有価証券報告書-第38期(平成29年7月1日-平成30年6月30日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、企業収益が堅調に推移するなど、緩やかな景気回復基調で推移していますが、海外経済の不確実性や米国の通商政策の進捗による影響に留意する必要があることなど、不透明な状況が続いております。
小売業界におきましては、個人消費は一進一退を続けており、節約志向や選別消費の傾向が主流になっております。
当社グループは、引き続き競合他社との差別化要因である現場主義・個店主義に立脚した強みを遺憾なく発揮しながら、積極的な営業戦略に基づく「攻めの経営」を推進しました。
当連結会計年度に出店した主な店舗としては、平成29年7月に東京・新宿駅界隈で3店舗目となる「ドン・キホーテ新宿東南口店(東京都新宿区)」をオープンしたことを皮切りに、前期までのロードサイド中心の出店施策を駅前繁華街への出店強化策を採ったことから、当該ロケーションの出店数は11店舗となりました。さらに、同年12月には東南アジア初進出となる「DON DON DONKI(ドンドンドンキ)オーチャードセントラル店」をシンガポール共和国中心部の商業施設「Orchard Central」内にオープンしました。また、平成30年1月に大阪・道頓堀界隈の更なる発展に寄与すべく、道頓堀大観覧車「えびすタワー」を9年ぶりにリニューアルオープン。同年2月及び3月にはユニー・ファミリーマートホールディングス株式会社との資本・業務提携に関する契約(平成29年8月締結)に基づき決定した業態転換店舗6店舗をリニューアルオープンしております。さらに、同年6月には当社の品揃えや売場づくり・運営手法を取り入れた共同実験店舗として都内のファミリーマート3店舗をリニューアルオープンしました。
平成30年4月から6月にかけて新店10店舗がオープンしました。国内事業においては、標準店のドン・キホーテ4店舗、大型店のMEGA3店舗、小型店のピカソ2店舗、ホームセンター1店舗とバランス良い出店が実現できました。
海外事業においては、シンガポール国内2店舗目となる「DON DON DONKI(ドンドンドンキ)100AM店」がオープンしました。
また、当社グループのプライベートブランド(PB)商品開発については、平成30年3月に第5回『ジェネリック家電製品大賞』の授賞式が行われ、2製品が大賞及び部門賞を受賞しました。大賞については、昨年度の受賞に続いて2連覇を達成し、いずれの商品もお客さまの高い支持をいただくことができました。
当社グループは今後もさまざまな施策を展開し、お客さまに支持される店舗運営とオリジナルのサービス強化に努めてまいります。
平成29年7月から平成30年6月末までの店舗の状況につきましては、国内事業は、関東地方に12店舗(東京都-ドン・キホーテ新宿東南口店、同 世田谷若林店、同 西新井駅前店、同 赤坂見附店、同 新大久保駅前店、同 池袋駅北口店、驚安堂あきる野店、ピカソ大塚北口駅前店、神奈川県-ドン・キホーテ日野インター店、MEGA鶴見中央店、ピカソ鎌倉大船店、埼玉県-ドイトプロ川越店)、北海道に1店舗(ドン・キホーテ狸小路店)、東北地方に2店舗(宮城県-同 仙台駅西口本店、秋田県-MEGA横手店)、中部地方に5店舗(愛知県-同 クラスポ蒲郡店、同 豊橋店、岐阜県-同 関マーゴ店、長野県-ドン・キホーテ長野駅前店、新潟県-同 長岡川崎店)、近畿地方に4店舗(大阪府-同 吹田江坂店、京都府-MEGA京都山科店、兵庫県-同 姫路広畑店、三重県-同 伊勢上地店)、九州地方に5店舗(福岡県-ドン・キホーテ八女店、同 福岡天神本店、宮崎県-MEGA延岡店、鹿児島県-同 霧島隼人店、沖縄県-同 名護店)と合計29店舗を開店しました。法人別内訳は、株式会社ドン・キホーテ24店舗、株式会社長崎屋3店舗、ドイト株式会社1店舗、株式会社ライラック1店舗となります。
海外事業は、平成29年9月に米国ハワイ州において、スーパーマーケットを展開するQSI,Inc.の株式取得を行い、新たに24店舗がグループに加わりました。また、平成29年12月にDON DON DONKI(ドンドンドンキ)オーチャードセントラル店、平成30年6月に同 100AM店を、それぞれシンガポール共和国に開店したことから、既存店と合わせて39店舗体制になりました。
その一方で、土地区画整理事業のためドン・キホーテ和光店を、地区再開発のためWard店(米国ハワイ州)を、市街地再開発事業のためドン・キホーテ札幌店を、さらに事業効率改善のため同 神保町靖国通り店及び驚安堂梅島駅前店を閉店しました。
この結果、平成30年6月末時点における当社グループの総店舗数は、418店舗(平成29年6月末時点 368店舗)となりました。
これらの結果、当連結会計年度におきましては、
となり、ドン・キホーテ1号店創業以来、29期連続の増収営業増益を達成することができました。
当連結会計年度のセグメントの業績は次のとおりであります。
(リテール事業)
当連結会計年度の売上高は、前年同期と比較し1,116億95百万円増加して、9,134億97百万円(前年同期比13.9%増)、営業利益は277億60百万円となりました。当社グループにおける主力業態ドン・キホーテは、節約志向が継続する消費環境を反映して、食品や日用雑貨品を中心とした生活必需品が、競争激化や天候不順の影響を乗り越えて販売シェアを拡大。さらに個人客やリピーターが増加しているインバウンド消費は、化粧品や医薬品などの消耗品需要の貢献が高まったことなどから、既存店売上高成長率は4.1%増と好調に推移しました。
また、ファミリー向け業態のMEGAドン・キホーテは、地域密着型の商品構成や価格設定、サービス対応などが、既存顧客はもとより、新規のお客さま支持が広がり、食品や日用消耗品などの販売高が好調に推移。既存店売上高成長率は2.2%増となりました。
(テナント賃貸事業)
当連結会計年度の売上高は、前年同期と比較し7億36百万円増加して、212億95百万円(前年同期比3.6%増)、営業利益は172億37百万円となりました。当該事業を営む日本アセットマーケティング株式会社と日本商業施設株式会社は、リテール事業の店舗数増加に伴い、テナント賃貸事業に係る対象件数の増加や稼働状況が改善し、好調な業績で推移しました。
(その他事業)
当連結会計年度の売上高は、前年同期と比較し2億79百万円増加して、67億16百万円(前年同期比4.3%増)、営業利益は63億29百万円となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ22億11百万円減少し、758億83百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により得られた資金は、前連結会計年度に比べ103億60百万円減少し、460億81百万円となりました。これは、純利益の計上、減価償却費の計上及び仕入債務の増加といった増加要因があった一方で、持分法による投資利益の計上、新規出店に伴うたな卸資産の増加並びに法人税等の支払額といった減少要因によります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動に使用した資金は、前連結会計年度に比べ1,238億50百万円増加し、1,644億43百万円となりました。これは、有形固定資産の取得による支出及び貸付けによる支出、株式の取得による支出等によります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により得られた資金は、前連結会計年度に比べ984億39百万円増加し、1,160億83百万円となりました。これは、長期借入れによる収入といった増加要因があった一方で、債権流動化の返済による支出及び配当金の支払額といった減少要因によります。
③仕入及び販売の実績
a.商品仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.リテール事業の地域別売上高
(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
d.リテール事業の単位当たり売上高
(注)従業員数は、臨時従業員(1人1日8時間換算)を含めて表示しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に準拠して作成しております。この連結財務諸表を作成するに当たり、重要である会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項) 4.会計方針に関する事項」に記載されているとおりであります。
この連結財務諸表の作成において、損益または資産の状況に影響を与える見積り、判断は、過去の実績やその時点で入手可能な情報に基づいた合理的と考えられる様々な要因を考慮した上で行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、見積りと異なる場合があります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態の分析
資産につきましては、前期末と比較して1,641億89百万円増加して、8,070億57百万円となりました。これは主として、新規出店に伴い商品及び製品が118億12百万円、有形固定資産が371億47百万円、のれんが122億37百万円、投資有価証券が240億67百万円、長期貸付金が726億44百万円増加したことによります。
負債につきましては、前期末と比較して1,316億24百万円増加して、4,945億62百万円となりました。これは主として、買掛金が73億69百万円、借入金が1,281億12百万円増加した一方で、債権流動化に伴う支払債務が71億52百万円減少したことによります。
純資産につきましては、利益の増加を反映して、前期末と比較して325億65百万円増加して、3,124億95百万円となりました。これは主として親会社株主に帰属する当期純利益を364億5百万円計上したことによります。
b.経営成績の分析
(売上高)
リテール事業の売上高は、前年同期と比較し1,116億95百万円増加して、9,134億97百万円(前年同期比13.9%増)、営業利益は277億60百万円となりました。当社グループにおける主力業態ドン・キホーテは、節約志向が継続する消費環境を反映して、食品や日用雑貨品を中心とした生活必需品が、競争激化や天候不順の影響を乗り越えて販売シェアを拡大。さらに個人客やリピーターが増加しているインバウンド消費は、化粧品や医薬品などの消耗品需要の貢献が高まったことなどから、既存店売上高成長率は4.1%増と好調に推移しました。
また、ファミリー向け業態のMEGAドン・キホーテは、地域密着型の商品構成や価格設定、サービス対応などが、既存顧客はもとより、新規のお客さま支持が広がり、食品や日用消耗品などの販売高が好調に推移。既存店売上高成長率は2.2%増となりました。
テナント賃貸事業の売上高は、前年同期と比較し7億36百万円増加して、212億95百万円(前年同期比3.6%増)、営業利益は172億37百万円となりました。当該事業を営む日本アセットマーケティング株式会社と日本商業施設株式会社は、リテール事業の店舗数増加に伴い、テナント賃貸事業に係る対象件数の増加や稼働状況が改善し、好調な業績で推移しました。
その他事業の売上高は、前年同期と比較し2億79百万円増加して、67億16百万円(前年同期比4.3%増)、営業利益は63億29百万円となりました。
これらの結果、売上高は前連結会計年度と比較して1,127億10百万円増加し、9,415億8百万円(前年同期比13.6%増)となりました。
(営業利益)
生活必需品の品揃えや価格訴求の手を緩めず、お客さま数を増加させると同時に最適な商品ポートフォリオを構成し、価格戦略をきめ細やかに実施いたしました。また、商圏内競争力を高める施策を強化したことにより、売上総利益は増益となりました。販売費及び一般管理費は、「攻めの経営」を推進したことにより人件費及び地代家賃等の新店に係る諸費用が増加しましたが、増収効果やコストマネジメントが奏功しております。これらのことから営業利益は515億68百万円(前年同期比11.7%増)となりました。
(経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益)
受取利息及び配当金16億4百万円、持分法による投資利益45億79百万円などの計上により、営業外収益は96億41百万円になりました。一方で、支払利息及び社債利息29億12百万円などの計上により、営業外費用は39億91百万円となったことから、経常利益は572億18百万円(同25.7%増)となりました。
収用補償金4億57百万円などの計上により、特別利益は6億50百万円。一方で、減損損失10億7百万円などの計上により、特別損失は14億95百万円になりました。これらのことから親会社株主に帰属する当期純利益は364億5百万円(同10.0%増)となりました。
c.キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
d.資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金需要の主なものは、商品の仕入、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものであります。また投資資金需要の主なものは、新規出店や改装に係る設備投資等によるものであります。
運転資金及び投資資金については、営業キャッシュ・フローによる充当を基本に、必要に応じて資金調達を実施しております。
e.経営上の目標の達成状況
当社グループは、「自己資本の充実」及び「収益力強化に向けた資本の有効的かつ戦略的な活用」のバランスを採りながら、持続的成長及び企業価値の向上に資する「事業投資を優先」してまいりますが、中期経営戦略として達成を目指している「ビジョン2020:売上高1兆円、店舗数500店、ROE(株主資本当期純利益率)15%」に係る当連結会計年度における進捗状況は次のとおりであります。
売上高:9,415億8百万円(進捗率 94.2%)
店舗数:418店(同 83.6%)
ROE(株主資本当期純利益率):13.3%(同 88.7%)
引き続き、これらの指標の達成に向けて推進してまいります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、企業収益が堅調に推移するなど、緩やかな景気回復基調で推移していますが、海外経済の不確実性や米国の通商政策の進捗による影響に留意する必要があることなど、不透明な状況が続いております。
小売業界におきましては、個人消費は一進一退を続けており、節約志向や選別消費の傾向が主流になっております。
当社グループは、引き続き競合他社との差別化要因である現場主義・個店主義に立脚した強みを遺憾なく発揮しながら、積極的な営業戦略に基づく「攻めの経営」を推進しました。
当連結会計年度に出店した主な店舗としては、平成29年7月に東京・新宿駅界隈で3店舗目となる「ドン・キホーテ新宿東南口店(東京都新宿区)」をオープンしたことを皮切りに、前期までのロードサイド中心の出店施策を駅前繁華街への出店強化策を採ったことから、当該ロケーションの出店数は11店舗となりました。さらに、同年12月には東南アジア初進出となる「DON DON DONKI(ドンドンドンキ)オーチャードセントラル店」をシンガポール共和国中心部の商業施設「Orchard Central」内にオープンしました。また、平成30年1月に大阪・道頓堀界隈の更なる発展に寄与すべく、道頓堀大観覧車「えびすタワー」を9年ぶりにリニューアルオープン。同年2月及び3月にはユニー・ファミリーマートホールディングス株式会社との資本・業務提携に関する契約(平成29年8月締結)に基づき決定した業態転換店舗6店舗をリニューアルオープンしております。さらに、同年6月には当社の品揃えや売場づくり・運営手法を取り入れた共同実験店舗として都内のファミリーマート3店舗をリニューアルオープンしました。
平成30年4月から6月にかけて新店10店舗がオープンしました。国内事業においては、標準店のドン・キホーテ4店舗、大型店のMEGA3店舗、小型店のピカソ2店舗、ホームセンター1店舗とバランス良い出店が実現できました。
海外事業においては、シンガポール国内2店舗目となる「DON DON DONKI(ドンドンドンキ)100AM店」がオープンしました。
また、当社グループのプライベートブランド(PB)商品開発については、平成30年3月に第5回『ジェネリック家電製品大賞』の授賞式が行われ、2製品が大賞及び部門賞を受賞しました。大賞については、昨年度の受賞に続いて2連覇を達成し、いずれの商品もお客さまの高い支持をいただくことができました。
当社グループは今後もさまざまな施策を展開し、お客さまに支持される店舗運営とオリジナルのサービス強化に努めてまいります。
平成29年7月から平成30年6月末までの店舗の状況につきましては、国内事業は、関東地方に12店舗(東京都-ドン・キホーテ新宿東南口店、同 世田谷若林店、同 西新井駅前店、同 赤坂見附店、同 新大久保駅前店、同 池袋駅北口店、驚安堂あきる野店、ピカソ大塚北口駅前店、神奈川県-ドン・キホーテ日野インター店、MEGA鶴見中央店、ピカソ鎌倉大船店、埼玉県-ドイトプロ川越店)、北海道に1店舗(ドン・キホーテ狸小路店)、東北地方に2店舗(宮城県-同 仙台駅西口本店、秋田県-MEGA横手店)、中部地方に5店舗(愛知県-同 クラスポ蒲郡店、同 豊橋店、岐阜県-同 関マーゴ店、長野県-ドン・キホーテ長野駅前店、新潟県-同 長岡川崎店)、近畿地方に4店舗(大阪府-同 吹田江坂店、京都府-MEGA京都山科店、兵庫県-同 姫路広畑店、三重県-同 伊勢上地店)、九州地方に5店舗(福岡県-ドン・キホーテ八女店、同 福岡天神本店、宮崎県-MEGA延岡店、鹿児島県-同 霧島隼人店、沖縄県-同 名護店)と合計29店舗を開店しました。法人別内訳は、株式会社ドン・キホーテ24店舗、株式会社長崎屋3店舗、ドイト株式会社1店舗、株式会社ライラック1店舗となります。
海外事業は、平成29年9月に米国ハワイ州において、スーパーマーケットを展開するQSI,Inc.の株式取得を行い、新たに24店舗がグループに加わりました。また、平成29年12月にDON DON DONKI(ドンドンドンキ)オーチャードセントラル店、平成30年6月に同 100AM店を、それぞれシンガポール共和国に開店したことから、既存店と合わせて39店舗体制になりました。
その一方で、土地区画整理事業のためドン・キホーテ和光店を、地区再開発のためWard店(米国ハワイ州)を、市街地再開発事業のためドン・キホーテ札幌店を、さらに事業効率改善のため同 神保町靖国通り店及び驚安堂梅島駅前店を閉店しました。
この結果、平成30年6月末時点における当社グループの総店舗数は、418店舗(平成29年6月末時点 368店舗)となりました。
これらの結果、当連結会計年度におきましては、
売上高 | 9,415億8百万円 | (前年同期比 13.6%増) |
営業利益 | 515億68百万円 | (前年同期比 11.7%増) |
経常利益 | 572億18百万円 | (前年同期比 25.7%増) |
親会社株主に帰属する当期純利益 | 364億5百万円 | (前年同期比 10.0%増) |
となり、ドン・キホーテ1号店創業以来、29期連続の増収営業増益を達成することができました。
当連結会計年度のセグメントの業績は次のとおりであります。
(リテール事業)
当連結会計年度の売上高は、前年同期と比較し1,116億95百万円増加して、9,134億97百万円(前年同期比13.9%増)、営業利益は277億60百万円となりました。当社グループにおける主力業態ドン・キホーテは、節約志向が継続する消費環境を反映して、食品や日用雑貨品を中心とした生活必需品が、競争激化や天候不順の影響を乗り越えて販売シェアを拡大。さらに個人客やリピーターが増加しているインバウンド消費は、化粧品や医薬品などの消耗品需要の貢献が高まったことなどから、既存店売上高成長率は4.1%増と好調に推移しました。
また、ファミリー向け業態のMEGAドン・キホーテは、地域密着型の商品構成や価格設定、サービス対応などが、既存顧客はもとより、新規のお客さま支持が広がり、食品や日用消耗品などの販売高が好調に推移。既存店売上高成長率は2.2%増となりました。
(テナント賃貸事業)
当連結会計年度の売上高は、前年同期と比較し7億36百万円増加して、212億95百万円(前年同期比3.6%増)、営業利益は172億37百万円となりました。当該事業を営む日本アセットマーケティング株式会社と日本商業施設株式会社は、リテール事業の店舗数増加に伴い、テナント賃貸事業に係る対象件数の増加や稼働状況が改善し、好調な業績で推移しました。
(その他事業)
当連結会計年度の売上高は、前年同期と比較し2億79百万円増加して、67億16百万円(前年同期比4.3%増)、営業利益は63億29百万円となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ22億11百万円減少し、758億83百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により得られた資金は、前連結会計年度に比べ103億60百万円減少し、460億81百万円となりました。これは、純利益の計上、減価償却費の計上及び仕入債務の増加といった増加要因があった一方で、持分法による投資利益の計上、新規出店に伴うたな卸資産の増加並びに法人税等の支払額といった減少要因によります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動に使用した資金は、前連結会計年度に比べ1,238億50百万円増加し、1,644億43百万円となりました。これは、有形固定資産の取得による支出及び貸付けによる支出、株式の取得による支出等によります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により得られた資金は、前連結会計年度に比べ984億39百万円増加し、1,160億83百万円となりました。これは、長期借入れによる収入といった増加要因があった一方で、債権流動化の返済による支出及び配当金の支払額といった減少要因によります。
③仕入及び販売の実績
a.商品仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 平成29年7月1日 至 平成30年6月30日) | |
金額(百万円) | 前年同期比(%) | |
リテール事業 | 693,591 | 114.6 |
家電製品 | 56,687 | 113.8 |
日用雑貨品 | 163,054 | 120.2 |
食品 | 260,020 | 113.2 |
時計・ファッション用品 | 113,027 | 103.6 |
スポーツ・レジャー用品 | 36,305 | 98.4 |
DIY用品 | 11,123 | 100.2 |
海外 | 45,430 | 182.6 |
その他 | 7,945 | 100.4 |
その他事業 | 1,523 | 171.4 |
合 計 | 695,114 | 114.7 |
(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 平成29年7月1日 至 平成30年6月30日) | |
金額(百万円) | 前年同期比(%) | |
リテール事業 | 913,497 | 113.9 |
家電製品 | 76,698 | 111.3 |
日用雑貨品 | 217,257 | 118.4 |
食品 | 311,565 | 113.5 |
時計・ファッション用品 | 159,904 | 100.9 |
スポーツ・レジャー用品 | 54,946 | 102.5 |
DIY用品 | 16,216 | 102.5 |
海外 | 65,480 | 182.3 |
その他 | 11,431 | 103.5 |
テナント賃貸事業 | 21,295 | 103.6 |
その他事業 | 6,716 | 104.3 |
合 計 | 941,508 | 113.6 |
(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.リテール事業の地域別売上高
地域別 | 当連結会計年度 (自 平成29年7月1日 至 平成30年6月30日) | |
売上高(百万円) | 前年同期比(%) | |
北海道 | 48,144 | 104.4 |
青森県 | 9,350 | 105.7 |
岩手県 | 2,051 | 106.5 |
宮城県 | 13,387 | 105.9 |
秋田県 | 5,286 | 96.4 |
山形県 | 3,422 | 107.1 |
福島県 | 8,720 | 97.9 |
茨城県 | 20,631 | 108.0 |
栃木県 | 9,343 | 115.0 |
群馬県 | 11,432 | 102.9 |
埼玉県 | 57,237 | 100.1 |
千葉県 | 46,240 | 107.8 |
東京都 | 169,323 | 113.4 |
神奈川県 | 70,891 | 108.6 |
新潟県 | 9,271 | 107.8 |
富山県 | 3,420 | 104.6 |
石川県 | 9,671 | 106.6 |
福井県 | 2,120 | 100.8 |
山梨県 | 3,497 | 102.4 |
長野県 | 11,906 | 122.7 |
岐阜県 | 7,743 | 111.4 |
静岡県 | 24,088 | 114.9 |
愛知県 | 52,443 | 115.2 |
三重県 | 8,455 | 127.3 |
滋賀県 | 6,379 | 113.7 |
京都府 | 10,535 | 128.1 |
大阪府 | 83,295 | 114.1 |
兵庫県 | 21,544 | 120.4 |
奈良県 | 5,850 | 105.2 |
和歌山県 | 4,495 | 100.9 |
鳥取県 | 1,679 | 157.4 |
島根県 | 1,457 | 106.6 |
岡山県 | 5,528 | 109.3 |
広島県 | 9,805 | 102.1 |
山口県 | 2,344 | 98.6 |
香川県 | 2,817 | 98.7 |
愛媛県 | 5,101 | 105.1 |
高知県 | 103 | 99.0 |
福岡県 | 29,714 | 123.4 |
佐賀県 | 2,019 | 100.5 |
長崎県 | 7,064 | 101.8 |
熊本県 | 7,352 | 97.7 |
大分県 | 3,757 | 107.2 |
宮崎県 | 4,693 | 127.0 |
鹿児島県 | 4,759 | 122.6 |
沖縄県 | 19,655 | 124.0 |
海外 | 65,481 | 182.3 |
合計 | 913,497 | 113.9 |
(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
d.リテール事業の単位当たり売上高
項目 | 当連結会計年度 (自 平成29年7月1日 至 平成30年6月30日) | 前年同期比 (%) | |
売上高(百万円) | 913,497 | 113.9 | |
1㎡当たり売上高 | 売場面積(期中平均)(㎡) | 1,075,008 | 110.2 |
1㎡当たり年間売上高(百万円) | 0.8 | 103.3 | |
1人当たり売上高 | 従業員数(期中平均)(人) | 26,248 | 113.6 |
1人当たり年間売上高(百万円) | 34.8 | 100.3 |
(注)従業員数は、臨時従業員(1人1日8時間換算)を含めて表示しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に準拠して作成しております。この連結財務諸表を作成するに当たり、重要である会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項) 4.会計方針に関する事項」に記載されているとおりであります。
この連結財務諸表の作成において、損益または資産の状況に影響を与える見積り、判断は、過去の実績やその時点で入手可能な情報に基づいた合理的と考えられる様々な要因を考慮した上で行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、見積りと異なる場合があります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態の分析
資産につきましては、前期末と比較して1,641億89百万円増加して、8,070億57百万円となりました。これは主として、新規出店に伴い商品及び製品が118億12百万円、有形固定資産が371億47百万円、のれんが122億37百万円、投資有価証券が240億67百万円、長期貸付金が726億44百万円増加したことによります。
負債につきましては、前期末と比較して1,316億24百万円増加して、4,945億62百万円となりました。これは主として、買掛金が73億69百万円、借入金が1,281億12百万円増加した一方で、債権流動化に伴う支払債務が71億52百万円減少したことによります。
純資産につきましては、利益の増加を反映して、前期末と比較して325億65百万円増加して、3,124億95百万円となりました。これは主として親会社株主に帰属する当期純利益を364億5百万円計上したことによります。
b.経営成績の分析
(売上高)
リテール事業の売上高は、前年同期と比較し1,116億95百万円増加して、9,134億97百万円(前年同期比13.9%増)、営業利益は277億60百万円となりました。当社グループにおける主力業態ドン・キホーテは、節約志向が継続する消費環境を反映して、食品や日用雑貨品を中心とした生活必需品が、競争激化や天候不順の影響を乗り越えて販売シェアを拡大。さらに個人客やリピーターが増加しているインバウンド消費は、化粧品や医薬品などの消耗品需要の貢献が高まったことなどから、既存店売上高成長率は4.1%増と好調に推移しました。
また、ファミリー向け業態のMEGAドン・キホーテは、地域密着型の商品構成や価格設定、サービス対応などが、既存顧客はもとより、新規のお客さま支持が広がり、食品や日用消耗品などの販売高が好調に推移。既存店売上高成長率は2.2%増となりました。
テナント賃貸事業の売上高は、前年同期と比較し7億36百万円増加して、212億95百万円(前年同期比3.6%増)、営業利益は172億37百万円となりました。当該事業を営む日本アセットマーケティング株式会社と日本商業施設株式会社は、リテール事業の店舗数増加に伴い、テナント賃貸事業に係る対象件数の増加や稼働状況が改善し、好調な業績で推移しました。
その他事業の売上高は、前年同期と比較し2億79百万円増加して、67億16百万円(前年同期比4.3%増)、営業利益は63億29百万円となりました。
これらの結果、売上高は前連結会計年度と比較して1,127億10百万円増加し、9,415億8百万円(前年同期比13.6%増)となりました。
(営業利益)
生活必需品の品揃えや価格訴求の手を緩めず、お客さま数を増加させると同時に最適な商品ポートフォリオを構成し、価格戦略をきめ細やかに実施いたしました。また、商圏内競争力を高める施策を強化したことにより、売上総利益は増益となりました。販売費及び一般管理費は、「攻めの経営」を推進したことにより人件費及び地代家賃等の新店に係る諸費用が増加しましたが、増収効果やコストマネジメントが奏功しております。これらのことから営業利益は515億68百万円(前年同期比11.7%増)となりました。
(経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益)
受取利息及び配当金16億4百万円、持分法による投資利益45億79百万円などの計上により、営業外収益は96億41百万円になりました。一方で、支払利息及び社債利息29億12百万円などの計上により、営業外費用は39億91百万円となったことから、経常利益は572億18百万円(同25.7%増)となりました。
収用補償金4億57百万円などの計上により、特別利益は6億50百万円。一方で、減損損失10億7百万円などの計上により、特別損失は14億95百万円になりました。これらのことから親会社株主に帰属する当期純利益は364億5百万円(同10.0%増)となりました。
c.キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
d.資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金需要の主なものは、商品の仕入、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものであります。また投資資金需要の主なものは、新規出店や改装に係る設備投資等によるものであります。
運転資金及び投資資金については、営業キャッシュ・フローによる充当を基本に、必要に応じて資金調達を実施しております。
e.経営上の目標の達成状況
当社グループは、「自己資本の充実」及び「収益力強化に向けた資本の有効的かつ戦略的な活用」のバランスを採りながら、持続的成長及び企業価値の向上に資する「事業投資を優先」してまいりますが、中期経営戦略として達成を目指している「ビジョン2020:売上高1兆円、店舗数500店、ROE(株主資本当期純利益率)15%」に係る当連結会計年度における進捗状況は次のとおりであります。
売上高:9,415億8百万円(進捗率 94.2%)
店舗数:418店(同 83.6%)
ROE(株主資本当期純利益率):13.3%(同 88.7%)
引き続き、これらの指標の達成に向けて推進してまいります。