有価証券報告書-第43期(2022/07/01-2023/06/30)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度(2022年7月1日~2023年6月30日)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症による行動制限が徐々に緩和され、2023年5月8日には感染症法上の位置づけが5類へ移行されたことにより、社会経済活動の正常化が進み、景気回復が期待されますが、ウクライナ情勢の長期化や世界的な金融引締めによる海外景気の下振れ、原材料価格等の高騰による物価上昇の影響により、依然として先行き不透明な状況が続いております。
小売業界におきましては、2022年10月に訪日外国人観光客への水際対策が緩和され、インバウンド需要が徐々に回復しておりますが、その一方で、円安の進行や原材料価格・エネルギー価格等の高騰による物価上昇により、生活用品や飲食料品等の様々な商品が値上げされ、消費者の節約志向や選別消費の傾向が一層強まっており、経営環境は非常に厳しい状況が続いております。このような状況においても、当社グループは、競合他社との差別化要因である現場主義・個店主義に立脚した強みを遺憾なく発揮しながら、積極的な営業戦略に基づく「攻めの経営」を推進しました。
中期経営計画における重点施策の1つであるPB/OEM商品については、トレンド対応力や開発スピードの向上、差別性の高い商品を拡充するなどの開発体制強化を行い、さらに、店頭での積極的な販売展開に加え、メディア露出の強化による認知度やブランディングが向上したことにより、売上が伸長するとともに、PB/OEM商品の売上構成比が上昇いたしました。また、寝具やキッチン用品などコロナ特需の終了以降は不振が続くカテゴリーにおいても、メーカーとのコラボ商品に取り組むなどの施策を推進し、売上に貢献することができました。
免税売上については、旧正月期間の好調や急速な航空便の増加、円安の進行等により、訪日外国人観光客が増加していることを踏まえ、レジの増設や従業員の増員、訪日外国人観光客に人気の商品の確保・拡充に努めるなどのインバウンド需要取り込み施策を積極的に展開したことから、免税売上は想定を大きく上回ることができました。
また、2023年5月25日から6月30日までの期間においては、当社グループ独自のオリジナル電子マネー「majica(マジカ)」及びUCSアプリ全会員向けにお得にお買い物いただけるキャンペーンとして、「超感謝祭!!」を実施しました。当該キャンペーンは、「すべての会員にポイントを還元」、「最大10万円分のポイントを付与するキャンペーン」などを含む4つの企画を過去に例のない規模で実施しており、想定を上回る反響をいただくことができました。
当連結会計年度における国内事業の出退店状況につきましては、関東地方に3店舗(東京都-ドン・キホーテ西友吉祥寺店、同赤羽東口店、千葉県-同千葉ポートタウン店)、北海道に2店舗(北海道-同すすきの店、同厚別店)、東北地方に1店舗(山形県-同米沢店)、中部地方に2店舗(愛知県-キラキラドンキ近鉄パッセ店、新潟県-ドン・キホーテアピタ新潟亀田店)、近畿地方に3店舗(大阪府-ドン・キホーテ京橋店、京都府-同京都烏丸七条店、兵庫県-同三宮オーパセンター街店)、九州地方に5店舗(福岡県-同博多駅南店、HAPPYドンキ サニーサイドモール 小倉店、熊本県-ドン・キホーテ荒尾店、大分県-同別府店、鹿児島県-同薩摩川内店)を開店しております。法人別内訳は、株式会社ドン・キホーテ15店舗、UDリテール株式会社1店舗となりました。
海外事業の出店状況につきましては、シンガポール共和国に3店舗(DON DON DONKI Northpoint City店、同Jurong Point店、同Jewel Changi Airport店)、タイ王国に6店舗(同Seacon Bangkae店、同J-PARK Sriracha店、同Thaniya Plaza店、鮮選寿司 J-PARK Sriracha店、同Thonglor店、同Thaniya Plaza店)、香港に1店舗(DON DON DONKI Whampoa Garden店)、マレーシアに1店舗(JONETZ by DON DON DONKI Sunway Pyramid店)を開店しております。
その一方で、国内3店舗、海外1店舗を閉店しております。
この結果、2023年6月末時点における当社グループの総店舗数は、国内617店舗、海外105店舗の合計722店舗(2022年6月末時点 699店舗)となりました。
これらの結果、当連結会計年度の業績は、
となり、増収増益を達成することができました。
当連結会計年度のセグメントの業績は次のとおりであります。
なお、当社は、新たな中長期経営計画である「Visionary2025/2030」を策定したことに伴い、報告セグメントを従来の「ディスカウントストア」、「総合スーパー」及び「テナント賃貸」の3区分から、「国内事業」、「北米事業」及び「アジア事業」の3区分に変更しており、前年同期比較については、前年同期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較分析を行っております。
(国内事業)
当連結会計年度の売上高は、前年同期と比較し588億65百万円増加して、1兆6,208億51百万円(前年同期比3.8%増)、営業利益は964億4百万円(前年同期比24.0%増)となりました。国内事業においては、新型コロナウイルスによる行動制限が解除されたことや訪日外国人観光客に対する水際対策が緩和されたことにより、インバウンド売上高及び駅前店、夜間の売上高が伸長し、既存店売上高成長率は3.0%増となりました。また、CM放送やテレビ番組の企画などで取り上げられ、認知度が向上したプライベートブランド商品の売上拡大により、売上総利益率が上昇したことから、売上高及び営業利益は増加しております。
(北米事業)
当連結会計年度の売上高は、前年同期と比較し335億22百万円増加して、2,335億90百万円(前年同期比16.8%増)、営業利益は72億25百万円(前年同期比25.2%減)となりました。北米事業においては、物価上昇による買い控えや新型コロナウイルスの規制緩和による外食需要増加という売上高の減少要因がありましたが、円安の進行によって売上高は増加となりました。また、賃金の上昇による人件費の増加や資源価格等の高騰により、コストが大きく増加しており、生産性の改善などにより販管費の抑制に努めましたが、営業利益は減少しております。
(アジア事業)
当連結会計年度の売上高は、前年同期と比較し131億17百万円増加して、823億43百万円(前年同期比18.9%増)、営業利益は16億30百万円(前年同期比25.1%増)となりました。アジア事業においても、物価上昇の影響や外食需要の増加という売上高の減少要因はありましたが、円安の進行や積極的な出店施策による店舗数拡大に伴い、売上高及び営業利益は増加しております。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ657億77百万円増加し、2,461億95百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により得られた資金は、前連結会計年度に比べ428億19百万円増加し、1,379億55百万円となりました。これは、純利益の計上、減価償却費の計上、仕入債務の増加及び棚卸資産の減少といった増加要因があった一方、為替差益の計上、割賦売掛金の増加及び法人税等の支払額といった減少要因によります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動に使用した資金は、前連結会計年度に比べ172億41百万円増加し、619億97百万円となりました。これは、有形固定資産の取得による支出、無形固定資産の取得による支出及び関係会社株式の取得による支出といった減少要因によります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により使用した資金は、前連結会計年度に比べ356億37百万円減少し、182億17百万円となりました。これは、長期借入金の返済による支出、社債の償還による支出及び配当金の支払いといった減少要因があった一方、長期借入れによる収入及び非支配株主からの払込みによる収入といった増加要因によります。
③仕入及び販売の実績
a.商品仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
b.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
c.当連結会計年度の地域別売上高をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
d.当連結会計年度の業態別単位当たり売上高をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)従業員数は、臨時従業員(1人1日8時間換算)を含めて表示しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態の分析
資産につきましては、前連結会計年度末と比較して973億80百万円増加し、1兆4,810億58百万円となりました。これは主として、現金及び預金が653億11百万円、割賦売掛金が32億28百万円、有形固定資産が241億44百万円、投資有価証券が74億17百万円増加した一方で、商品及び製品が113億56百万円減少したことによります。
負債は、前連結会計年度末と比較して、330億88百万円増加し、1兆175億19百万円となりました。これは主として、支払手形及び買掛金が157億76百万円、未払法人税等が96億77百万円、契約負債が94億77百万円、借入金が37億44百万円、リース債務が60億24百万円増加した一方で、社債が114億21百万円減少したことによります。
純資産につきましては、前連結会計年度末と比較して、642億92百万円増加し、4,635億39百万円となりました。これは主として、配当金の支払い及び親会社株主に帰属する当期純利益の計上による利益剰余金の増加が553億22百万円、その他の包括利益累計額の為替換算調整勘定が42億65百万円増加したことによります。
b.経営成績の分析
(売上高及び営業利益)
当連結会計年度の売上高及び営業利益の分析については「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
(経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益)
受取利息及び配当金8億93百万円、持分法による投資利益6億79百万円、為替差益64億20百万円などの計上により、営業外収益は142億61百万円になりました。一方で、支払利息及び社債利息77億3百万円などの計上により、営業外費用は85億26百万円となったことから、経常利益は1,109億94百万円(前年同期比10.5%増)となりました。
また、特別利益は54百万円となりました。特別損失は減損損失59億83百万円、固定資産除却損15億65百万円、店舗閉鎖損失23億92百万円などの計上により103億9百万円になりました。これらのことから親会社株主に帰属する当期純利益は661億67百万円(前年同期比6.8%増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、運転資金需要の主なものは、商品の仕入、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものであります。また、投資資金需要の主なものは、新規出店や改装に係る設備投資等によるものであります。運転資金及び投資資金については、営業キャッシュ・フローによる充当を基本に、必要に応じて資金調達を実施しております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に準拠して作成しております。この連結財務諸表を作成するに当たり、重要である会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項) 4.会計方針に関する事項」に記載のとおりであり、重要な会計上の見積り及び当該見積に用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
なお、会計上の見積りに対する新型コロナウイルス感染症の今後の影響について予測することは困難ではありますが、感染症法上の位置づけが5類へ移行され、社会経済活動が正常化に進んでいることから、当社グループへの影響は限定的であり、会計上の見積りに重要な影響は与えないと判断しております。
なお、この仮定は不確実性が高く、新型コロナウイルス感染症の状況や経済への影響が変化した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
④経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の達成・進捗状況
当社グループは、「自己資本の充実」及び「収益力強化に向けた資本の有効的かつ戦略的な活用」のバランスを採りながら、持続的成長及び企業価値の向上に資する「事業投資を優先」してまいりますが、特に重要視する経営指標は、売上高及び利益の持続的増加を継続していくことであり、中長期経営計画「Visionary2025/2030」として2025年6月期に売上高2兆円、営業利益1,200億円、2030年6月期に営業利益2,000億円の達成を目標としております。
当連結会計年度における中長期経営計画「Visionary2025/2030」の進捗状況は次のとおりであります。
2025年6月期:売上高 :1兆9,367億83百万円(進捗率 96.8%)
営業利益:1,052億59百万円(同 87.7%)
2030年6月期:営業利益:1,052億59百万円(同 52.6%)
引き続き、これらの指標の達成に向けて取り組んでまいります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度(2022年7月1日~2023年6月30日)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症による行動制限が徐々に緩和され、2023年5月8日には感染症法上の位置づけが5類へ移行されたことにより、社会経済活動の正常化が進み、景気回復が期待されますが、ウクライナ情勢の長期化や世界的な金融引締めによる海外景気の下振れ、原材料価格等の高騰による物価上昇の影響により、依然として先行き不透明な状況が続いております。
小売業界におきましては、2022年10月に訪日外国人観光客への水際対策が緩和され、インバウンド需要が徐々に回復しておりますが、その一方で、円安の進行や原材料価格・エネルギー価格等の高騰による物価上昇により、生活用品や飲食料品等の様々な商品が値上げされ、消費者の節約志向や選別消費の傾向が一層強まっており、経営環境は非常に厳しい状況が続いております。このような状況においても、当社グループは、競合他社との差別化要因である現場主義・個店主義に立脚した強みを遺憾なく発揮しながら、積極的な営業戦略に基づく「攻めの経営」を推進しました。
中期経営計画における重点施策の1つであるPB/OEM商品については、トレンド対応力や開発スピードの向上、差別性の高い商品を拡充するなどの開発体制強化を行い、さらに、店頭での積極的な販売展開に加え、メディア露出の強化による認知度やブランディングが向上したことにより、売上が伸長するとともに、PB/OEM商品の売上構成比が上昇いたしました。また、寝具やキッチン用品などコロナ特需の終了以降は不振が続くカテゴリーにおいても、メーカーとのコラボ商品に取り組むなどの施策を推進し、売上に貢献することができました。
免税売上については、旧正月期間の好調や急速な航空便の増加、円安の進行等により、訪日外国人観光客が増加していることを踏まえ、レジの増設や従業員の増員、訪日外国人観光客に人気の商品の確保・拡充に努めるなどのインバウンド需要取り込み施策を積極的に展開したことから、免税売上は想定を大きく上回ることができました。
また、2023年5月25日から6月30日までの期間においては、当社グループ独自のオリジナル電子マネー「majica(マジカ)」及びUCSアプリ全会員向けにお得にお買い物いただけるキャンペーンとして、「超感謝祭!!」を実施しました。当該キャンペーンは、「すべての会員にポイントを還元」、「最大10万円分のポイントを付与するキャンペーン」などを含む4つの企画を過去に例のない規模で実施しており、想定を上回る反響をいただくことができました。
当連結会計年度における国内事業の出退店状況につきましては、関東地方に3店舗(東京都-ドン・キホーテ西友吉祥寺店、同赤羽東口店、千葉県-同千葉ポートタウン店)、北海道に2店舗(北海道-同すすきの店、同厚別店)、東北地方に1店舗(山形県-同米沢店)、中部地方に2店舗(愛知県-キラキラドンキ近鉄パッセ店、新潟県-ドン・キホーテアピタ新潟亀田店)、近畿地方に3店舗(大阪府-ドン・キホーテ京橋店、京都府-同京都烏丸七条店、兵庫県-同三宮オーパセンター街店)、九州地方に5店舗(福岡県-同博多駅南店、HAPPYドンキ サニーサイドモール 小倉店、熊本県-ドン・キホーテ荒尾店、大分県-同別府店、鹿児島県-同薩摩川内店)を開店しております。法人別内訳は、株式会社ドン・キホーテ15店舗、UDリテール株式会社1店舗となりました。
海外事業の出店状況につきましては、シンガポール共和国に3店舗(DON DON DONKI Northpoint City店、同Jurong Point店、同Jewel Changi Airport店)、タイ王国に6店舗(同Seacon Bangkae店、同J-PARK Sriracha店、同Thaniya Plaza店、鮮選寿司 J-PARK Sriracha店、同Thonglor店、同Thaniya Plaza店)、香港に1店舗(DON DON DONKI Whampoa Garden店)、マレーシアに1店舗(JONETZ by DON DON DONKI Sunway Pyramid店)を開店しております。
その一方で、国内3店舗、海外1店舗を閉店しております。
この結果、2023年6月末時点における当社グループの総店舗数は、国内617店舗、海外105店舗の合計722店舗(2022年6月末時点 699店舗)となりました。
これらの結果、当連結会計年度の業績は、
売上高 | 1兆9,367億83百万円 | (前年同期比 5.8%増) |
営業利益 | 1,052億59百万円 | (前年同期比 18.7%増) |
経常利益 | 1,109億94百万円 | (前年同期比 10.5%増) |
親会社株主に帰属する当期純利益 | 661億67百万円 | (前年同期比 6.8%増) |
となり、増収増益を達成することができました。
当連結会計年度のセグメントの業績は次のとおりであります。
なお、当社は、新たな中長期経営計画である「Visionary2025/2030」を策定したことに伴い、報告セグメントを従来の「ディスカウントストア」、「総合スーパー」及び「テナント賃貸」の3区分から、「国内事業」、「北米事業」及び「アジア事業」の3区分に変更しており、前年同期比較については、前年同期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較分析を行っております。
(国内事業)
当連結会計年度の売上高は、前年同期と比較し588億65百万円増加して、1兆6,208億51百万円(前年同期比3.8%増)、営業利益は964億4百万円(前年同期比24.0%増)となりました。国内事業においては、新型コロナウイルスによる行動制限が解除されたことや訪日外国人観光客に対する水際対策が緩和されたことにより、インバウンド売上高及び駅前店、夜間の売上高が伸長し、既存店売上高成長率は3.0%増となりました。また、CM放送やテレビ番組の企画などで取り上げられ、認知度が向上したプライベートブランド商品の売上拡大により、売上総利益率が上昇したことから、売上高及び営業利益は増加しております。
(北米事業)
当連結会計年度の売上高は、前年同期と比較し335億22百万円増加して、2,335億90百万円(前年同期比16.8%増)、営業利益は72億25百万円(前年同期比25.2%減)となりました。北米事業においては、物価上昇による買い控えや新型コロナウイルスの規制緩和による外食需要増加という売上高の減少要因がありましたが、円安の進行によって売上高は増加となりました。また、賃金の上昇による人件費の増加や資源価格等の高騰により、コストが大きく増加しており、生産性の改善などにより販管費の抑制に努めましたが、営業利益は減少しております。
(アジア事業)
当連結会計年度の売上高は、前年同期と比較し131億17百万円増加して、823億43百万円(前年同期比18.9%増)、営業利益は16億30百万円(前年同期比25.1%増)となりました。アジア事業においても、物価上昇の影響や外食需要の増加という売上高の減少要因はありましたが、円安の進行や積極的な出店施策による店舗数拡大に伴い、売上高及び営業利益は増加しております。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ657億77百万円増加し、2,461億95百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により得られた資金は、前連結会計年度に比べ428億19百万円増加し、1,379億55百万円となりました。これは、純利益の計上、減価償却費の計上、仕入債務の増加及び棚卸資産の減少といった増加要因があった一方、為替差益の計上、割賦売掛金の増加及び法人税等の支払額といった減少要因によります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動に使用した資金は、前連結会計年度に比べ172億41百万円増加し、619億97百万円となりました。これは、有形固定資産の取得による支出、無形固定資産の取得による支出及び関係会社株式の取得による支出といった減少要因によります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により使用した資金は、前連結会計年度に比べ356億37百万円減少し、182億17百万円となりました。これは、長期借入金の返済による支出、社債の償還による支出及び配当金の支払いといった減少要因があった一方、長期借入れによる収入及び非支配株主からの払込みによる収入といった増加要因によります。
③仕入及び販売の実績
a.商品仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2022年7月1日 至 2023年6月30日) | |
金額(百万円) | 前年同期比(%) | |
国内事業 | ||
(ディスカウントストア) | ||
家電製品 | 52,857 | 87.6 |
日用雑貨品 | 203,498 | 108.7 |
食品 | 419,600 | 105.1 |
時計・ファッション用品 | 91,767 | 99.2 |
スポーツ・レジャー用品 | 43,106 | 102.2 |
その他 | 7,691 | 69.4 |
(総合スーパー) | ||
衣料品 | 30,209 | 103.1 |
住居関連品 | 54,148 | 112.7 |
食品 | 215,861 | 92.6 |
その他 | 3,932 | 101.7 |
(その他) | ||
その他の収益 | 1,240 | 109.2 |
北米事業 | 144,929 | 117.9 |
アジア事業 | 43,737 | 116.5 |
合 計 | 1,312,576 | 103.5 |
b.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2022年7月1日 至 2023年6月30日) | |
金額(百万円) | 前年同期比(%) | |
国内事業 | ||
(ディスカウントストア) | ||
家電製品 | 82,406 | 96.8 |
日用雑貨品 | 300,846 | 114.4 |
食品 | 520,476 | 106.7 |
時計・ファッション用品 | 150,175 | 106.4 |
スポーツ・レジャー用品 | 62,583 | 96.7 |
その他 | 16,790 | 91.0 |
(総合スーパー) | ||
衣料品 | 48,676 | 97.3 |
住居関連品 | 74,287 | 112.9 |
食品 | 292,401 | 93.9 |
その他 | 2,319 | 95.0 |
(その他) | ||
その他の収益 | 69,892 | 97.0 |
北米事業 | 233,590 | 116.8 |
アジア事業 | 82,343 | 118.9 |
合 計 | 1,936,783 | 105.8 |
c.当連結会計年度の地域別売上高をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
地域別 | 当連結会計年度 (自 2022年7月1日 至 2023年6月30日) | |
売上高(百万円) | 前年同期比(%) | |
国内事業 (ディスカウントストア) | ||
北海道 | 54,014 | 107.8 |
青森県 | 11,503 | 103.6 |
岩手県 | 3,870 | 103.4 |
宮城県 | 18,644 | 113.3 |
秋田県 | 8,670 | 106.2 |
山形県 | 4,876 | 128.8 |
福島県 | 15,296 | 100.8 |
茨城県 | 24,982 | 101.2 |
栃木県 | 12,440 | 98.8 |
群馬県 | 16,472 | 99.9 |
埼玉県 | 62,140 | 100.9 |
千葉県 | 53,396 | 104.0 |
東京都 | 134,928 | 107.3 |
神奈川県 | 85,879 | 101.6 |
新潟県 | 13,571 | 110.1 |
富山県 | 9,843 | 102.0 |
石川県 | 10,620 | 100.5 |
福井県 | 11,979 | 100.6 |
山梨県 | 8,291 | 99.0 |
長野県 | 19,250 | 104.8 |
岐阜県 | 22,878 | 98.8 |
静岡県 | 41,763 | 102.4 |
愛知県 | 148,633 | 109.8 |
三重県 | 25,245 | 102.3 |
滋賀県 | 15,548 | 100.3 |
京都府 | 18,854 | 113.7 |
大阪府 | 85,004 | 118.9 |
兵庫県 | 27,453 | 101.9 |
奈良県 | 11,753 | 101.6 |
和歌山県 | 5,167 | 101.5 |
鳥取県 | 1,829 | 99.1 |
島根県 | 1,797 | 102.9 |
岡山県 | 5,387 | 105.7 |
広島県 | 14,822 | 111.0 |
山口県 | 2,887 | 101.5 |
徳島県 | 3,093 | 100.9 |
香川県 | 3,019 | 105.0 |
愛媛県 | 9,136 | 103.2 |
高知県 | 83 | 94.1 |
福岡県 | 39,988 | 122.3 |
佐賀県 | 3,234 | 129.8 |
長崎県 | 7,624 | 102.6 |
熊本県 | 9,391 | 125.1 |
大分県 | 4,918 | 122.4 |
宮崎県 | 8,122 | 104.3 |
鹿児島県 | 7,514 | 104.6 |
沖縄県 | 27,471 | 115.9 |
合計 | 1,133,275 | 106.9 |
地域別 | 当連結会計年度 (自 2022年7月1日 至 2023年6月30日) | |
売上高(百万円) | 前年同期比(%) | |
(総合スーパー) | ||
栃木県 | 8,399 | 99.5 |
群馬県 | 7,987 | 97.1 |
埼玉県 | 6,915 | 102.4 |
千葉県 | 9,096 | 101.9 |
神奈川県 | 23,554 | 98.3 |
新潟県 | 12,978 | 105.3 |
富山県 | 9,941 | 100.7 |
石川県 | 12,161 | 98.2 |
福井県 | 6,365 | 98.5 |
山梨県 | 3,947 | 107.5 |
長野県 | 10,198 | 94.5 |
岐阜県 | 34,818 | 95.7 |
静岡県 | 46,084 | 95.8 |
愛知県 | 189,305 | 96.5 |
三重県 | 26,749 | 95.8 |
滋賀県 | 2,791 | 95.8 |
奈良県 | 6,396 | 100.1 |
合計 | 417,684 | 97.2 |
北米事業 | 233,590 | 116.8 |
アジア事業 | 82,343 | 118.9 |
d.当連結会計年度の業態別単位当たり売上高をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
項目 | 当連結会計年度 (自 2022年7月1日 至 2023年6月30日) | 前年同期比 (%) | |
国内事業 (ディスカウントストア) | |||
売上高(百万円) | 1,133,275 | 106.9 | |
1㎡当たり売上高 | 売場面積(期中平均)(㎡) | 1,578,373 | 103.2 |
1㎡当たり年間売上高(百万円) | 0.7 | 103.6 | |
1人当たり売上高 | 従業員数(期中平均)(人) | 32,010 | 100.0 |
1人当たり年間売上高(百万円) | 35.4 | 106.9 | |
(総合スーパー) | |||
売上高(百万円) | 417,684 | 97.2 | |
1㎡当たり売上高 | 売場面積(期中平均)(㎡) | 775,098 | 97.9 |
1㎡当たり年間売上高(百万円) | 0.5 | 99.4 | |
1人当たり売上高 | 従業員数(期中平均)(人) | 16,056 | 95.7 |
従業員数(期中平均)(人) | 26.0 | 101.6 | |
北米事業 | |||
売上高(百万円) | 233,590 | 116.8 | |
1㎡当たり売上高 | 売場面積(期中平均)(㎡) | 122,448 | 100.4 |
1㎡当たり年間売上高(百万円) | 1.9 | 116.3 | |
1人当たり売上高 | 従業員数(期中平均)(人) | 4,830 | 100.5 |
1人当たり年間売上高(百万円) | 48.4 | 116.2 |
アジア事業 | |||
売上高(百万円) | 82,343 | 118.9 | |
1㎡当たり売上高 | 売場面積(期中平均)(㎡) | 46,941 | 137.3 |
1㎡当たり年間売上高(百万円) | 1.8 | 86.6 | |
1人当たり売上高 | 従業員数(期中平均)(人) | 3,516 | 99.1 |
1人当たり年間売上高(百万円) | 23.4 | 120.0 |
(注)従業員数は、臨時従業員(1人1日8時間換算)を含めて表示しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態の分析
資産につきましては、前連結会計年度末と比較して973億80百万円増加し、1兆4,810億58百万円となりました。これは主として、現金及び預金が653億11百万円、割賦売掛金が32億28百万円、有形固定資産が241億44百万円、投資有価証券が74億17百万円増加した一方で、商品及び製品が113億56百万円減少したことによります。
負債は、前連結会計年度末と比較して、330億88百万円増加し、1兆175億19百万円となりました。これは主として、支払手形及び買掛金が157億76百万円、未払法人税等が96億77百万円、契約負債が94億77百万円、借入金が37億44百万円、リース債務が60億24百万円増加した一方で、社債が114億21百万円減少したことによります。
純資産につきましては、前連結会計年度末と比較して、642億92百万円増加し、4,635億39百万円となりました。これは主として、配当金の支払い及び親会社株主に帰属する当期純利益の計上による利益剰余金の増加が553億22百万円、その他の包括利益累計額の為替換算調整勘定が42億65百万円増加したことによります。
b.経営成績の分析
(売上高及び営業利益)
当連結会計年度の売上高及び営業利益の分析については「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
(経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益)
受取利息及び配当金8億93百万円、持分法による投資利益6億79百万円、為替差益64億20百万円などの計上により、営業外収益は142億61百万円になりました。一方で、支払利息及び社債利息77億3百万円などの計上により、営業外費用は85億26百万円となったことから、経常利益は1,109億94百万円(前年同期比10.5%増)となりました。
また、特別利益は54百万円となりました。特別損失は減損損失59億83百万円、固定資産除却損15億65百万円、店舗閉鎖損失23億92百万円などの計上により103億9百万円になりました。これらのことから親会社株主に帰属する当期純利益は661億67百万円(前年同期比6.8%増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、運転資金需要の主なものは、商品の仕入、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものであります。また、投資資金需要の主なものは、新規出店や改装に係る設備投資等によるものであります。運転資金及び投資資金については、営業キャッシュ・フローによる充当を基本に、必要に応じて資金調達を実施しております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に準拠して作成しております。この連結財務諸表を作成するに当たり、重要である会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項) 4.会計方針に関する事項」に記載のとおりであり、重要な会計上の見積り及び当該見積に用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
なお、会計上の見積りに対する新型コロナウイルス感染症の今後の影響について予測することは困難ではありますが、感染症法上の位置づけが5類へ移行され、社会経済活動が正常化に進んでいることから、当社グループへの影響は限定的であり、会計上の見積りに重要な影響は与えないと判断しております。
なお、この仮定は不確実性が高く、新型コロナウイルス感染症の状況や経済への影響が変化した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
④経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の達成・進捗状況
当社グループは、「自己資本の充実」及び「収益力強化に向けた資本の有効的かつ戦略的な活用」のバランスを採りながら、持続的成長及び企業価値の向上に資する「事業投資を優先」してまいりますが、特に重要視する経営指標は、売上高及び利益の持続的増加を継続していくことであり、中長期経営計画「Visionary2025/2030」として2025年6月期に売上高2兆円、営業利益1,200億円、2030年6月期に営業利益2,000億円の達成を目標としております。
当連結会計年度における中長期経営計画「Visionary2025/2030」の進捗状況は次のとおりであります。
2025年6月期:売上高 :1兆9,367億83百万円(進捗率 96.8%)
営業利益:1,052億59百万円(同 87.7%)
2030年6月期:営業利益:1,052億59百万円(同 52.6%)
引き続き、これらの指標の達成に向けて取り組んでまいります。