有価証券報告書-第86期(2023/07/21-2024/07/20)

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2024/10/15 14:16
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【項目】
155項目
(1)経営成績等の状況の概要
①経営成績の状況
当連結会計年度のわが国の経済は、生成AIが牽引する半導体関連需要の世界的拡大や日本でのインバウンド需要の増大などもあり、製造業、非製造業ともに企業業績は好調で設備投資も堅調に推移しました。民間企業を中心に生産性向上のためのDX分野への投資は引き続き拡大しており、人手不足感の強まりなどを背景として人材教育や働く環境の改善などへの投資も広がっています。しかしながら、今後は海外経済の減速、為替変動などの影響により、国内景気は下振れする懸念もあります。
以上のように民間各社の業績が拡大する状況の中、当連結会計年度では、民間市場において大手企業によるデジタル分野への投資拡大により、クラウドベースのサブスクリプション型ライセンス契約の大型案件の獲得が引き続き高い伸びを維持しております。また人材確保のための企業の投資意欲が高いことから、働く環境の改善を図るためのオフィスリニューアル案件も増加してオフィス事業が大きく伸長しました。さらに中堅中小企業では、2023年10月から開始したインボイス制度への情報システム対応案件を順調に獲得するなど、民間需要全体の拡大に着実に対応してまいりました。一方公共市場では、教育ICT市場はGIGAスクール需要の端境期にあり、自治体での昨年の反動による減少もありましたが、大学市場では案件獲得が大きく伸長し、教育ICTでの大型案件の獲得もありました。これらの結果、売上高は、2,779億4千万円(前連結会計年度比12.7%増)と大きく業績を拡大することができました。
また当社グループ自身も将来に向けた投資活動を強化しております。人への投資として昨年を上回る給与のベースアップと処遇改善を実施し、事業においてはデータ活用ビジネスのための開発投資を進めております。またグループ全体の情報共有と業務効率の改善を推進するためのグループ共通販売管理システムの投資や、顧客接点強化のためのマーケティング活動を強化していることから、販売費及び一般管理費は大きく増加しました。しかしながら売上高の大幅な伸長のもと、営業利益は93億4千5百万円(前連結会計年度比10.8%増)となり、経常利益は101億3千5百万円(前連結会計年度比10.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は、賃上げ促進税制の効果もあり69億9千6百万円(前連結会計年度比9.9%増)となりました。
以上のことから、売上高と営業利益、経常利益では、国の超大型補正予算による生徒一人一台のGIGAスクール案件のあった2021年7月期の実績に次ぐ高い水準となり、当期純利益では過去最高益となりました。
当連結会計年度は、内田洋行グループ第16次中期経営計画(2022年7月期 ~2024年7月期)の最終年度となります。第14次中期経営計画から9年間にわたって進めてきた構造改革による各事業の競争力向上により、第16次中期経営計画の当初目標を大きく上回りました。働き方変革、学び方変革を標榜し続けてきた当社グループのこれからの成長機会は、社会変化への対応を迫られるお客様をご支援することにあると考え、第16次中期経営計画ではグループリソースを生かした経営への転換を速める諸施策をスタートさせました。今後はその成果を生かし、社会に貢献できる内田洋行グループとなれるよう、より一層継続した改革を進めてまいります。
セグメント毎の経営成績は以下のとおりです。
<公共関連事業>公共関連事業分野では、自治体、官公庁市場では前年にあった大型ICT案件の反動もあるもの、大学市場などが伸長し、概ね計画通りに推移しました。
教育ICTではGIGAスクールの端境期にある中、大量の端末整備に対応するためのネットワーク構築案件などで当社の強みを発揮したほか、教室環境のICT化で大型案件の獲得がありました。大学市場では、大学の学部・学科の新たな設置や改編による施設設備の整備や、ICTに対応した教室環境構築の大型案件により、売上高は大きく伸長しました。また学校や公共施設の設備整備案件も増大しました。
一方、全社の投資増大にともない、構成比率が高い公共関連事業分野の負担が大きいことに加え、前連結会計年度に子会社化したComputer Based Testing(CBT)プラットフォームを開発するOpen Assessment Technologies S.A.社での試験研究投資も開始したことから、販管費は増大しております。
これらの結果、売上高は809億4千9百万円(前連結会計年度比0.3%増)となり、営業利益は30億2千2百万円(前連結会計年度比11.8%減)となりました。
<オフィス関連事業>オフィス関連事業分野では、東名阪エリアを中心に、ハイブリッドワークスタイルに対応した新たな需要が着実に拡大しています。また好調な企業業績を背景に、人材確保のための投資の意識がこれまで以上に高まっており、オフィスの増床や大型移転案件、R&D部門など本社部門から周辺部門へとオフィスリニューアル案件が順調に拡大しました。
また、海外事業において、米国を中心とするホビー・クラフト関連の製品販売も堅調に推移いたしました。これらにより、売上高は563億6百万円(前連結会計年度比10.2%増)、営業利益は16億2千万円(前連結会計年度比51.2%増)となりました。
<情報関連事業>情報関連事業分野では、大手民間企業でクラウドベースのサブスクリプション型ライセンスの大型の契約が伸長しており、クラウド型のインフラ構築サービスや、生成AIに関連する商談も増加しています。また大手企業のフリーアドレス化の進展にともなって社員の位置情報やオフィスビルに関するデータを可視化してコミュニケーションを促すシステム導入や、会議室運用支援サービスなど、データを活用したクラウドサービスの獲得も進みました。これらの案件ではオフィス関連事業分野との相乗効果が拡大しています。完全子会社化したウチダエスコではキッティングサービスなどの民間向けITサービス分野が拡大しました。
また、当社グループが強みを持つ食品業等のユーザーを中心に、2023年10月1日に開始されたインボイス制度に対応するための業務系システムのプログラム改修需要の獲得が大きく拡大し、中堅中小企業向けICTビジネスも順調に推移しました。
これらの結果、売上高は1,396億5千7百万円(前連結会計年度比22.8%増)となり、営業利益は44億5百万円(前連結会計年度比20.7%増)となりました。
<その他>主な事業は教育研修事業であります。前年にあった国の大型受託案件は終了したものの、民間企業向けのDX研修などが堅調に推移しました。売上高は10億2千6百万円(前連結会計年度比0.1%減)となり、営業利益は1億9千8百万円(前連結会計年度比25.2%減)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ7億1千3百万円増加し、262億8千6百万円となりました。
<営業活動によるキャッシュ・フロー>営業活動によるキャッシュ・フローは48億5千万円増加いたしました(前連結会計年度は72億6千9百万円の増加)。これは主に、税金等調整前当期純利益102億8千万円(前連結会計年度は92億円)、仕入債務の増加20億3千8百万円(前連結会計年度は27億3千5百万円の増加)、減価償却費18億8千5百万円(前連結会計年度は18億9千7百万円)等の増加に対し、売上債権及び契約資産の増加87億7千7百万円(前連結会計年度は3億7千9百万円の減少)等の減少によるものであります。
<投資活動によるキャッシュ・フロー>投資活動によるキャッシュ・フローは18億1千6百万円減少いたしました(前連結会計年度は48億5千7百万円の減少)。これは主に、ソフトウェア開発等に係る投資支出13億2百万円、および有形固定資産の取得による支出6億7千7百万円等の減少によるものであります。
<財務活動によるキャッシュ・フロー>財務活動によるキャッシュ・フローは23億5千4百万円減少いたしました(前連結会計年度は35億2千1百万円の減少)。これは主に、配当金の支払額18億7千万円等の減少によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
イ 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称生産高(百万円)前年同期比(%)
公共関連事業1,604134.9
オフィス関連事業3,679109.9
情報関連事業11,531143.0
合計16,816133.4

(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 記載の金額の表示は販売価格によっております。
ロ 受注実績
当連結会計年度における上記生産に係る受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称受注高(百万円)前年同期比(%)受注残高(百万円)前年同期比(%)
公共関連事業1,559138.619681.5
情報関連事業11,513154.72,10099.1
合計13,072152.62,29797.3

(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 オフィス関連事業は、見込生産を行っているため受注実績の記載を省略しております。
ハ 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称販売高(百万円)前年同期比(%)
公共関連事業80,949100.3
オフィス関連事業56,306110.2
情報関連事業139,657122.8
その他1,02699.9
合計277,940112.7

(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は、当該割合が100分の10以上の主要な販売先はありませんので、記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針および見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要な事項につきましては、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。
詳細につきましては、「第5[経理の状況] 1[連結財務諸表等] (1)[連結財務諸表]注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」及び同「注記事項 (重要な会計上の見積り)」をご参照ください。
②経営成績の分析
イ 売上高
民間各社の業績が拡大する状況の中、民間市場において大手企業によるデジタル分野への投資拡大により、クラウドベースのサブスクリプション型ライセンス契約の大型案件の獲得が引き続き高い伸びを維持しております。また人材確保のための企業の投資意欲が高いことから、働く環境の改善を図るためのオフィスリニューアル案件も増加してオフィス事業が大きく伸長しました。さらに中堅中小企業では、2023年10月から開始したインボイス制度への情報システム対応案件を順調に獲得するなど、民間需要全体の拡大に着実に対応してまいりました。一方公共市場では、教育ICT市場はGIGAスクール需要の端境期にあり、自治体での昨年の反動による減少もありましたが、大学市場では案件獲得が大きく伸長し、教育ICTでの大型案件の獲得もありました。これらの結果、売上高は、2,779億4千万円と前連結会計年度に比べ313億9千万円(12.7%)の増収となっております。
なお、セグメン卜別の概況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」をご参照ください。
ロ 営業利益
売上の増加等により、営業利益は93億4千5百万円と前連結会計年度に比べ9億8百万円の増益となりました。
ハ 経常利益
経常利益は101億3千5百万円となり、前連結会計年度に比べ9億7千4百万円の増益となっておりますが、主に営業利益と同様の理由によるものです。
ニ 税金等調整前当期純利益
税金等調整前当期純利益は102億8千万円となり、前連結会計年度に比べ10億8千万円の増益となっておりますが、主に営業利益と同様の理由によるものです。
ホ 親会社株主に帰属する当期純利益
親会社株主に帰属する当期純利益は69億9千6百万円となりました。前連結会計年度に比べ6億2千9百万円の増益となっておりますが、主に税金等調整前当期純利益と同様の理由によるものです。
③財政状態の分析
イ 資産
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ176億3千6百万円増加し、1,506億4千4百万円となりました。流動資産は、受取手形、売掛金及び契約資産の増加88億3千万円等により前連結会計年度末に比べ80億2千2百万円増加し、1,063億5千4百万円となりました。また固定資産は、投資有価証券の増加51億2千3百万円、退職給付に係る資産の増加47億2千万円等により前連結会計年度末に比べ96億1千3百万円増加し、442億9千万円となりました。
ロ 負債
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ53億3千3百万円増加し、862億2千万円となりました。流動負債は、仕入債務の増加20億5千9百万円、契約負債の増加5億2千7百万円、未払消費税等の増加4億5千5百万円等により前連結会計年度末に比べ29億9千万円増加し、733億2千2百万円となりました。また固定負債は、繰延税金負債の増加31億4千6百万円、および退職給付に係る負債の減少5億7千万円等により前連結会計年度末に比べ23億4千2百万円増加し、128億9千7百万円となりました。
ハ 純資産
当連結会計年度末の純資産合計は、親会社株主に帰属する当期純利益69億9千6百万円による増加、上場有価証券の時価評価に伴うその他有価証券評価差額金の増加36億5千1百万円、割引率上昇等による退職給付に係る調整累計額の増加30億9千7百万円、および剰余金の配当18億7千万円による減少等により、前連結会計年度末に比べ123億2百万円増加し、644億2千4百万円となりました。以上の結果、自己資本比率は前連結会計年度末の39.0%から3.6ポイント上昇し、42.6%となりました。
④キャッシュ・フロー
「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
なお、当社グループのキャッシュ・フロー指標は以下のとおりとなっております。
2022年7月期2023年7月期2024年7月期
キャッシュ・フロー対有利子負債比率
(有利子負債/営業キャッシュ・フロー)
-0.7年1.1年
インタレスト・カバレッジ・レシオ
(営業キャッシュ・フロー/利払い)
-120.0倍79.6倍

(注)1 有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
2 2022年7月期のキャッシュ・フロー対有利子負債比率及びインタレスト・カバレッジ・レシオについては、営業キャッシュ・フローがマイナスのため記載しておりません。
⑤資本の財源および資金の流動性の分析
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、仕入高、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、主に設備投資等によるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましても、自己資金及び金融機関からの長期借入を基本としております。
⑥経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、第17次中期経営計画(2024年7月21日~2027年7月20日)を策定いたしました。同計画においては、連結売上高3,400億円、連結営業利益115億円を最終年度に達成すべき数値目標として定めております。
また、目標とする経営指標として、自己資本当期純利益率(ROE)を10%前後とし、安定的に当該水準を継続できる経営基盤の確立を目指します。

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