有価証券報告書-第93期(2023/04/01-2024/03/31)
(1)経営成績等の状況の概要
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済は、米国では堅調な景気拡大が続きましたが、その一方で欧州の景気は低迷しました。その中で、中国経済の低迷、ウクライナ情勢の長期化、中東情勢の緊迫化、各国の金融引き締めの継続等により、景気回復への影響が懸念される状況が継続しました。
我が国経済におきましては、日米金利差を背景とした円安の継続や、エネルギー価格の高止まり等の影響により物価が上昇し、景気の回復は緩やかなものにとどまる等、先行き不透明な状況が継続しました。
このような経営環境の下、当社グループは、2021年6月に開示した「東京計器ビジョン2030」を実現させるため、中期事業計画の基本方針である「事業領域の拡大」、「グローバル化の推進」、「既存事業の継続的強化」に取り組んでまいりました。
「事業領域の拡大」につきましては、油空圧機器事業において、国立研究開発法人産業技術総合研究所とギ酸からの高圧水素製造装置の小型・実用化モデルの共同研究開発を開始しました。また、防衛・通信機器事業において、宇宙事業の拡大を図るため、小型衛星の複数機同時生産を可能にする宇宙棟を竣工しました。
「グローバル化の推進」につきましては、ベトナムの油圧機器生産子会社の更なる活用を進めるために、生産品目を拡充しました。
「既存事業の継続的強化」につきましては、船舶港湾機器事業において、公益財団法人日本財団が推進する無人運航船プロジェクトMEGURI2040における「無人運航船の社会実装に向けた技術開発助成プログラム」にコンソーシアムのメンバーとして参加し、ワーキンググループのリーダーとして主導的な立場で活動しました。また、防衛・通信機器事業において、昨今の防衛予算の増加を背景とする受注増に伴い、増産体制の強化と将来の新たな製品の開発・生産を行うために、防衛管理棟の建設を開始しました。加えて、その他の事業において、鉄道機器事業の販売拡大を図るため、鉄道保線業務の安全・効率化に貢献する新製品「軌道検査省力化システム」をリリースし、大手鉄道会社に初号機を納入しました。
このような取り組みの下、当社グループの当連結会計年度における業績につきましては、船舶港湾機器事業において海外市場が好調に推移するとともに為替相場が円安に推移したことや、防衛・通信機器事業において、海上保安庁向けの新規案件の納入等により売上高は前期比で増収となりました。また、利益につきましては、油空圧機器事業をはじめとした販売価格の適正化や製品構成の変化により原価率が改善したこと等から、全ての利益項目で大幅な増益となりました。
当連結会計年度の業績結果は、次のとおりであります。
(単位:百万円)
セグメントの業績は、次のとおりであります。
[船舶港湾機器事業]
(単位:百万円)
<売上高の状況>海外市場において、東アジアでの新造船向けや欧米での在来船向け機器が増加したこと、及び保守サービスが好調だったことに加え、為替が円安に推移したことから前期比で増収となりました。
<営業利益の状況>原材料価格高騰の影響があったものの、売上高の増加や円安効果により、前期比で大幅な増益となりました。
[油空圧機器事業]
(単位:百万円)
<売上高の状況>プラスチック加工機械市場や海外市場は低調に推移したものの、建設機械市場が堅調に推移したことに加え、ダムゲート向け油圧応用装置の納入が増加した結果、前期並みとなりました。
<営業利益の状況>販売価格の適正化による利益確保の取り組みが進展したこと等から、黒字に転換しました。
[流体機器事業]
(単位:百万円)
<売上高の状況>民需市場、海外市場は低調に推移したものの、官需市場においては下水道及び河川ダム向け案件が、消火設備市場においては、前期に引き続き「ガス系消火設備の容器弁の安全性に係る点検」に基づく部品販売及び交換工事が好調に推移したため、前期比で増収となりました。
<営業利益の状況>消火設備市場における部品販売及び交換工事の売上高の増加により原価率が改善し、前期比で増益となりました。
[防衛・通信機器事業]
(単位:百万円)
<売上高の状況>通信機器事業においては放送局向け機器が順調に推移し、防衛事業においては艦艇搭載機器が好調に推移したことに加え、海上保安庁向けWEB通報システムの新規納入があったことから前期比で増収となりました。
<営業利益の状況>売上高の増加、及び製品構成の変化による原価率の低減により黒字に転換しました。
[その他の事業]
(単位:百万円)
<売上高の状況>当事業では、検査機器事業において販売価格適正化の効果等により増収となったものの、鉄道機器事業における主力の超音波レール探傷車の販売減により減収となりました。
<営業利益の状況>検査機器事業において販売価格の適正化により原価率が改善したものの、鉄道機器事業における主力の超音波レール探傷車の販売減により、前期比で減益となりました。
財政状態の状況は、次のとおりであります。
(単位:百万円)
(資産の部)
増収により受取手形、売掛金及び契約資産や電子記録債権が増加したことに加え、部材の早期確保や受注増加に伴う在庫の積み増しにより原材料及び貯蔵品や仕掛品が増加したことにより、流動資産は前期末に比べ6,049百万円増加し、50,863百万円となりました。
また、宇宙棟が竣工したことに加え、投資有価証券及び退職給付に係る資産が増加したため、固定資産は前期末に比べ4,306百万円増加し、16,115百万円となりました。
以上の結果、前期末に比べ10,354百万円増加し、66,978百万円となりました。
(負債の部)
過去最高の受注残高に伴う資金需要に備え、長期借入金が大幅に増加したため、前期末に比べ6,437百万円増加し、29,609百万円となりました。
(純資産の部)
配当金の支払により減少したものの、その他有価証券評価差額金及び退職給付に係る調整累計額が増加したこと、及び親会社株主に帰属する当期純利益を計上したことにより、前期末に比べ3,917百万円増加し、37,369百万円となりました。
自己資本比率は、総資本の増加の影響により前期末より3.1ポイント減少の55.0%となりましたが、引き続き健全な財務基盤を維持しております。
② キャッシュ・フローの状況
(単位:百万円)
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は7,796百万円と前期比875百万円(10.1%)減少しました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は2,835百万円(前期は2,829百万円の使用)となりました。その主な要因は、棚卸資産の増加4,744百万円及び売上債権の増加1,909百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は2,373百万円(前期は4百万円の獲得)となりました。その主な要因は、固定資産の取得による支出2,579百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果獲得した資金は4,299百万円(前期は780百万円の使用)となりました。その主な要因は、長期借入金の借入による収入7,050百万円、及び長期借入金の返済による支出2,238百万円、配当金の支払による支出492百万円によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 金額は、販売価格によっております。
3 上記生産高の他、各報告セグメントに配分していない全社生産高30百万円があります。
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 上記受注高の他、各報告セグメントに配分していない全社受注高0百万円があります。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 上記販売高の他、各報告セグメントに配分していない全社販売高0百万円があります。
3 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、売上高は船舶港湾機器事業において海外市場が好調に推移するとともに為替相場が円安に推移したことや、防衛・通信機器事業において海上保安庁向けの新規案件の納入があったこと等により増収となり、前期に比べ6.5%増収の47,166百万円となりました。
売上原価は、製品構成の変化等により売上原価率が前期に比べ2.8ポイント改善し34,150百万円となりました。営業利益は前期に比べ売上高の増加により712百万円増加し、原価率の改善により1,316百万円増加したこと等により、111.0%増益の2,768百万円、経常利益は前期に比べ77.2%増益の2,990百万円、また、親会社株主に帰属する当期純利益は前期に比べ160.9%増益の2,277百万円となりました。
当社グループが経営指標として掲げております当連結会計年度の連結営業利益率につきましては、前期と比べ2.9ポイント好転の5.9%となりました。また、自己資本利益率(ROE)につきましては、前期と比べ3.9ポイント好転の6.5%となりました。ROEは過去3年間では、4.6%、2.7%、6.5%と推移した結果、3年間平均では4.6%となりましたが、5年平均では4.4%となりました。今後につきましては、リスク管理を強化しながら更なる事業収益の改善と財務基盤の強化に注力するとともに、2031年3月期までに連結営業利益率10%、ROEにつきましても株主資本コストを上回る10%以上を安定的に創出することを目指してまいります。
当社グループは、運転資金及び設備資金を内部資金及び金融機関からの借入金によって調達しており、2024年3月末日現在の連結借入金残高は14,762百万円となっております。財務政策は営業キャッシュ・フローの改善による資本の財源の獲得を最優先事項と考えており、不足分は借入金により資金調達することとしております。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済は、米国では堅調な景気拡大が続きましたが、その一方で欧州の景気は低迷しました。その中で、中国経済の低迷、ウクライナ情勢の長期化、中東情勢の緊迫化、各国の金融引き締めの継続等により、景気回復への影響が懸念される状況が継続しました。
我が国経済におきましては、日米金利差を背景とした円安の継続や、エネルギー価格の高止まり等の影響により物価が上昇し、景気の回復は緩やかなものにとどまる等、先行き不透明な状況が継続しました。
このような経営環境の下、当社グループは、2021年6月に開示した「東京計器ビジョン2030」を実現させるため、中期事業計画の基本方針である「事業領域の拡大」、「グローバル化の推進」、「既存事業の継続的強化」に取り組んでまいりました。
「事業領域の拡大」につきましては、油空圧機器事業において、国立研究開発法人産業技術総合研究所とギ酸からの高圧水素製造装置の小型・実用化モデルの共同研究開発を開始しました。また、防衛・通信機器事業において、宇宙事業の拡大を図るため、小型衛星の複数機同時生産を可能にする宇宙棟を竣工しました。
「グローバル化の推進」につきましては、ベトナムの油圧機器生産子会社の更なる活用を進めるために、生産品目を拡充しました。
「既存事業の継続的強化」につきましては、船舶港湾機器事業において、公益財団法人日本財団が推進する無人運航船プロジェクトMEGURI2040における「無人運航船の社会実装に向けた技術開発助成プログラム」にコンソーシアムのメンバーとして参加し、ワーキンググループのリーダーとして主導的な立場で活動しました。また、防衛・通信機器事業において、昨今の防衛予算の増加を背景とする受注増に伴い、増産体制の強化と将来の新たな製品の開発・生産を行うために、防衛管理棟の建設を開始しました。加えて、その他の事業において、鉄道機器事業の販売拡大を図るため、鉄道保線業務の安全・効率化に貢献する新製品「軌道検査省力化システム」をリリースし、大手鉄道会社に初号機を納入しました。
このような取り組みの下、当社グループの当連結会計年度における業績につきましては、船舶港湾機器事業において海外市場が好調に推移するとともに為替相場が円安に推移したことや、防衛・通信機器事業において、海上保安庁向けの新規案件の納入等により売上高は前期比で増収となりました。また、利益につきましては、油空圧機器事業をはじめとした販売価格の適正化や製品構成の変化により原価率が改善したこと等から、全ての利益項目で大幅な増益となりました。
当連結会計年度の業績結果は、次のとおりであります。
(単位:百万円)
2023年3月期 | 2024年3月期 | 増減額 | 増減率 | |
売上高 | 44,296 | 47,166 | +2,870 | +6.5% |
営業利益 | 1,312 | 2,768 | +1,456 | +111.0% |
経常利益 | 1,687 | 2,990 | +1,303 | +77.2% |
親会社株主に帰属する当期純利益 | 873 | 2,277 | +1,404 | +160.9% |
売上高営業利益率 | 3.0% | 5.9% | +2.9pt | - |
セグメントの業績は、次のとおりであります。
[船舶港湾機器事業]
(単位:百万円)
2023年3月期 | 2024年3月期 | 増減額 | 増減率 | |
売上高 | 9,700 | 11,016 | +1,316 | +13.6% |
営業利益 | 565 | 1,006 | +441 | +78.1% |
<売上高の状況>海外市場において、東アジアでの新造船向けや欧米での在来船向け機器が増加したこと、及び保守サービスが好調だったことに加え、為替が円安に推移したことから前期比で増収となりました。
<営業利益の状況>原材料価格高騰の影響があったものの、売上高の増加や円安効果により、前期比で大幅な増益となりました。
[油空圧機器事業]
(単位:百万円)
2023年3月期 | 2024年3月期 | 増減額 | 増減率 | |
売上高 | 11,658 | 11,675 | +18 | +0.2% |
営業利益(△損失) | △268 | 273 | +541 | - |
<売上高の状況>プラスチック加工機械市場や海外市場は低調に推移したものの、建設機械市場が堅調に推移したことに加え、ダムゲート向け油圧応用装置の納入が増加した結果、前期並みとなりました。
<営業利益の状況>販売価格の適正化による利益確保の取り組みが進展したこと等から、黒字に転換しました。
[流体機器事業]
(単位:百万円)
2023年3月期 | 2024年3月期 | 増減額 | 増減率 | |
売上高 | 4,452 | 4,772 | +320 | +7.2% |
営業利益 | 527 | 733 | +206 | +39.1% |
<売上高の状況>民需市場、海外市場は低調に推移したものの、官需市場においては下水道及び河川ダム向け案件が、消火設備市場においては、前期に引き続き「ガス系消火設備の容器弁の安全性に係る点検」に基づく部品販売及び交換工事が好調に推移したため、前期比で増収となりました。
<営業利益の状況>消火設備市場における部品販売及び交換工事の売上高の増加により原価率が改善し、前期比で増益となりました。
[防衛・通信機器事業]
(単位:百万円)
2023年3月期 | 2024年3月期 | 増減額 | 増減率 | |
売上高 | 14,765 | 16,185 | +1,420 | +9.6% |
営業利益(△損失) | △94 | 362 | +456 | - |
<売上高の状況>通信機器事業においては放送局向け機器が順調に推移し、防衛事業においては艦艇搭載機器が好調に推移したことに加え、海上保安庁向けWEB通報システムの新規納入があったことから前期比で増収となりました。
<営業利益の状況>売上高の増加、及び製品構成の変化による原価率の低減により黒字に転換しました。
[その他の事業]
(単位:百万円)
2023年3月期 | 2024年3月期 | 増減額 | 増減率 | |
売上高 | 3,718 | 3,517 | △201 | △5.4% |
営業利益 | 675 | 502 | △173 | △25.6% |
<売上高の状況>当事業では、検査機器事業において販売価格適正化の効果等により増収となったものの、鉄道機器事業における主力の超音波レール探傷車の販売減により減収となりました。
<営業利益の状況>検査機器事業において販売価格の適正化により原価率が改善したものの、鉄道機器事業における主力の超音波レール探傷車の販売減により、前期比で減益となりました。
財政状態の状況は、次のとおりであります。
(単位:百万円)
2023年3月末 | 2024年3月末 | 増減 | |
資産の部合計 | 56,624 | 66,978 | +10,354 |
負債の部合計 | 23,172 | 29,609 | +6,437 |
純資産の部合計 | 33,451 | 37,369 | +3,917 |
自己資本比率 | 58.1% | 55.0% | △3.1pt |
(資産の部)
増収により受取手形、売掛金及び契約資産や電子記録債権が増加したことに加え、部材の早期確保や受注増加に伴う在庫の積み増しにより原材料及び貯蔵品や仕掛品が増加したことにより、流動資産は前期末に比べ6,049百万円増加し、50,863百万円となりました。
また、宇宙棟が竣工したことに加え、投資有価証券及び退職給付に係る資産が増加したため、固定資産は前期末に比べ4,306百万円増加し、16,115百万円となりました。
以上の結果、前期末に比べ10,354百万円増加し、66,978百万円となりました。
(負債の部)
過去最高の受注残高に伴う資金需要に備え、長期借入金が大幅に増加したため、前期末に比べ6,437百万円増加し、29,609百万円となりました。
(純資産の部)
配当金の支払により減少したものの、その他有価証券評価差額金及び退職給付に係る調整累計額が増加したこと、及び親会社株主に帰属する当期純利益を計上したことにより、前期末に比べ3,917百万円増加し、37,369百万円となりました。
自己資本比率は、総資本の増加の影響により前期末より3.1ポイント減少の55.0%となりましたが、引き続き健全な財務基盤を維持しております。
② キャッシュ・フローの状況
(単位:百万円)
2023年3月期 | 2024年3月期 | 増減 | |
営業活動によるキャッシュ・フロー | △2,829 | △2,835 | △6 |
投資活動によるキャッシュ・フロー | 4 | △2,373 | △2,378 |
フリー・キャッシュ・フロー | △2,824 | △5,209 | △2,384 |
財務活動によるキャッシュ・フロー | △780 | 4,299 | +5,080 |
現金及び現金同等物の期末残高 | 8,671 | 7,796 | △875 |
減価償却費 | 1,035 | 868 | △167 |
固定資産の取得による支出 | △891 | △2,579 | △1,688 |
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は7,796百万円と前期比875百万円(10.1%)減少しました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は2,835百万円(前期は2,829百万円の使用)となりました。その主な要因は、棚卸資産の増加4,744百万円及び売上債権の増加1,909百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は2,373百万円(前期は4百万円の獲得)となりました。その主な要因は、固定資産の取得による支出2,579百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果獲得した資金は4,299百万円(前期は780百万円の使用)となりました。その主な要因は、長期借入金の借入による収入7,050百万円、及び長期借入金の返済による支出2,238百万円、配当金の支払による支出492百万円によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 生産高(百万円) | 前年同期比(%) |
船舶港湾機器事業 | 9,983 | 11.9 |
油空圧機器事業 | 10,979 | △0.1 |
流体機器事業 | 4,774 | 7.1 |
防衛・通信機器事業 | 15,977 | 9.9 |
報告セグメント計 | 41,714 | 7.2 |
その他の事業 | 2,007 | 4.7 |
合計 | 43,720 | 7.1 |
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 金額は、販売価格によっております。
3 上記生産高の他、各報告セグメントに配分していない全社生産高30百万円があります。
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 受注高(百万円) | 前年同期比(%) | 受注残高(百万円) | 前年同期比(%) |
船舶港湾機器事業 | 11,268 | 7.1 | 4,416 | 6.0 |
油空圧機器事業 | 11,635 | △1.7 | 3,399 | △1.2 |
流体機器事業 | 4,700 | △3.9 | 1,521 | △4.5 |
防衛・通信機器事業 | 27,566 | 36.1 | 33,651 | 51.1 |
報告セグメント計 | 55,170 | 16.1 | 42,987 | 36.6 |
その他の事業 | 3,759 | △0.3 | 1,733 | 11.8 |
合計 | 58,929 | 14.9 | 44,720 | 35.5 |
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 上記受注高の他、各報告セグメントに配分していない全社受注高0百万円があります。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 販売高(百万円) | 前年同期比(%) |
船舶港湾機器事業 | 11,016 | 13.6 |
油空圧機器事業 | 11,675 | 0.2 |
流体機器事業 | 4,772 | 7.2 |
防衛・通信機器事業 | 16,185 | 9.6 |
報告セグメント計 | 43,649 | 7.6 |
その他の事業 | 3,517 | △5.4 |
合計 | 47,165 | 6.5 |
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 上記販売高の他、各報告セグメントに配分していない全社販売高0百万円があります。
3 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
相手先 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
販売高(百万円) | 割合(%) | 販売高(百万円) | 割合(%) | |
防衛省 | 5,968 | 13.5 | 6,909 | 14.6 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、売上高は船舶港湾機器事業において海外市場が好調に推移するとともに為替相場が円安に推移したことや、防衛・通信機器事業において海上保安庁向けの新規案件の納入があったこと等により増収となり、前期に比べ6.5%増収の47,166百万円となりました。
売上原価は、製品構成の変化等により売上原価率が前期に比べ2.8ポイント改善し34,150百万円となりました。営業利益は前期に比べ売上高の増加により712百万円増加し、原価率の改善により1,316百万円増加したこと等により、111.0%増益の2,768百万円、経常利益は前期に比べ77.2%増益の2,990百万円、また、親会社株主に帰属する当期純利益は前期に比べ160.9%増益の2,277百万円となりました。
当社グループが経営指標として掲げております当連結会計年度の連結営業利益率につきましては、前期と比べ2.9ポイント好転の5.9%となりました。また、自己資本利益率(ROE)につきましては、前期と比べ3.9ポイント好転の6.5%となりました。ROEは過去3年間では、4.6%、2.7%、6.5%と推移した結果、3年間平均では4.6%となりましたが、5年平均では4.4%となりました。今後につきましては、リスク管理を強化しながら更なる事業収益の改善と財務基盤の強化に注力するとともに、2031年3月期までに連結営業利益率10%、ROEにつきましても株主資本コストを上回る10%以上を安定的に創出することを目指してまいります。
当社グループは、運転資金及び設備資金を内部資金及び金融機関からの借入金によって調達しており、2024年3月末日現在の連結借入金残高は14,762百万円となっております。財務政策は営業キャッシュ・フローの改善による資本の財源の獲得を最優先事項と考えており、不足分は借入金により資金調達することとしております。