有価証券報告書-第72期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)

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2019/06/27 13:17
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157項目
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度におけるわが国経済は緩やかに拡大しているものの、輸出・生産面に海外経済の減速の影響がみられ、先行きへの不安も依然残っております。
医療機器業界においては、平成30年度診療報酬は全体としてマイナス改定となり、医療機関には引き続き効果的・効率的で質の高い医療の提供が求められております。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
a.財政状態
2018年3月期2019年3月期前年比
金額金額増減額
総資産額(百万円)157,518160,9403,421
負債額(百万円)44,26641,757△2,509
純資産額(百万円)113,252119,1835,931

当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末と比べ34億21百万円増加し、1,609億40百万円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末と比べ25億9百万円減少し、417億57百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末と比べ59億31百万円増加し、1,191億83百万円となりました。
b.経営成績
2018年3月期2019年3月期前期比
金額金額増減額増減率(%)
売上高(百万円)128,883129,7758920.7
営業利益(百万円)12,33412,6453102.5
経常利益(百万円)12,71313,2885744.5
親会社株主に帰属する
当期純利益(百万円)
9,3209,5772572.8

当連結会計年度の経営成績は、連結売上高は1,297億75百万円(前年同期比0.7%増)となりました。利益につきましては、連結営業利益は126億45百万円(前年同期比2.5%増)、連結経常利益は132億88百万円(前年同期比4.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は95億77百万円(前年同期比2.8%増)となりました。
セグメントの名称2018年3月期2019年3月期前期比
金額(百万円)構成比(%)金額(百万円)構成比(%)増減額(百万円)増減率(%)
生体検査装置部門39,25430.538,91230.0△342△0.9
生体情報モニター部門9,6647.59,4757.3△188△2.0
治療装置部門49,88438.750,10338.62180.4
消耗品等部門30,07923.331,28324.11,2044.0
合計128,883100.0129,775100.08920.7

当連結会計年度のセグメント別売上高は、次のとおりであります。
生体検査装置部門では、連結売上高は389億12百万円(前年同期比0.9%減)となりました。
生体情報モニター部門では、連結売上高は94億75百万円(前年同期比2.0%減)となりました。
治療装置部門では、連結売上高は501億3百万円(前年同期比0.4%増)となりました。
消耗品等部門では、連結売上高は312億83百万円(前年同期比4.0%増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
2018年3月期2019年3月期増減
営業活動によるキャッシュ・フロー
(百万円)
17,85213,979△3,872
投資活動によるキャッシュ・フロー
(百万円)
△3,780△10,648△6,867
財務活動によるキャッシュ・フロー
(百万円)
△2,756△2,984△228
換算差額(百万円)405716
現金及び現金同等物の増減額(百万円)11,355404△10,951
連結子会社の決算期変更による現金及び現金同等物の増減額(△は減少)-6363
現金及び現金同等物の期末残高
(百万円)
43,35743,824467

当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物は、次のとおりであります。
[営業活動によるキャッシュ・フロー]
当連結会計年度において、営業活動によるキャッシュ・フローは前期比38億72百万円減のプラス139億79百万円となりました。
主な内訳は、税金等調整前当期純利益132億9百万円、減価償却費78億56百万円等です。
[投資活動によるキャッシュ・フロー]
当連結会計年度において、投資活動によるキャッシュ・フローは前期比68億67百万円減のマイナス106億48百万円となりました。
主な内訳は、有形固定資産の取得による支出79億40百万円等です。
[財務活動によるキャッシュ・フロー]
当連結会計年度において、財務活動によるキャッシュ・フローは前期比2億28百万円減のマイナス29億84百万円となりました。
主な内訳は、配当金の支払額26億72百万円等です。
また、連結子会社の決算期変更による現金及び現金同等物の増加額が63百万円となりました。
以上の結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度末残高と比較して4億67百万円増加し438億24百万円となりました。
(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移
2015年3月期2016年3月期2017年3月期2018年3月期2019年3月期
自己資本比率(%)71.472.872.671.974.1
時価ベースの自己資本比率(%)75.566.166.475.571.1
債務償還年数(年)0.10.20.10.10.1
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)461.7422.2543.7408.3301.6

(注) 自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
債務償還年数:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
※各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算定しております。
※株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算定しております。
※有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っているすべての負債を対象としております。
※利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2018年4月1日
至 2019年3月31日)
金額(百万円)前年同期比(%)
生体検査装置部門8,01786.8
生体情報モニター部門5,85491.3
治療装置部門4,391109.5
消耗品等部門4,909104.9
合計23,17395.2

(注)1.金額は販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.仕入実績
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2018年4月1日
至 2019年3月31日)
金額(百万円)前年同期比(%)
生体検査装置部門17,29599.7
生体情報モニター部門2,360101.6
治療装置部門30,914100.2
消耗品等部門17,021102.2
合計67,591100.6

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.受注実績
該当事項はありません。
d.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2018年4月1日
至 2019年3月31日)
金額(百万円)前年同期比(%)
生体検査装置部門38,91299.1
生体情報モニター部門9,47598.0
治療装置部門50,103100.4
消耗品等部門31,283104.0
合計129,775100.7

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。この連結財務諸表の作成にあたりまして、必要と思われる見積りは合理的な基準に基づいて実施しております。
詳細につきましては、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」」に記載しております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
1)財政状態
当連結会計年度末の財政状態は総資産が前連結会計年度末と比べて34億21百万円増加し、1,609億40百万円となりました。
これは、商品及び製品が12億14百万円減少したものの、保険積立金が15億73百万円増加、工具・器具及び備品が13億32百万円増加したことなどが主な要因であります。
負債は、前連結会計年度末と比べて25億9百万円減少し、417億57百万円となりました。
これは、リース債務が12億93百万円増加したものの、未払法人税等が17億円減少、電子記録債務が14億46百万円減少したことなどが主な要因であります。
純資産は、前連結会計年度末と比べて59億31百万円増加し、1,191億83百万円となりました。
これは、その他有価証券評価差額金が8億49百万円減少したものの、利益剰余金が68億93百万円増加したことなどが主な要因であります。
この結果、自己資本比率は、74.1%(前連結会計年度末比2.2ポイント増)となりました。
2)経営成績
当社グループの当連結会計年度の連結売上高は1,297億75百万円(前年同期比0.7%増)となりました。
連結営業利益につきましては126億45百万円(前年同期比2.5%増)、連結経常利益は132億88百万円(前年同期比4.5%増)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は95億77百万円(前年同期比2.8%増)となりました。
3)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績については、診療報酬の改定やペースメーカ等における仕入先変更に伴う業績への影響などがありましたが、基盤となる国内事業に注力いたしました。費用面においては営業力強化のための人材補強により人件費等は増加しておりますが、継続したコストダウンや不要な支出の抑制等の取り組みの結果、売上高、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益はいずれも過去最高を更新いたしました。
医療業界を取り巻く環境は大きな転換期を迎えておりますが、医療従事者の皆様の負担を軽減し、より効果的・効率的な医療サービスの提供や安全・安心で質の高い医療を実現するため、当社グループだからこそできるシステムソリューションを基軸に、さらなる基盤事業の強化に取り組んでおります。
c.資本の財源及び資金の流動性
資金需要
当社グループの事業活動における資金需要の主なものは、持続的な成長のための投資や各事業に係る運転資金の他、設備投資に要する資金です。
財政政策
当社グループは、運転資金及び設備投資資金などについては内部留保により大部分をまかなっております。
d.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループでは連結売上高、連結営業利益を中期経営計画上の指標として使用しております。各指標に対する目標は次のとおりですが、経営環境の変化に左右されない持続的成長を実現して参ります。
指標2019年3月期
(実績)
2020年3月期
(計画)
2021年3月期
(計画)
2022年3月期
(計画)
売上高(百万円)129,775131,000132,000133,000
営業利益(百万円)12,64512,70012,80012,900

e.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
①生体検査装置部門
心電計関連の売上は伸張しましたが、大口の商談の減少により連結売上高は389億12百万円(前年同期比0.9%減)、セグメント利益は26億84百万円(同比7.2%増)となりました。また、資産は212億73百万円となり、前連結会計年度に比べ5億16百万円減少しました。
②生体情報モニター部門
モニタの連結売上高は94億75百万円(前年同期比2.0%減)、セグメント利益は7億80百万円(同比1.9%増)となりました。また、資産は65億38百万円となり、前連結会計年度に比べ2億35百万円減少しました。
③治療装置部門
ペースメーカ関連製品の売上は減少しましたが、在宅医療向けレンタル事業の売上は伸張し、連結売上高は501億3百万円(前年同期比0.4%増)、セグメント利益は66億8百万円(同比6.1%増)となりました。また、資産は393億81百万円となり、前連結会計年度に比べ7億71百万円増加しました。
④消耗品等部門
消耗品等部門は、記録紙、ディスポーザブル電極や上記各部門の器械装置に使用する消耗品や修理、保守を含みます。
消耗品等部門の連結売上高は312億83百万円(前年同期比4.0%増)、セグメント利益は25億72百万円(同比9.2%減)となりました。また、資産は178億85百万円となり、前連結会計年度に比べ10億17百万円増加しました。