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有価証券報告書-第20期(2025/07/01-2026/06/30)

【提出】
2026/09/25 15:29
【資料】
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【項目】
146項目
(1) 経営成績等の状況の概要
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、企業収益や雇用環境の改善を背景に緩やかな回復基調を維持して推移しました。一方で、中東情勢の影響や米国の通商政策をめぐる動向、金融資本市場の変動などに注意する必要があります。このような経済環境のもと、当社グループにおいては資本コストを意識し、環境変化に機動的に即応し、効率性や採算性を考慮した社内体制の強化・整備を図り、利益重視の経営を推進いたしました。
この結果、当連結会計年度の売上高は850億2千4百万円(前期比28.4%増)となり、営業利益は107億6千2百万円(前期比21.1%増)、経常利益は125億3千5百万円(前期比39.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は119億3千7百万円(前期比43.7%減)となりました。
なお、2025年4月9日に行われた株式会社ナカヨとの企業結合について前連結会計年度において暫定的な会計処理を行っておりましたが、当連結会計年度に確定したため、前連結会計年度との比較・分析にあたっては、暫定的な会計処理の確定による見直し後の金額を用いております。
a. セグメントごとの経営成績
(セキュリティ機器)
セキュリティ機器につきましては、マンション向けでは分譲の新規が好調に推移し、一般法人向けにおいては、官公庁向けのAI画像解析技術を活用した次世代セキュリティシステム一式を受注したことにより、売上高は158億9千万円(前期比4.5%増)、セグメント利益は61億8千7百万円(前期比0.6%増)となりました。
(カード機器及びその他事務用機器)
カード機器及びその他の事務用機器につきましては、カード機器では、主力の病院向けは回復傾向にあり、金融機関向けでは、即時キャッシュカード発行機の案件を獲得しました。その他事務用機器の鉄骨CADは、主力製品の切り替え期にあたり、売上高は24億5千4百万円(前期比21.0%減)、セグメント利益は3億1千万円(前期比62.7%減)となりました。
(情報機器)
情報機器につきましては、業務用カッティングマシンは安定的に推移し、個人向けカッティングマシンでは、主力となる低価格の新製品を投入した結果、売上高は126億7千1百万円(前期比6.1%減)、セグメント利益は5億6千2百万円(前期比21.6%増)となりました。
(計測機器)
計測機器につきましては、前年並みに安定的に推移し、売上高は54億4千2百万円(前期比8.8%増)、セグメント利益は7億8千6百万円(前期比4.8%減)となりました。
(情報通信)
情報通信につきましては、当期より連結子会社となりましたナカヨの通信機器事業が新たに増加したことにより、売上高は271億2百万円(前期比129.2%増)、セグメント利益は12億4千9百万円(前期比84.3%増)となりました。
(設計事業)
設計事業につきましては、構造設計を安定的に受注し、大口の耐震診断を受注した結果、売上高は74億3千6百万円(前期比33.6%増)、セグメント利益は14億8千2百万円(前期比213.5%増)と好調に推移しました。
(その他)
その他につきましては、売上高は140億2千6百万円(前期比16.9%増)、セグメント利益は3億9千3百万円(前期比141.1%増)となりました。
b. 当連結会計年度の財政状態
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べて48億4千6百万円増加し、1,456億7千4百万円となりました。主な要因は流動資産における現金及び預金97億7千万円増加、受取手形、売掛金及び契約資産17億2千9百万円減少、商品及び製品13億2千1百万円増加、原材料及び貯蔵品10億1百万円減少、固定資産における建物及び構築物(純額)5億4千8百万円減少、土地22億2千1百万円減少等であります。
負債につきましては、前連結会計年度末に比べて10億7千万円減少し、277億6千9百万円となりました。主な要因は、流動負債における支払手形及び買掛金6億9千4百万円減少、未払法人税等17億3千3百万円増加、その他に含まれる預り金5億6千3百万円減少、固定負債における退職給付に係る負債4億9千8百万円減少等であります。
純資産につきましては、前連結会計年度末に比べて59億1千6百万円増加し、1,179億4百万円となりました。主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益119億3千7百万円の計上、配当金58億6千万円の計上等であります。この結果、自己資本比率は80.8%となり、前連結会計年度末の77.7%より増加となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末と比較して96億2千1百万円増加し544億1千2百万円となり、これに新規連結に伴う現金及び現金同等物の増加額3千万円及び連結子会社の決算期変更に伴う現金及び現金同等物の増加額1億3千4百万円を加え545億7千7百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は108億7百万円(前連結会計年度は76億4千7百万円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益161億5千万円、減価償却費26億7千6百万円等の資金の増加要因に対して、固定資産売却益38億3千6百万円、法人税等の支払額27億1千8百万円等の資金の減少要因があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果得られた資金は59億1千5百万円(前連結会計年度は70億8千4百万円の収入)となりました。これは主に、有形固定資産の売却による収入63億4千8百万円、投資事業組合からの分配による収入8億8千8百万円、有形固定資産の取得による支出15億1千6百万円等があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は79億7千6百万円(前連結会計年度は53億8千4百万円の支出)となりました。これは主に、配当金の支払額58億3千1百万円の支出があったことによるものであります。
(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移
2022年
6月期
2023年
6月期
2024年
6月期
2025年
6月期
2026年
6月期
自己資本比率(%)81.283.285.277.780.8
時価ベースの自己資本比率(%)97.3135.9119.888.798.0
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(%)-----
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)1,997.13,830.31,425.1189.4624.1

自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
(注)1.いずれも連結ベースの財務指標により計算しております。
2.株式時価総額は、期末株価終値×期末株式数(自己株式控除後)により算出しております。
3.キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。
4.有利子負債は連結貸借対照表上に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。
③ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2025年7月1日
至 2026年6月30日)
金額(百万円)前年同期比(%)
カード機器及びその他事務用機器--
情報機器3,36884.8
計測機器2,11749.2
情報通信4,56560.8
設計事業7,458133.4
報告セグメント計17,50981.9
その他3,642113.4
合計21,15286.0

(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
2.金額には、標準品の外部生産高を含めております。
b. 商品仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2025年7月1日
至 2026年6月30日)
金額(百万円)前年同期比(%)
セキュリティ機器3,947120.8
カード機器及びその他事務用機器83077.8
計測機器848166.3
情報機器5,320178.0
情報通信20,656325.8
報告セグメント計31,603223.0
その他4,78493.4
合計36,388188.6

(注)金額は仕入価格によっております。
c. 受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称受注高(百万円)前年同期比(%)受注残高(百万円)前年同期比(%)
設計事業5,28554.06,08568.2
情報通信12,30395.22,23260.5
計測機器2,763112.4676120.6
その他5,89793.42,66195.4

(注)金額は契約価格によっております。
d. 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2025年7月1日
至 2026年6月30日)
金額(百万円)前年同期比(%)
セキュリティ機器15,890104.5
カード機器及びその他事務用機器2,45479.0
情報機器12,67193.9
計測機器5,442108.8
設計事業7,436133.6
情報通信27,102229.2
報告セグメント計70,998131.0
その他14,026116.9
合計85,024128.4

(注)セグメント間の取引については、相殺消去しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、見積りが必要となる事項においては合理的な基準に基づき会計上の見積りを行っておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
この連結財務諸表を作成するにあたり重要となる会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載されているとおりであります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 経営成績
当連結会計年度におきましては、情報通信事業においては、直近M&Aで連結子会社化した岩崎通信機株式会社と株式会社ナカヨの販管費の抑制と原価率改善に取り組みながら融合を加速させて赤字から黒字体質となり、主力のセキュリティ事業では、新たな取り組みとして東京都内の公共の安全を守るために貢献する「AI画像解析技術を活用したセキュリティカメラのシステム一式」を受注し、設計事業では、大型耐震診断を受注したことから、下記の各事業業績の結果に加え,前期比約18.7億円の営業増益となりました。
各事業別の営業利益では、セキュリティ機器事業は、マンション向けが堅調に推移したことに加え、一般法人向けでは大型受注もあり、約0.4億円の営業増益となり、6年連続で過去最高の営業利益を達成しました。カード機器及びその他事務用機器事業は、鉄骨CAD事業で自社開発した新製品「AiCad-sf」の本格販売のずれ込みがあり、約5.2億円の営業減益となりました。情報機器事業は、コンシューマ向けカッティングマシンは、主力の北米市場の低迷が継続しましたが、業務用向けは、リプレイス需要を取り込み堅調に推移し、約1億円の営業増益となりました。計測機器事業は、仕入れコスト増加分の価格転嫁に遅れが生じたため、約0.4億円の営業減益となりました。情報通信事業は、コスト削減と利益率の高い製品への販売を注力し、営業利益は約12.5億円を計上しました。設計事業は、大型の耐震診断の受注があり、約10.1億円の営業増益となりました。
b. 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、運転資金は基本的に内部資金により充当しております。当社グループは装置産業ではないため、多額の設備投資は必要ではなく、長期借入金による設備投資資金の調達は現在のところ必要でない状況となっております。当社グループは基本的には、無借金経営を行いつつ内部留保を厚くすることが安定した経営に貢献するものと考えておりますが、成長に向けてのM&Aの強化の検討等においては、大型の案件などにより多額の資金が必要となった場合は、長期借り入れも視野に入れてまいります。
c. 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標
経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、当社グループは、商社部門とメーカー部門が共存しており、売上高は両部門のバランスにより変動することから、経営計画においては、営業利益に絶対値目標を定め、経営を推進しております。また、当社は引き続き成長に向けてM&Aを強化する方針です。このため、短期的には営業利益が変動する可能性がありますが、長期的にはEPSを重要な経営指標と設定し、その確保のために粗利重視の経営を進め、その最大化に努めてまいります。
d. セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する分析・検討内容
(セキュリティ機器)
当社のセキュリティ機器事業は、マンション向けと一般法人企業向けの2つの分野で事業を展開しております。マンション向けの場合は、基本的には既設設備の更新需要を中心に直販による営業活動を行っております。契約の大半がリース契約であることから、更新物件を確実にフォローすることによって、長期的に安定した需要を確保し、毎期着実に業績を伸ばしていくことを目指しております。当連結会計年度は、マンション向け設備のリース満了による更新を着実に取り込むことに加えて、新規の分譲マンション案件も多数獲得できたことにより、業績は堅調に推移しました。来期以降につきましても、更新需要を中心として引き続き安定的に業績の拡大が図れる見込みです。一般法人企業向けに関しては、従来のセキュリティニーズに加えて、カメラとAIによる画像・映像の識別解析を連携させる新たなシステム一式のニーズが高まっており、堅調に推移しております。今後も有力代理店と連携しながら、お客様の要望する商品の品揃えを充実させ、これらの商品をタイムリーに提供することによって、業績の維持拡大に取り組んでまいります。
(カード機器及びその他事務用機器)
カード機器事業及びその他事務用機器事業につきましては、カード機器事業は、病院向けでは、再来受付機や自動精算機の内製化を完了させ、粗利率の向上を図っております。金融機関向けでは、地域金融機関からキャッシュカード即時発行機の受注を取り込んでいます。その他事務用機器では、自社開発した主力となる鉄骨CADソフトの新製品「AiCad-sf」の本格販売を開始することにより業績の向上を目指す方針です。
(情報機器)
情報機器事業につきましては、当連結会計年度において、業務用は欧米市場における販売回復もあり増収増益となりましたが、コンシューマ向けは欧米市場の低迷が継続し減収赤字となりました。来期以降は、業務用とコンシューマ向けのカッティングマシン事業の経営資源を一本化し、経費の削減と事業運営の効率化を図り、業績回復に努めてまいります。
(計測機器)
計測機器事業につきましては、グラフテック株式会社の計測事業と岩崎通信機株式会社の計測部門を切り出して、2025年12月に「グラフテック岩通計測株式会社」を設立しました。リソースの最適化によるコスト削減や国内外での販売拡大とクロスセルに積極的に取り組み、販売拡大と業績の向上を目指してまいります。
(情報通信)
情報通信につきましては、コスト削減と利益率の高い製品への販売に注力し大幅増益となりました。また、岩崎通信機株式会社のオフィス向けビジネスホンの一部を株式会社ナカヨの工場に生産を移管し、融合による効率化を進めております。コスト削減と効率化を進展させて、売上高営業利益率のさらなる上昇を実現してまいります。
(設計事業)
設計事業につきましては、大型の耐震診断の受注を獲得し大幅増益で好調に推移いたしました。来期につきましては、大型の耐震診断分が剥落いたしますので減益を見込んでおります。構造設計分野全般の強みを生かして、自社の特徴を活かした取り組みを行うことにより、安定的な業績推移を目指す方針です。
(その他・脱炭素システム事業)
脱炭素システム事業につきましては、当連結会計年度において売上高は約10億円で前年比136%となりました。製品に対する市場認知は着実に拡がっており、テストトライアルも積み上がっております。テストトライアルから正式受注への本格化が見通せるようになり、来期は発売開始から累計売上高50億円を目指しております。

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