有価証券報告書-第82期(令和1年7月21日-令和2年7月20日)

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2020/10/12 13:36
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148項目
(1)経営成績等の状況の概要
①経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、米中貿易摩擦などの要因から輸出企業を中心に設備投資が減少に転じる状況にありますが、ICT投資に関しては国内の民間市場、公共市場ともに引き続き増大傾向にありました。しかし本年2月に入ってからは、新型コロナウイルス感染症が世界規模で拡大し、4月以降、わが国でも感染者が急増して政府による緊急事態宣言が全国に発令され、2020年4-6月期の実質GDP成長率は年率換算△28.1%と景気が急速に悪化しました。今後も再拡大の可能性があることから予断を許さない状況です。
このような状況のもと、内田洋行グループは、第15次中期経営計画で掲げたICT関連ビジネスを中心とする直近の伸長需要への対応を着実に行うとともに、中長期では、急速な少子化の進展による人口減少といった近い将来の社会課題解決のための準備をすすめています。今回の新型コロナウイルス感染症の拡大は、少子化の進展による日本の社会・産業構造の大変革をより一層前倒しするものと捉えております。
伸長需要の中では、2020年1月のWindows7のサポート終了に向けた「Windows10更新需要」が民間市場、公共市場、文教市場と全ての市場で大きな需要を生み出しましたが、更新ピーク後もICT投資は継続しており、特にソフトウェアライセンス販売では大企業向けに高い水準を引き続き維持しております。また、2020年度からの学校教育のカリキュラム改編にともなう「教育ICT需要」は、当連結会計年度の第1四半期で大きく伸長した以降も各四半期で堅調に推移しました。軽減税率導入にともなう導入システム修正の特需もあり、ICT関連ビジネスはセグメントを横断して大幅な拡大をいたしました。環境構築関連ビジネスにおいても「首都圏オフィス需要」が堅調に推移しております。
また、期中における新型コロナウイルス感染症の直接的影響は比較的少なく、逆に活動の制限により販売費は減少したことから、利益面での影響は軽微にとどまりました。なお、政府大型補正予算にともなう文部科学省「GIGAスクール構想」需要につきましては、売上計上は来期を見込みます。
これらの結果、当連結会計年度の売上高につきましては、2,003億7百万円(前連結会計年度比21.9%増)と大幅な増収となり、軽減税率対応や既存顧客向け大型案件など効率のよい案件の構成比が高まったことから、営業利益は72億4千2百万円(前連結会計年度比89.9%増)と高い伸びを示しました。経常利益は78億3千4百万円(前連結会計年度比88.6%増)となり、特別損失として固定資産の減損損失10億6千2百万円等、合計12億1千6百万円を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益につきましては34億9千万円(前連結会計年度比44.5%増)となり、売上高、利益ともに過去最高値となりました。
セグメント毎の経営成績は以下のとおりであります。
<公共関連事業>公共関連事業分野では、教育ICT分野における豊富な導入実績から培った幅広い顧客層とノウハウをもとに、学習指導要領改訂を契機としたICT環境整備の大型商談の獲得が進みました。学校の新年度に入り端末整備や教科書改訂にともなうデジタル教科書等の納入も拡大しています。大学市場では新棟建築などの大型案件の獲得が増大、官公庁自治体市場も大きく回復しマイナンバー制度関連のシステム構築収束後の端境期を脱しております。その結果、売上高は738億5千2百万円(前連結会計年度比28.4%増)となり、利益面では、営業利益は44億1千4百万円(前連結会計年度比224.0%増)と大幅に増額しました。
<オフィス関連事業>オフィス関連事業分野では、当期間は首都圏の新築オフィスビル供給が集中した時期にあり、オフィス移転が増加する中で、なかでも当社が注力してきた「働き方変革」を目指したオフィス環境の納入が増大しております。新型コロナウイルス感染症拡大については、オフィス移転案件の一部延伸や海外事業で影響等が出ています。その結果、売上高は491億円(前連結会計年度比2.4%増)となり、営業利益は1億5千3百万円(前連結会計年度比1億5千万円増)となりました。
<情報関連事業>民間を中心とする情報関連事業分野では、Windows10更新を機に大企業を中心にソフトウェアライセンス納入数が増大し、モバイルワーク等に対応した契約への移行による単価拡大も同時に進みました。これは第4四半期会計期間においても継続して伸長しており、ハードウェアの販売拡大にもつながっています。また、中堅中小企業では、強みのある食品業での軽減税率制度導入にともなうシステム対応案件獲得が多くあったことから、売上高は765億5千万円(前連結会計年度比31.8%増)となりました。利益面では、営業利益24億9千5百万円(前連結会計年度比11.4%増)となりました。
<その他>主な事業は教育研修事業と人材派遣事業であり、新型コロナウイルス感染症の影響で民間向け教育研修が大幅に減少しておりますが、オンライン研修への切り替えで一部を補っております。その結果、売上高は8億4百万円(前連結会計年度比3.2%減)、営業利益は5千5百万円(前連結会計年度比46.2%減)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ85億9百万円増加し、248億9千万円となりました。
<営業活動によるキャッシュ・フロー>営業活動によるキャッシュ・フローは113億2千万円増加いたしました(前連結会計年度は55億4千3百万円の増加)。これは主に、税金等調整前当期純利益66億1千8百万円(前連結会計年度は41億3千7百万円)、減価償却費21億4千3百万円(前連結会計年度は19億8千9百万円)、減損損失10億6千2百万円(前連結会計年度は8百万円)、仕入債務の増加27億2千2百万円(前連結会計年度は60億8千1百万円の増加)、および未払消費税等の増加10億8千6百万円(前連結会計年度は5千8百万円の減少)等の増加に対し、売上債権の増加9億6百万円(前連結会計年度は66億4千1百万円の増加)、およびたな卸資産の増加6億5百万円(前連結会計年度は52億5千4百万円の増加)等の減少によるものであります。
<投資活動によるキャッシュ・フロー>投資活動によるキャッシュ・フローは16億円減少いたしました(前連結会計年度は22億8千万円の減少)。これは主に、ソフトウェア開発等に係る投資支出10億4千万円、および有形固定資産の取得による支出6億4千8百万円等の減少によるものであります。
<財務活動によるキャッシュ・フロー>財務活動によるキャッシュ・フローは12億円減少いたしました(前連結会計年度は23億9千5百万円の減少)。これは主に、配当金の支払額8億8千万円、およびリース債務の返済による支出2億2千9百万円等の減少によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
イ 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称生産高(百万円)前年同期比(%)
公共関連事業1,453129.7
オフィス関連事業4,02395.6
情報関連事業7,30898.0
合計12,786100.0

(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 記載の金額の表示は販売価格によっております。
3 記載の金額には消費税等を含んでおりません。
ロ 受注実績
当連結会計年度における上記生産に係る受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称受注高(百万円)前年同期比(%)受注残高(百万円)前年同期比(%)
公共関連事業1,678177.8418216.5
情報関連事業6,75385.11,85677.0
合計8,43295.02,27587.3

(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 記載の金額には消費税等を含んでおりません。
3 オフィス関連事業は、見込生産を行っているため受注実績の記載を省略しております。
ハ 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称販売高(百万円)前年同期比(%)
公共関連事業73,852128.4
オフィス関連事業49,100102.4
情報関連事業76,550131.8
その他80496.8
合計200,307121.9

(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は、当該割合が100分の10以上の主要な販売先はありませんので、記載を省略しております。
3 記載の金額には消費税等を含んでおりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針および見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要な事項につきましては、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。
詳細につきましては、「第5[経理の状況] 1[連結財務諸表等] (1)[連結財務諸表]注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」をご参照ください。
②経営成績の分析
イ 売上高
拡大する「Windows10更新需要」「教育ICT需要」「首都圏オフィス需要」の獲得につとめたことから、売上高は、2,003億7百万円と前連結会計年度に比べ359億2千1百万円(21.9%)の増収となりました。
なお、セグメン卜別の概況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」をご参照ください。
ロ 営業利益
売上の大幅な伸長に加え、軽減税率対応や既存顧客向け大型案件など効率のよい案件の構成比が高まったことから、営業利益は72億4千2百万円と前連結会計年度に比べ34億2千8百万円の増益となりました。
ハ 経常利益
経常利益は78億3千4百万円となり、前連結会計年度に比べ36億7千9百万円の増益となっておりますが、主に営業利益と同様の理由によるものです。
ニ 税金等調整前当期純利益
固定資産の減損損失10億6千2百万円および投資有価証券評価損1億4千万円等の特別損失を計上したことから、税金等調整前当期純利益は66億1千8百万円となり、前連結会計年度に比べ24億8千1百万円の増益となりました。この特別損失以外では主に営業利益と同様の理由によるものです。
ホ 親会社株主に帰属する当期純利益
親会社株主に帰属する当期純利益は34億9千万円となりました。前連結会計年度に比べ10億7千5百万円の増益となっておりますが、主に税金等調整前当期純利益と同様の理由によるものです。
③財政状態の分析
イ 資産
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度に比べ85億7千9百万円増加し、1,112億6千4百万円となりました。流動資産は、現金及び預金の増加86億3千5百万円、受取手形及び売掛金の増加8億9千2百万円、および仕掛品の増加4億9千8百万円等により、前連結会計年度末に比べ102億3千万円増加し、830億4千3百万円となりました。また、固定資産は、前連結会計年度末に比べ16億5千万円減少し、282億2千1百万円となりました。
ロ 負債
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ54億4千6百万円増加し、689億4千8百万円となりました。流動負債は、仕入債務の増加27億2千万円、未払消費税等の増加10億8千6百万円、前受金の増加6億9千2百万円、および未払法人税等の増加6億3千5百万円等により、前連結会計年度末に比べ54億6千6百万円増加し、586億4百万円となりました。また、固定負債は、前連結会計年度末に比べ1千9百万円減少し、103億4千3百万円となりました。
ハ 純資産
純資産合計は、親会社株主に帰属する当期純利益34億9千万円、および剰余金の配当8億8千万円等により、前連結会計年度末に比べ31億3千2百万円増加し、423億1千5百万円となりました。
④キャッシュ・フロー
「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
なお、当社グループのキャッシュ・フロー指標は以下のとおりとなっております。
2018年7月期2019年7月期2020年7月期
キャッシュ・フロー対有利子負債比率
(有利子負債/営業キャッシュ・フロー)
-0.9年0.5年
インタレスト・カバレッジ・レシオ
(営業キャッシュ・フロー/利払い)
-89.5倍205.0倍

(注)1 有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
2 2018年7月期のキャッシュ・フロー対有利子負債比率及びインタレスト・カバレッジ・レシオについては、営業キャッシュ・フローがマイナスのため記載しておりません。
⑤資本の財源および資金の流動性の分析
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、仕入高、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、主に設備投資等によるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましても、自己資金及び金融機関からの長期借入を基本としております。
⑥経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、第15次中期経営計画「UCHIDA2020」(2018年7月21日〜2021年7月20日)を策定し、客観的な数値目標として連結売上高1,600億円、連結営業利益38億円と定めました。その後、連結売上高を1,700億円に上方修正しましたが、最終年度となる2021年7月期の利益計画は連結売上高2,400億円、連結営業利益60億円と大幅に上昇する計画を見込みます。
一方でその他の経営指標として、自己資本当期純利益率(ROE)8%を目標としております。当連結会計年度のROEは9.4%となり、前連結会計年度の6.9%から2.5ポイント上昇させることができましたが、将来の市場変化に対応する活動、投資を重視する中から、今後も安定的に8%を達成することのできる経営基盤づくりを目指しております。

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