四半期報告書

【提出】
2022/08/04 16:05
【資料】
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【項目】
40項目
本項において含まれる将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
① 経営成績
当社の2022年度は、中国上海地域におけるロックダウン、世界的な部品供給不足、物流の混乱など、不透明な経営環境のなかスタートしました。その一方で、昨年度から推進しております、販売の質改善の成果が徐々に顕在化したこと、これに為替の追い風が加わり、当社業績は、前年同期比で大幅に改善しました。
この結果、当社グループの売上高は5,287億円(前年同期比+968億円、同+22%)、営業利益は、昨年度に投入した新車効果やアセアン市場の販売活動正常化、ミックス・売価の改善等により、308億円(前年同期比+202億円、同+191%)となりました。さらに、経常利益は495億円(前年同期比+383億円、同+342%)、親会社株主に帰属する四半期純利益は386億円(前年同期比+325億円、同+533%)となりました。
また、当第1四半期連結累計期間におけるグローバル販売台数は217千台となりました。主な地域別の販売状況は次のとおりです。
・ アセアン : 65千台(前年同期比 +7千台)
・ 豪州・ニュージーランド : 24千台( 同上 △1千台)
・ 日本 : 18千台( 同上 +3千台)
・ 中国他 : 11千台( 同上 △10千台)
・ 北米 : 35千台( 同上 △4千台)
・ 欧州 : 20千台( 同上 △13千台)
・ 中南米、中東、アフリカ他: 44千台( 同上 +5千台)
主な地域の販売状況は以下のとおりです。
タイにおける新型コロナウイルスの新規感染者数は4月以降減少しており、行動制限の段階的緩和、及び観光客の受け入れ再開も進んでおります。一方で、半導体をはじめとする部品供給不足の影響は大きく改善していないため、全体需要に影響を及ぼしました。当社におきましても、特に販売の中心となる『エクスパンダー』、『トライトン』、『パジェロスポーツ』等で、半導体不足や上海ロックダウンによる部品不足の影響を受けました。なお、今春より投入いたしました新型『エクスパンダー』は好評を博しており、当セグメント内にてトップシェアとなりました。
インドネシアも同様に、特に『エクスパンダー』等が、部品供給制約や上海ロックダウンによる生産制約を大きく受けておりますが、受注台数そのものは好調に推移しており、バックオーダーの対応を優先しております。今後も、部品供給が不安定となる事が予測されており、供給制約の少ないモデル・グレードでの販売台数を底上げすると同時に、お待たせしているお客様のフォローに注力いたします。
行動制限の緩和により、経済活動の復調が顕在化してきたフィリピンでは、販売のボトルネックであった銀行ローン審査が正常化に向かっております。当社は、ローン承認基準厳格化で販売に苦慮していた『ミラージュ』が5月以降回復に転じた事、新型『エクスパンダー』を5月に投入開始した事等から、シェアを伴った販売台数の伸長が見られました。
ベトナムでは、国内観光需要の活性化や、3月中旬からの入国規制緩和の影響を受け、『エクスパンダー』、『アトラージュ』を中心に需要が回復してきました。また、5月まで実施された政府による景気刺激策による駆け込み需要もあり、市場は大きく拡大いたしました。その後6月には反動減が見られたものの、以降再び回復に転じております。その一方で、上海ロックダウンの影響もあり、需要の伸びに十分対応することができませんでした。
マレーシアも同様に市場が堅調に回復しており、当社販売も好調に推移しております。
いずれの国も、需要の回復基調は持続すると想定しているものの、ウクライナ情勢悪化をきっかけとした原油高・物価高による消費者購買意欲への影響や、部品不足問題による生産制約等、先行き不透明な状況は続いており、それらを注視しながら、各国の販売施策を進めてまいります。
豪州では車両供給制約の解消が見られない事を背景に、全体需要が伸び悩んでおります。当社販売は、在庫を整える事ができた『アウトランダー』、『パジェロスポーツ』の販売に集中することにより、シェアを伴った販売台数を確保することができました。
ニュージーランドの自動車総需要は「Clean Car Discountプログラム」により、PHEV/EV車種等の電動車需要は堅調に推移したものの、2022年4月以降、二酸化炭素排出量に応じた課金制度が開始されたことによる減少を補うまでには至りませんでした。そのような環境下において、当社販売は、Clean Car Discountプログラムの補助金対象である『エクリプス クロス』PHEVモデル及び、『アウトランダー』PHEVモデルの販売を強化することにより、前年同期比でシェアを拡大いたしました。
今後、豪州においては、景況感の低下や消費者信頼感指数の低下等から、販売モメンタムの低下が顕在化するリスクを想定しており、足元堅調なニュージーランドにおいても、インフレ率上昇により消費者心理が冷え込む可能性が示唆されております。状況を注視しつつ、半導体不足による生産台数影響を最小化し、新型車効果の最大化を図ります。
北米市場は、旺盛な需要に半導体不足や上海ロックダウン影響による部品供給遅れの影響により、車両の供給が全く追いついておらず、総需要が伸び悩んでおります。
当社は、新型『アウトランダー』が販売好調を維持しており、ディーラー小売向け供給を最優先しておりますが、旺盛な需要に対応しきれず、多くのバックオーダーを抱えている状況が続いております。
なお、これらの混乱により、新車在庫は歴史的低水準が続いており、需給改善時期にはまだ一定の時間を要すると想定しております。一方でこの先、中古車価格の下落や急激な金利上昇により、インセンティブの増加や景気減速のリスクを注視する必要があります。
当社は引き続き、13か月連続で月販3千台以上達成した好調な新型『アウトランダー』の更なる販売促進を通じ、商品力の訴求によりインセンティブに頼らない販売へのシフトを実現すべく尽力いたします。
日本国内の自動車総需要も、各国同様に半導体不足や上海ロックダウンの影響等による生産制約が続く中、自動車総需要は低水準となりました。
そういった環境下において、新型『アウトランダー』PHEVモデル、『eKクロス EV』が好調に推移したことに加え、生産遅延が想定よりも好転した事から、第1四半期は堅調な販売となりました。
今後も、慢性的な半導体不足や、インフレによる景気減速懸念等、当社を取り巻く経営環境は不透明ですが、好調に推移している新型車効果の最大化を図るとともに、サービス及びお客様接客品質向上等にも注力し、販売全体の質の向上を図ります。
② セグメントごとの経営成績
(ⅰ)自動車
当第1四半期連結累計期間における自動車事業に係る売上高は5,221億円(前年同期比+966億円)となり、営業利益は292億円(前年同期比+192億円)となりました。昨年度に投入した新車効果やアセアン市場の販売活動正常化、ミックス・売価の改善等により、前年同期比で好転しました。
(ⅱ)金融
当第1四半期連結累計期間における金融事業に係る売上高は87億円(前年同期比△12億円)となり、営業利益は12億円(前年同期比+0億円)となりました。
③ 財政状態
当第1四半期連結会計期間末の総資産は1兆9,148億円(前年度末比△136億円)となりました。そのうち現金及び預金は4,795億円(前年度末比△320億円)となりました。負債合計は1兆2,112億円(前年度末比△869億円)となり、そのうち有利子負債残高は、4,334億円(前年度末比△471億円)となりました。純資産は7,036億円(前年度末比+733億円)となりました。
(2)経営方針・経営戦略等及び対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等、及び当社グループ
が対処すべき課題について、重要な変更はありません。
(3)研究開発活動
当第1四半期連結累計期間における当社グループ全体の研究開発費(自動車事業)は、25,527百万円であります。
なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(4)生産、受注及び販売の実績
① 生産実績
当第1四半期連結累計期間における生産実績は次のとおりであります。
当第1四半期連結累計期間
数量(台)
前第1四半期連結累計期間比(%)
国 内83,42491.8
海 外117,51289.7
合計200,93690.5

② 販売実績
当第1四半期連結累計期間における販売実績は次のとおりであります。
当第1四半期連結累計期間前第1四半期連結累計期間比(%)
数量(台)金額(百万円)数量金額
国 内47,408112,241144.0148.7
海 外174,002416,45694.1116.8
合計221,410528,698101.6122.4

(注)販売実績は、外部顧客の所在地別の当社及び連結子会社の完成車及びKDパックの卸売り台数を示しており
ます。