有価証券報告書
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財務状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
なお、本項において含まれる将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
① 経営成績
2018年末以降、米中の通商問題等の影響により世界経済の減速感が鮮明化するなど、収益環境が厳しさを増す中で、当社は中期経営計画「Drive for Growth」に掲げた目標を実現すべく、新型車『エクスパンダー』『エクリプス クロス』や新型『デリカD:5』等の販売活動に精力的に取り組みました。その結果、当連結会計年度におけるグローバル販売台数は1,244千台(前年度比+143千台、同+13%)となりました。
(ⅰ)売上高
以上のようなグローバル販売を背景に、当連結会計年度における売上高は2兆5,146億円(前年度比+3,222億円、同+14.7%)となりました。
(ⅱ)営業利益
営業利益は1,118億円(前年度比+136億円)となりました。
(ⅲ)経常利益及び親会社株主に帰属する当期純利益
経常利益は1,199億円(前年度比+98億円)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は1,329億円(前年度比+253億円)となりました。
主な地域別状況は、以下の通りであります。
中期経営計画の主力地域の一つに位置づけるアセアン地域では、『エクスパンダー』がインドネシアのみならずフィリピン、タイ、ベトナムなどでも販売を開始し、販売台数は前年度比17%増の318千台となりました。
日本市場では、当社のグローバル戦略車種である『エクリプス クロス』や『アウトランダーPHEV』に加え、新型『デリカD:5』が販売増を牽引し、前年度比7%増の105千台となるなど回復基調が続いています。加えて、2019年3月には新型軽自動車『ekワゴン』『ekクロス』を発売しました。
その他、主力地域であるオセアニア、注力地域である北米・中国他なども含め、全地域で販売台数が前連結会計年度を超える結果となりました。
② セグメントごとの経営成績
当社の報告セグメントについては、第1四半期連結会計期間において、金融事業を営むMMCダイヤモンドファイナンス株式会社を連結子会社化したことに伴い、セグメント区分方法の見直しを行った結果、報告セグメントを従来の「自動車事業」の単一セグメントから、「自動車事業」及び「金融事業」の2区分に変更しております。
(ⅰ)自動車
当連結会計年度における自動車事業に係る売上高は、2兆4,956億円となり、営業利益は、1,084億円となりました。
(ⅱ)金融
当連結会計年度における金融事業に係る売上高は、241億円となり、営業利益は、41億円となりました。
③ 財政状態
※当連結会計年度の期首から「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 2018年2月16日)を適用しており、財政状態の状況については、当該会計基準等を遡って適用した後の数値で前連結会計年度との比較・分析を行っております。
当連結会計年度末の総資産は2兆103 億円(前年度末比+3,641 億円)となりました。そのうち現金及び預金は5,009億円(前年度末比△710 億円)となりました。負債合計は1兆1,291 億円(前年度末比+2,794 億円)となり、そのうち有利子負債残高は、2,287 億円(前年度末比+2,021 億円)となりました。純資産は8,812 億円(前年度末比+846 億円)となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローは、営業活動により1,461億円の収入、投資活動により1,449億円の支出、財務活動により750億円の支出となりました。加えて、現金及び現金同等物に係る為替換算差額による39億円の増加等もあり、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度末残高に対し695億円減少し、4,895億円となりました。なお、当連結会計年度のフリー・キャッシュ・フローは12億円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による収入は1,461億円となり、前連結会計年度の1,196億円の収入に対し265億円の収入増加となりました。これは主として、売上債権の減少や棚卸資産の増加額の減少等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による支出は1,449億円となり、前連結会計年度の971億円の支出に対し478億円の支出増加となりました。これは主として、設備投資の増額によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による支出は750億円となり、前連結会計年度の232億円の支出に対し518億円の支出増加となりました。これは主として、配当金支払いや借入金の返済等によるものであります。
(注)フリー・キャッシュ・フローの算出においては、以下の計算式を使っております。
営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローの合計です。
(3)生産、受注及び販売の実績
① 生産実績
当連結会計年度における生産実績は次のとおりであります。
(注)1.生産実績は当社及び連結子会社の完成車(国内はKDを含む)の生産台数を示し、他社へのOEM供給及び共同開発車の当社生産分を含んでおります。
2.海外生産台数には、従来統計に含めていた中国での現地ブランド車を2012年4月の統計より含めておりません。
② 受注実績
当社は、大口需要等特別の場合を除き、見込生産を行っております。
③ 販売実績
当連結会計年度における販売実績は、次のとおりであります。
(注)1.販売実績は、外部顧客の所在地別の当社及び連結子会社の完成車及びKDパックの卸売り台数を示しております。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
3.上記金額は、消費税等を含んでおりません。
(4)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成に当り、連結会計年度末日における資産・負債の計上および偶発資産・負債の開示、ならびに報告期間における収益・費用の計上に影響を与える見積りおよび仮定設定を行っております。これらの見積りは、過去の実績や合理的と考えられる方法に基づき行われておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等」の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、特に次の重要な会計方針が当社グループの連結財務諸表における重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。
① 燃費試験関連損失引当金
当社は、燃費試験に関連した損失に備えるため、当連結会計年度末において合理的に見積ることが可能な金額を計上しております。
② 市場措置関連費用
当社グループは、各国の安全・環境に関する規制の下で、規制に適合しない販売済みの製品について、安心・安全を最優先とした自主的な回収・修理を行うことによる将来発生費用を見積もって計上しております。
③ 製品保証引当金
当社グループは、製品のアフターサービスに対する費用の支出に備えるため、保証書の約款に従い過去の実績を基礎に将来の保証見込みを加味して計上しております。実際の製品不良率または修理コストが見積りと異なる場合、アフターサービス費用の見積額の修正が必要となる可能性があります。
④ 貸倒引当金
当社グループは、売上債権、貸付金等の貸倒損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しております。経済状況の変化等により顧客の財務状態が悪化し、その支払能力が低下した場合には、追加引当が必要となる可能性があります。
⑤ 退職給付費用及び債務
従業員退職給付費用および債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出されております。これらの前提条件には、割引率、将来の報酬水準、退職率、直近の統計数値に基づいて算出される死亡率および年金資産の長期収益率などが含まれております。実際の結果が前提条件と異なる場合、または前提条件が変更された場合、その影響は累積され、将来にわたって規則的に認識されるため、一般的には将来期間において認識される費用および計上される債務に影響を及ぼします。
⑥ 繰延税金資産の評価
当社グループでは、繰延税金資産について、回収可能性が高いと考えられる金額へ減額するために評価性引当額を控除し、純額を計上しております。評価性引当額は、将来の課税所得およびタックスプランニング等を勘案し算定しており、繰延税金資産の全部または一部を将来回収できないと判断した場合、当該判断を行った期間に繰延税金資産の調整額を費用として計上しております。また、繰延税金資産の計上金額を上回る繰延税金資産を将来回収できると判断した場合、繰延税金資産への調整により当該判断を行った期間に利益を増加させることとしております。
⑦ 投資有価証券の評価
当社グループは、価格変動性が高い公開会社の株式と、株価の決定が困難である非公開会社の株式を保有しております。当社グループは、投資有価証券の評価を一定期間ごとに見直し、その評価が取得原価または減損後の帳簿価額を一定率以上下回った場合、減損処理を実施しております。将来の市況悪化または投資先の業績不振により、現在の帳簿価額に反映されていない損失または帳簿価額の回収不能が発生した場合、減損処理の実施が必要となる可能性があります。
⑧ 固定資産の減損
当社グループは、固定資産の減損会計の適用に際し、生産用資産は主として事業会社単位、販売関連資産は主として事業拠点単位、賃貸用資産及び遊休資産は個々の資産グループとしてそれぞれグルーピングし、各グループの単位で将来キャッシュ・フローを見積っております。将来キャッシュ・フローが帳簿価額を下回った場合、回収可能価額まで帳簿価額を減額しております。将来この回収可能価額が減少した場合、減損損失が発生し、損益に影響を与えることがあります。
(5)資本の財源及び資金の流動性についての分析
資金需要
当社グループの事業活動における運転資金需要(営業活動における資金需要)の主なものは、自動車及びその部品の開発、生産、販売に係る材料費、人件費、販売費及び一般管理費等があります。また、金融事業に係る貸付資金等の需要があります。
設備資金需要(投資活動における資金需要)としては、厳しい環境規制への対応やCASE(Connected(つながる)、Autonomous(自動運転)、Shared(共有)、Electric(電動化))と呼ばれる技術革新に対応する次世代車の研究開発のための先行投資や、老朽化した生産用設備の維持・更新に係る投資等があります。
財政政策
当社において、かかる資金需要の一元管理を行い、投資とのバランスがとれた健全で持続可能な成長を
目指すため、資金需要に対する対応は毎年、当社が新たに生み出すキャッシュフローを原資とすることを基本とし、必要に応じて過年度まで蓄積された内部資金の活用や金融事業を中心とした金融機関からの借入やCPの発行により資金調達を行っております。
当連結会計年度末の有利子負債残高は、国内において金融事業を営むMMCダイヤモンドファイナンス株式会社を連結子会社化したこと等に伴い、前年度から2,021億円増加し、2,287億円となりました。
当社グループは国内2社の格付機関から格付を取得しており、本報告書提出時点において、格付投資情報センター:「BBB」、S&P:「BB+」となっております。また単体において国内金融機関からは1,500億円のコミットメントラインを設定するなど金融機関からは充分な借入枠を有し流動性を確保しており、当社グループの事業の維持拡大、運営に必要な資金の調達は今後も可能であると考えております。
なお、本項において含まれる将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
① 経営成績
2018年末以降、米中の通商問題等の影響により世界経済の減速感が鮮明化するなど、収益環境が厳しさを増す中で、当社は中期経営計画「Drive for Growth」に掲げた目標を実現すべく、新型車『エクスパンダー』『エクリプス クロス』や新型『デリカD:5』等の販売活動に精力的に取り組みました。その結果、当連結会計年度におけるグローバル販売台数は1,244千台(前年度比+143千台、同+13%)となりました。
(ⅰ)売上高
以上のようなグローバル販売を背景に、当連結会計年度における売上高は2兆5,146億円(前年度比+3,222億円、同+14.7%)となりました。
(ⅱ)営業利益
営業利益は1,118億円(前年度比+136億円)となりました。
(ⅲ)経常利益及び親会社株主に帰属する当期純利益
経常利益は1,199億円(前年度比+98億円)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は1,329億円(前年度比+253億円)となりました。
主な地域別状況は、以下の通りであります。
中期経営計画の主力地域の一つに位置づけるアセアン地域では、『エクスパンダー』がインドネシアのみならずフィリピン、タイ、ベトナムなどでも販売を開始し、販売台数は前年度比17%増の318千台となりました。
日本市場では、当社のグローバル戦略車種である『エクリプス クロス』や『アウトランダーPHEV』に加え、新型『デリカD:5』が販売増を牽引し、前年度比7%増の105千台となるなど回復基調が続いています。加えて、2019年3月には新型軽自動車『ekワゴン』『ekクロス』を発売しました。
その他、主力地域であるオセアニア、注力地域である北米・中国他なども含め、全地域で販売台数が前連結会計年度を超える結果となりました。
② セグメントごとの経営成績
当社の報告セグメントについては、第1四半期連結会計期間において、金融事業を営むMMCダイヤモンドファイナンス株式会社を連結子会社化したことに伴い、セグメント区分方法の見直しを行った結果、報告セグメントを従来の「自動車事業」の単一セグメントから、「自動車事業」及び「金融事業」の2区分に変更しております。
(ⅰ)自動車
当連結会計年度における自動車事業に係る売上高は、2兆4,956億円となり、営業利益は、1,084億円となりました。
(ⅱ)金融
当連結会計年度における金融事業に係る売上高は、241億円となり、営業利益は、41億円となりました。
③ 財政状態
※当連結会計年度の期首から「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 2018年2月16日)を適用しており、財政状態の状況については、当該会計基準等を遡って適用した後の数値で前連結会計年度との比較・分析を行っております。
当連結会計年度末の総資産は2兆103 億円(前年度末比+3,641 億円)となりました。そのうち現金及び預金は5,009億円(前年度末比△710 億円)となりました。負債合計は1兆1,291 億円(前年度末比+2,794 億円)となり、そのうち有利子負債残高は、2,287 億円(前年度末比+2,021 億円)となりました。純資産は8,812 億円(前年度末比+846 億円)となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローは、営業活動により1,461億円の収入、投資活動により1,449億円の支出、財務活動により750億円の支出となりました。加えて、現金及び現金同等物に係る為替換算差額による39億円の増加等もあり、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度末残高に対し695億円減少し、4,895億円となりました。なお、当連結会計年度のフリー・キャッシュ・フローは12億円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による収入は1,461億円となり、前連結会計年度の1,196億円の収入に対し265億円の収入増加となりました。これは主として、売上債権の減少や棚卸資産の増加額の減少等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による支出は1,449億円となり、前連結会計年度の971億円の支出に対し478億円の支出増加となりました。これは主として、設備投資の増額によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による支出は750億円となり、前連結会計年度の232億円の支出に対し518億円の支出増加となりました。これは主として、配当金支払いや借入金の返済等によるものであります。
(注)フリー・キャッシュ・フローの算出においては、以下の計算式を使っております。
営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローの合計です。
(3)生産、受注及び販売の実績
① 生産実績
当連結会計年度における生産実績は次のとおりであります。
当連結会計年度 数量(台) | 前連結会計年度比(%) | |
国 内 | 660,880 | 112.1 |
海 外 | 780,347 | 114.6 |
アジア | 752,710 | 113.8 |
その他 | 27,637 | 139.8 |
合計 | 1,441,227 | 113.4 |
(注)1.生産実績は当社及び連結子会社の完成車(国内はKDを含む)の生産台数を示し、他社へのOEM供給及び共同開発車の当社生産分を含んでおります。
2.海外生産台数には、従来統計に含めていた中国での現地ブランド車を2012年4月の統計より含めておりません。
② 受注実績
当社は、大口需要等特別の場合を除き、見込生産を行っております。
③ 販売実績
当連結会計年度における販売実績は、次のとおりであります。
当連結会計年度 | 前連結会計年度比(%) | |||
数量(台) | 金額(百万円) | 数量 | 金額 | |
国 内 | 251,052 | 428,674 | 111.5 | 122.7 |
海 外 | 1,228,728 | 2,085,920 | 118.7 | 113.2 |
北米 | 186,716 | 387,850 | 102.5 | 110.0 |
欧州 | 243,054 | 514,070 | 116.9 | 115.6 |
アジア | 540,225 | 663,937 | 125.3 | 113.3 |
オセアニア | 103,521 | 221,617 | 107.7 | 92.0 |
その他 | 155,212 | 298,444 | 132.2 | 136.6 |
合計 | 1,479,780 | 2,514,594 | 117.4 | 114.7 |
(注)1.販売実績は、外部顧客の所在地別の当社及び連結子会社の完成車及びKDパックの卸売り台数を示しております。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
金額(百万円) | 割合(%) | 金額(百万円) | 割合(%) | |
三菱商事株式会社 | 295,138 | 13.5 | 319,762 | 12.7 |
3.上記金額は、消費税等を含んでおりません。
(4)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成に当り、連結会計年度末日における資産・負債の計上および偶発資産・負債の開示、ならびに報告期間における収益・費用の計上に影響を与える見積りおよび仮定設定を行っております。これらの見積りは、過去の実績や合理的と考えられる方法に基づき行われておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等」の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、特に次の重要な会計方針が当社グループの連結財務諸表における重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。
① 燃費試験関連損失引当金
当社は、燃費試験に関連した損失に備えるため、当連結会計年度末において合理的に見積ることが可能な金額を計上しております。
② 市場措置関連費用
当社グループは、各国の安全・環境に関する規制の下で、規制に適合しない販売済みの製品について、安心・安全を最優先とした自主的な回収・修理を行うことによる将来発生費用を見積もって計上しております。
③ 製品保証引当金
当社グループは、製品のアフターサービスに対する費用の支出に備えるため、保証書の約款に従い過去の実績を基礎に将来の保証見込みを加味して計上しております。実際の製品不良率または修理コストが見積りと異なる場合、アフターサービス費用の見積額の修正が必要となる可能性があります。
④ 貸倒引当金
当社グループは、売上債権、貸付金等の貸倒損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しております。経済状況の変化等により顧客の財務状態が悪化し、その支払能力が低下した場合には、追加引当が必要となる可能性があります。
⑤ 退職給付費用及び債務
従業員退職給付費用および債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出されております。これらの前提条件には、割引率、将来の報酬水準、退職率、直近の統計数値に基づいて算出される死亡率および年金資産の長期収益率などが含まれております。実際の結果が前提条件と異なる場合、または前提条件が変更された場合、その影響は累積され、将来にわたって規則的に認識されるため、一般的には将来期間において認識される費用および計上される債務に影響を及ぼします。
⑥ 繰延税金資産の評価
当社グループでは、繰延税金資産について、回収可能性が高いと考えられる金額へ減額するために評価性引当額を控除し、純額を計上しております。評価性引当額は、将来の課税所得およびタックスプランニング等を勘案し算定しており、繰延税金資産の全部または一部を将来回収できないと判断した場合、当該判断を行った期間に繰延税金資産の調整額を費用として計上しております。また、繰延税金資産の計上金額を上回る繰延税金資産を将来回収できると判断した場合、繰延税金資産への調整により当該判断を行った期間に利益を増加させることとしております。
⑦ 投資有価証券の評価
当社グループは、価格変動性が高い公開会社の株式と、株価の決定が困難である非公開会社の株式を保有しております。当社グループは、投資有価証券の評価を一定期間ごとに見直し、その評価が取得原価または減損後の帳簿価額を一定率以上下回った場合、減損処理を実施しております。将来の市況悪化または投資先の業績不振により、現在の帳簿価額に反映されていない損失または帳簿価額の回収不能が発生した場合、減損処理の実施が必要となる可能性があります。
⑧ 固定資産の減損
当社グループは、固定資産の減損会計の適用に際し、生産用資産は主として事業会社単位、販売関連資産は主として事業拠点単位、賃貸用資産及び遊休資産は個々の資産グループとしてそれぞれグルーピングし、各グループの単位で将来キャッシュ・フローを見積っております。将来キャッシュ・フローが帳簿価額を下回った場合、回収可能価額まで帳簿価額を減額しております。将来この回収可能価額が減少した場合、減損損失が発生し、損益に影響を与えることがあります。
(5)資本の財源及び資金の流動性についての分析
資金需要
当社グループの事業活動における運転資金需要(営業活動における資金需要)の主なものは、自動車及びその部品の開発、生産、販売に係る材料費、人件費、販売費及び一般管理費等があります。また、金融事業に係る貸付資金等の需要があります。
設備資金需要(投資活動における資金需要)としては、厳しい環境規制への対応やCASE(Connected(つながる)、Autonomous(自動運転)、Shared(共有)、Electric(電動化))と呼ばれる技術革新に対応する次世代車の研究開発のための先行投資や、老朽化した生産用設備の維持・更新に係る投資等があります。
財政政策
当社において、かかる資金需要の一元管理を行い、投資とのバランスがとれた健全で持続可能な成長を
目指すため、資金需要に対する対応は毎年、当社が新たに生み出すキャッシュフローを原資とすることを基本とし、必要に応じて過年度まで蓄積された内部資金の活用や金融事業を中心とした金融機関からの借入やCPの発行により資金調達を行っております。
当連結会計年度末の有利子負債残高は、国内において金融事業を営むMMCダイヤモンドファイナンス株式会社を連結子会社化したこと等に伴い、前年度から2,021億円増加し、2,287億円となりました。
当社グループは国内2社の格付機関から格付を取得しており、本報告書提出時点において、格付投資情報センター:「BBB」、S&P:「BB+」となっております。また単体において国内金融機関からは1,500億円のコミットメントラインを設定するなど金融機関からは充分な借入枠を有し流動性を確保しており、当社グループの事業の維持拡大、運営に必要な資金の調達は今後も可能であると考えております。