有価証券報告書-第158期(2025/04/01-2026/03/31)

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2026/06/12 14:00
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189項目

(1) 企業環境
当期の世界経済は、インフレ鎮静化が進み、景気の底堅さを実感できるような時期があった一方で米国の相互関税を巡る通商問題の拡大や地政学的リスクの増大などによる減速懸念も交錯する展開となりました。
国際情勢の悪化は経済活動の重しとなりました。ウクライナ・ロシア情勢については紛争状態が長期化しています。中東情勢については、2026年2月に米国とイスラエルがイランへの軍事攻撃に踏み切ったことで、ペルシャ湾岸地域が紛争地帯となり、物流の要衝であるホルムズ海峡の航行にも大きな支障が生じています。
米国はAI関連の投資継続や金融緩和策の継続等により景気の底堅さは維持されているものの成長ペースは鈍化しました。物価は安定傾向を示してきましたが、関税由来のインフレ圧力が懸念され、金融政策のバランスが問われる1年となりました。欧州では財政支出の拡大を背景に緩やかな回復軌道をたどりました。中国では政策支援により家計消費が一時的に改善しましたが、時間の経過とともにその効果は剥落しました。また、市場競争が激しくなったことで設備投資が大きな減速局面を迎え、固定資産投資が大幅なマイナスを記録しました。アジア諸国では、AI関連需要を追い風にした輸出拡大が続きましたが、米国の関税措置や中国からの輸出攻勢といった二重の景気下押し圧力に加えて、中東の紛争により石油供給が不安定になったことで景気の先行きについて予断を許さない局面を迎えました。
国内経済は、物価上昇を上回る賃金の上昇が焦点となった1年でした。賃上げにより、マイナスが続いてきた実質賃金上昇率がようやくプラスへ転じる見通しとなったことで家計消費は購買力の回復とともに持ち直しの動きが見られました。企業の設備投資はAI・DX(注1)・GX(注2)関連を中心に拡大傾向が続きました。しかし、中東情勢の緊迫化による石油価格の上昇で物価が再び押し上げられる懸念が生じました。
国際商品市況は、中東情勢の緊迫化を受けてWTI原油先物が一時1バレル119ドル台と約4年ぶりの高値へ急伸したのち、先進国での備蓄放出や停戦期待が高まったことで乱高下を繰り返しています。地政学的リスクの高まりやAI関連需要を追い風に上昇基調が続いてきた非鉄金属については、金価格や銅価格が史上最高値を記録しました。
為替・金融市場は、日米の金融政策の相違を反映した動きとなりました。実質金利が米国においてプラスであるのに対し、日本では引き続きマイナスであり、結果として1ドル=160円付近まで円安が進行しました。長期金利は、財政支出拡大見通しを背景に、約30年ぶりに2%台前半での推移が続いており、財政負担の増加等の影響が懸念されています。日経平均株価はAIブームや企業収益の改善期待を背景に一時6万円に迫る歴史的な高水準を記録しました。
(注)1 デジタルトランスフォーメーション
(注)2 グリーントランスフォーメーション
(2) 業績
(単位:億円)前期
(自2024年4月1日
至2025年3月31日)
当期
(自2025年4月1日
至2026年3月31日)
増減額主な増減要因
収益72,92173,373+452
売上総利益14,44815,097+649・SCSKにおけるネットワンシステムズのグループ化による利益増
・自動車流通販売:主力市場における競争激化により減益
販売費及び一般管理費△10,397△11,114△717・SCSKにおけるネットワンシステムズのグループ化による費用増
固定資産損益 (注)1△260+62
その他の損益△119△27+93
利息収支 (注)2△273△255+18
受取配当金149122△28
有価証券損益380470+90
持分法による投資損益2,7702,667△103・前期 航空機リース事業における特殊利益の反動減
税引前利益6,9567,020+64
法人所得税費用△866△517+349・繰越欠損金等に対する税効果計上
当期利益6,0906,503+413
当期利益
(親会社の所有者に帰属)
5,6196,003+385

(注)1 固定資産損益=固定資産評価損益及び固定資産売却損益の合計
(注)2 利息収支=受取利息及び支払利息の合計


(3) 事業セグメント
当社は戦略を軸とする「Strategic Business Unit」(SBU)を基本単位とし、戦略上の親和性の高いSBUを束ねる組織として9つのセグメント(グループ)に区分しております。
9つのセグメントは鉄鋼グループ、自動車グループ、輸送機・建機グループ、都市総合開発グループ、メディア・デジタルグループ、ライフスタイルグループ、資源グループ、化学品・エレクトロニクス・農業グループ、エネルギートランスフォーメーショングループから構成されております。
前期及び当期の売上総利益、当期利益(親会社の所有者に帰属)の事業セグメント別実績は以下のとおりであります。
事業セグメント別売上総利益の内訳
前期
(自2024年4月1日
至2025年3月31日)
(億円)
当期
(自2025年4月1日
至2026年3月31日)
(億円)
増減額
(億円)
増減率
(%)
鉄鋼1,8831,749△134△7.1
自動車1,6621,398△264△15.9
輸送機・建機2,0032,167+1648.2
都市総合開発1,1961,363+16714.0
メディア・デジタル1,6422,175+53232.4
ライフスタイル2,3622,626+26511.2
資源479419△60△12.5
化学品・エレクトロニクス・農業1,5391,505△34△2.2
エネルギートランスフォーメーション1,6601,770+1106.6
14,42615,172+7475.2
消去又は全社22△76△98-
連結14,44815,097+6494.5


事業セグメント別当期利益(親会社の所有者に帰属)の内訳
前期
(自2024年4月1日
至2025年3月31日)
(億円)
当期
(自2025年4月1日
至2026年3月31日)
(億円)
増減額
(億円)
増減率
(%)
主な増減要因
鉄鋼684743+598.6・鋼管:北米は油価下落による需要減、他地域は一部プロジェクト端境期による需要減
・鋼材:モノパイル製造事業の利益貢献開始
・当期 資産入替関連益あり
自動車512632+12023.5・自動車流通:主力市場における競争激化に加え中東情勢の影響により減益
・マイダス社売却益、インドネシア自動車金融事業における不良債権一括処理
輸送機・建機1,015889△126△12.4・輸送機:リース事業堅調、船舶事業は売船により増益
・建設機械:レンタル事業は建設需要が緩やかに回復、販売・サービス事業は堅調
・前期 航空機リース事業における特殊利益の反動減
都市総合開発771815+455.8・不動産:今期資産回転の積極促進及び大口案件の引渡し実行
メディア・
デジタル
452512+6013.3・デジタル:SCSKにおけるネットワンシステムズのグループ化、SCSK追加取得に伴う持分比率上昇による増益
ライフスタイル141△36△177-・欧米州青果事業:メロン事業(下期に売却済み)不調及び売却損により減益、バナナ・パイナップル事業はコスト削減効果あり
・国内スーパーマーケット事業:新規出店・改装等の効果あり増益
資源911823△88△9.6・豪州石炭事業:価格下落及び原料炭販売数量減少により減益
・南アフリカ鉄鉱石事業:価格下落
・銅事業:価格上昇等により増益
化学品・エレクトロニクス・農業214265+5123.9・エレクトロニクス:堅調な半導体需要に伴う販売増
・アグリ事業:ブラジル厳しい市場環境継続
エネルギートランスフォーメーション9641,024+606.2・海外発電事業:ベトナム発電事業 持分利益減等
・電力EPC案件における特殊利益あり
5,6645,669+50.1
消去又は全社△45335+380-・繰越欠損金等に対する税効果計上
連結5,6196,003+3856.8


(4) 仕入、成約及び販売の実績
① 仕入の状況
仕入は販売と概ね連動しているため、記載は省略しております。
② 成約の状況
成約は販売と概ね連動しているため、記載は省略しております。
③ 販売の状況
当期において、特記事項はありません。上記「(2) 業績」及び「第5 経理の状況 連結財務諸表注記 4 セグメント情報」をご参照ください。
(5) 連結包括利益計算書における主要な項目
以下は、連結包括利益計算書における主要な項目についての説明であります。
収益
当社では、収益を、商品販売に係る収益とサービス及びその他の販売に係る収益に区分して表示しております。
商品販売に係る収益としては、以下の取引に関連して発生する収益が含まれております。
・卸売、小売、製造・加工を通じた商品の販売
・不動産の開発販売
・長期請負工事契約に係る収益
サービス及びその他の販売に係る収益としては、以下の取引に関連して発生する収益が含まれております。
・ソフトウェアの開発に関連するサービス
・賃貸用不動産、船舶などの貸付金、ファイナンス・リース及びオペレーティング・リース
売上総利益
売上総利益は、以下により構成されております。
・当社が主たる契約当事者として関与する取引における総利益
・当社が代理人等として関与する取引における手数料
固定資産評価損益
棚卸資産、繰延税金資産及び生物資産を除く当社の非金融資産の帳簿価額については、期末日ごとに減損の兆候の有無を判断しております。減損の兆候が存在する場合は、当該資産の回収可能価額を見積り、のれん及び耐用年数を確定できない、または未だ使用可能ではない無形資産については、回収可能価額を少なくとも年1回見積った上で、資産または資金生成単位の帳簿価額が回収可能価額を超過する場合には、減損損失を認識しております。また、減損損失の戻し入れを行った場合は当該戻し入れ金額も含めております。
固定資産売却損益
当社は、資産のポートフォリオの戦略的かつ積極的な入替えを図っております。その結果、不動産等のバリューを実現するために売却する場合や、価格の下落した不動産等を売却する場合、売却損益を計上することになります。
受取配当金
受取配当金には、当社の子会社及び持分法適用会社以外で、当社が株式を保有している会社からの配当金が計上されております。
有価証券損益
当社は事業活動の一環として相応の規模の投資を行っております。これらの投資対象のうち、公正価値で測定し、その変動を当期利益で認識する金融資産(以下、FVTPLの金融資産)は公正価値で当初認識しております。当初認識後は公正価値の変動を当期利益で認識しております。また、償却原価で測定される金融資産は、公正価値(直接帰属する取引費用も含む)で当初認識しております。当初認識後、償却原価で測定される金融資産の帳簿価額については実効金利法を用いて算定し、帳簿価額の変動について、必要な場合には減損損失を認識しております。償却原価で測定される金融資産並びに子会社及び持分法適用会社への投資等を売却する際に、売却損益を認識しております。
持分法による投資損益
投資戦略やビジネスチャンスの拡大に関連して、当社は、各セグメントで状況に応じ、新規または既存の会社の買収や出資、他の企業とのジョイント・ベンチャーの結成、または同業他社とのビジネス・アライアンスの組成を行っております。一般的に、当社は、出資比率が20%以上50%以下である会社の投資に対し、その持分利益や損失を計上しております。
FVTOCIの金融資産
公正価値で測定し、その変動をその他の包括利益で認識する金融資産(以下、FVTOCIの金融資産)は、公正価値(直接帰属する取引費用も含む)で当初認識しております。当初認識後は公正価値で測定し、公正価値の変動をその他の包括利益で認識しております。
確定給付制度の再測定
当社は、確定給付負債(資産)の純額の再測定を、その他の包括利益で認識しております。
在外営業活動体の換算差額
在外営業活動体の資産・負債(取得により発生したのれん及び公正価値の調整を含む)については期末日の為替レート、収益及び費用については期中平均レートを用いて日本円に換算しており、在外営業活動体の財務諸表の換算から生じる為替換算差額はその他の包括利益で認識しております。当社のIFRS移行日以降、当該差額はその他の資本の構成要素である「在外営業活動体の換算差額」として表示しております。
キャッシュ・フロー・ヘッジ
デリバティブを、認識済み資産・負債、または当期利益に影響を与え得る発生可能性の非常に高い予定取引に関連する特定のリスクに起因するキャッシュ・フローの変動をヘッジするためのヘッジ手段として指定した場合、デリバティブの公正価値の変動のうちヘッジ有効部分は、その他の包括利益で認識しております。
(6) 重要性がある会計方針及び見積り
IFRSに基づく連結財務諸表の作成にあたり、期末時点の資産・負債の計上や偶発資産及び偶発債務の開示、並びに期中の収益費用の適正な計上を行うため、マネジメントによる見積りや前提が必要とされます。当社は、過去の実績、または、各状況下で最も合理的と判断される前提に基づき、一貫した見積りを実施しております。資産・負債及び収益費用を計上する上で客観的な判断材料が十分でない場合は、このような見積りが当社における判断の基礎となっております。従って、異なる前提条件の下においては、結果が異なる場合があります。以下、当社の財政状態や経営成績にとって重要であり、かつ相当程度の経営判断や見積りを必要とする重要性がある会計方針につき説明しております。なお、当社の主な会計方針は、「第5 経理の状況 連結財務諸表注記 3 重要性がある会計方針」を参照願います。
金融資産の減損
当社は、償却原価で測定する金融資産、リース債権、契約資産及びその他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融資産に係る減損については、当該金融資産に係る予想信用損失に対して損失評価引当金を認識しております。
当社は、信用リスクの変動及び予想信用損失の算定にあたっては、主に当社独自の信用格付けである Sumisho Credit Rating(SCR)を用いております。これには、債務者の過去の貸倒実績、現在の財務状態及び合理的に利用可能な将来予測情報等が含まれております。
公正価値で測定する金融資産
当社は、有価証券やその他の投資等の金融資産を保有しており、FVTOCIの金融資産と、FVTPLの金融資産とに分類しております。当社は、投資先企業との取引関係の維持・強化による中長期的な収益の拡大などを目的として保有しており、公正価値の変動を業績評価指標としていない金融資産をFVTOCIの金融資産として分類し、公正価値の変動を獲得するために保有し、業績評価指標としている金融資産をFVTPLの金融資産として分類しております。当該金融資産の公正価値は、市場価格、割引将来キャッシュ・フローや純資産に基づく評価モデル等の評価方法により算定しております。
非流動資産の回収可能性
当社は、様々な非流動資産を保有しており、持分法で会計処理されている投資や無形資産などの非流動資産について、帳簿価額の回収可能性を損なうと考えられる企業環境の変化や経済事象が発生した場合には、減損テストを行っております。実際に減損の兆候があるかどうかの判定に際しては、様々な見積りや前提が必要となります。例えば、キャッシュ・フローが直接的に減損の懸念がある資産に関係して発生しているのかどうか、資産の残存耐用年数がキャッシュ・フローを生み出す期間として適切かどうか、生み出すキャッシュ・フローの額が適切かどうか、及び、残存価額が適切かどうか、などを考慮しなければなりません。また、のれん及び耐用年数を確定できない無形資産について、少なくとも年1回、更に減損の発生が予測される場合は、その都度、減損テストを実施しております。減損テスト時には、資産の回収可能価額を見積っております。資産または資金生成単位の回収可能価額は使用価値と処分費用控除後の公正価値のうち、いずれか高い金額としております。使用価値の算定において、見積将来キャッシュ・フローは、貨幣の時間的価値及び当該資産の固有のリスクを反映した割引率を用いて現在価値に割引いております。当社では、過去の経験や社内の事業計画、及び適切な割引率を基礎として将来キャッシュ・フローを見積っております。これらの見積りは、事業戦略の変更や、市場環境の変化により、重要な影響を受ける可能性があります。なお、非流動資産の回収可能性に関連する会計上の見積りの詳細については、「第5 経理の状況 連結財務諸表注記 11 持分法適用会社に対する投資、注記 13 無形資産」を参照願います。
繰延税金資産の回収可能性
当社は、繰延税金資産の全部または一部について、回収が不確実となった場合に、マネジメントの判断により、減額しております。繰延税金資産の回収可能性の評価にあたっては、繰延税金資産計上の根拠となっている将来の一時差異の解消が見込まれる期間内、または、繰越欠損金の繰越可能期間内に、納税地において将来十分な課税所得を生み出せるかどうかを評価しなければなりません。当社では、有利・不利に関わらず、入手可能なすべての根拠・確証を用いてこの評価を実施しております。繰延税金資産の評価は、見積りと判断に基づいております。納税地での将来の課税所得に影響を与える当社の収益力に変化があった場合、現状の繰延税金資産の回収可能性の評価も変わる場合があります。
引当金の測定
引当金は、過去の事象の結果として、当社が、現在の法的または推定的債務を負っており、当該債務を決済するために経済的資源の流出が生じる可能性が高く、その債務の金額が合理的に見積り可能である場合に認識しております。引当金は、見積将来キャッシュ・フローを貨幣の時間的価値及び当該負債に特有のリスクを反映した税引前の利率を用いて現在価値に割引いております。
確定給付債務の測定
確定給付型年金制度は、確定拠出型年金制度以外の退職後給付制度であります。確定給付型年金制度に関連する当社の純債務は、制度ごとに区別して、従業員が過年度及び当年度において提供したサービスの対価として獲得した将来給付額を見積り、当該金額を現在価値に割引き、制度資産の公正価値を差し引くことによって算定しております。割引率は、当社の債務と概ね同じ満期日を有するもので、期末日において信用格付AAの債券の利回りであります。この計算は、毎年、年金数理人によって予測単位積増方式を用いて行っております。
(7) 資産及び負債・資本
(単位:億円)前期
(2025年3月期末)
当期
(2026年3月期末)
増減主な増減要因
資産合計116,312136,383+20,072・営業資産の増加(貴金属リース取引に係る時価評価等)
・円安の影響による増加
・現金及び現金同等物の増加
株主資本 (注)146,48546,286△199・SCSK株式の追加取得による減少
・配当金の支払、自己株式の取得
・当期利益の計上による増加
・円安の影響による増加
非支配持分2,3711,066△1,305・SCSK株式の追加取得による減少
ネット有利子負債 (注)226,72531,472+4,747・SCSK株式の追加取得による増加
ネットDER (注)30.570.68+0.11pt

(注)1 株主資本=資本の内、「親会社の所有者に帰属する持分合計」
(注)2 ネット有利子負債=社債及び借入金(流動・非流動)の合計から現預金を差し引いたもの。
(リース負債は含まれておりません)
(注)3 ネットDER=有利子負債(ネット)/株主資本

(8) キャッシュ・フロー
(単位:億円)前期
(自2024年4月1日
至2025年3月31日)
当期
(自2025年4月1日
至2026年3月31日)
当期実績の概要
営業活動によるキャッシュ・フロー6,1238,135・コアビジネスが着実にキャッシュを創出
投資活動によるキャッシュ・フロー△4,614△1,559・投資 :国内外不動産の取得
・資産入替:Sekal AS株式の売却、国内外不動産の売却、ティーガイア株式の売却、SCSKによるアルゴグラフィックス株式の売却
フリーキャッシュ・フロー1,5096,576
財務活動によるキャッシュ・フロー△2,474△2,525・SCSK株式の追加取得
・配当金の支払、自己株式の取得
・SCSKによるネットワンシステムズ株式の追加取得
・短期・長期借入債務による収入
前期
(2025年3月期末)
当期
(2026年3月期末)
現金及び現金同等物の期末残高5,70610,054


(9) 資金調達と流動性
当社の財務運営は財務健全性の維持・向上を基本方針とし、低利かつ中長期にわたり、安定的な資金調達を行うこと、及び十分な流動性の保持を図ることとしております。当社グループ内での資金管理については、グループファイナンスを整備し、資金調達を当社及び金融子会社、海外現地法人に集中した上で、キャッシュ・マネジメント・システムを通じて、当社グループ内で資金を効率的に活用する体制を整えております。
当社は総額4兆1,771億円の社債及び借入金を有しており、このうち短期の借入金は、前期比1,971億円増加の4,896億円で、内訳は全額が短期借入金(主として銀行借入金)となっております。
一年以内に期限の到来する社債及び長期借入金4,621億円を含めた当期の社債及び長期借入金は、前期比7,253億円増加の3兆6,875億円となっております。このうち、銀行及び保険会社等からの長期借入残高は、前期比4,596億円増加の2兆7,706億円、社債残高は前期比2,656億円増加の9,170億円となっております。
当社の銀行からの借入の多くは、日本の商慣行上の規定に基づいております。当社は、このような規定が当社の営業活動や財務活動の柔軟性を制限しないと確信しておりますが、いくつかの借入契約においては、特定の財務比率及び純資産の一定水準の維持が求められております。さらに、主に政府系金融機関との契約においては、当社が株式及び社債の発行等により資金を調達した際に、当該金融機関から、当該借入金の期限前返済を求められる可能性があり、また、一部の契約では当社の剰余金の配当等について当該金融機関の事前承認を請求される可能性があります。当社は、このような請求を受けたことはなく、今後も受けることはないと判断しております。
詳細は、「3 事業等のリスク (3) タイプ別リスク ⑬ 資金の流動性に関するリスク」を参照願います。
資金調達については、各金融機関との良好な関係に基づく銀行借入等の間接金融を中心に、コマーシャルペーパーや社債等の直接金融との適切なバランスに留意し、調達期間の長期化を通じた償還期日の分散等による安定的な調達構造を構築しております。外貨建ての資金調達については、銀行借入や外貨建て社債発行、通貨スワップの他、金融子会社、海外現地法人におけるコマーシャルペーパー、ユーロMTN等の活用によって資金調達ソースの多様化に取り組んでおります。また、2022年3月にグリーンファイナンス・フレームワークを策定し、本フレームワークに基づきグリーンボンドを発行しております。2024年2月には、本フレームワークの対象事業の拡大及びソーシャル対象事業の追加を行い、サステナブルファイナンス・フレームワークとして改定しております。
なお、当社は、資本市場での直接調達を目的として、以下の資金調達プログラムを設定しており、当期末時点での当社の長期及び短期の信用格付は、ムーディーズでBaa1(見通し安定的)/P-2、スタンダード&プアーズでA-(見通しネガティブ)/A-2、格付投資情報センターでAA-(見通し安定的)/a-1+となっております。
・当社における、3,000億円の国内及び海外公募普通社債発行登録枠
・当社における、5,000億円のコマーシャルペーパー発行枠
・米州住友商事における、1,500百万米ドルのコマーシャルペーパープログラム
・当社及び英国のSumitomo Corporation Capital Europe(以下、「SCCE」という。)における、5,000百万米ドルのユーロMTNプログラム
・SCCEにおける、1,500百万米ドルのユーロコマーシャルペーパープログラム
保有流動性については、金融市場の混乱等、複数の有事シナリオを想定し、当期末時点で現預金と国内外の主要な金融機関との総額1,210百万米ドル、及び2,850億円を上限とする以下の長期コミットメントラインを中心に、当社及び当社子会社における資金需要や一年以内に期日が到来する借入や社債の償還資金等を補完する十分な流動性を確保しております。なお、当有価証券報告書の提出日までに、これらのコミットメントラインに基づく借入はありません。また、これらのコミットメントラインには、借入の実行を制限する重大なコベナンツ、格付トリガー条項などは付されておりません。なお、これらのコミットメントラインのほかに、当社は、コミットメントベースでない借入枠を有しております。
・米国及び欧州の大手銀行によるシンジケート団との間で締結した、1,060百万米ドルのマルチ・カレンシー(円・米ドル・ユーロ建)/マルチ・ボロワー(住友商事及び英国、米国、シンガポールにおける当社子会社への融資)型長期コミットメントライン
・大手米銀との間に締結した、米州住友商事への100百万米ドルの長期コミットメントライン
・大手欧銀との間に締結した、SCCEへの50百万米ドルのマルチ・カレンシー(円・米ドル・ユーロ・ポンド建)型長期コミットメントライン
・大手邦銀のシンジケート団による1,500億円の長期コミットメントライン(内、790億円はマルチ・カレンシー型)
・有力地方銀行のシンジケート団による1,350億円の長期コミットメントライン
資金調達の内訳
前期
(2025年3月31日)
(億円)
当期
(2026年3月31日)
(億円)
短期2,9254,896
借入金(主に銀行より調達)2,9254,896
長期(一年以内期限到来分を含む)29,62336,875
担保付
借入金2,5042,520
無担保
借入金20,60525,185
社債6,5139,170
有利子負債合計(グロス)32,54741,771
現金及び現金同等物並びに定期預金5,82210,299
有利子負債合計(ネット)26,72531,472
資産合計116,312136,383
親会社の所有者に帰属する持分合計46,48546,286
親会社所有者帰属持分合計比率(%)40.033.9
デット・エクイティ・レシオ(グロス)(倍)0.70.9
デット・エクイティ・レシオ(ネット)(倍)0.60.7


当期末時点での当社の期限別の支払債務は、以下のとおりであります。
期限別内訳
社債及び借入金
(億円)
リース負債
(億円)
2026年度9,517874
2027年度4,381750
2028年度3,990576
2029年度4,396438
2030年度4,431619
2031年度以降15,0562,038
合計41,7715,295

当社は、資金供与に関する契約(貸付契約、出資契約)及び設備使用契約等を締結しており、当期末における契約残高は、8,944億円です。
当期末時点では、資本的支出に対する重要な契約はありません。
上述の契約に加えて、当社のビジネスに関連して、当社は、顧客の債務に対する保証などの様々な偶発債務を負っています。また、当社は、訴訟による偶発債務の影響を受ける可能性があります。これらの偶発債務に関する詳細は、「(10) 偶発債務」及び「第5 経理の状況 連結財務諸表注記 34 契約及び偶発債務」を参照願います。当社は、現状においては、それらの偶発債務がもたらす資金需要が重大なものとはならないと判断しておりますが、仮に予想に反して、当社が保証を行っている債務に重大な不履行が生じた場合、また、訴訟の結果が、当社に大きく不利なものであった場合には、新たに、大きな資金調達が必要となる可能性があります。
当社は、主に、ワーキング・キャピタル、新規や既存ビジネスへの投資や債務の返済のために、将来にわたり継続的な資金調達を行う必要があります。当社は、成長戦略として買収、株式取得または貸付による投資を行っており、当期は、有形固定資産及び投資不動産の取得に1,418億円、また、事業の取得及びその他の投資の取得に2,480億円の投資を行いました。当社は、現在、全てのセグメントにおいて、既存のコア・ビジネス及び周辺分野を中心に追加投資を検討しております。
しかしながら、これらの投資は、現在、予備調査段階のものや、今後の様々な条件により、その実施が左右されるものであり、結果的に実現されない可能性もあります。また当社は、手許の現金、現在の借入枠や営業活動によるキャッシュ・インで当面必要とされる資金需要を十分に満たせると考えておりますが、それは保証されている訳ではありません。当社の営業活動によるキャッシュ・インが想定より少なかった場合、当社は、追加借入の実施、他の資金調達手段の検討、または投資計画の修正を行う可能性があります。
(10) 偶発債務
当社の取引に関連して、顧客の債務に対する保証履行のような偶発債務を負うことがあります。当社は、世界各国のサプライヤーや顧客と多種多様な営業活動を行うことにより、営業債権及び保証等に係る信用リスクを分散させており、これらに関し重大な追加損失は発生しないものと見込んでおります。
当社の当期末における保証に対する偶発債務の残高(最長期限2044年)は2,520億円で、このうち持分法適用会社の債務に対する保証が1,292億円、第三者の債務に対する保証が1,229億円です。これらの保証は主に持分法適用会社、サプライヤー、及び顧客の信用を補完するために行っているものであります。

(11) 市場リスクに関する定量的・定性的情報
当社のビジネスは、金利、外国為替レート、商品価格、株価の変動リスクを伴い、これらのリスクマネジメントを行うため、為替予約取引、通貨スワップ・オプション取引、金利スワップ・先物・オプション取引、商品先物・先渡・スワップ・オプション取引等のデリバティブを利用しております。また、後述のリスク管理体制の下、予め決められたポジション限度・損失限度枠内で、トレーディング目的のデリバティブ取引も限定的に実施しております。
金利変動リスク
当社は、事業活動の中で様々な金利変動リスクに晒されております。コーポレートグループの財務・経理・リスクマネジメントグループ長が管掌する部署では、当社のビジネスに伴う金利変動リスクをモニタリングしております。特に、金利の変動は借入コストに影響を与えます。これは、当社の借入金には変動金利で借り入れているものがあり、また、都度借換えを行う短期借入金があるためです。
しかしながら、金利変動が借入コストに与える影響は、金利変動の影響を受ける資産からの収益により相殺されます。また、当社は、金利変動リスクをミニマイズするために資産・負債の金利を調整・マッチングさせるよう、金利スワップ等のデリバティブ取引を利用しております。
為替変動リスク
当社は、グローバルなビジネス活動を行っており、各拠点の外貨建による売買取引、ファイナンス及び投資によって、為替変動リスクに晒されている場合があります。これらのうち、永続性の高い投資等を除いた取引については、為替変動リスクを軽減するために、各拠点において外貨借入・外貨預金等に加えて、第三者との間で、為替予約取引・通貨スワップ取引・通貨オプション取引等のデリバティブ取引を必要に応じ行っております。
商品市況変動リスク
当社は、貴金属、非鉄金属、燃料、及び電力等の現物取引、並びに鉱物、石油、及びガス開発プロジェクトへの投資を行っており、関連する商品価格の変動リスクに晒されております。当社は、商品の売り繋ぎや売り買い数量・時期等のマッチング、デリバティブ等の活用によって、商品価格の変動によるリスクを減少させるよう努めております。また、予め決められたポジション限度・損失限度枠内で、トレーディング目的のデリバティブ取引も限定的に実施しております。
株価変動リスク
当社は、戦略的な目的で顧客・サプライヤー等が発行する株式等への投資を行っておりますが、これらの株式投資には株価変動リスクが伴います。当社が保有する市場性のある株式の当期末における公正価値は、2,137億円であります。
リスク管理体制
デリバティブや市場リスクを伴う取引を行う営業グループは、取引規模に応じてマネジメントの承認を事前に取得しなければなりません。マネジメントは、場合によってはデリバティブについて専門的知識を有するスタッフのサポートを得て、案件の要否を判断し、当該申請における、取引の目的、利用市場、取引相手先、与信限度、取引限度、損失限度を明確にします。
財務・経理・リスクマネジメントグループ長が管掌する部署は、取引の実施・モニタリングに際して、以下の機能を提供しております。
・金融商品及び市況商品のデリバティブに関する口座開設、取引確認、代金決済と引渡し、帳簿記録の保管等のバックオフィス業務
・ポジション残高の照合
・ポジションのモニタリングと全社ベースでの関連取引のリスク分析・計測、シニアマネジメントへの定期的な報告
当社の子会社が市況商品取引を行う際には、上記のリスク管理体制に沿うことを要求しております。

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