有価証券報告書-第74期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

【提出】
2021/06/29 13:13
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【項目】
145項目
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により厳しい状況が続きました。先行きについても感染再拡大によるリスクも有り不透明な状況となっています。
医療機器業界においては、2020年度診療報酬改定は全体としてはプラス改定であるものの、新型コロナウイルス感染症の拡大により医療機関には多大なる重圧がかかっている状況にあります。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
a.財政状態
2020年3月期2021年3月期前年比
金額金額増減額
総資産額(百万円)168,742191,76223,020
負債額(百万円)44,31453,7819,467
純資産額(百万円)124,427137,98113,553

当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末と比べ230億20百万円増加し、1,917億62百万円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末と比べ94億67百万円増加し、537億81百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末と比べ135億53百万円増加し、1,379億81百万円となりました。
b.経営成績
2020年3月期2021年3月期前期比
金額金額増減額増減率(%)
売上高(百万円)133,393146,75613,36310.0
営業利益(百万円)13,28319,8116,52749.1
経常利益(百万円)13,64720,2646,61748.5
親会社株主に帰属する
当期純利益(百万円)
9,60914,7165,10653.1

当連結会計年度の経営成績は、連結売上高は1,467億56百万円(前年同期比10.0%増)となりました。利益につきましては、連結営業利益は198億11百万円(前年同期比49.1%増)、連結経常利益は202億64百万円(前年同期比48.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は147億16百万円(前年同期比53.1%増)となりました。
セグメントの名称2020年3月期2021年3月期前期比
金額(百万円)構成比(%)金額(百万円)構成比(%)増減額(百万円)増減率(%)
生体検査装置部門38,23428.740,44527.62,2115.8
生体情報モニター部門10,2447.714,0769.63,83137.4
治療装置部門50,58837.955,18737.64,5989.1
消耗品等部門34,32525.737,04725.22,7217.9
合計133,393100.0146,756100.013,36310.0

当連結会計年度のセグメント別売上高は、次のとおりであります。
生体検査装置部門では、連結売上高は404億45百万円(前年同期比5.8%増)となりました。
生体情報モニター部門では、連結売上高は140億76百万円(前年同期比37.4%増)となりました。
治療装置部門では、連結売上高は551億87百万円(前年同期比9.1%増)となりました。
消耗品等部門では、連結売上高は370億47百万円(前年同期比7.9%増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
2020年3月期2021年3月期増減
営業活動によるキャッシュ・フロー
(百万円)
20,23321,7431,510
投資活動によるキャッシュ・フロー
(百万円)
△14,170△11,2672,902
財務活動によるキャッシュ・フロー
(百万円)
△3,713△3,046666
換算差額(百万円)△8949138
現金及び現金同等物の増減額(百万円)2,2607,4785,217
現金及び現金同等物の期末残高
(百万円)
46,08553,5647,478

当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物は、次のとおりであります。
[営業活動によるキャッシュ・フロー]
当連結会計年度において、営業活動によるキャッシュ・フローは前期比15億10百万円増のプラス217億43百万円となりました。
主な内訳は、税金等調整前当期純利益210億30百万円、減価償却費83億60百万円等です。
[投資活動によるキャッシュ・フロー]
当連結会計年度において、投資活動によるキャッシュ・フローは前期比29億2百万円増のマイナス112億67百万円となりました。
主な内訳は、有形固定資産の取得による支出114億35百万円等です。
[財務活動によるキャッシュ・フロー]
当連結会計年度において、財務活動によるキャッシュ・フローは前期比6億66百万円増のマイナス30億46百万円となりました。
主な内訳は、配当金の支払額27億37百万円等です。
以上の結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度末残高と比較して74億78百万円増加し535億64百万円となりました。
(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移
2017年3月期2018年3月期2019年3月期2020年3月期2021年3月期
自己資本比率(%)72.671.974.173.772.0
時価ベースの自己資本比率(%)66.475.571.175.366.2
債務償還年数(年)0.10.10.10.10.1
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)543.7408.3301.6512.5554.5

(注) 自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
債務償還年数:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
※各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算定しております。
※株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算定しております。
※有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っているすべての負債を対象としております。
※利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2020年4月1日
至 2021年3月31日)
金額(百万円)前年同期比(%)
生体検査装置部門5,98980.0
生体情報モニター部門8,250122.0
治療装置部門3,13592.8
消耗品等部門5,695120.1
合計23,070103.1

(注)1.金額は販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.仕入実績
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2020年4月1日
至 2021年3月31日)
金額(百万円)前年同期比(%)
生体検査装置部門19,965111.4
生体情報モニター部門2,70699.1
治療装置部門34,457106.3
消耗品等部門18,289101.7
合計75,419106.1

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.受注実績
該当事項はありません。
d.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2020年4月1日
至 2021年3月31日)
金額(百万円)前年同期比(%)
生体検査装置部門40,445105.8
生体情報モニター部門14,076137.4
治療装置部門55,187109.1
消耗品等部門37,047107.9
合計146,756110.0

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
1)財政状態
当連結会計年度末の財政状態は総資産が前連結会計年度末と比べて230億20百万円増加し、1,917億62百万円となりました。
これは、現金及び預金が74億78百万円増加、受取手形及び売掛金67億82百万円増加、建設仮勘定が31億76百万円増加したことなどが主な要因であります。
負債は、前連結会計年度末と比べて94億67百万円増加し、537億81百万円となりました。
これは、電子記録債務が30億84百万円増加、未払法人税等が25億26百万円増加したことなどが主な要因であります。
純資産は、前連結会計年度末と比べて135億53百万円増加し、1,379億81百万円となりました。
これは、利益剰余金が119億74百万円増加したことなどが主な要因であります。
この結果、自己資本比率は、72.0%(前連結会計年度末比1.7ポイント減)となりました。
2)経営成績
当社グループの当連結会計年度の連結売上高は1,467億56百万円(前年同期比10.0%増)となりました。
連結営業利益につきましては198億11百万円(前年同期比49.1%増)、連結経常利益は202億64百万円(前年同期比48.5%増)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は147億16百万円(前年同期比53.1%増)となりました。
b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
国内では2025年に向けた医療提供体制の改革として、患者様の容態に応じた適切な医療を、地域において効果的かつ効率的に提供する体制を整備し、できるだけ早く社会に復帰し、安心して生活を送れるようにするための取り組みが進められております。
当社グループの当連結会計年度の経営成績は、新型コロナウイルス感染拡大により、不要不急の営業活動の自粛、医療機関においても緊急性や重症でない疾患の手術が中止や延期になるなど感染リスクを最大限減らすための取り組みが行われ、外来受診や検査にも抑制の動きが見られるなど、極めて不透明な状況で推移いたしました。
そのような中、政府による感染拡大に備えた医療提供体制整備が進められたことで、感染しない・させないための感染予防を徹底した上で、医療を支えるべく、現場を最優先に事業活動を展開いたしました。
また出張や展示会の出展など不要不急な支出を制限する一方、研究開発や設備投資など優先度の高い分野へは積極的に投資を継続しつつ、感染予防のための時差勤務、在宅勤務を活用しながら、ITツール活用と対面によるハイブリッドな取り組みを行うなどコミュニケーションの多様化とデジタル化による生産性向上に向けて取り組んで参りました。
その結果、売上高、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益はいずれも過去最高を更新いたしました。
医療業界を取り巻く環境が大きな転換期を迎えている中、新型コロナウイルスの感染拡大が医療改革を加速化、変化させる可能性がありますが、引き続き社員と家族の安全確保のための感染予防を徹底し、医療機器等の供給体制の確保に全力を尽くしております。今後も医療従事者の皆様の負担を軽減し、より効果的・効率的な医療サービスの提供や安全・安心で質の高い医療を実現するため、当社グループだからこそできるシステムソリューションを基軸に、さらなる基盤事業の強化に取り組んでまいります。
新型コロナウイルス感染症への対応として、人工呼吸器、生体情報モニタ、パルスオキシメータ等の医療機器の他、空気清浄除菌脱臭装置、関連消耗品等の需要に対応すべく、供給体制の強化を図っております。
c.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループでは連結売上高、連結営業利益を中期経営計画上の重要な指標として位置付け、経営環境の変化に左右されない持続的成長の実現を目指しております。
ただし新型コロナウイルス感染症による影響を現時点で合理的に算定することが困難であることから、各目標については未定としております。今後の動向を見極めながら、業績予想の算定が可能となった段階で速やかに開示いたします。
d.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
①生体検査装置部門
大口商談の増加により、連結売上高は404億45百万円(前年同期比5.8%増)、セグメント利益は33億1百万円(前年同期比30.5%増)となりました。また、資産は252億12百万円となり、前連結会計年度に比べ34億19百万円増加しました。
②生体情報モニター部門
モニタの連結売上高は140億76百万円(前年同期比37.4%増)、セグメント利益は17億80百万円(前年同期比124.0%増)となりました。また、資産は95億18百万円となり、前連結会計年度に比べ25億38百万円増加しました。
③治療装置部門
ペースメーカ関連製品の売上は減少しましたが、人工呼吸装置、在宅医療向けレンタル事業の売上は伸張し、連結売上高は551億87百万円(前年同期比9.1%増)、セグメント利益は102億20百万円(前年同期比47.4%増)となりました。また、資産は458億円となり、前連結会計年度に比べ48億87百万円増加しました。
④消耗品等部門
消耗品等部門は、記録紙、ディスポーザブル電極や上記各部門の器械装置に使用する消耗品や修理、保守を含みます。
消耗品等部門の連結売上高は370億47百万円(前年同期比7.9%増)、セグメント利益は45億8百万円(前年同期比49.0%増)となりました。また、資産は225億16百万円となり、前連結会計年度に比べ20億78百万円増加しました。
②キャッシュ・フローの状況分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、資本効率を高めるべく創出したキャッシュ・フローを持続的な成長のための投資や各事業に係る運転資金の他、設備投資に回していくことで企業価値向上に努め、株主の皆様へ安定的な利益還元に必要な資金の確保、並びに強固な財務基盤の維持を目指し、安定的な営業キャッシュ・フローの創出に努めております。
また、必要な運転資金及び設備投資資金などについては内部留保により大部分をまかなっております。
なお、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は535億円となっております。
当連結会計年度末のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。