型軽ハイトワゴン『eKクロス/eKワゴン』の通年貢献の最大化を図るとともに、新型軽スーパーハイトワゴン『eKクロス スペース/eKスペース』を2020年3月に発売するなど、販売台数の拡大に努めました。
しかしながら、中国の景気低迷の影響を受け、貿易国であるアセアンやオセアニア各国などの当社主要市場で自動車需要が軟調に推移したことに加え、本年に入ってからは新型コロナウイルス感染症拡大による世界経済への影響が深刻化し、当連結会計年度末にかけて市場環境が急速に悪化しました。この結果、通期の販売台数(小売)は1,127千台(前年度比△117千台、同△9%)と前連結会計年度を下回ることとなりました。
主な地域別の販売状況は次のとおりです。
アセアンでは、当連結会計年度下期以降、中国の景気減速の影響で市場そのものが縮小したことに加え、年度末にかけて新型コロナウイルス感染拡大の影響を大きく受けた結果、通期の販売台数は290千台(前年度比△28千台)となりました。
豪州・ニュージーランドでは、最大の貿易国である中国の景気減速の影響等により、自動車需要が大幅に減少した結果、通期の販売台数は88千台(前年度比△14千台)となりました。
日本では、eKシリーズのフルモデルチェンジなど意欲的に新車を投入しましたが、消費増税の反動減や、新型コロナウイルス感染拡大影響もあり、通期の販売台数は95千台(前年度比△10千台)となりました。
中国を含むその他地域では、需要の低迷に加え、新型コロナウイルス感染拡大による経済活動停止の影響により、通期の販売台数は162千台(前年度比△10千台)となりました。
北米では、販売セグメントの競争激化が進む中、期末には新型コロナウイルス感染拡大による需要低迷により競争環境がさらに激しさを増した結果、通期の販売台数は160千台(前年度比△13千台)となりました。
欧州では、当社が強みを持つアウトランダーPHEVの戦略的販売拡大は計画にそって伸長しましたが、全体の需要が軟調に推移したため、その影響で通期の販売台数は215千台(前年度比△21千台)となりました。
なお、中国の販売実績について、当連結会計年度から小売販売台数の集計方法を変更しました。このため、当連結会計年度に計上する小売台数については、前連結会計年度以前に計上した台数が含まれている場合があります。
自動車需要の落ち込みが進む中、当社グループは収支バランスを改善すべく、徹底した費用管理と投資の厳選を進め、固定費・経費の圧縮に努めました。しかしながら、新型コロナウイルス感染症拡大による販売台数の急減は当社の想定を大きく超えており、また、前連結会計年度からの為替の悪化なども重なった結果、当連結会計年度における当社グループの売上高は2兆2,703億円(前年度比△2,443億円、同△10%)、営業利益は128億円(前年度比△990億円、同△89%)と、減収減益となりました。また、営業減益に加え、持分法による投資損益の悪化などもあり、経常損益は38億円の損失、親会社株主に帰属する当期純損益は258億円の損失となりました。
なお、前年度からの営業利益変動のうち、販売台数・車種構成等の悪化による影響は△505億円であり、そのうちのおよそ30%以上が新型コロナウイルス感染症拡大の影響によるものと認識しています。
事業別セグメントの状況は以下の通りです。
(ⅰ)自動車
当連結会計年度における自動車事業に係る売上高は2兆2,519億円(前年度比△2,437億円)となり、営業利益は78億円(前年度比△1,006億円)となりました。営業減益は、主として販売台数の減少によるものです。
(ⅱ)金融
当連結会計年度における金融事業に係る売上高は404億円(前年度比+163億円)となり、営業利益は56億円(前年度比+16億円)となりました。
② 財政状態
当連結会計年度末の総資産は1兆9,381億円(前年度末比△722億円)となりました。そのうち現金及び預金は3,996億円(前年度末比△1,013億円)となりました。負債合計は1兆1,497億円(前年度末比+206億円)となり、そのうち有利子負債残高は、2,994億円(前年度末比+684億円)となりました。純資産は7,884億円(前年度末比△928億円)となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
① キャッシュ・フローの基本的な考え方
当社は、財務規律を維持しつつ健全で持続可能な成長を図り、企業価値を高めることで、株主の皆様への成果配分を安定的に維持することを基本としており、フリー・キャッシュ・フローをそのための経営管理指標の一つとして設定しております。
この考え方に基づき、当社グループにおける自動車の開発・生産・販売等の事業活動における運転資金需要(材料費、人件費、各種経費、金融事業に係る貸付資金等)や、MaaSやCASEなどの新技術や環境規制対応、老朽化した生産用設備の維持・更新などの設備資金需要の一元管理を行い、斯かる資金需要に対する対応は毎年、当社が新たに生み出すキャッシュ・フローを原資とすることを基本とし、必要に応じて過年度まで蓄積された内部資金の活用や金融機関からの借入やCPの発行により資金調達を行っております。
(注)フリー・キャッシュ・フローの算出においては、以下の計算式を使っております。
営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローの合計です。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローは、営業活動により188億円の収入(前年度比1,273億円の収入減少)、投資活動により1,057億円の支出(前年度比392億円の支出減少)、財務活動により96億円の収入(前年度比846億円の収入増加)となりました。加えて、現金及び現金同等物に係る為替換算差額等による126億円の減少もあり、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度末残高に対し899億円減少し、3,996億円となりました。
なお、当連結会計年度のフリー・キャッシュ・フローは、徹底した投資の厳選を進め投資活動による支出抑制を図ったものの、減収減益等に伴う営業活動による収入の減少が大きく、869億円の支出(前年度比881億円の支出増加)となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による収入は188億円となり、前連結会計年度の1,461億円の収入に対し1,273億円の収入減少となりました。これは主として、減収減益やそれに伴う仕入債務の減少、棚卸資産の増加等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による支出は1,057億円となり、前連結会計年度の1,449億円の支出に対し392億円の支出減少となりました。これは主として、設備投資の減少によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による収入は96億円となり、前連結会計年度の750億円の支出に対し846億円の収入増加となりました。これは主として、借入金の増加等によるものであります。
③ 資金の流動性及び資金調達
当連結会計年度末の連結預金残高は3,996億円、連結有利子負債残高は2,994億円となりました。また当社単体において、国内金融機関からは1,500億円のコミットメントラインを設定しており、現預金残高にコミットメントラインを加えた流動性は、月商の2.5か月以上に相当する約5,500億円となっております。
また足許の新型コロナウィルス感染症拡大に伴う事業環境の悪化による資金需要の増加に備えて、上記の流動性に加え、当社単体において新たに2,000億円の資金調達を行うなど国内外の金融機関から借入を進めており、当社グループの事業の維持拡大、運営に必要な資金の確保に努めております。
なお、当社グループは適切な国内2社の格付機関から格付を取得しており、本報告書提出時点において、格付投資情報センター:「BBB+」、S&P:「BB」となっております。
(3)生産、受注及び販売の実績
① 生産実績
当連結会計年度における生産実績は次のとおりであります。
当連結会計年度 数量(台) | 前連結会計年度比(%) | |
国 内 | 620,676 | 93.9 |
海 外 | 716,723 | 91.8 |
アジア | 696,575 | 92.5 |
その他 | 20,148 | 72.9 |
合計 | 1,337,399 | 92.8 |
(注)1.生産実績は当社及び連結子会社の完成車(国内はKDを含む)の生産台数を示し、他社へのOEM供給及び共同開発車の当社生産分を含んでおります。
2.海外生産台数には、従来統計に含めていた中国での現地ブランド車を2012年4月の統計より含めておりません。
② 受注実績
当社は、大口需要等特別の場合を除き、見込生産を行っております。
③ 販売実績
当連結会計年度における販売実績は、次のとおりであります。
当連結会計年度 | 前連結会計年度比(%) | |||
数量(台) | 金額(百万円) | 数量 | 金額 | |
国 内 | 263,695 | 460,473 | 105.0 | 107.4 |
海 外 | 1,079,169 | 1,809,803 | 87.8 | 86.8 |
北米 | 157,890 | 315,060 | 84.6 | 81.2 |
欧州 | 237,758 | 474,663 | 97.8 | 92.3 |
アジア | 462,041 | 593,645 | 85.5 | 89.4 |
オセアニア | 86,044 | 176,854 | 83.1 | 79.8 |
その他 | 135,436 | 249,579 | 87.3 | 83.6 |
合計 | 1,342,864 | 2,270,276 | 90.7 | 90.3 |
(注)1.販売実績は、外部顧客の所在地別の当社及び連結子会社の完成車及びKDパックの卸売り台数を示しております。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
金額(百万円) | 割合(%) | 金額(百万円) | 割合(%) | |
三菱商事株式会社 | 319,762 | 12.7 | ‐ | ‐ |
3.上記金額は、消費税等を含んでおりません。
(4)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成に当り、連結会計年度末日における資産・負債の計上および偶発資産・負債の開示、ならびに報告期間における収益・費用の計上に影響を与える見積りおよび仮定設定を行っております。これらの見積りは、過去の実績や合理的と考えられる方法に基づき行われておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等」の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、特に次の重要な会計方針が当社グループの連結財務諸表における重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。
① 燃費試験関連損失引当金
当社は、燃費試験に関連した損失に備えるため、当連結会計年度末において合理的に見積もることが可能な金額を計上しております。
② 市場措置関連費用
当社グループは、各国の安全・環境に関する規制の下で、規制に適合しない販売済みの製品について、安心・安全を最優先とした自主的な回収・修理を行うことによる将来発生費用を見積もって計上しております。
③ 製品保証引当金
当社グループは、製品のアフターサービスに対する費用の支出に備えるため、保証書の約款に従い過去の実績を基礎に将来の保証見込みを加味して計上しております。実際の製品不良率または修理コストが見積りと異なる場合、アフターサービス費用の見積額の修正が必要となる可能性があります。
④ 貸倒引当金
当社グループは、売上債権、貸付金等の貸倒損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しております。経済状況の変化等により顧客の財務状態が悪化し、その支払能力が低下した場合には、追加引当が必要となる可能性があります。
⑤ 退職給付費用及び債務
従業員退職給付費用および債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出されております。これらの前提条件には、割引率、将来の報酬水準、退職率、直近の統計数値に基づいて算出される死亡率および年金資産の長期収益率などが含まれております。実際の結果が前提条件と異なる場合、または前提条件が変更された場合、その影響は累積され、将来にわたって規則的に認識されるため、一般的には将来期間において認識される費用および計上される債務に影響を及ぼします。
⑥ 繰延税金資産の評価
当社グループでは、繰延税金資産について、回収可能性が高いと考えられる金額へ減額するために評価性引当額を控除し、純額を計上しております。評価性引当額は、将来の課税所得およびタックスプランニング等を勘案し算定しており、繰延税金資産の全部または一部を将来回収できないと判断した場合、当該判断を行った期間に繰延税金資産の調整額を費用として計上しております。また、繰延税金資産の計上金額を上回る繰延税金資産を将来回収できると判断した場合、繰延税金資産への調整により当該判断を行った期間に利益を増加させることとしております。
⑦ 投資有価証券の評価
当社グループは、価格変動性が高い公開会社の株式と、株価の決定が困難である非公開会社の株式を保有しております。当社グループは、投資有価証券の評価を一定期間ごとに見直し、その評価が取得原価または減損後の帳簿価額を一定率以上下回った場合、減損処理を実施しております。将来の市況悪化または投資先の業績不振により、現在の帳簿価額に反映されていない損失または帳簿価額の回収不能が発生した場合、減損処理の実施が必要となる可能性があります。
⑧ 固定資産の減損
当社グループは、固定資産の減損会計の適用に際し、生産用資産は主として事業会社単位、販売関連資産は主として事業拠点単位、賃貸用資産及び遊休資産は個々の資産グループとしてそれぞれグルーピングし、各グループの単位で将来キャッシュ・フローを見積もっております。将来キャッシュ・フローが帳簿価額を下回った場合、回収可能価額まで帳簿価額を減額しております。将来この回収可能価額が減少した場合、減損損失が発生し、損益に影響を与えることがあります。