有価証券報告書-第83期(令和2年7月21日-令和3年7月20日)
(1)経営成績等の状況の概要
①経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症による度重なる緊急事態宣言の発出に見舞われ、個人消費はサービス支出を中心に動きの弱さが継続していますが、海外需要の伸長から製造業を中心に企業業績は回復基調にあります。加えて2021年度の設備投資も持ち直すなど、今春からは企業業績はコロナ禍前の水準に近づく回復となりました。しかしながらワクチン接種は進むものの、デルタ株の蔓延による感染は収束しておらず、日本経済の本格的な回復にはまだ時間を要する状況にあります。
当期が最終年度となる内田洋行グループ第15次中期経営計画では、日本の急速な少子化がもたらす将来の社会課題解決のためには「働き方変革」「学び方変革」「場と街づくり変革」が今後は重要になると考え、期間中の収益力強化とともに、将来に向けての体制強化を最重要課題に掲げました。想定外に発生したコロナウイルス感染症はパンデミックとなりましたが、この状況でもこれら将来の社会課題解決のための変革の必要性は変わらず、その必要性を高め前倒しさせるものとなりました。この視点からICT関連ビジネスと環境構築関連ビジネスを推進しているところです。
環境構築関連では、公共分野での感染症対策として自治体や学校で必要な整備を行う国の補正予算がありました。民間企業においてもコロナ禍対応のオフィス改修案件は増大しておりますが、オフィス需要全体の回復は未だ途上にあります。しかしながら新時代に対応したオフィスのあり方は働き方を考える方向に着実に進んでおり、今春からは需要は大きく回復しました。
一方、ICT関連では、国のデジタル庁設置が決定するなど、将来の社会課題解決に向けてのICT整備が着実に進もうとしています。このデジタル庁主導により、今後はマイナンバーカードの所有が進むほか、電子インボイス制度の導入が予定されていることから、民間企業でも、DX(デジタルトランスフォーメーション)への取り組みが本格的に加速することが予想され、また、テレワークも働き方変革の一環として継続すると考えます。
このようなDX時代に対応するための将来の人材育成策として、児童生徒1人1台のタブレット端末や学校の無線ネットワーク環境を整備する文部科学省GIGAスクール構想が立案され、二度にわたる補正予算により大規模かつ集中的に学校のICT 整備が一気に進展いたしました。
以上のような状況のなか、ICT関連ビジネスにおいては、教育ICTにおける、「GIGAスクール構想」案件では想定以上の多大な実績をあげられたほか、大手民間企業のICTビジネスにおいてもソフトウェアライセンス販売等が過去最高を更新しました。また、環境構築関連ビジネスにおいては、自治体や学校での感染症対策需要も大きく拡大したほか公共市場での施設案件の獲得や、第4四半期に入ってのオフィス家具の回復もあり、当連結会計年度の売上高は2,910億3千5百万円(前連結会計年度比45.3%増)となりました。
利益面では、「GIGAスクール構想」案件は端末整備の比重が大きいことから従前のICT案件よりも利益率が低くなり、また大量の端末を稼働させる仕組みづくりのための投資的な経費負担も必要となりましたが、SEによる管理体制全体の見直しや、キッティングの計画的な運用などを従来のセグメントを超えてグループ全体で取り組んだことより、短納期で大規模の案件導入にも関わらず、品質の確保や稼働率の向上により収益性は大きく改善されています。
当連結会計年度の営業利益は103億6千3百万円(前連結会計年度比43.1%増)となりました。また、経常利益は110億1千8百万円(前連結会計年度比40.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は61億6千万円(前連結会計年度比76.5%増)となり、昨年に引き続き、売上高、利益ともに過去最高値となりました。
第15次中期経営計画(2019年7月期〜2021年7月期)の進捗においては、最終年度の目標値(売上高1,700億円、営業利益38億円)を大幅に上回り、この期間における最重要課題として掲げた収益性向上を実現することができました。その結果、当中期経営計画前の2018年7月期比で売上高は約2倍、営業利益は約3.5倍となりました。
セグメント毎の経営成績は以下のとおりであります。
なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を一部変更しており、前連結会計年度との比較・分析は変更後の区分に基づいて記載しております。
<公共関連事業>公共関連事業分野では、GIGAスクール構想案件での主要な二つの事業の一つであるタブレット端末整備事業では、従来からの学校でのサポート実績に加えて競争力のある総合的な体制の強化が顧客から高く評価され、大型案件の受注が想定以上に広がりました。また、もう一つの無線ネットワーク整備事業では、中心となるWi-Fi環境等のネットワーク設計整備以外に、タブレット導入に合わせた専用充電保管庫の出荷も増大しました。さらに、その後の利活用をサポートするためのヘルプデスクサービスやICT支援員の派遣サービスも拡大するなどグループ全体のリソースを活用する成果がでました。
そのほか、学校や官公庁自治体、公共図書館などで感染症対策にともなうICTと環境の両面で整備が拡大したほか、学校施設設備案件も伸張しました。
その結果、売上高は1,567億1千8百万円(前連結会計年度比106.2%増)となり、利益面では、営業利益は79億7千6百万円(前連結会計年度比72.4%増)と大幅に増額しました。
<オフィス関連事業>オフィス関連事業分野では、コロナ禍の影響が長引きオフィス投資の延伸や落ち込みが続きましたが、第4四半期以降は企業活動が活発化し、2020年の大型オフィスビル増加による移転案件や新たな時代の働き方がさまざまな企業で拡大、需要は回復に転じております。海外市場では、米国を中心とするホビー・クラフト製品の販売がコロナ不況からいち早く回復基調に転じました。
これらの結果、売上高は463億4千5百万円(前連結会計年度比5.6%減)となり、営業損失は6億2千6百万円(前連結会計年度は1億5千3百万円の利益)となりました。
<情報関連事業>情報関連事業分野では、大手企業を中心に、モバイルワークに適した形態のサブスクリプション型のソフトウェアライセンス契約での大型案件の獲得などにより売上が大幅に拡大しました。また、コロナ禍に対応するための社員の位置情報やオフィスの混雑状況を可視化するシステム提供を開始したほか、第4四半期会計期間には福祉市場向けに高齢者介護ソフトの新製品の投入や、民間市場の需要回復も貢献をしています。
これらの結果、売上高は869億5千9百万円(前連結会計年度比16.8%増)となりました。利益面では、営業利益26億7百万円(前連結会計年度比13.4%増)となりました。
<その他>主な事業は教育研修事業と人材派遣事業であり、前年度に新型コロナの影響を大きく受けた研修事業は、当期にはオンラインやリアルとオンラインのハイブリッドでの研修メニューも拡充させたほか、教育ICTビジネスとの連携からGIGAスクール構想に関連したICT支援員の派遣事業が拡大しました。
その結果、売上高は10億1千1百万円(前連結会計年度比25.9%増)、営業利益は3億2千1百万円(前連結会計年度比479.2%増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ178億4千7百万円増加し、427億3千7百万円となりました。
<営業活動によるキャッシュ・フロー>営業活動によるキャッシュ・フローは204億5千7百万円増加いたしました(前連結会計年度は113億2千万円の増加)。これは主に、税金等調整前当期純利益109億7千6百万円(前連結会計年度は66億1千8百万円)、減価償却費23億1千7百万円(前連結会計年度は21億4千3百万円)、前受金の増加60億9百万円(前連結会計年度は6億9千2百万円の増加)、製品保証引当金の増加22億9千5百万円(前連結会計年度は計上なし)、仕入債務の増加22億4百万円(前連結会計年度は27億2千2百万円の増加)、およびたな卸資産の減少20億4千2百万円(前連結会計年度は6億5百万円の増加)等の増加に対し、売上債権の増加42億1千2百万円(前連結会計年度は9億6百万円の増加)等の減少によるものであります。
<投資活動によるキャッシュ・フロー>投資活動によるキャッシュ・フローは11億3千4百万円減少いたしました(前連結会計年度は16億円の減少)。これは主に、ソフトウェア開発等に係る投資支出10億1千4百万円等の減少によるものであります。
<財務活動によるキャッシュ・フロー>財務活動によるキャッシュ・フローは14億8千4百万円減少いたしました(前連結会計年度は12億円の減少)。これは主に、配当金の支払額11億7千5百万円、およびリース債務の返済による支出2億8千8百万円等の減少によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
イ 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 記載の金額の表示は販売価格によっております。
3 記載の金額には消費税等を含んでおりません。
4 当連結会計年度より、セグメント区分の一部変更を行っており、「前年同期比(%)」は、前連結会計年度の数値を変更後のセグメント区分に組み替えて算出しております。
ロ 受注実績
当連結会計年度における上記生産に係る受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 記載の金額には消費税等を含んでおりません。
3 オフィス関連事業は、見込生産を行っているため受注実績の記載を省略しております。
4 当連結会計年度より、セグメント区分の一部変更を行っており、「前年同期比(%)」は、前連結会計年度の数値を変更後のセグメント区分に組み替えて算出しております。
ハ 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は、当該割合が100分の10以上の主要な販売先はありませんので、記載を省略しております。
3 記載の金額には消費税等を含んでおりません。
4 当連結会計年度より、セグメント区分の一部変更を行っており、「前年同期比(%)」は、前連結会計年度の数値を変更後のセグメント区分に組み替えて算出しております。
5 当連結会計年度において、販売実績に著しい変動がありました。詳細は「(1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載のとおりであります。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針および見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要な事項につきましては、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。
詳細につきましては、「第5[経理の状況] 1[連結財務諸表等] (1)[連結財務諸表]注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」及び同「注記事項 (重要な会計上の見積り)」をご参照ください。
②経営成績の分析
イ 売上高
教育ICTにおける「GIGAスクール構想」案件での想定以上の多大な実績があげられたこと等から、売上高は、2,910億3千5百万円と前連結会計年度に比べ907億2千7百万円(45.3%)の増収となりました。
なお、セグメン卜別の概況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」をご参照ください。
ロ 営業利益
売上の大幅な伸長等により、営業利益は103億6千3百万円と前連結会計年度に比べ31億2千1百万円の増益となりました。
ハ 経常利益
経常利益は110億1千8百万円となり、前連結会計年度に比べ31億8千3百万円の増益となっておりますが、主に営業利益と同様の理由によるものです。
ニ 税金等調整前当期純利益
税金等調整前当期純利益は109億7千6百万円となりました。前連結会計年度において、固定資産の減損損失等の特別損失を12億1千6百万円計上していたため、前連結会計年度に比べ43億5千7百万円の増益となりました。この特別損失以外では主に営業利益と同様の理由によるものです。
ホ 親会社株主に帰属する当期純利益
親会社株主に帰属する当期純利益は61億6千万円となりました。前連結会計年度に比べ26億6千9百万円の増益となっておりますが、主に税金等調整前当期純利益と同様の理由によるものです。
③財政状態の分析
イ 資産
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度に比べ218億5千2百万円増加し、1,331億1千6百万円となりました。流動資産は、現金及び預金の増加178億1千1百万円、受取手形及び売掛金の増加42億2千3百万円等により、前連結会計年度末に比べ200億1千万円増加し、1,030億5千3百万円となりました。また、固定資産は、前連結会計年度末に比べ18億4千2百万円増加し、300億6千3百万円となりました。
ロ 負債
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ139億6千2百万円増加し、829億1千1百万円となりました。流動負債は、前受金の増加60億9百万円、仕入債務の増加22億8百万円、未払費用の増加12億3千7百万円、および未払法人税等の増加12億1千1百万円等により、前連結会計年度末に比べ126億4千9百万円増加し、712億5千4百万円となりました。また、固定負債は、前連結会計年度末に比べ13億1千3百万円増加し、116億5千6百万円となりました。
ハ 純資産
純資産合計は、親会社株主に帰属する当期純利益61億6千万円による増加、退職給付に係る調整累計額の増加10億5百万円、上場有価証券の時価評価に伴うその他有価証券評価差額金の増加5億9千2百万円、および剰余金の配当11億7千5百万円による減少等により、前連結会計年度末に比べ78億9千万円増加し、502億5百万円となりました。
④キャッシュ・フロー
「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
なお、当社グループのキャッシュ・フロー指標は以下のとおりとなっております。
(注) 有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
⑤資本の財源および資金の流動性の分析
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、仕入高、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、主に設備投資等によるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましても、自己資金及び金融機関からの長期借入を基本としております。
⑥経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、第16次中期経営計画(2021年7月21日〜2024年7月20日)を策定いたしました。同計画において、連結売上高2,200億円、連結営業利益60億円を最終年度に達成すべき数値目標として定めております。
また、目標とする経営指標として、自己資本当期純利益率(ROE)を8%とし、安定的に達成できる経営基盤の確立を目指します。
①経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症による度重なる緊急事態宣言の発出に見舞われ、個人消費はサービス支出を中心に動きの弱さが継続していますが、海外需要の伸長から製造業を中心に企業業績は回復基調にあります。加えて2021年度の設備投資も持ち直すなど、今春からは企業業績はコロナ禍前の水準に近づく回復となりました。しかしながらワクチン接種は進むものの、デルタ株の蔓延による感染は収束しておらず、日本経済の本格的な回復にはまだ時間を要する状況にあります。
当期が最終年度となる内田洋行グループ第15次中期経営計画では、日本の急速な少子化がもたらす将来の社会課題解決のためには「働き方変革」「学び方変革」「場と街づくり変革」が今後は重要になると考え、期間中の収益力強化とともに、将来に向けての体制強化を最重要課題に掲げました。想定外に発生したコロナウイルス感染症はパンデミックとなりましたが、この状況でもこれら将来の社会課題解決のための変革の必要性は変わらず、その必要性を高め前倒しさせるものとなりました。この視点からICT関連ビジネスと環境構築関連ビジネスを推進しているところです。
環境構築関連では、公共分野での感染症対策として自治体や学校で必要な整備を行う国の補正予算がありました。民間企業においてもコロナ禍対応のオフィス改修案件は増大しておりますが、オフィス需要全体の回復は未だ途上にあります。しかしながら新時代に対応したオフィスのあり方は働き方を考える方向に着実に進んでおり、今春からは需要は大きく回復しました。
一方、ICT関連では、国のデジタル庁設置が決定するなど、将来の社会課題解決に向けてのICT整備が着実に進もうとしています。このデジタル庁主導により、今後はマイナンバーカードの所有が進むほか、電子インボイス制度の導入が予定されていることから、民間企業でも、DX(デジタルトランスフォーメーション)への取り組みが本格的に加速することが予想され、また、テレワークも働き方変革の一環として継続すると考えます。
このようなDX時代に対応するための将来の人材育成策として、児童生徒1人1台のタブレット端末や学校の無線ネットワーク環境を整備する文部科学省GIGAスクール構想が立案され、二度にわたる補正予算により大規模かつ集中的に学校のICT 整備が一気に進展いたしました。
以上のような状況のなか、ICT関連ビジネスにおいては、教育ICTにおける、「GIGAスクール構想」案件では想定以上の多大な実績をあげられたほか、大手民間企業のICTビジネスにおいてもソフトウェアライセンス販売等が過去最高を更新しました。また、環境構築関連ビジネスにおいては、自治体や学校での感染症対策需要も大きく拡大したほか公共市場での施設案件の獲得や、第4四半期に入ってのオフィス家具の回復もあり、当連結会計年度の売上高は2,910億3千5百万円(前連結会計年度比45.3%増)となりました。
利益面では、「GIGAスクール構想」案件は端末整備の比重が大きいことから従前のICT案件よりも利益率が低くなり、また大量の端末を稼働させる仕組みづくりのための投資的な経費負担も必要となりましたが、SEによる管理体制全体の見直しや、キッティングの計画的な運用などを従来のセグメントを超えてグループ全体で取り組んだことより、短納期で大規模の案件導入にも関わらず、品質の確保や稼働率の向上により収益性は大きく改善されています。
当連結会計年度の営業利益は103億6千3百万円(前連結会計年度比43.1%増)となりました。また、経常利益は110億1千8百万円(前連結会計年度比40.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は61億6千万円(前連結会計年度比76.5%増)となり、昨年に引き続き、売上高、利益ともに過去最高値となりました。
第15次中期経営計画(2019年7月期〜2021年7月期)の進捗においては、最終年度の目標値(売上高1,700億円、営業利益38億円)を大幅に上回り、この期間における最重要課題として掲げた収益性向上を実現することができました。その結果、当中期経営計画前の2018年7月期比で売上高は約2倍、営業利益は約3.5倍となりました。
セグメント毎の経営成績は以下のとおりであります。
なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を一部変更しており、前連結会計年度との比較・分析は変更後の区分に基づいて記載しております。
<公共関連事業>公共関連事業分野では、GIGAスクール構想案件での主要な二つの事業の一つであるタブレット端末整備事業では、従来からの学校でのサポート実績に加えて競争力のある総合的な体制の強化が顧客から高く評価され、大型案件の受注が想定以上に広がりました。また、もう一つの無線ネットワーク整備事業では、中心となるWi-Fi環境等のネットワーク設計整備以外に、タブレット導入に合わせた専用充電保管庫の出荷も増大しました。さらに、その後の利活用をサポートするためのヘルプデスクサービスやICT支援員の派遣サービスも拡大するなどグループ全体のリソースを活用する成果がでました。
そのほか、学校や官公庁自治体、公共図書館などで感染症対策にともなうICTと環境の両面で整備が拡大したほか、学校施設設備案件も伸張しました。
その結果、売上高は1,567億1千8百万円(前連結会計年度比106.2%増)となり、利益面では、営業利益は79億7千6百万円(前連結会計年度比72.4%増)と大幅に増額しました。
<オフィス関連事業>オフィス関連事業分野では、コロナ禍の影響が長引きオフィス投資の延伸や落ち込みが続きましたが、第4四半期以降は企業活動が活発化し、2020年の大型オフィスビル増加による移転案件や新たな時代の働き方がさまざまな企業で拡大、需要は回復に転じております。海外市場では、米国を中心とするホビー・クラフト製品の販売がコロナ不況からいち早く回復基調に転じました。
これらの結果、売上高は463億4千5百万円(前連結会計年度比5.6%減)となり、営業損失は6億2千6百万円(前連結会計年度は1億5千3百万円の利益)となりました。
<情報関連事業>情報関連事業分野では、大手企業を中心に、モバイルワークに適した形態のサブスクリプション型のソフトウェアライセンス契約での大型案件の獲得などにより売上が大幅に拡大しました。また、コロナ禍に対応するための社員の位置情報やオフィスの混雑状況を可視化するシステム提供を開始したほか、第4四半期会計期間には福祉市場向けに高齢者介護ソフトの新製品の投入や、民間市場の需要回復も貢献をしています。
これらの結果、売上高は869億5千9百万円(前連結会計年度比16.8%増)となりました。利益面では、営業利益26億7百万円(前連結会計年度比13.4%増)となりました。
<その他>主な事業は教育研修事業と人材派遣事業であり、前年度に新型コロナの影響を大きく受けた研修事業は、当期にはオンラインやリアルとオンラインのハイブリッドでの研修メニューも拡充させたほか、教育ICTビジネスとの連携からGIGAスクール構想に関連したICT支援員の派遣事業が拡大しました。
その結果、売上高は10億1千1百万円(前連結会計年度比25.9%増)、営業利益は3億2千1百万円(前連結会計年度比479.2%増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ178億4千7百万円増加し、427億3千7百万円となりました。
<営業活動によるキャッシュ・フロー>営業活動によるキャッシュ・フローは204億5千7百万円増加いたしました(前連結会計年度は113億2千万円の増加)。これは主に、税金等調整前当期純利益109億7千6百万円(前連結会計年度は66億1千8百万円)、減価償却費23億1千7百万円(前連結会計年度は21億4千3百万円)、前受金の増加60億9百万円(前連結会計年度は6億9千2百万円の増加)、製品保証引当金の増加22億9千5百万円(前連結会計年度は計上なし)、仕入債務の増加22億4百万円(前連結会計年度は27億2千2百万円の増加)、およびたな卸資産の減少20億4千2百万円(前連結会計年度は6億5百万円の増加)等の増加に対し、売上債権の増加42億1千2百万円(前連結会計年度は9億6百万円の増加)等の減少によるものであります。
<投資活動によるキャッシュ・フロー>投資活動によるキャッシュ・フローは11億3千4百万円減少いたしました(前連結会計年度は16億円の減少)。これは主に、ソフトウェア開発等に係る投資支出10億1千4百万円等の減少によるものであります。
<財務活動によるキャッシュ・フロー>財務活動によるキャッシュ・フローは14億8千4百万円減少いたしました(前連結会計年度は12億円の減少)。これは主に、配当金の支払額11億7千5百万円、およびリース債務の返済による支出2億8千8百万円等の減少によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
イ 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 生産高(百万円) | 前年同期比(%) |
| 公共関連事業 | 2,602 | 124.8 |
| オフィス関連事業 | 3,510 | 87.2 |
| 情報関連事業 | 6,734 | 100.8 |
| 合計 | 12,846 | 100.5 |
(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 記載の金額の表示は販売価格によっております。
3 記載の金額には消費税等を含んでおりません。
4 当連結会計年度より、セグメント区分の一部変更を行っており、「前年同期比(%)」は、前連結会計年度の数値を変更後のセグメント区分に組み替えて算出しております。
ロ 受注実績
当連結会計年度における上記生産に係る受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 受注高(百万円) | 前年同期比(%) | 受注残高(百万円) | 前年同期比(%) |
| 公共関連事業 | 2,642 | 107.0 | 618 | 107.0 |
| 情報関連事業 | 6,783 | 113.8 | 1,746 | 102.9 |
| 合計 | 9,426 | 111.8 | 2,365 | 104.0 |
(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 記載の金額には消費税等を含んでおりません。
3 オフィス関連事業は、見込生産を行っているため受注実績の記載を省略しております。
4 当連結会計年度より、セグメント区分の一部変更を行っており、「前年同期比(%)」は、前連結会計年度の数値を変更後のセグメント区分に組み替えて算出しております。
ハ 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 販売高(百万円) | 前年同期比(%) |
| 公共関連事業 | 156,718 | 206.2 |
| オフィス関連事業 | 46,345 | 94.4 |
| 情報関連事業 | 86,959 | 116.8 |
| その他 | 1,011 | 125.9 |
| 合計 | 291,035 | 145.3 |
(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は、当該割合が100分の10以上の主要な販売先はありませんので、記載を省略しております。
3 記載の金額には消費税等を含んでおりません。
4 当連結会計年度より、セグメント区分の一部変更を行っており、「前年同期比(%)」は、前連結会計年度の数値を変更後のセグメント区分に組み替えて算出しております。
5 当連結会計年度において、販売実績に著しい変動がありました。詳細は「(1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載のとおりであります。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針および見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要な事項につきましては、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。
詳細につきましては、「第5[経理の状況] 1[連結財務諸表等] (1)[連結財務諸表]注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」及び同「注記事項 (重要な会計上の見積り)」をご参照ください。
②経営成績の分析
イ 売上高
教育ICTにおける「GIGAスクール構想」案件での想定以上の多大な実績があげられたこと等から、売上高は、2,910億3千5百万円と前連結会計年度に比べ907億2千7百万円(45.3%)の増収となりました。
なお、セグメン卜別の概況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」をご参照ください。
ロ 営業利益
売上の大幅な伸長等により、営業利益は103億6千3百万円と前連結会計年度に比べ31億2千1百万円の増益となりました。
ハ 経常利益
経常利益は110億1千8百万円となり、前連結会計年度に比べ31億8千3百万円の増益となっておりますが、主に営業利益と同様の理由によるものです。
ニ 税金等調整前当期純利益
税金等調整前当期純利益は109億7千6百万円となりました。前連結会計年度において、固定資産の減損損失等の特別損失を12億1千6百万円計上していたため、前連結会計年度に比べ43億5千7百万円の増益となりました。この特別損失以外では主に営業利益と同様の理由によるものです。
ホ 親会社株主に帰属する当期純利益
親会社株主に帰属する当期純利益は61億6千万円となりました。前連結会計年度に比べ26億6千9百万円の増益となっておりますが、主に税金等調整前当期純利益と同様の理由によるものです。
③財政状態の分析
イ 資産
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度に比べ218億5千2百万円増加し、1,331億1千6百万円となりました。流動資産は、現金及び預金の増加178億1千1百万円、受取手形及び売掛金の増加42億2千3百万円等により、前連結会計年度末に比べ200億1千万円増加し、1,030億5千3百万円となりました。また、固定資産は、前連結会計年度末に比べ18億4千2百万円増加し、300億6千3百万円となりました。
ロ 負債
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ139億6千2百万円増加し、829億1千1百万円となりました。流動負債は、前受金の増加60億9百万円、仕入債務の増加22億8百万円、未払費用の増加12億3千7百万円、および未払法人税等の増加12億1千1百万円等により、前連結会計年度末に比べ126億4千9百万円増加し、712億5千4百万円となりました。また、固定負債は、前連結会計年度末に比べ13億1千3百万円増加し、116億5千6百万円となりました。
ハ 純資産
純資産合計は、親会社株主に帰属する当期純利益61億6千万円による増加、退職給付に係る調整累計額の増加10億5百万円、上場有価証券の時価評価に伴うその他有価証券評価差額金の増加5億9千2百万円、および剰余金の配当11億7千5百万円による減少等により、前連結会計年度末に比べ78億9千万円増加し、502億5百万円となりました。
④キャッシュ・フロー
「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
なお、当社グループのキャッシュ・フロー指標は以下のとおりとなっております。
| 2019年7月期 | 2020年7月期 | 2021年7月期 | |
| キャッシュ・フロー対有利子負債比率 (有利子負債/営業キャッシュ・フロー) | 0.9年 | 0.5年 | 0.25年 |
| インタレスト・カバレッジ・レシオ (営業キャッシュ・フロー/利払い) | 89.5倍 | 205.0倍 | 255.9倍 |
(注) 有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
⑤資本の財源および資金の流動性の分析
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、仕入高、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、主に設備投資等によるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましても、自己資金及び金融機関からの長期借入を基本としております。
⑥経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、第16次中期経営計画(2021年7月21日〜2024年7月20日)を策定いたしました。同計画において、連結売上高2,200億円、連結営業利益60億円を最終年度に達成すべき数値目標として定めております。
また、目標とする経営指標として、自己資本当期純利益率(ROE)を8%とし、安定的に達成できる経営基盤の確立を目指します。