有価証券報告書-第31期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
①経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、国内企業の収益拡大などを背景に景気は緩やかな回復基調にあるものの、年明けより世界的に広がる新型コロナウイルスの感染拡大の影響から、経済及び社会活動は停滞しており、景気の先行きは不透明な状況が続いております。
また、当社グループを取り巻く経営環境は、東京オリンピック・パラリンピックなどのメガイベントに向けたサイバー空間の脅威に対処するサイバーセキュリティ対策の強化や、IIoT(産業用IoT)などの新しい技術に向けたセキュリティ対策の他、働き方改革を背景に、人手不足を補いながら生産性を向上させるRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)が注目を集めました。
このような市場環境のもと、当社グループが得意とする「サイバースレットインテリジェンス」、「脆弱性診断サービス」、「産業系制御システムのセキュリティ対策」、「究極的にカンタンなRPAツール」及び「多言語リアルタイム映像通訳サービス」において、当社グループのオリジナリティを発揮し、各分野での独自のポジションを確立するとともに、収益機会の多様化も含め、安定的な収益基盤の構築と採算性を重視することで、経営基盤の安定化に努めました。
当連結会計年度における部門別の概要は次のとおりであります。
(ネットワーク部門)
当部門では、業務系ネットワークと制御系ネットワーク(IT/OT)の統合による次世代ネットワーク基盤の整備が注目されていることから、当社グループの主要顧客である国内大手製造業を中心に、ユーザ管理システム構築案件、IPアドレス管理案件の他、セキュアなクラウド型無線LANシステムを採用したネットワーク構築案件などの受注活動に努めました。
しかしながら、大手企業向けなどの大型案件が一巡したことにより、当部門の売上高は前期に比べ減少しました。この結果、売上高は896百万円(前期970百万円、前期比7.6%減)となりました。
(セキュリティ部門)
当部門では、サイバー攻撃や不正アクセスへの脅威が継続していることから、官公庁や国内企業向けのネットワーク不正侵入防御セキュリティ、標的型攻撃対策クラウドサービスの他、国内金融機関のインターネットバンキング向け不正取引防止対策などのネットワークセキュリティ構築案件や企業内ネットワークの脆弱性を可視化、分析、レポートする脆弱性診断サービス案件などの受注を獲得しました。
また、重要インフラや工場及びビル管理の制御システムなどに向けた制御システム・OTセキュリティリスクアセスメントサービスでは、国内大手製造業の工場向け制御システム・セキュリティリスク分析案件に採用されるなど、着実に成果を上げています。
なお、ダークネットと呼ばれる匿名性の高いネットワークにて、APTに代表される高度な技術を持つ攻撃集団、あるいはサイバー犯罪グループなどがやり取りする悪意ある情報を収集分析するサイバースレットインテリジェンスサービスでは、引き続き、官公庁、社会インフラ企業、金融機関などへの本サービスの採用が進んでいる他、サプライチェーンやグループ企業のサイバーリスクを可視化するリスクスコアサービスについても堅調な立ち上がりを見せるなど、当部門の売上高は増加しました。
この結果、売上高は1,645百万円(前期1,245百万円、前期比32.2%増)となりました。
(モニタリング部門)
当部門では、当社が得意とするネットワークのモニタリング分野に注力した営業活動により、国内大手モバイルキャリアや国内金融機関、国内大手製造業などから、当社グループ独自のパケットキャプチャ製品を採用したネットワークモニタリング案件の他、メガキャリアや国内インターネット金融サービス事業者、生命保険事業者などからは、ネットワーク性能管理製品を採用したネットワークの可視化案件の受注を獲得しました。
また、独自サービスのITシステム運用監視クラウドサービスでは、当社グループの主要顧客を中心に受注活動は概ね堅調に推移したことなどにより、当部門の売上高は増加しました。
この結果、売上高は663百万円(前期590百万円、前期比12.3%増)となりました。
(ソリューションサービス部門)
当部門での多言語リアルタイム映像通訳サービスでは、前年に引き続き、アジア全般からの訪日外国人旅行者は増加傾向にあることから、当サービスの導入推進と顧客基盤の拡大に努めてまいりましたが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響から訪日外国人旅行者の減少は見られたものの、在留外国人の増加による需要の拡大から、受注活動は概ね予定通りに推移しました。
また、法人向けクラウド型VPNサービスでは、新規案件の獲得などにより堅調に推移した他、遠隔会議サービスでは、ビデオ会議やモビリティ対応の新商品のサービスラインナップの強化に努めたことで、新型コロナウイルスの感染防止対策の一つとして、テレワーク対応企業、対面面接、訪問商談に代わる採用・営業活動を目的とした人事・営業部門、医療機関、研究機関、教育機関などからの引き合いは増加しました。
その他、究極的にカンタンなRPAツールでは、企業活動における生産性の向上、業務の効率化などの働き方改革を背景に、販売代理店網の拡大に取組みました。
この結果、売上高は845百万円(前期853百万円、前期比0.9%減)となりました。
以上の結果、当連結会計年度における受注高は3,988百万円(前期3,705百万円、前期比7.7%増)、売上高は4,051百万円(前期3,660百万円、前期比10.7%増)、受注残高は301百万円(前期363百万円、前期比17.2%減)となりました。
利益面につきましては、今後の事業の拡大に向けた人員増加に伴う人件費の増加は見込んでおりましたが、株主の増加に伴う管理費の増加により販売費及び一般管理費は前期に比べ増加したものの、売上高の増加による売上総利益の増加により、営業利益263百万円(前期は244百万円、前期比8.0%増)、経常利益288百万円(前期は229百万円、前期比25.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益214百万円(前期は207百万円、前期比3.5%増)となりました。
②財政状態の状況
当連結会計年度末における総資産は、4,203百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,008百万円増加いたしました。
当連結会計年度末における負債合計は、1,934百万円となり、前連結会計年度末に比べ180百万円増加いたしました。
当連結会計年度末における純資産合計は、2,269百万円となり、前連結会計年度末に比べ828百万円増加いたしました。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ931百万円増加し、1,500百万円となりました。当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は484百万円(前年同期は374百万円の獲得)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益290百万円、仕入債務の増加額207百万円、前受金の増加額142百万円、売上債権の増加額129百万円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は24百万円(前年同期は55百万円の使用)となりました。これは主に定期預金の預入による支出545百万円、定期預金の払戻による収入644百万円、有形固定資産の取得による支出60百万円、無形固定資産の取得による支出62百万円、敷金及び保証金の差入による支出7百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は464百万円(前年同期は218百万円の使用)となりました。これは主に長期借入金の返済よる支出137百万円、新株予約権の行使による株式の発行による収入612百万円等によるものであります。
④仕入、受注及び販売の実績
当社グループは単一事業であるため、仕入、受注及び販売の実績については事業部門ごとに記載しております。
a . 仕入実績
当連結会計年度の仕入実績を事業部門ごとに示すと、次のとおりであります。
(注)上記の金額には消費税等は含まれておりません。
b . 受注実績
当連結会計年度の受注実績を事業部門ごとに示すと、次のとおりであります。
(注)上記の金額には消費税等は含まれておりません。
c . 販売実績
当連結会計年度の販売実績を事業部門ごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営者成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容等
a.経営成績等
(売上高)
当社グループの当連結会計年度の売上高は、前期に比べ391百万円増加した4,051百万円となりました。これは主に、官公庁、国内企業に向けたサイバー攻撃や不正アクセスへの脅威が継続していることから、ネットワークセキュリティ構築案件が堅調に推移した他、サイバー犯罪やサイバーテロ等に関する情報を収集分析するサイバースレットインテリジェンスサービスが官公庁、社会インフラ企業、金融機関などへ採用されたことによるものです。
また、重要インフラや工場及びビル管理の制御システムなどに向けた制御システム・OTセキュリティリスクアセスメントサービスでは、国内大手製造業の工場向け制御システム・セキュリティリスク分析案件に採用されるなど、着実に成果を上げています。
なお、ソリューションサービス部門での多言語リアルタイム映像通訳サービスでは、新型コロナウイルスの感染拡大の影響から訪日外国人旅行者の減少は見られたものの、在留外国人の増加による需要の拡大から、受注活動は概ね予定通りに推移した他、遠隔会議サービスでは、新型コロナウイルスの感染防止対策の一つとして、テレワーク対応企業、対面面接、訪問商談に代わる採用・営業活動を目的とした人事・営業部門、医療機関、研究機関、教育機関などからの引き合いは増加しました。
(売上総利益)
売上総利益は前連結会計年度に比べ109百万円増加し、1,513百万円となりました。
(営業利益)
販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ90百万円増加し、1,249百万円となりました。これは主に従業員数の増加による人件費の増加および株主数の増加による株式事務管理費用の増加等によるものであります。これらの結果、営業利益は、前連結会計年度に比べ19百万円増加し、263百万円となりました。
(経常利益)
経常利益は、前連結会計年度に比べ58百万円増加し、288百万円となりました。これは主に前連結会計年度が為替差損5百万円を計上したのに対し当連結会計年度が為替差益12百万円を計上したこと、貸倒引当金を設定していた債権の戻入れ益8百万円等を計上したためであります。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
特別損益は、前連結会計年度が投資有価証券売却益49百万円を計上したのに対し、当連結会計年度は事業譲渡益2百万円を計上いたしました。
以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ7百万円増加し、214百万円となりました。
b.経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
c.財政状態
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は3,404百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,049百万円増加いたしました。これは主に現金及び預金が831百万円増加、受取手形及び売掛金が129百万円増加、商品が48百万円増加したこと等によるものであります。固定資産は798百万円となり、前連結会計年度末に比べ41百万円減少いたしました。これは有形固定資産が1百万円減少、無形固定資産が13百万円減少、投資その他の資産が25百万円減少したことによるものであります。
この結果、総資産は、4,203百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,008百万円増加いたしました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は1,626百万円となり、前連結会計年度末に比べ312百万円増加いたしました。これは主に買掛金が207百万円増加、前受金が151百万円増加したこと等によるものであります。固定負債は307百万円となり、前連結会計年度末に比べ131百万円減少いたしました。これは主に長期借入金の減少130百万円等によるものであります。
この結果、負債合計は、1,934百万円となり、前連結会計年度末に比べ180百万円増加いたしました。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産合計は2,269百万円となり、前連結会計年度末に比べ828百万円増加いたしました。これは主に資本金および資本剰余金が307百万円増加、親会社株主に帰属する当期純利益214百万円等によるものであります。また、欠損填補により資本剰余金が617百万円減少し利益剰余金が617百万円増加しております。
この結果、自己資本比率は、53.9%(前連結会計年度末は45.0%)となりました。
d.経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、2017年度よりスタートした中期経営計画の最終年度となる2019年度については、売上高4,051百万円/営業利益263百万円/経常利益288百万円/親会社株式に帰属する当期純利益214百万円/1株当たり当期純利益13.03円となりました。
2020年度については、新3ヵ年の初年度であることから新中期経営計画の策定を進めておりましたが、今般の新型コロナウイルス感染症の影響を受け、新中期経営計画の策定を見送り、売上高4,180百万円/営業利益200百万円/経常利益200百万円/親会社株式に帰属する当期純利益140百万円/1株当たり当期純利益8.44円を連結業績目標としております。
2020年度における当社グループを取り巻く環境につきましては、新型コロナウイルス感染症の拡大防止が強く求められる中、テレワークや在宅勤務、時差出勤等の励行により事業継続の観点から働き方の抜本的な見直しが求められております。
このような事業環境のもと、当社グループでは、お客様の事業継続を支援するため、テレワーク環境を実現するネットワーク基盤の構築、情報漏えいを防ぐセキュリティ対策、ビデオ会議/Web会議などの提供を行ってまいります。
また、引き続き、サイバー攻撃や不正アクセスへの脅威が継続していることから、社会生活・経済活動に向けたサイバーセキュリティ対策やOT/IoTのセキュリティ対策では、当社グループが得意とする「サイバースレットインテリジェンスサービス」、「脆弱性診断サービス」やOTとITのネットワーク接続のセキュリティ対策として「IoT機器と産業系制御システムのセキュリティ対策」の拡販に努めてまいります。
さらに、働き方改革を背景に、人手不足を補いながら生産性を向上させる「ビデオ会議、Web会議サービス」や「究極的にカンタンなRPAツール」の他、在留外国人の多国籍化、定住化による支援策としての「多言語リアルタイム映像通訳サービス」など、当社グループのオリジナリティを発揮する商品及びサービスにより、各分野での独自のポジションを確立してまいります。
一方、新たなチャレンジとして、ラドウェア社製品の国内一次代理店としてラドウェア社との連携によるアプリケーションデリバリーコントローラー及びセキュリティソリューション製品の販売を開始する他、ベトナムに設立した新会社VNCS Global Solution Technology社によるアジア・マーケットに向けたビジネスをスタートさせるなど、今後成長が見込まれる分野への投資と新しい市場に向けた活動を推進してまいります。
なお、当社グループでは、引き続き、収益機会の多様化も含め、安定的な収益基盤を構築するとともに、採算性を重視することで経営基盤の安定化を図ってまいります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.キャッシュ・フローの状況の分析
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b.資本の財源及び資産の流動性
当社グループの事業活動における短期の運転資金については、基本的には自己資金および金融機関からの短期借入金を主な財源としており、設備投資や長期の運転資金に関しては、金融機関からの長期借入金によっております。
また、グループ内の資金効率向上のため、当社は子会社と当座貸越契約を契約し、資金の集中管理をおこなっております。
当社グループの資金の流動性については、上記方策により十分な現金及び現金同等物を確保しております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積もりに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成されております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債や収益・費用の報告金額および開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表を作成するに当たって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりでありますが、特に下記の会計方針が連結財務諸表における重要な見積りの判断等に影響を及ぼすと考えております。
a.市場販売目的のソフトウェアの減価償却の方法
市場販売目的のソフトウェアの減価償却は、見込販売収益を基礎とする当連結会計年度の実績販売収益に対応して計算した金額と残存有効期間に基づく均等配分額のいずれか多い金額で償却を行っております。見積もった見込み販売収益が減少した場合は、減価償却費が増加する可能性があります。
b.繰延税金資産
当社グループの連結財務諸表に計上されている資産及び負債の金額と課税所得計算上の資産及び負債の金額との間に生じる一時差異に係る税効果については、当該差異の解消時に適用される法定実効税率を使用して、繰延税金資産を計上しております。将来の税金の回収可能予想額は、当社グループの将来の課税所得の見込額に基づき算出されておりますが、将来の課税見込額の変動により、繰延税金資産が変動する可能性があります。
①経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、国内企業の収益拡大などを背景に景気は緩やかな回復基調にあるものの、年明けより世界的に広がる新型コロナウイルスの感染拡大の影響から、経済及び社会活動は停滞しており、景気の先行きは不透明な状況が続いております。
また、当社グループを取り巻く経営環境は、東京オリンピック・パラリンピックなどのメガイベントに向けたサイバー空間の脅威に対処するサイバーセキュリティ対策の強化や、IIoT(産業用IoT)などの新しい技術に向けたセキュリティ対策の他、働き方改革を背景に、人手不足を補いながら生産性を向上させるRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)が注目を集めました。
このような市場環境のもと、当社グループが得意とする「サイバースレットインテリジェンス」、「脆弱性診断サービス」、「産業系制御システムのセキュリティ対策」、「究極的にカンタンなRPAツール」及び「多言語リアルタイム映像通訳サービス」において、当社グループのオリジナリティを発揮し、各分野での独自のポジションを確立するとともに、収益機会の多様化も含め、安定的な収益基盤の構築と採算性を重視することで、経営基盤の安定化に努めました。
当連結会計年度における部門別の概要は次のとおりであります。
(ネットワーク部門)
当部門では、業務系ネットワークと制御系ネットワーク(IT/OT)の統合による次世代ネットワーク基盤の整備が注目されていることから、当社グループの主要顧客である国内大手製造業を中心に、ユーザ管理システム構築案件、IPアドレス管理案件の他、セキュアなクラウド型無線LANシステムを採用したネットワーク構築案件などの受注活動に努めました。
しかしながら、大手企業向けなどの大型案件が一巡したことにより、当部門の売上高は前期に比べ減少しました。この結果、売上高は896百万円(前期970百万円、前期比7.6%減)となりました。
(セキュリティ部門)
当部門では、サイバー攻撃や不正アクセスへの脅威が継続していることから、官公庁や国内企業向けのネットワーク不正侵入防御セキュリティ、標的型攻撃対策クラウドサービスの他、国内金融機関のインターネットバンキング向け不正取引防止対策などのネットワークセキュリティ構築案件や企業内ネットワークの脆弱性を可視化、分析、レポートする脆弱性診断サービス案件などの受注を獲得しました。
また、重要インフラや工場及びビル管理の制御システムなどに向けた制御システム・OTセキュリティリスクアセスメントサービスでは、国内大手製造業の工場向け制御システム・セキュリティリスク分析案件に採用されるなど、着実に成果を上げています。
なお、ダークネットと呼ばれる匿名性の高いネットワークにて、APTに代表される高度な技術を持つ攻撃集団、あるいはサイバー犯罪グループなどがやり取りする悪意ある情報を収集分析するサイバースレットインテリジェンスサービスでは、引き続き、官公庁、社会インフラ企業、金融機関などへの本サービスの採用が進んでいる他、サプライチェーンやグループ企業のサイバーリスクを可視化するリスクスコアサービスについても堅調な立ち上がりを見せるなど、当部門の売上高は増加しました。
この結果、売上高は1,645百万円(前期1,245百万円、前期比32.2%増)となりました。
(モニタリング部門)
当部門では、当社が得意とするネットワークのモニタリング分野に注力した営業活動により、国内大手モバイルキャリアや国内金融機関、国内大手製造業などから、当社グループ独自のパケットキャプチャ製品を採用したネットワークモニタリング案件の他、メガキャリアや国内インターネット金融サービス事業者、生命保険事業者などからは、ネットワーク性能管理製品を採用したネットワークの可視化案件の受注を獲得しました。
また、独自サービスのITシステム運用監視クラウドサービスでは、当社グループの主要顧客を中心に受注活動は概ね堅調に推移したことなどにより、当部門の売上高は増加しました。
この結果、売上高は663百万円(前期590百万円、前期比12.3%増)となりました。
(ソリューションサービス部門)
当部門での多言語リアルタイム映像通訳サービスでは、前年に引き続き、アジア全般からの訪日外国人旅行者は増加傾向にあることから、当サービスの導入推進と顧客基盤の拡大に努めてまいりましたが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響から訪日外国人旅行者の減少は見られたものの、在留外国人の増加による需要の拡大から、受注活動は概ね予定通りに推移しました。
また、法人向けクラウド型VPNサービスでは、新規案件の獲得などにより堅調に推移した他、遠隔会議サービスでは、ビデオ会議やモビリティ対応の新商品のサービスラインナップの強化に努めたことで、新型コロナウイルスの感染防止対策の一つとして、テレワーク対応企業、対面面接、訪問商談に代わる採用・営業活動を目的とした人事・営業部門、医療機関、研究機関、教育機関などからの引き合いは増加しました。
その他、究極的にカンタンなRPAツールでは、企業活動における生産性の向上、業務の効率化などの働き方改革を背景に、販売代理店網の拡大に取組みました。
この結果、売上高は845百万円(前期853百万円、前期比0.9%減)となりました。
以上の結果、当連結会計年度における受注高は3,988百万円(前期3,705百万円、前期比7.7%増)、売上高は4,051百万円(前期3,660百万円、前期比10.7%増)、受注残高は301百万円(前期363百万円、前期比17.2%減)となりました。
利益面につきましては、今後の事業の拡大に向けた人員増加に伴う人件費の増加は見込んでおりましたが、株主の増加に伴う管理費の増加により販売費及び一般管理費は前期に比べ増加したものの、売上高の増加による売上総利益の増加により、営業利益263百万円(前期は244百万円、前期比8.0%増)、経常利益288百万円(前期は229百万円、前期比25.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益214百万円(前期は207百万円、前期比3.5%増)となりました。
②財政状態の状況
当連結会計年度末における総資産は、4,203百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,008百万円増加いたしました。
当連結会計年度末における負債合計は、1,934百万円となり、前連結会計年度末に比べ180百万円増加いたしました。
当連結会計年度末における純資産合計は、2,269百万円となり、前連結会計年度末に比べ828百万円増加いたしました。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ931百万円増加し、1,500百万円となりました。当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は484百万円(前年同期は374百万円の獲得)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益290百万円、仕入債務の増加額207百万円、前受金の増加額142百万円、売上債権の増加額129百万円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は24百万円(前年同期は55百万円の使用)となりました。これは主に定期預金の預入による支出545百万円、定期預金の払戻による収入644百万円、有形固定資産の取得による支出60百万円、無形固定資産の取得による支出62百万円、敷金及び保証金の差入による支出7百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は464百万円(前年同期は218百万円の使用)となりました。これは主に長期借入金の返済よる支出137百万円、新株予約権の行使による株式の発行による収入612百万円等によるものであります。
④仕入、受注及び販売の実績
当社グループは単一事業であるため、仕入、受注及び販売の実績については事業部門ごとに記載しております。
a . 仕入実績
当連結会計年度の仕入実績を事業部門ごとに示すと、次のとおりであります。
| 事業部門別 | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 前年同期比(%) |
| ネットワーク部門(千円) | 455,693 | △15.5 |
| セキュリティ部門(千円) | 1,084,315 | 39.1 |
| モニタリング部門(千円) | 226,064 | △7.5 |
| ソリューションサービス部門(千円) | 246,840 | 1.0 |
| 合計(千円) | 2,012,914 | 11.4 |
(注)上記の金額には消費税等は含まれておりません。
b . 受注実績
当連結会計年度の受注実績を事業部門ごとに示すと、次のとおりであります。
| 事業部門別 | 受注高 | 前年同期比 (%) | 受注残高 | 前年同期比 (%) |
| ネットワーク部門(千円) | 895,745 | △9.4 | 44,122 | △2.6 |
| セキュリティ部門(千円) | 1,734,649 | 44.4 | 232,304 | 62.2 |
| モニタリング部門(千円) | 513,129 | △22.2 | 24,066 | △86.2 |
| ソリューションサービス部門(千円) | 845,402 | △1.1 | 920 | △23.3 |
| 合計(千円) | 3,988,927 | 7.7 | 301,414 | △17.2 |
(注)上記の金額には消費税等は含まれておりません。
c . 販売実績
当連結会計年度の販売実績を事業部門ごとに示すと、次のとおりであります。
| 事業部門別 | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 前年同期比(%) |
| ネットワーク部門(千円) | 896,905 | △7.6 |
| セキュリティ部門(千円) | 1,645,607 | 32.2 |
| モニタリング部門(千円) | 663,153 | 12.3 |
| ソリューションサービス部門(千円) | 845,682 | △0.9 |
| 合計(千円) | 4,051,350 | 10.7 |
(注)1.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
| 相手先 | 前連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | ||
| 金額(千円) | 割合(%) | 金額(千円) | 割合(%) | |
| 伊藤忠テクノソリューションズ(株) | 296,622 | 8.1 | 505,818 | 12.5 |
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営者成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容等
a.経営成績等
(売上高)
当社グループの当連結会計年度の売上高は、前期に比べ391百万円増加した4,051百万円となりました。これは主に、官公庁、国内企業に向けたサイバー攻撃や不正アクセスへの脅威が継続していることから、ネットワークセキュリティ構築案件が堅調に推移した他、サイバー犯罪やサイバーテロ等に関する情報を収集分析するサイバースレットインテリジェンスサービスが官公庁、社会インフラ企業、金融機関などへ採用されたことによるものです。
また、重要インフラや工場及びビル管理の制御システムなどに向けた制御システム・OTセキュリティリスクアセスメントサービスでは、国内大手製造業の工場向け制御システム・セキュリティリスク分析案件に採用されるなど、着実に成果を上げています。
なお、ソリューションサービス部門での多言語リアルタイム映像通訳サービスでは、新型コロナウイルスの感染拡大の影響から訪日外国人旅行者の減少は見られたものの、在留外国人の増加による需要の拡大から、受注活動は概ね予定通りに推移した他、遠隔会議サービスでは、新型コロナウイルスの感染防止対策の一つとして、テレワーク対応企業、対面面接、訪問商談に代わる採用・営業活動を目的とした人事・営業部門、医療機関、研究機関、教育機関などからの引き合いは増加しました。
(売上総利益)
売上総利益は前連結会計年度に比べ109百万円増加し、1,513百万円となりました。
(営業利益)
販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ90百万円増加し、1,249百万円となりました。これは主に従業員数の増加による人件費の増加および株主数の増加による株式事務管理費用の増加等によるものであります。これらの結果、営業利益は、前連結会計年度に比べ19百万円増加し、263百万円となりました。
(経常利益)
経常利益は、前連結会計年度に比べ58百万円増加し、288百万円となりました。これは主に前連結会計年度が為替差損5百万円を計上したのに対し当連結会計年度が為替差益12百万円を計上したこと、貸倒引当金を設定していた債権の戻入れ益8百万円等を計上したためであります。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
特別損益は、前連結会計年度が投資有価証券売却益49百万円を計上したのに対し、当連結会計年度は事業譲渡益2百万円を計上いたしました。
以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ7百万円増加し、214百万円となりました。
b.経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
c.財政状態
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は3,404百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,049百万円増加いたしました。これは主に現金及び預金が831百万円増加、受取手形及び売掛金が129百万円増加、商品が48百万円増加したこと等によるものであります。固定資産は798百万円となり、前連結会計年度末に比べ41百万円減少いたしました。これは有形固定資産が1百万円減少、無形固定資産が13百万円減少、投資その他の資産が25百万円減少したことによるものであります。
この結果、総資産は、4,203百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,008百万円増加いたしました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は1,626百万円となり、前連結会計年度末に比べ312百万円増加いたしました。これは主に買掛金が207百万円増加、前受金が151百万円増加したこと等によるものであります。固定負債は307百万円となり、前連結会計年度末に比べ131百万円減少いたしました。これは主に長期借入金の減少130百万円等によるものであります。
この結果、負債合計は、1,934百万円となり、前連結会計年度末に比べ180百万円増加いたしました。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産合計は2,269百万円となり、前連結会計年度末に比べ828百万円増加いたしました。これは主に資本金および資本剰余金が307百万円増加、親会社株主に帰属する当期純利益214百万円等によるものであります。また、欠損填補により資本剰余金が617百万円減少し利益剰余金が617百万円増加しております。
この結果、自己資本比率は、53.9%(前連結会計年度末は45.0%)となりました。
d.経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、2017年度よりスタートした中期経営計画の最終年度となる2019年度については、売上高4,051百万円/営業利益263百万円/経常利益288百万円/親会社株式に帰属する当期純利益214百万円/1株当たり当期純利益13.03円となりました。
2020年度については、新3ヵ年の初年度であることから新中期経営計画の策定を進めておりましたが、今般の新型コロナウイルス感染症の影響を受け、新中期経営計画の策定を見送り、売上高4,180百万円/営業利益200百万円/経常利益200百万円/親会社株式に帰属する当期純利益140百万円/1株当たり当期純利益8.44円を連結業績目標としております。
2020年度における当社グループを取り巻く環境につきましては、新型コロナウイルス感染症の拡大防止が強く求められる中、テレワークや在宅勤務、時差出勤等の励行により事業継続の観点から働き方の抜本的な見直しが求められております。
このような事業環境のもと、当社グループでは、お客様の事業継続を支援するため、テレワーク環境を実現するネットワーク基盤の構築、情報漏えいを防ぐセキュリティ対策、ビデオ会議/Web会議などの提供を行ってまいります。
また、引き続き、サイバー攻撃や不正アクセスへの脅威が継続していることから、社会生活・経済活動に向けたサイバーセキュリティ対策やOT/IoTのセキュリティ対策では、当社グループが得意とする「サイバースレットインテリジェンスサービス」、「脆弱性診断サービス」やOTとITのネットワーク接続のセキュリティ対策として「IoT機器と産業系制御システムのセキュリティ対策」の拡販に努めてまいります。
さらに、働き方改革を背景に、人手不足を補いながら生産性を向上させる「ビデオ会議、Web会議サービス」や「究極的にカンタンなRPAツール」の他、在留外国人の多国籍化、定住化による支援策としての「多言語リアルタイム映像通訳サービス」など、当社グループのオリジナリティを発揮する商品及びサービスにより、各分野での独自のポジションを確立してまいります。
一方、新たなチャレンジとして、ラドウェア社製品の国内一次代理店としてラドウェア社との連携によるアプリケーションデリバリーコントローラー及びセキュリティソリューション製品の販売を開始する他、ベトナムに設立した新会社VNCS Global Solution Technology社によるアジア・マーケットに向けたビジネスをスタートさせるなど、今後成長が見込まれる分野への投資と新しい市場に向けた活動を推進してまいります。
なお、当社グループでは、引き続き、収益機会の多様化も含め、安定的な収益基盤を構築するとともに、採算性を重視することで経営基盤の安定化を図ってまいります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.キャッシュ・フローの状況の分析
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b.資本の財源及び資産の流動性
当社グループの事業活動における短期の運転資金については、基本的には自己資金および金融機関からの短期借入金を主な財源としており、設備投資や長期の運転資金に関しては、金融機関からの長期借入金によっております。
また、グループ内の資金効率向上のため、当社は子会社と当座貸越契約を契約し、資金の集中管理をおこなっております。
当社グループの資金の流動性については、上記方策により十分な現金及び現金同等物を確保しております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積もりに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成されております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債や収益・費用の報告金額および開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表を作成するに当たって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりでありますが、特に下記の会計方針が連結財務諸表における重要な見積りの判断等に影響を及ぼすと考えております。
a.市場販売目的のソフトウェアの減価償却の方法
市場販売目的のソフトウェアの減価償却は、見込販売収益を基礎とする当連結会計年度の実績販売収益に対応して計算した金額と残存有効期間に基づく均等配分額のいずれか多い金額で償却を行っております。見積もった見込み販売収益が減少した場合は、減価償却費が増加する可能性があります。
b.繰延税金資産
当社グループの連結財務諸表に計上されている資産及び負債の金額と課税所得計算上の資産及び負債の金額との間に生じる一時差異に係る税効果については、当該差異の解消時に適用される法定実効税率を使用して、繰延税金資産を計上しております。将来の税金の回収可能予想額は、当社グループの将来の課税所得の見込額に基づき算出されておりますが、将来の課税見込額の変動により、繰延税金資産が変動する可能性があります。