有価証券報告書-第56期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

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2020/06/22 11:45
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146項目
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの経営成績等の状況の概要は次の通りであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国の経済は、米中経済摩擦、英国のEU離脱等の海外経済の動向や株価・長短金利の値動き等金融資本市場の変動の影響に加え、消費税率引上げ後の消費者マインドの動向に低下懸念があるものの、雇用・所得環境の改善が続く中、年度末にかけて緩やかな回復傾向にありました。しかしながら、新型コロナウィルス感染症拡大の影響により内外の経済動向は不透明感が増しており、特に当社グループの主要顧客である中堅企業の業績の冷え込みが当社グループに及ぼす影響には、今後留意が必要な状況にあります。
このような中、4ヵ年の中期経営計画「Transform2020」3年目にあたる当連結会計年度は、「Transform2020中計の達成」、「働き方改革のスタート」、「継続的成長への転換」を当社グループの経営基本方針と位置付けるとともに、SI(システム開発)の開発生産性を高めるコンテナ技術のスキル向上や今後ニーズが高まるクラウドセキュリティに関する技術力の強化など、これまで以上にお客様のビジネス要求を素早く実現し、当社グループの価値と成果をお届けするための取組みに注力いたしました。
当連結会計年度においては、クラウドサービス、セキュリティサービスやNewSI(新しい手法によるシステム開発)等の戦略的注力分野が順調に伸長いたしました。さらに、SI及びITS(ITサービス)の受注も極めて高い水準で推移したことに加え、Windows10への更新の特別な需要も寄与し、当社グループの業績は非常に好調に推移いたしました。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は、次の通りであります。
a.財政状態
(資産)
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ3,496百万円増加し、37,097百万円となりました。これは主に、現金及び預金が1,957百万円、未収入金が3,023百万円増加した一方、受取手形及び売掛金が1,374百万円減少したことによるものです。
(負債)
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ3,499百万円増加し、21,346百万円となりました。これは主に、退職給付に係る負債が3,264百万円増加したことによるものです。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ2百万円減少し、15,750百万円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益により1,951百万円増加した一方、自己株式の取得により875百万円、配当金の支払いにより875百万円減少したことによるものです。
b.経営成績
当連結会計年度の連結業績は、売上高65,618百万円(前期比11.4%増)、営業利益3,461百万円(前期比31.6%増)、経常利益3,606百万円(前期比31.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1,951百万円(前期比9.5%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次の通りであります。
情報ソリューション分野の売上高は63,273百万円(前期比12.1%増)となりました。
製品開発製造分野の売上高は2,344百万円(前期比3.8%減)となりました。
なお、セグメント別の詳細につきましては「(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ①財政状態及び経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容」に記載の通りであります。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度に比べ1,948百万円増加し、9,444百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りであります。
[営業活動によるキャッシュ・フロー]
営業活動による資金の増加は3,216百万円(前期は1,837百万円の増加)となりました。増加要因としては、主に税金等調整前当期純利益3,181百万円、退職給付に係る負債の増加2,856百万円、売上債権の減少1,351百万円、減少要因としては、主に未収入金の増加3,030百万円、法人税等の支払額又は還付額1,252百万円によるものです。
[投資活動によるキャッシュ・フロー]
投資活動による資金の増加は98百万円(前期は178百万円の減少)となりました。これは主に、有形固定資産の売却による収入292百万円によるものです。
[財務活動によるキャッシュ・フロー]
財務活動による資金の減少は1,368百万円(前期は1,194百万円の減少)となりました。これは主に、配当金の支払い875百万円、自己株式の取得による支出875百万円によるものです。
③生産、受注及び販売の実績
当連結会計年度の生産、受注及び販売の実績をセグメントごとに示すと、次の通りであります。
a.生産実績
セグメントの名称生産高(百万円)前期比(%)
情報ソリューション28,47210.5
製品開発製造1,824△6.8
合計30,2969.2

b.受注実績
セグメントの名称受注高(百万円)前期比(%)受注残高(百万円)前期比(%)
情報ソリューション63,9699.114,13726.5
製品開発製造2,170△4.5101△45.3
合計66,1398.614,23825.3

c.販売実績
セグメントの名称販売高(百万円)前期比(%)
情報ソリューション63,27312.1
製品開発製造2,344△3.8
合計65,61811.4

(注)1 セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3 生産実績におきましては、金額は製造原価によって表示しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因としては、業界及び市場の動向、取引先の動向があげられます。
業界及び市場の動向につきましては、ITに関する技術が日進月歩で発展し、クラウドコンピューティングによるサービスの提供、IoT(モノのインターネット)やAI(人工知能)を活用した新たなビジネスモデル等が社会・経済を支えるインフラとして急速に浸透しております。これらの新しいビジネスモデルの対応に遅れると、市場での企業間競争力の低下を招き、当社グループの業績が影響を受けることになります。そのため、企業グループとして勝ち残り成長していくため、既存ビジネスの変革や成長分野への取り組みによるビジネスの伸長に加え、次世代の先進技術研究への積極的な取り組みや更なる事業の選択と集中、収益力向上施策による財務基盤の強化を図りつつ、企業統治・業務執行体制を充実してまいります。
取引先の動向につきましては、当社グループは企業向けシステム等のサービス提供をビジネスの柱としており、その取引先は創業以来2万社に上り、その業種は多岐に渡っております。取引先の業績悪化による受注の減少や、当社グループの提供可能なサービス範囲を超える要求を反映した不採算リスクの高い案件の獲得等が積み重なれば、当社グループの業績が影響を受けることになります。そのため、取引先に対する与信管理の強化や取引先の業界動向調査、取引先に対するサービス提案やプロジェクト管理体制を整備しております。
なお、新型コロナウイルス感染症により、とりわけヘルスケア事業(電子カルテ等病院向けシステムの提供)、集合研修を行う人財育成サービス事業、中国における現地法人等が影響を受けております。また、その他事業においても、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う緊急事態宣言の発出とそれに伴う経済活動の停滞等により取引先によるIT投資計画の延期や見合わせ、景気が後退局面に入る可能性も懸念されます。新型コロナウイルス感染症の収束が長引いた場合や感染拡大の第2波の規模によっては、当社の業績にも直接的・間接的にさらに大きな影響が出てくる可能性があります。一方、お客様企業においては、今回のパンデミックを教訓として、テレワークやペーパーレス化のためのIT環境の整備を加速する動きも見られ、このことは当社グループにとってはビジネスチャンスとなります。当社グループも含め、働き方や処遇制度は大きく変容していくものと予想しております。
経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、売上高及び営業利益の目標値を置くとともに、売上総利益率や営業利益率についても常に注意を払って経営を行っております。また、資本効率を高め企業価値の向上を図っていくため、株主資本利益率(ROE)についても重要な指標として位置付けております。当連結会計年度におけるROEは12.4%と、昨年度に続き10%を超え、2期連続で過去最高のROEを達成することが出来ました。引き続き資本効率の向上にも努めてまいります。
また、年間配当額につきましては、前期比で1株当たり4円の増配を行っており、過去最高の配当となりました。
経営成績に重要な影響を与える要因は、次の通りであります。
(売上高)
当連結会計年度の売上高については、前連結会計年度と比べ6,718百万円増加し、65,618百万円(前期比11.4%増)となりました。戦略的注力分野の伸長およびSI・ITSビジネスの堅調な推移、さらにはWindows10更新に関わる特別な需要もあり、2桁成長を達成いたしました。
(売上総利益)
当連結会計年度の売上総利益については、前連結会計年度と比べ1,492百万円増加し、18,464百万円(前期比8.8%増)となりました。Windous10更新ビジネスの伸長により、売上総利益額は前期比で増加していますが、売上総利益率の低いPC販売が増えたことに伴い、売上総利益率については28.1%と、前連結会計年度と比べ0.7ポイント低下いたしました。
(販売費及び一般管理費)
当連結会計年度の販売費及び一般管理費については、前連結会計年度と比べ662百万円増加し15,003百万円(前期比4.6%増)となりました。販管費抑制の効果もあり、売上高販管費率は22.9%となり、前連結会計年度と比べ1.4ポイント低下いたしました。売上総利益率の低下に比べ、販管費率はそれを上回る率で抑制しております。
(営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益)
収益構造の変革に伴い、高付加価値ビジネスへ集中したことで売上総利益が増加し、当連結会計年度の営業利益については、前連結会計年度と比べ830百万円増加し3,461百万円(前期比31.6%増)となりました。営業利益率は5.3%となり前連結会計年度と比べ0.8ポイント上昇いたしました。経常利益については、前連結会計年度と比べ868百万円増加し3,606百万円(前期比31.7%増)となりました。経常利益率は5.5%となり前連結会計年度と比べ0.9ポイント上昇しております。親会社株主に帰属する当期純利益については、前連結会計年度と比べ169百万円増加し1,951百万円(前期比9.5%増)となりました。当期純利益率は3.0%となり、前連結会計年度と比べ同水準となりました。
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する分析・検討内容は、次の通りであります。
[情報ソリューション]
情報ソリューション分野では、企業の情報システムの構築及び運用保守サービス等を行っており、売上高は63,273百万円(前期比12.1%増)となりました。
SI及びITSの受注状況は極めて堅調であり、当連結会計年度における受注高及び受注残高は、前連結会計年度に続き好調に推移しております。加えて中期経営計画における注力分野である付加価値の高い「WILD7」のビジネス領域についても、クラウドサービス、セキュリティサービス、NewSIを中心に着実に成長しております。
SIについては、引き続きNewSIへの注力を行い、超高速開発案件やサイボウズ社のクラウド型開発プラットフォーム(kintone)を活用した脱紙・脱EXCELを実現する業務改善アプリケーション開発等のクラウドネイティブ案件が伸長いたしました。とりわけ、JBCCアジャイル開発(注1)の手法による超高速開発案件において、お客様の基幹システムに関連する開発案件が着実に増えてきております。
サービスについては、インフラ基盤の構築・運用サービスを提供しているITSが堅調に推移するとともに、「WILD7」のビジネス領域であるセキュリティサービス及びクラウドサービスが順調に伸長し、当連結会計年度における新規契約高は着実に積みあがってきております。セキュリティサービスについては、日々多様化・高度化するサイバー攻撃へのセキュリティ対策のニーズ増加に伴い、エンドポイントセキュリティ(注2)をはじめとする各種セキュリティサービスのビジネスが好調に推移しております。また、クラウドサービスにおいても新規契約高が着実に積み上がってきていることに加え、RPA(Robotic Process Automation)による業務の自動化案件や、AIによるチャットボット(注3)案件にも注力いたしました。
システムについては、前年度に続き特別な需要としてのWindows10更新関連のビジネスが当初計画に対し極めて好調に推移し、ビジネス拡大に寄与いたしました。
(注1)アジャイル開発とは、小単位で実装テストを繰り返し、システムやソフトウェア開発を進めていく小規模開発向けの開発手法の
こと。開発期間が短縮されるためアジャイル(俊敏な)と呼ばれる。当社グループのJBCC株式会社では、高速開発ツールを利用
する等の独自手法を取り入れ、大規模開発や基幹システム開発にもアジャイルを適用することを可能にし、大型案件の開発納期
短縮を実現している。
(注2)ネットワークに接続されている端末機器(PC、タブレット、スマートフォン等)に対するサイバー攻撃から守るセキュリティ対
策のこと。近年、働き方改革の一環として在宅勤務等のテレワークが進み、社外から社内ネットワークへ接続する機会が多くな
り、ウイルス感染した端末機器による社内ネットワークへの拡散事例も増えているため、このエンドポイントを守るセキュリテ
ィ対策の需要が高まっている。
(注3)対話(chat)とロボット(bot)を組み合わせた言葉で、AIを活用した自動会話プログラムのこと。音声やメール等のテキスト
文章による各種問い合わせに対し、ロボットやコンピューターが人間に代わり回答するため、業務の効率化を図ることができ
る。
[製品開発製造]
製品開発製造分野では、当社グループ独自のソフトウェア及びプリンター等の情報機器の開発・製造・販売を行っており、売上高は2,344百万円(前期比3.8%減)となりました。
当社グループ独自のソフトウェアであるJBソフトウェアについては、戦略パートナー様とのビジネスに注力し、売上が伸長いたしました。また、今後のクラウド環境におけるデータ連携の活発化を見据え、当社グループのJBアドバンスト・テクノロジー株式会社が開発・運用するデータ連携クラウド基盤である「Qanat Universe」を活用する形で株式会社オービックビジネスコンサルタント様と協業し、2019年10月より「奉行クラウドApp Connect」の提供を始めました。
製造業様向け生産管理システム「R-PiCS」については、バージョンアップビジネスが伸長いたしました。
一方、インパクトプリンターを中心とするハードウェアについては、企業ニーズの減少により、計画通りの減少となりました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況
「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・ フローの状況」に記載の通りであります。
b.資本の財源及び資金の流動性
当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、運転資金は基本的に内部資金より充当し、不足が生じた場合には短期借入金により調達しております。また、複数の取引銀行との間で総額14,550百万円の貸出コミットメントライン契約及び当座貸越契約を締結しております。これにより、安定的な運転資金を確保するとともに、M&Aの実施の際の機動的な資金調達やマーケット環境の一時的な変化等不測の事態への対応にも備えております。当社グループは装置産業ではないため、多額の設備投資は必要ではなく、設備投資は主としてパソコン・サーバー等の社内使用設備や事務所関連設備が大半であり、長期借入金による設備資金の調達は現在のところ必要ではない状況となっております。なお、2019年度については株主還元及び資本施策の一環として自己株式の取得を行いました。
今後につきましても、当社グループにシナジーをもたらすM&A等の投資や次世代の先進技術研究への投資、加えて株主の皆さまへの還元もしくは資本施策の一環としての自己株式の取得等、財務状況や株価の動向を考慮しながら必要に応じ機動的に実施してまいります。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要としています。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断していますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載されている通りであります。
なお、当期の連結財務諸表の作成にあたって、2020年度上期に新型コロナウイルス感染症の影響が継続するものとして見通せる影響を会計上の見積り及び仮定の設定において検討しておりますが、現時点において重要な影響を与えるものではないと判断しております。ただし、今後の状況の変化によって判断を見直した結果、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において重要な影響を与える可能性があります。

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