有価証券報告書-第67期(2025/04/01-2026/03/31)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フロー(以下、経営成績等という)の状況の概要は以下のとおりです。
① 財政状態および経営成績の状況
a.当期の業績の概況
当連結会計年度(2025年4月1日~2026年3月31日)におけるわが国の経済は、金融政策の正常化への転換が企業活動や市場に大きな影響を及ぼしました。為替の激しい変動や資源価格の高止まりに加え、物価上昇が顕著となりました。これらは個人消費を抑制しただけでなく、原材料費や労務費の増大を招き、企業の収益を圧迫する要因となっています。景気は緩やかな回復基調にあるものの、コスト増への対応力が問われる局面が続いています。
海外においても、米国の金利動向や欧州・中国経済の減速により、世界的な景気後退への懸念が高まりました。また、長期化する地政学的リスクに伴うサプライチェーンの再編など、先行き不透明な状況が継続しました。
不透明な経済環境下でも当社グループを取り巻くITサービス業界の投資意欲は旺盛でした。人手不足を背景とした非対面化やDX(デジタルトランスフォーメーション)は企業の喫緊の課題であり、AI等の先端技術によるビジネスモデル変革への投資意欲は引き続き高い状態にあります。
そのような環境下においても持続可能な成長を目指すため、当社グループは、FY2033構想「HIGH FIVE 2033」という新たな長期ビジョンを打ち出しております。これは、現在の事業基盤を活用し新しい領域へ展開、拡大させ、地域内で経済が循環する「地域還流型ビジネス」を生み出す企業を目指すもので、当社グループの事業を通して、人々の豊かな時間の創出に貢献していきます。そこで、「HIGH FIVE 2033」の実現に向けて、2024年度から2026年度までの3カ年を対象とした第4次中期経営計画「FLY ON 2026」をスタートしております。第3次中期経営計画で確立した「経営基盤の強化」「収益性の向上」「ESG経営の進化」を土台に、既存事業を力強く発展させるとともに新規事業で飛躍的に成長するというテーマのもと、「事業戦略」「人財戦略」「企業価値向上戦略」の3つの戦略を掲げて活動を進めております。
これらの結果、当連結会計年度の業績は以下のとおりです。
(単位:百万円)
b.当社の営業活動に関して
当社グループは、専門特化した独自ソリューションと外部パートナーとのエコシステム構築により、高い参入壁と成長性を両立させています。
・市場深耕とグループ展開による収益最大化
金融領域において、強固な信頼関係を背景に未導入システムを次々と展開しています。既存システムの更改に加え、業務領域を広げる提案が売上拡大につながっています。さらに銀行本体での実績を活かし、系列のカード会社・リース会社・保証会社等へも導入を加速。グループ全体のプラットフォーム化により、収益機会を最大化し持続的成長を実現します。
・AI実装による既存事業の高度化と優位性の確立
金融・自治体・流通など、既存の基幹システムやサービスへのAI実装を加速させます。顧客の業務プロセスを深く理解する当社ならではのドメイン知識を活かし、現場の課題に即した実用的なAIソリューションを提供します。これにより、既存事業の付加価値を飛躍的に高め、他社の追随を許さない圧倒的な競争力強化と持続的な成長を目指します。
・次世代プロダクトによる成長加速とDXの深化
さらなる成長に向け付加価値の高い次世代プロダクトを投入しています。督促自動化サービス「Payコレクト」は請求から支払手段提供までを完結し、人手不足解消と利便性向上を両立します。また「Agent Hub」は金融機関と法律事務所間の情報共有を仲介し業務を効率化します。さらに家族への情報継承を支える「デジシェア」など、新領域での価値提供を通じ成長を牽引します。
・社会課題解決とシステム販売の連動による市場拡大
「ロボティックコール」による自動化で人手不足を解消し、国策のキャッシュレス化を追い風にマルチ決済端末「iRITSpay決済ターミナル」の導入を加速させています。ペーパーレス化や審査短縮を通じ、環境負荷低減と顧客の収益化を同時に支援しています。さらに、出資した株式会社PaykeやWAmazing株式会社の外国人向けソリューションにより、地方でのインバウンド対応や外国人の就労対応という深刻な課題解決にも貢献し、社会課題解決を直接的な事業成長へ繋げています。
・戦略的投資によるエコシステムの拡張
前年度に出資した株式会社バカン、株式会社Paykeに加え、当期は株式会社ZenTech、MetCom株式会社、WAmazing株式会社へ新たに出資を実行しました。自社リソースに外部の技術(インバウンド、防災、AI等)を掛け合わせることで、社会課題解決型の新サービスを迅速に創出し、顧客への提供価値を多層化させています。
c.当期の業績に対する考察
地方銀行の再編・減少が進む市場環境下においても、既存顧客のシステム更新需要を確実に捕捉しつつ、付加価値の高い新規ソリューションを投入することで着実な増収を実現しています。あわせて、地方銀行系列の金融機関(カード会社・リース・保証会社等)への横展開が順調に進捗し、顧客基盤の裾野拡大が収益を押し上げています。
また、公共分野における「自治体情報システム標準化」への対応も、当期の業績拡大を牽引する極めて大きな要因となりました。
報告セグメント別の経営成績は以下のとおりです。
(システム開発・販売)
(単位:百万円)
当社グループの基幹事業である金融機関向けのソフト開発、インフラ設備の更改、個人ローン業務支援システム「SCOPE」などの販売については計画通り堅調に推移いたしました。また、公共分野向けの自治体情報システム標準化対応案件も順調に増加いたしました。
(リカーリング)
(単位:百万円)
安定収益源である保守サービスは、順調に伸長しております。公共分野向けBPO(業務受託)サービスにおいて、リソースを収益性の高い案件に集中させるという戦略を実行した結果、受注が若干前年度を下回っておりますが、ドミナント戦略による受注活動の効率化をはかると共に、リソースを拡充しておりますので、今後は規模の拡大と収益性の両方を実現できるものと予想しております。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は8,909百万円となり、前連結会計年度末と比べ24百万円減少いたしました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動から得られた資金は3,091百万円(前年同期比118.5%)となりました。主な増加要因は税金等調整前当期純利益4,160百万円、仕入債務の増加額451百万円、減価償却費433百万円、棚卸資産の減少額325百万円、賞与引当金の増加額104百万円、主な減少要因は売上債権の増加額1,402百万円、法人税等の支払額911百万円、受取利息及び受取配当金132百万円、投資有価証券売却益121百万円です。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は1,619百万円(前年同期比64.6%)となりました。主な増加要因は有価証券の減少額504百万円、連結範囲の変更を伴う子会社株式の取得による収入439百万円、投資有価証券の売却による収入311百万円、定期預金の払戻による収入100百万円、主な減少要因は投資有価証券の取得による支出1,486百万円、定期預金の預入による支出701百万円、無形固定資産の取得による支出450百万円、有形固定資産の取得による支出298百万円、敷金及び保証金の差入による支出111百万円です。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は1,496百万円(前年同期比56.0%)となりました。主な減少要因は配当金の支払額1,477百万円です。
③ 生産、受注および販売の実績
a. 仕入実績
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、以下のとおりです。
(注) セグメント間取引はありません。
b. 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、以下のとおりです。
(注) セグメント間取引については、相殺消去しております。
c. 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、以下のとおりです。
(注) セグメント間取引については、相殺消去しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は以下のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
① 重要な会計方針および見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。また、財政状態および経営成績の分析は、連結会計年度末現在で行っており、見積りについては見積りを必要とする事象および見積りに与える要因を把握した上で適切な仮定を設定して評価を行っております。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しておりますが、重要な会計上の見積りを要する項目は該当がないものと判断しております。
② 経営成績の分析
a) 売上高
当連結会計年度における売上高は、23,101百万円(前年同期は20,552百万円)となりました。2026年3月期を含む直近3年間の年平均成長率は、5.8%となっております。
報告セグメント別では、システム開発・販売セグメントにおいて、基幹事業である金融機関向けのソフト開発、インフラ設備の更改、個人ローン業務支援システム「SCOPE」などの販売については計画通り堅調に推移いたしました。また、公共分野向けの自治体情報システム標準化対応案件も順調に増加いたしました。
結果、売上高は13,671百万円(前年同期は11,524百万円)となりました。リカーリングセグメントにおいては、安定収益源である保守サービスは、順調に伸長しております。公共分野向けBPO(業務受託)サービスにおいて、リソースを収益性の高い案件に集中させるという戦略を実行した結果、受注が若干前年度を下回っておりますが、ドミナント戦略による受注活動の効率化をはかると共に、リソースを拡充しておりますので、今後は規模の拡大と収益性の両方を実現できるものと予想しております。
以上のことから、売上高は9,429百万円(前年同期は9,027百万円)となりました。各報告セグメントの外部顧客に対する売上高の連結売上高に占める割合は、システム開発・販売が59.2%、リカーリングが40.8%となりました。
b) 売上総利益
当連結会計年度における売上総利益は、8,792百万円(前年同期は7,870百万円)となりました。売上総利益率は38.1%となり、前年同期に対し0.2ポイント減少しました。これは、価格高騰による仕入コストの上昇があったものの、為替予約などの為替ヘッジのコントロールなどにより原価増が限定的になったことによるものです。
c) 営業利益
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、研究開発および社内投資、新規事業向け投資、既存事業向け投資、社内DX推進および人財育成投資などにより、4,933百万円(前年同期は4,337百万円)となりました。
以上の結果、当連結会計年度の営業利益は3,858百万円(前年同期は3,532百万円)となりました。
d) 経常利益
当連結会計年度における営業外収益は、受取配当金の増加などにより225百万円(前年同期156百万円)となりました。営業外費用は、固定資産除去損の計上などにより29百万円(前年同期は20百万円)となりました。以上の結果、経常利益は、4,054百万円(前年同期は3,668百万円)となりました。
e) 親会社株主に帰属する当期純利益
当連結会計年度における特別利益は、投資有価証券売却益として121百万円、段階取得に係る差益33百万円を計上しました。以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、2,757百万円(前年同期は2,914百万円)となりました。
③ 財政状態の分析
a) 資産
当連結会計年度末の総資産は28,066百万円となり、前連結会計年度末に比べて4,113百万円増加いたしました。流動資産は20,081百万円となり、1,620百万円増加いたしました。主な原因は、現金及び預金が2,770百万円、受取手形、売掛金及び契約資産が1,667百万円増加しましたが、有価証券が2,600百万円、棚卸資産が232百万円減少したことなどです。固定資産は7,985百万円となり、2,492百万円増加いたしました。主な原因は、投資有価証券が取得などにより1,554百万円、投資その他の資産のその他が376百万円増加したことなどです。
b) 負債
当連結会計年度末の負債合計は6,920百万円となり、前連結会計年度末に比べて2,012百万円増加いたしました。流動負債は6,078百万円となり、1,565百万円増加いたしました。主な原因は、未払法人税等が580百万円、買掛金が506百万円、賞与引当金が145百万円増加したことなどです。固定負債は842百万円となり、446百万円増加いたしました。主な原因は退職給付に係る負債が230百万円、長期借入金が146百万円増加したことなどです。
c) 純資産
当連結会計年度末の純資産は21,146百万円となり、前連結会計年度末に比べて2,101百万円増加いたしました。主な原因は、剰余金の配当の支払により1,480百万円減少しましたが、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により2,757百万円、非支配株主持分が492百万円、その他有価証券評価差額金の増加により273百万円増加したことなどです。
この結果、自己資本比率は、前連結会計年度末の79.5%から73.6%となりました。
セグメントごとの財政状況および経営成績の状況に関する認識および分析・検討内容は、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態および経営成績の状況」に記載のとおりです。
④ キャッシュ・フローの状況の分析
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、 経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりです。
⑤ 資本の財源および資金の流動性に係る情報
当社グループの資本の財源および資金の流動性については、運転資金および設備投資資金は基本的に自己資金でまかなうこととしておりますが、不足時の一時的な運転資金を効率的に調達するため、主要取引銀行とコミットメントライン契約を締結しております。
なお、自己資本比率73.6%、流動比率330.4%などの指標が示すように、健全な財務体質や営業活動によるキャッシュ・フローを生み出す能力によって、当社グループの事業展開に必要な運転資金および設備投資資金を調達することが可能と考えております。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フロー(以下、経営成績等という)の状況の概要は以下のとおりです。
① 財政状態および経営成績の状況
a.当期の業績の概況
当連結会計年度(2025年4月1日~2026年3月31日)におけるわが国の経済は、金融政策の正常化への転換が企業活動や市場に大きな影響を及ぼしました。為替の激しい変動や資源価格の高止まりに加え、物価上昇が顕著となりました。これらは個人消費を抑制しただけでなく、原材料費や労務費の増大を招き、企業の収益を圧迫する要因となっています。景気は緩やかな回復基調にあるものの、コスト増への対応力が問われる局面が続いています。
海外においても、米国の金利動向や欧州・中国経済の減速により、世界的な景気後退への懸念が高まりました。また、長期化する地政学的リスクに伴うサプライチェーンの再編など、先行き不透明な状況が継続しました。
不透明な経済環境下でも当社グループを取り巻くITサービス業界の投資意欲は旺盛でした。人手不足を背景とした非対面化やDX(デジタルトランスフォーメーション)は企業の喫緊の課題であり、AI等の先端技術によるビジネスモデル変革への投資意欲は引き続き高い状態にあります。
そのような環境下においても持続可能な成長を目指すため、当社グループは、FY2033構想「HIGH FIVE 2033」という新たな長期ビジョンを打ち出しております。これは、現在の事業基盤を活用し新しい領域へ展開、拡大させ、地域内で経済が循環する「地域還流型ビジネス」を生み出す企業を目指すもので、当社グループの事業を通して、人々の豊かな時間の創出に貢献していきます。そこで、「HIGH FIVE 2033」の実現に向けて、2024年度から2026年度までの3カ年を対象とした第4次中期経営計画「FLY ON 2026」をスタートしております。第3次中期経営計画で確立した「経営基盤の強化」「収益性の向上」「ESG経営の進化」を土台に、既存事業を力強く発展させるとともに新規事業で飛躍的に成長するというテーマのもと、「事業戦略」「人財戦略」「企業価値向上戦略」の3つの戦略を掲げて活動を進めております。
これらの結果、当連結会計年度の業績は以下のとおりです。
(単位:百万円)
| 前期 | 当期 | 前期比 | |
| 売上高 | 20,552 | 23,101 | 112.4% |
| 営業利益 | 3,532 | 3,858 | 109.2% |
| 経常利益 | 3,668 | 4,054 | 110.5% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 2,914 | 2,757 | 94.6% |
| 受注高 | 20,247 | 24,317 | 120.1% |
| 受注残 | 16,295 | 17,512 | 107.5% |
b.当社の営業活動に関して
当社グループは、専門特化した独自ソリューションと外部パートナーとのエコシステム構築により、高い参入壁と成長性を両立させています。
・市場深耕とグループ展開による収益最大化
金融領域において、強固な信頼関係を背景に未導入システムを次々と展開しています。既存システムの更改に加え、業務領域を広げる提案が売上拡大につながっています。さらに銀行本体での実績を活かし、系列のカード会社・リース会社・保証会社等へも導入を加速。グループ全体のプラットフォーム化により、収益機会を最大化し持続的成長を実現します。
・AI実装による既存事業の高度化と優位性の確立
金融・自治体・流通など、既存の基幹システムやサービスへのAI実装を加速させます。顧客の業務プロセスを深く理解する当社ならではのドメイン知識を活かし、現場の課題に即した実用的なAIソリューションを提供します。これにより、既存事業の付加価値を飛躍的に高め、他社の追随を許さない圧倒的な競争力強化と持続的な成長を目指します。
・次世代プロダクトによる成長加速とDXの深化
さらなる成長に向け付加価値の高い次世代プロダクトを投入しています。督促自動化サービス「Payコレクト」は請求から支払手段提供までを完結し、人手不足解消と利便性向上を両立します。また「Agent Hub」は金融機関と法律事務所間の情報共有を仲介し業務を効率化します。さらに家族への情報継承を支える「デジシェア」など、新領域での価値提供を通じ成長を牽引します。
・社会課題解決とシステム販売の連動による市場拡大
「ロボティックコール」による自動化で人手不足を解消し、国策のキャッシュレス化を追い風にマルチ決済端末「iRITSpay決済ターミナル」の導入を加速させています。ペーパーレス化や審査短縮を通じ、環境負荷低減と顧客の収益化を同時に支援しています。さらに、出資した株式会社PaykeやWAmazing株式会社の外国人向けソリューションにより、地方でのインバウンド対応や外国人の就労対応という深刻な課題解決にも貢献し、社会課題解決を直接的な事業成長へ繋げています。
・戦略的投資によるエコシステムの拡張
前年度に出資した株式会社バカン、株式会社Paykeに加え、当期は株式会社ZenTech、MetCom株式会社、WAmazing株式会社へ新たに出資を実行しました。自社リソースに外部の技術(インバウンド、防災、AI等)を掛け合わせることで、社会課題解決型の新サービスを迅速に創出し、顧客への提供価値を多層化させています。
c.当期の業績に対する考察
地方銀行の再編・減少が進む市場環境下においても、既存顧客のシステム更新需要を確実に捕捉しつつ、付加価値の高い新規ソリューションを投入することで着実な増収を実現しています。あわせて、地方銀行系列の金融機関(カード会社・リース・保証会社等)への横展開が順調に進捗し、顧客基盤の裾野拡大が収益を押し上げています。
また、公共分野における「自治体情報システム標準化」への対応も、当期の業績拡大を牽引する極めて大きな要因となりました。
報告セグメント別の経営成績は以下のとおりです。
(システム開発・販売)
(単位:百万円)
| 前期 | 当期 | 前期比 | |
| 売上高 | 11,524 | 13,671 | 118.6% |
| セグメント利益 | 1,700 | 1,956 | 115.0% |
| 受注高 | 10,974 | 15,065 | 137.3% |
当社グループの基幹事業である金融機関向けのソフト開発、インフラ設備の更改、個人ローン業務支援システム「SCOPE」などの販売については計画通り堅調に推移いたしました。また、公共分野向けの自治体情報システム標準化対応案件も順調に増加いたしました。
(リカーリング)
(単位:百万円)
| 前期 | 当期 | 前期比 | |
| 売上高 | 9,027 | 9,429 | 104.4% |
| セグメント利益 | 1,832 | 1,903 | 103.9% |
| 受注高 | 9,272 | 9,252 | 99.8% |
安定収益源である保守サービスは、順調に伸長しております。公共分野向けBPO(業務受託)サービスにおいて、リソースを収益性の高い案件に集中させるという戦略を実行した結果、受注が若干前年度を下回っておりますが、ドミナント戦略による受注活動の効率化をはかると共に、リソースを拡充しておりますので、今後は規模の拡大と収益性の両方を実現できるものと予想しております。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は8,909百万円となり、前連結会計年度末と比べ24百万円減少いたしました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動から得られた資金は3,091百万円(前年同期比118.5%)となりました。主な増加要因は税金等調整前当期純利益4,160百万円、仕入債務の増加額451百万円、減価償却費433百万円、棚卸資産の減少額325百万円、賞与引当金の増加額104百万円、主な減少要因は売上債権の増加額1,402百万円、法人税等の支払額911百万円、受取利息及び受取配当金132百万円、投資有価証券売却益121百万円です。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は1,619百万円(前年同期比64.6%)となりました。主な増加要因は有価証券の減少額504百万円、連結範囲の変更を伴う子会社株式の取得による収入439百万円、投資有価証券の売却による収入311百万円、定期預金の払戻による収入100百万円、主な減少要因は投資有価証券の取得による支出1,486百万円、定期預金の預入による支出701百万円、無形固定資産の取得による支出450百万円、有形固定資産の取得による支出298百万円、敷金及び保証金の差入による支出111百万円です。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は1,496百万円(前年同期比56.0%)となりました。主な減少要因は配当金の支払額1,477百万円です。
③ 生産、受注および販売の実績
a. 仕入実績
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、以下のとおりです。
| 項目 | 当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) | 前年同期比(%) |
| システム開発・販売(千円) | 2,733,519 | 87.9 |
| リカーリング(千円) | - | - |
| 合計(千円) | 2,733,519 | 87.9 |
(注) セグメント間取引はありません。
b. 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、以下のとおりです。
| 項目 | 当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) | |||
| 受注高(千円) | 前年同期比(%) | 受注残高(千円) | 前年同期比(%) | |
| システム開発・販売 | 15,065,131 | 137.3 | 7,389,909 | 123.2 |
| リカーリング | 9,252,553 | 99.8 | 10,122,207 | 98.3 |
| 合計 | 24,317,684 | 120.1 | 17,512,116 | 107.5 |
(注) セグメント間取引については、相殺消去しております。
c. 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、以下のとおりです。
| 項目 | 当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) | 前年同期比(%) |
| システム開発・販売(千円) | 13,671,989 | 118.6 |
| リカーリング(千円) | 9,429,013 | 104.4 |
| 合計(千円) | 23,101,002 | 112.4 |
(注) セグメント間取引については、相殺消去しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は以下のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
① 重要な会計方針および見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。また、財政状態および経営成績の分析は、連結会計年度末現在で行っており、見積りについては見積りを必要とする事象および見積りに与える要因を把握した上で適切な仮定を設定して評価を行っております。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しておりますが、重要な会計上の見積りを要する項目は該当がないものと判断しております。
② 経営成績の分析
a) 売上高
当連結会計年度における売上高は、23,101百万円(前年同期は20,552百万円)となりました。2026年3月期を含む直近3年間の年平均成長率は、5.8%となっております。
報告セグメント別では、システム開発・販売セグメントにおいて、基幹事業である金融機関向けのソフト開発、インフラ設備の更改、個人ローン業務支援システム「SCOPE」などの販売については計画通り堅調に推移いたしました。また、公共分野向けの自治体情報システム標準化対応案件も順調に増加いたしました。
結果、売上高は13,671百万円(前年同期は11,524百万円)となりました。リカーリングセグメントにおいては、安定収益源である保守サービスは、順調に伸長しております。公共分野向けBPO(業務受託)サービスにおいて、リソースを収益性の高い案件に集中させるという戦略を実行した結果、受注が若干前年度を下回っておりますが、ドミナント戦略による受注活動の効率化をはかると共に、リソースを拡充しておりますので、今後は規模の拡大と収益性の両方を実現できるものと予想しております。
以上のことから、売上高は9,429百万円(前年同期は9,027百万円)となりました。各報告セグメントの外部顧客に対する売上高の連結売上高に占める割合は、システム開発・販売が59.2%、リカーリングが40.8%となりました。
b) 売上総利益
当連結会計年度における売上総利益は、8,792百万円(前年同期は7,870百万円)となりました。売上総利益率は38.1%となり、前年同期に対し0.2ポイント減少しました。これは、価格高騰による仕入コストの上昇があったものの、為替予約などの為替ヘッジのコントロールなどにより原価増が限定的になったことによるものです。
c) 営業利益
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、研究開発および社内投資、新規事業向け投資、既存事業向け投資、社内DX推進および人財育成投資などにより、4,933百万円(前年同期は4,337百万円)となりました。
以上の結果、当連結会計年度の営業利益は3,858百万円(前年同期は3,532百万円)となりました。
d) 経常利益
当連結会計年度における営業外収益は、受取配当金の増加などにより225百万円(前年同期156百万円)となりました。営業外費用は、固定資産除去損の計上などにより29百万円(前年同期は20百万円)となりました。以上の結果、経常利益は、4,054百万円(前年同期は3,668百万円)となりました。
e) 親会社株主に帰属する当期純利益
当連結会計年度における特別利益は、投資有価証券売却益として121百万円、段階取得に係る差益33百万円を計上しました。以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、2,757百万円(前年同期は2,914百万円)となりました。
③ 財政状態の分析
a) 資産
当連結会計年度末の総資産は28,066百万円となり、前連結会計年度末に比べて4,113百万円増加いたしました。流動資産は20,081百万円となり、1,620百万円増加いたしました。主な原因は、現金及び預金が2,770百万円、受取手形、売掛金及び契約資産が1,667百万円増加しましたが、有価証券が2,600百万円、棚卸資産が232百万円減少したことなどです。固定資産は7,985百万円となり、2,492百万円増加いたしました。主な原因は、投資有価証券が取得などにより1,554百万円、投資その他の資産のその他が376百万円増加したことなどです。
b) 負債
当連結会計年度末の負債合計は6,920百万円となり、前連結会計年度末に比べて2,012百万円増加いたしました。流動負債は6,078百万円となり、1,565百万円増加いたしました。主な原因は、未払法人税等が580百万円、買掛金が506百万円、賞与引当金が145百万円増加したことなどです。固定負債は842百万円となり、446百万円増加いたしました。主な原因は退職給付に係る負債が230百万円、長期借入金が146百万円増加したことなどです。
c) 純資産
当連結会計年度末の純資産は21,146百万円となり、前連結会計年度末に比べて2,101百万円増加いたしました。主な原因は、剰余金の配当の支払により1,480百万円減少しましたが、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により2,757百万円、非支配株主持分が492百万円、その他有価証券評価差額金の増加により273百万円増加したことなどです。
この結果、自己資本比率は、前連結会計年度末の79.5%から73.6%となりました。
セグメントごとの財政状況および経営成績の状況に関する認識および分析・検討内容は、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態および経営成績の状況」に記載のとおりです。
④ キャッシュ・フローの状況の分析
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、 経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりです。
⑤ 資本の財源および資金の流動性に係る情報
当社グループの資本の財源および資金の流動性については、運転資金および設備投資資金は基本的に自己資金でまかなうこととしておりますが、不足時の一時的な運転資金を効率的に調達するため、主要取引銀行とコミットメントライン契約を締結しております。
なお、自己資本比率73.6%、流動比率330.4%などの指標が示すように、健全な財務体質や営業活動によるキャッシュ・フローを生み出す能力によって、当社グループの事業展開に必要な運転資金および設備投資資金を調達することが可能と考えております。