有価証券報告書-第77期(2023/04/01-2024/03/31)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響から緩やかな回復基調にあるものの、先行きについては国際情勢等を受けた資源価格の高騰や、欧米の金融政策転換による影響が危惧される等、不透明な状況が続いています。
医療業界においては、新型コロナウイルス感染症への対応を強化しつつ、地域医療構想による医療機関の機能分化と連携を通した効率的な医療提供体制の構築が求められています。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
a.財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末と比べ21億41百万円増加し、2,090億64百万円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末と比べ38億19百万円減少し、400億56百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末と比べ59億60百万円増加し、1,690億8百万円となりました。
b.経営成績
当連結会計年度の経営成績は、連結売上高は1,403億23百万円(前年同期比4.2%増)となりました。利益につきましては、連結営業利益は265億6百万円(前年同期比10.0%増)、連結経常利益は269億90百万円(前年同期比7.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は186億93百万円(前年同期比8.2%増)となりました。
当連結会計年度のセグメント別売上高は、次のとおりであります。
生体検査装置部門では、連結売上高は306億64百万円となりました。
生体情報モニター部門では、連結売上高は97億22百万円となりました。
治療装置部門では、連結売上高は597億6百万円となりました。
消耗品等部門では、連結売上高は402億29百万円となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物は、次のとおりであります。
[営業活動によるキャッシュ・フロー]
当連結会計年度において、営業活動によるキャッシュ・フローは前期比7億76百万円増のプラス239億14百万円となりました。
主な内訳は、税金等調整前当期純利益269億86百万円、減価償却費97億25百万円等です。
[投資活動によるキャッシュ・フロー]
当連結会計年度において、投資活動によるキャッシュ・フローは前期比5億69百万円減のマイナス147億79百万円となりました。
主な内訳は、有形固定資産の取得による支出134億64百万円等です。
[財務活動によるキャッシュ・フロー]
当連結会計年度において、財務活動によるキャッシュ・フローは前期比115億14百万円減のマイナス170億66百万円となりました。
主な内訳は、自己株式の取得による支出112億58百万円等です。
以上の結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度末残高と比較して77億41百万円減少し571億98百万円となりました。
(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移
(注)1.自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
債務償還年数:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
2.各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算定しております。
3.株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算定しております。
4.有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っているすべての負債を対象としております。
5.利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)金額は販売価格によっております。
b.仕入実績
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
c.受注実績
該当事項はありません。
d.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
1)財政状態
当連結会計年度末の財政状態は総資産が前連結会計年度末と比べて21億41百万円増加し、2,090億64百万円となりました。
これは、現金及び預金が77億43百万円減少したものの、工具、器具及び備品が21億円増加、建設仮勘定が14億56百万円増加、投資有価証券が46億80百万円増加したことなどが主な要因であります。
負債は、前連結会計年度末と比べて38億19百万円減少し、400億56百万円となりました。
これは、支払手形及び買掛金が21億32百万円減少したことなどが主な要因であります。
純資産は、前連結会計年度末と比べて59億60百万円増加し、1,690億8百万円となりました。
これは、利益剰余金が132億2百万円増加、自己株式が68億67百万円増加したことなどが主な要因であります。
この結果、自己資本比率は、80.8%(前連結会計年度末比2.0ポイント増)となりました。
2)経営成績
当社グループの当連結会計年度の連結売上高は1,403億23百万円(前年同期比4.2%増)となりました。
連結営業利益につきましては265億6百万円(前年同期比10.0%増)、連結経常利益は269億90百万円(前年同期比7.6%増)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は186億93百万円(前年同期比8.2%増)となりました。
b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
国内では2025年に向けた医療提供体制の改革として、患者様の容態に応じた適切な医療を、地域において効果的かつ効率的に提供する体制を整備し、できるだけ早く社会に復帰し、安心して生活を送れるようにするための取り組みが進められております。
当連結会計年度においては、ウクライナや中東情勢などの地政学リスクの観点からのエネルギー価格の高騰や世界的なインフレ圧力の継続、急激な為替変動など不安定な状況となりましたが、新型コロナウイルス感染症の位置づけが、令和5年5月8日から「5類感染症」になったことで通常の経済活動が戻ってきましたが、引き続き医療機関、医療従事者、患者様等を「感染しない・させない」ために政府による医療提供体制の整備・構築を背景に、現場を最優先に事業を展開いたしました。
逼迫する部品不足やコスト高に対しては設計変更、代替品の切り替えや調達ルートの多様化・拡大、また戦略的に在庫や原材料等を確保することで医療を止めないための取り組みを実施すると共に、医療ニーズの変化を捉える中で、自社製品を中心とした営業活動を展開した結果、売上高、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益はいずれも計画を達成いたしました。
成長戦略としての積極的な開発投資や、モノづくり改革の中核となる白井事業所及びファインテック仙台の新棟増築など優先度の高い領域へは積極的に投資を継続しつつ、ITツール活用による対面とのハイブリッドな取り組みなどコミュニケーションの多様化とデジタル化による生産性向上に向けて取り組みました。また、グループ全体での優秀な人材の積極的採用や、全国の販売会社の新社屋の建設を含めた職場環境改善のための取り組みを実施するなど、組織力向上に注力いたしました。
医療業界を取り巻く環境が大きな転換期を迎えている中、引き続き医療機器等の供給体制の確保に全力を尽くし、医療従事者の皆様の負担を軽減し、より効果的・効率的な医療サービスの提供や安全・安心で質の高い医療を実現するため、当社グループだからこそできるシステムソリューションを基軸に、さらなる基盤事業の強化に取り組んでまいります。
c.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループでは連結売上高、連結営業利益を中期経営計画上の重要な指標として位置付け、経営環境の変化に左右されない持続的成長の実現を目指しております。
定量的目標としては、2027年3月期の連結売上高1,420億円、連結営業利益270億円を目標としております。
d.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
①生体検査装置部門
血圧脈波検査装置、自動血球計数装置の売上が減少し、連結売上高は306億64百万円(前年同期比1.3%減)、セグメント利益は50億74百万円(前年同期比3.7%増)となりました。また、資産は210億59百万円となり、前連結会計年度に比べ6億49百万円減少しました。
②生体情報モニター部門
モニタの連結売上高は97億22百万円(前年同期比16.4%減)、セグメント利益は17億18百万円(前年同期比17.9%減)となりました。また、資産は75億52百万円となり、前連結会計年度に比べ11億89百万円減少しました。
③治療装置部門
在宅医療向けレンタル事業、AEDが伸長し、連結売上高は597億6百万円(前年同期比7.7%増)、セグメント利益は128億36百万円(前年同期比3.1%増)となりました。また、資産は559億59百万円となり、前連結会計年度に比べ52億52百万円増加しました。
④消耗品等部門
消耗品等部門は、記録紙、ディスポーザブル電極や上記各部門の器械装置に使用する消耗品や修理、保守を含みます。
消耗品等部門の連結売上高は402億29百万円(前年同期比10.2%増)、セグメント利益は68億77百万円(前年同期比47.6%増)となりました。また、資産は272億57百万円となり、前連結会計年度に比べ15億69百万円増加しました。
②キャッシュ・フローの状況分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、資本効率を高めるべく創出したキャッシュ・フローを持続的な成長のための投資や各事業に係る運転資金の他、設備投資に回していくことで企業価値向上に努め、株主の皆様へ安定的な利益還元に必要な資金の確保、並びに強固な財務基盤の維持を目指し、安定的な営業キャッシュ・フローの創出に努めております。
また、必要な運転資金及び設備投資資金などについては内部留保により大部分をまかなっております。
なお、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は571億円となっております。
当連結会計年度末のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響から緩やかな回復基調にあるものの、先行きについては国際情勢等を受けた資源価格の高騰や、欧米の金融政策転換による影響が危惧される等、不透明な状況が続いています。
医療業界においては、新型コロナウイルス感染症への対応を強化しつつ、地域医療構想による医療機関の機能分化と連携を通した効率的な医療提供体制の構築が求められています。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
a.財政状態
2023年3月期 | 2024年3月期 | 前年比 | |
金額 | 金額 | 増減額 | |
総資産額(百万円) | 206,922 | 209,064 | 2,141 |
負債額(百万円) | 43,875 | 40,056 | △3,819 |
純資産額(百万円) | 163,047 | 169,008 | 5,960 |
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末と比べ21億41百万円増加し、2,090億64百万円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末と比べ38億19百万円減少し、400億56百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末と比べ59億60百万円増加し、1,690億8百万円となりました。
b.経営成績
2023年3月期 | 2024年3月期 | 前期比 | ||
金額 | 金額 | 増減額 | 増減率(%) | |
売上高(百万円) | 134,648 | 140,323 | 5,675 | 4.2 |
営業利益(百万円) | 24,093 | 26,506 | 2,412 | 10.0 |
経常利益(百万円) | 25,081 | 26,990 | 1,909 | 7.6 |
親会社株主に帰属する 当期純利益(百万円) | 17,278 | 18,693 | 1,414 | 8.2 |
当連結会計年度の経営成績は、連結売上高は1,403億23百万円(前年同期比4.2%増)となりました。利益につきましては、連結営業利益は265億6百万円(前年同期比10.0%増)、連結経常利益は269億90百万円(前年同期比7.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は186億93百万円(前年同期比8.2%増)となりました。
セグメントの名称 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 前期比 | |||
金額(百万円) | 構成比(%) | 金額(百万円) | 構成比(%) | 増減額(百万円) | 増減率(%) | |
生体検査装置部門 | 31,058 | 23.1 | 30,664 | 21.9 | △394 | △1.3 |
生体情報モニター部門 | 11,625 | 8.6 | 9,722 | 6.9 | △1,902 | △16.4 |
治療装置部門 | 55,442 | 41.2 | 59,706 | 42.5 | 4,264 | 7.7 |
消耗品等部門 | 36,522 | 27.1 | 40,229 | 28.7 | 3,707 | 10.2 |
合計 | 134,648 | 100.0 | 140,323 | 100.0 | 5,675 | 4.2 |
当連結会計年度のセグメント別売上高は、次のとおりであります。
生体検査装置部門では、連結売上高は306億64百万円となりました。
生体情報モニター部門では、連結売上高は97億22百万円となりました。
治療装置部門では、連結売上高は597億6百万円となりました。
消耗品等部門では、連結売上高は402億29百万円となりました。
②キャッシュ・フローの状況
2023年3月期 | 2024年3月期 | 増減 | |
営業活動によるキャッシュ・フロー (百万円) | 23,137 | 23,914 | 776 |
投資活動によるキャッシュ・フロー (百万円) | △14,210 | △14,779 | △569 |
財務活動によるキャッシュ・フロー (百万円) | △5,551 | △17,066 | △11,514 |
換算差額(百万円) | 391 | 190 | △201 |
現金及び現金同等物の増減額(百万円) | 3,768 | △7,741 | △11,509 |
非連結子会社との合併に伴う現金及び現 金同等物の増加額(百万円) | 140 | - | △140 |
現金及び現金同等物の期末残高 (百万円) | 64,939 | 57,198 | △7,741 |
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物は、次のとおりであります。
[営業活動によるキャッシュ・フロー]
当連結会計年度において、営業活動によるキャッシュ・フローは前期比7億76百万円増のプラス239億14百万円となりました。
主な内訳は、税金等調整前当期純利益269億86百万円、減価償却費97億25百万円等です。
[投資活動によるキャッシュ・フロー]
当連結会計年度において、投資活動によるキャッシュ・フローは前期比5億69百万円減のマイナス147億79百万円となりました。
主な内訳は、有形固定資産の取得による支出134億64百万円等です。
[財務活動によるキャッシュ・フロー]
当連結会計年度において、財務活動によるキャッシュ・フローは前期比115億14百万円減のマイナス170億66百万円となりました。
主な内訳は、自己株式の取得による支出112億58百万円等です。
以上の結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度末残高と比較して77億41百万円減少し571億98百万円となりました。
(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移
2020年3月期 | 2021年3月期 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | |
自己資本比率(%) | 73.7 | 72.0 | 76.7 | 78.8 | 80.8 |
時価ベースの自己資本比率(%) | 75.3 | 66.2 | 60.4 | 62.4 | 95.5 |
債務償還年数(年) | 0.1 | 0.1 | 0.1 | 0.1 | 0.1 |
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) | 512.5 | 554.5 | 621.2 | 619.9 | 692.2 |
(注)1.自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
債務償還年数:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
2.各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算定しております。
3.株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算定しております。
4.有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っているすべての負債を対象としております。
5.利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) | |
金額(百万円) | 前年同期比(%) | |
生体検査装置部門 | 6,564 | 79.8 |
生体情報モニター部門 | 6,910 | 78.9 |
治療装置部門 | 3,328 | 103.2 |
消耗品等部門 | 9,840 | 123.1 |
合計 | 26,644 | 94.5 |
(注)金額は販売価格によっております。
b.仕入実績
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) | |
金額(百万円) | 前年同期比(%) | |
生体検査装置部門 | 15,425 | 100.6 |
生体情報モニター部門 | 2,765 | 102.5 |
治療装置部門 | 32,448 | 100.1 |
消耗品等部門 | 11,311 | 92.0 |
合計 | 61,951 | 98.7 |
c.受注実績
該当事項はありません。
d.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) | |
金額(百万円) | 前年同期比(%) | |
生体検査装置部門 | 30,664 | 98.7 |
生体情報モニター部門 | 9,722 | 83.6 |
治療装置部門 | 59,706 | 107.7 |
消耗品等部門 | 40,229 | 110.2 |
合計 | 140,323 | 104.2 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
1)財政状態
当連結会計年度末の財政状態は総資産が前連結会計年度末と比べて21億41百万円増加し、2,090億64百万円となりました。
これは、現金及び預金が77億43百万円減少したものの、工具、器具及び備品が21億円増加、建設仮勘定が14億56百万円増加、投資有価証券が46億80百万円増加したことなどが主な要因であります。
負債は、前連結会計年度末と比べて38億19百万円減少し、400億56百万円となりました。
これは、支払手形及び買掛金が21億32百万円減少したことなどが主な要因であります。
純資産は、前連結会計年度末と比べて59億60百万円増加し、1,690億8百万円となりました。
これは、利益剰余金が132億2百万円増加、自己株式が68億67百万円増加したことなどが主な要因であります。
この結果、自己資本比率は、80.8%(前連結会計年度末比2.0ポイント増)となりました。
2)経営成績
当社グループの当連結会計年度の連結売上高は1,403億23百万円(前年同期比4.2%増)となりました。
連結営業利益につきましては265億6百万円(前年同期比10.0%増)、連結経常利益は269億90百万円(前年同期比7.6%増)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は186億93百万円(前年同期比8.2%増)となりました。
b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
国内では2025年に向けた医療提供体制の改革として、患者様の容態に応じた適切な医療を、地域において効果的かつ効率的に提供する体制を整備し、できるだけ早く社会に復帰し、安心して生活を送れるようにするための取り組みが進められております。
当連結会計年度においては、ウクライナや中東情勢などの地政学リスクの観点からのエネルギー価格の高騰や世界的なインフレ圧力の継続、急激な為替変動など不安定な状況となりましたが、新型コロナウイルス感染症の位置づけが、令和5年5月8日から「5類感染症」になったことで通常の経済活動が戻ってきましたが、引き続き医療機関、医療従事者、患者様等を「感染しない・させない」ために政府による医療提供体制の整備・構築を背景に、現場を最優先に事業を展開いたしました。
逼迫する部品不足やコスト高に対しては設計変更、代替品の切り替えや調達ルートの多様化・拡大、また戦略的に在庫や原材料等を確保することで医療を止めないための取り組みを実施すると共に、医療ニーズの変化を捉える中で、自社製品を中心とした営業活動を展開した結果、売上高、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益はいずれも計画を達成いたしました。
成長戦略としての積極的な開発投資や、モノづくり改革の中核となる白井事業所及びファインテック仙台の新棟増築など優先度の高い領域へは積極的に投資を継続しつつ、ITツール活用による対面とのハイブリッドな取り組みなどコミュニケーションの多様化とデジタル化による生産性向上に向けて取り組みました。また、グループ全体での優秀な人材の積極的採用や、全国の販売会社の新社屋の建設を含めた職場環境改善のための取り組みを実施するなど、組織力向上に注力いたしました。
医療業界を取り巻く環境が大きな転換期を迎えている中、引き続き医療機器等の供給体制の確保に全力を尽くし、医療従事者の皆様の負担を軽減し、より効果的・効率的な医療サービスの提供や安全・安心で質の高い医療を実現するため、当社グループだからこそできるシステムソリューションを基軸に、さらなる基盤事業の強化に取り組んでまいります。
c.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループでは連結売上高、連結営業利益を中期経営計画上の重要な指標として位置付け、経営環境の変化に左右されない持続的成長の実現を目指しております。
定量的目標としては、2027年3月期の連結売上高1,420億円、連結営業利益270億円を目標としております。
d.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
①生体検査装置部門
血圧脈波検査装置、自動血球計数装置の売上が減少し、連結売上高は306億64百万円(前年同期比1.3%減)、セグメント利益は50億74百万円(前年同期比3.7%増)となりました。また、資産は210億59百万円となり、前連結会計年度に比べ6億49百万円減少しました。
②生体情報モニター部門
モニタの連結売上高は97億22百万円(前年同期比16.4%減)、セグメント利益は17億18百万円(前年同期比17.9%減)となりました。また、資産は75億52百万円となり、前連結会計年度に比べ11億89百万円減少しました。
③治療装置部門
在宅医療向けレンタル事業、AEDが伸長し、連結売上高は597億6百万円(前年同期比7.7%増)、セグメント利益は128億36百万円(前年同期比3.1%増)となりました。また、資産は559億59百万円となり、前連結会計年度に比べ52億52百万円増加しました。
④消耗品等部門
消耗品等部門は、記録紙、ディスポーザブル電極や上記各部門の器械装置に使用する消耗品や修理、保守を含みます。
消耗品等部門の連結売上高は402億29百万円(前年同期比10.2%増)、セグメント利益は68億77百万円(前年同期比47.6%増)となりました。また、資産は272億57百万円となり、前連結会計年度に比べ15億69百万円増加しました。
②キャッシュ・フローの状況分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、資本効率を高めるべく創出したキャッシュ・フローを持続的な成長のための投資や各事業に係る運転資金の他、設備投資に回していくことで企業価値向上に努め、株主の皆様へ安定的な利益還元に必要な資金の確保、並びに強固な財務基盤の維持を目指し、安定的な営業キャッシュ・フローの創出に努めております。
また、必要な運転資金及び設備投資資金などについては内部留保により大部分をまかなっております。
なお、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は571億円となっております。
当連結会計年度末のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。