有価証券報告書-第62期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

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2021/06/18 16:23
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(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、経営成績等という。)の状況の概要は次のとおりです。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を大きく受け厳しい状況が続く結果となりました。年度前半は大幅な国内景気の落ち込みから持ち直しの傾向が見られたものの、年度後半の感染再拡大、緊急事態宣言の再発令などによる経済損失で回復ペースは緩やかに留まりました。企業業績は好調な業種も見られる一方、外出自粛要請の影響を受けたサービス業を中心に落ち込みが続いており、業績回復のばらつきが投資抑制や雇用・所得の減少に影響を与えています。
当社グループを取り巻く国内ITサービス業界におきましては、業務プロセスやビジネスの革新にデジタル技術を積極的に活用する動きが加速しており、AIやIоTなどのシステム投資、「非接触」や「非対面」を実現するデジタル化など、企業のIT投資意欲は全体として底堅く推移しました。その一方で、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化することにより、一部の業種・企業においてIT投資の抑制や先送りの動きが見られ、企業の投資計画の見直しについて注視していく必要があります。
このような環境の下、当社グループは2018年5月18日に発表した中期経営計画「Challenge to 2020」で掲げた、 売上高140億円、営業利益23億円、ROE10%以上の達成へ向けて事業を推進してまいりました。基幹事業の金融機関向けソリューションにおいて、主力パッケージである個人ローン業務支援システム「SCOPE」などの好調な販売により受注高が伸長、さらに前期末時点での高水準な受注残が売上に寄与したことから、当連結会計年度の売上高は16,289百万円(前年同期比106.9%)、営業利益は2,186百万円(前年同期比126.5%)、経常利益は2,317百万円(前年同期比126.0%)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,683百万円(前年同期比136.7%)となり、売上高、各利益は過去最高を更新いたしました。
なお、第2次中期経営計画で定めた2021年3月期の定量目標に対し、売上高およびROEについては目標を達成したものの、営業利益は1.2億円の未達となりました。また、セグメント別の経営成績は次のとおりです。
(システムソリューション)
システムソリューションでは、金融機関において、コロナ禍の影響を受け業務の非対面化需要が一段と高まっており、主力の個人ローン業務支援システム「SCOPE」に加え、電子契約機能を実装したローンWeb受付システム「WELCOME」や個人信用情報照会システム「MICS2.0」の受注が好調に推移しております。また、既存顧客の大型システム更改への着実な対応、前期末受注残からの確実な納入等により前期に対し増収となり、コンタクトセンター向け自動受架電システム「ロボティックコール」では、大手クレジットカード会社や銀行からの受注があり、引き続き好調を維持しております。
公共向けシステムでは、学校給食費の公会計化への移行に備えた給食費管理システムの新規受注や中核市から滞納管理システムの新たな受注を獲得するなど、計画通りに推移しております。売上につきましても前期末までの受注残が売上に寄与し、前期に対し大幅な増収となりました。
小売業向けシステムでは、百貨店で基幹システム「RITS」、化粧品専門店でPOSソリューション「RITS-DX」が稼働し、売上に貢献しました。一方、百貨店や専門店など店舗向けのシステムやコールセンター向けの一部案件においては、新型コロナウイルス感染症の影響により、受注の遅延や開発が延伸するなどの影響を受けております。
その結果、受注高は9,492百万円(前年同期比113.9%)、売上高は8,780百万円(前年同期比97.7%)、セグメント利益は2,282百万円(前年同期比127.0%)となりました。
(サービスソリューション)
サービスソリューションでは、公共分野向けBPO(業務委託)サービスにおいて、既存先の更改に加え県庁からの初受注、中核市から大型受注を獲得するなど好調に推移しており、前期に対し大幅な増収となっております。
一方、調査業務専門の連結子会社では新型コロナウイルス感染症の影響により、主要顧客からの一部業務の受託が一時的に休止、延期になるなどの影響を受けました。徐々に受注は回復してきておりましたが、感染の再拡大により先行き不透明な状況が続いており、コロナ前の水準まで改善するには時間を要する見込みです。
その結果、受注高は5,075百万円(前年同期比115.7%)、売上高は3,797百万円(前年同期比109.3%)、セグメント利益は503百万円(前年同期比81.4%)となりました。
(基盤ソリューション)
基盤ソリューションでは、キャッシュレス決済やマルチペイメントの利用拡大が続く中、主力商品のマルチ決済端末「iRITSpay決済ターミナル」が順調に販売を拡大するとともに、前期末までの受注残が売上に寄与しました。
一方、新型コロナウイルス感染症の感染拡大と自粛の影響等により決済端末の主な導入先である加盟店では厳しい状況が続いており、自動販売機メーカーとの共同開発やWEBPOSベンダーとのシステム連携など、新たな決済サービスへの取り組みを推進しています。
その結果、受注高は3,891百万円(前年同期比119.8%)、売上高は3,712百万円(前年同期比133.8%)、セグメント利益は835百万円(前年同期比139.7%)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は8,672百万円となり、前連結会計年度末と比べ1,772百万円増加いたしました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動から得られた資金は2,728百万円(前年同期比145.2%)となりました。主な増加要因は税金等調整前当期純利益2,346百万円、減価償却費288百万円、仕入債務の増加額220百万円、主な減少要因は法人税等の支払額596百万円、たな卸資産の増加額116百万円です。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は429百万円(前年同期比60.0%)となりました。主な減少要因は無形固定資産の取得による支出238百万円、有価証券の純増減額100百万円です。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は526百万円(前年同期比75.9%)となりました。増加要因は自己株式の処分による収入100百万円、主な減少要因は配当金の支払額626百万円です。
③ 生産、受注及び販売の実績
a. 仕入実績
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
項目当連結会計年度
(自 2020年4月1日
至 2021年3月31日)
前年同期比(%)
システムソリューション(千円)427,58852.9
サービスソリューション(千円)--
基盤ソリューション(千円)2,236,270126.1
合計(千円)2,663,858103.2

(注) 1.セグメント間取引はありません。
2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
b. 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
項目当連結会計年度
(自 2020年4月1日
至 2021年3月31日)
受注高(千円)前年同期比(%)受注残高(千円)前年同期比(%)
システムソリューション9,492,884113.97,828,655110.0
サービスソリューション5,075,396115.75,415,431130.9
基盤ソリューション3,891,341119.81,811,551111.0
合計18,459,622115.615,055,638116.8

(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
c. 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
項目当連結会計年度
(自 2020年4月1日
至 2021年3月31日)
前年同期比(%)
システムソリューション(千円)8,780,33397.7
サービスソリューション(千円)3,797,549109.3
基盤ソリューション(千円)3,712,087133.8
合計(千円)16,289,970106.9

(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、連結会計年度末日現在において当社グループが判断したものであります。当連結会計年度において、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大による業績への影響は顕在化しておりません。
①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、以下のとおりであります。
当社グループでは、前中期経営計画「Challenge to 2020」の下、その最終年度にあたり、以下の事業方針に基づき事業を展開してまいりました。
ⅰ)全社で当社のお客様資産を共有し、すべての取引先にCTIや基盤のほか幅広いソリューションを提案し、販売拡大を図る。
ⅱ)金融機関でのCRMソリューション、自治体でのITやBPOの対象範囲の拡大、専門店向け基幹システムの開発などで新規のソリューション開発や対象範囲の拡大を図る。
ⅲ)キャッシュレス社会の実現に向け、セキュリティ性および機能面で優れる決済サービスを提供する。
ⅳ)「iRITSpay」事業のさらなる拡大。
ⅴ)IoT、ブロックチェーンやLINE-APIなどの分野における最先端の技術の習得に努め技術力を強化し、更に充実した機能のパッケージを提供していく。
経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度における売上高は、前連結会計年度に比べて1,050百万円増加し、16,289百万円(前年同期比6.9%増)となりました。これは主に、基幹事業である金融機関向けを中心にシステムソリューションが好調に推移したことや、前期末時点での高水準な受注残が売上に寄与したことなどによるものです。各報告セグメントの外部顧客に対する売上高の連結売上高に占める割合は、システムソリューションが53.9%、サービスソリューションが23.3%、基盤ソリューションが22.8%となりました。
(売上総利益)
当連結会計年度における売上総利益は、前連結会計年度に比べて545百万円増加し、5,386百万円(前年同期比11.3%増)となりました。また、売上総利益率は、外注先の契約の見直し、生産効率の向上、働き方改革の推進等様々な施策の効果が表れたことにより、前連結会計年度に比べ1.3ポイント増加し、33.1%となりました。
(営業利益)
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、コスト抑制により、前連結会計年度に比べて87百万円増加し、3,199百万円(前年同期比2.8%増)となりました。
以上の結果、当連結会計年度の営業利益は前連結会計年度に比べ458百万円増加し、2,186百万円(前年同期比26.5%増)となりました。
(経常利益)
当連結会計年度における営業外収益は、前連結会計年度に比べ509千円減少し、145百万円(前年同期比0.3%減)となりました。
営業外費用は、投資有価証券売却損の計上がなかったことにより、前連結会計年度に比べ19百万円減少し、14百万円(前年同期比57.3%減)となりました。
以上の結果、経常利益は、前連結会計年度に比べ477百万円増加し、2,317百万円(前年同期比26.0%増)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度における特別利益は、関係会社株式売却益として23百万円を計上しました。
特別損失は、計上しておりません。
以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ451百万円増加し、1,683百万円(前年同期比36.7%増)となりました。
財政状態の分析
(資産)
当連結会計年度末の総資産は、18,690万円となり前連結会計年度末に比べ2,396百万円増加しました。これは主に有価証券の増加によるものです。
(負債)
負債は4,589百万円となり前連結会計年度末に比べ859百万円増加しました。これは主に未払法人税等と買掛金の増加によるものです。
(純資産)
純資産14,101百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,536百万円増加し、自己資本比率は75.2%となりました。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
セグメントごとの財政状況及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
②キャッシュ・フローの分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの資本の財源および資金の流動性については、運転資金および設備投資資金は基本的に自己資金でまかなうこととしておりますが、不足時の一時的な運転資金を効率的に調達するため、主要取引銀行とコミットメントライン契約を締結しております。
なお、自己資本比率75.2%、流動比率338.5%などの指標が示すように、健全な財務体質や営業活動によるキャッシュ・フローを生み出す能力によって、当社グループの事業展開に必要な運転資金および設備投資資金を調達することが可能と考えております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。財政状態および経営成績の分析は、連結会計年度末現在で行っており、見積りについては見積りを必要とする事象および見積りに与える要因を把握した上で適切な仮定を設定して評価を行っております。
連結財務諸表の作成にあたり、有価証券、たな卸資産、固定資産に関しては、重要な会計方針により継続的な評価を行っております。時価のある有価証券は連結会計年度末日の市場価格等に基づく時価法によっており、たな卸資産のうち商品・貯蔵品は移動平均法に基づく原価法、仕掛品は個別法に基づく原価法によっております。固定資産のうち無形固定資産は一定の償却期間を見積り費用配分するほか、資産性の判定を行って適切に処理しております。
会計上の見積りを行うに際し、今般の新型コロナウイルス感染拡大が今後の見通しに与える影響について検討した結果、当社の受注は堅調であり、開発・保守業務のリモートワークや分散運営も良好に行われていることから、見積りに重要な影響を与える変動は見込まれておりません。
なお、重要な会計方針のうち、見積りや仮定等により連結財務諸表に重要な影響を与えると考えている項目は次のとおりであります。
a.退職給付会計
退職給付債務は、年金数理計算に用いられる仮定により見積りに差が生じます。仮定となる割引率、将来の給付水準、退職率については、現時点で妥当と判断したデータその他の要因に基づき設定しております。実際の結果がこれらの仮定と異なる場合、また仮定を変更する必要が生じた場合には、将来の退職給付費用及び退職給付債務が変動する可能性があります。
b.繰延税金資産
繰延税金資産の回収可能性の判断に際しては、過去の実績等に基づき将来の課税所得を合理的に見積もっておりますが、将来において当社グループを取り巻く環境に大きな変化があったり、税制改正によって法定実効税率等が変化した場合には、繰延税金資産の回収可能性が変動する可能性があります。
c.のれんおよび関係会社株式
当社は少なくとも1年に1回、または事業環境や将来の業績見通しの悪化、事業戦略の変化など、減損の判定が必要となる兆候が発生した場合には、その都度のれんおよび関係会社株式について、割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を上回っているかどうかの回収可能性テストを実施しています。割引前将来キャッシュ・フローが帳簿価額を上回る場合には、減損損失は認識されません。前者が後者を下回る場合には、のれんおよび関係会社株式の帳簿価額を超えない範囲で減損損失を認識します。なお将来キャッシュ・フローは経営者により承認された中期経営計画等を基礎として、見積っております。当該見積りは、将来の不確実な経済条件の変動によって影響を受ける可能性があり、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において、見積りの変化が、減損損失が認識されるか否かの判定および認識される減損金額、のれんおよび関係会社株式の金額に重要な影響を与える可能性があります。

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