有価証券報告書-第25期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)

【提出】
2019/06/27 10:47
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【項目】
158項目
業績等の概要
(1)業績
当連結会計年度(2018年4月1日~2019年3月31日)における我が国の経済は、政府の景気対策等を背景に、企業収益や雇用情勢の改善が続き、緩やかな回復基調で推移しました。また、個人消費は記録的な猛暑や台風、大雨など天候の影響が見られたものの、若干ながらも改善傾向が続いております。
国内コンピューター販売においては、2020年1月に予定されているWindows7のサポート終了を控え、最新OSであるWindows10への潜在的なニーズが徐々に顕在化しております。また、政府や各企業が進める働き方改革などの効果により、働き方の変化に伴う需要、eスポーツ人気の高まりによるゲーミングパソコンや周辺機器の需要、また小中学校の新学習指導要領への移行に伴うプログラミング学習の影響などから、個人向け需要においても少しずつ増加の兆しがみられました。
このような状況下、当社グループは販売、修理、インターネットを全てワンストップでサポートする「スマートライフパートナー化」を継続して進めております。また、これまでの「困ったを解決」に加え、「プレミアムメンバー様の未来を任せていただく」計画的提案による需要創造を提供する、デジタルライフコンサルティング化を継続して推進しております。
店頭販売において、従来の「困ったを解決」だけでなく「未来デジタルライフ」をお任せいただけるよう、プレミアムメンバー様を担当するコンサルタントやエンジニアが3名程度のチームになり、「プレミアムメンバー様専任担当制」を開始いたしました。各々のプレミアムメンバー様に専任の担当者が今後のデジタルライフプランのご提案をすることにより、例えば、使用中のコンピューターから新しいコンピューターへのデータ移行、スマートフォンの買い替え時の電話帳移行、使用中のスマートフォンの格安SIMへのスムーズな移行など、デジタルライフにおけるデバイスを計画的に買い替えることが可能になります。また、それらに加え、家庭内の「休眠資産(使われずに眠っているデバイス等)」となっている、古いコンピューターやスマートデバイスの再活用などを提案することや、家庭内のデジタルデバイスを総合的に活用していくために、デジタルライフの将来計画を提案することなど、プレミアムメンバー様の持続的なデジタルライフ活性化に取り組みました。一方、販売促進活動においては、宣伝活動を計画的にコントロールし、一時的な特売など変動が大きいセールやキャンペーンを縮小いたしました。また、短期雇用を目的とした採用を減らす事で、既存スタッフの教育、育成の強化を推進し、既存スタッフの育成に時間と費用を多く振り向けました。プレミアムメンバー様の長期的に安定したスマートライフに貢献できるよう、計画提案のコンサルティング能力向上、AI・ロボット共生社会における、学び方と働き方、社会貢献などの思考訓練を始めとした育成機会に、FACE to FACEの対話をする事で向き合い、理念共有に一丸となり取り組みました。
店舗展開においては、当連結会計年度に6店舗をプレミアムメンバーシップに基づき、専任担当チームによる未来の計画的提案に重点を置いた新業態「ピーシーデポスマートライフ店」「ピーシーデポスマートライフ店Ver1.0 Type-F」に改装しました。その結果、2019年3月末時点でピーシーデポスマートライフ店は46店舗となりました。また、計画的に未来価値提案をするため、創造的な発想を生み出す空間として店内に「計画デザインデスク」の導入を開始いたしました。加えて、プレミアムメンバー様が利用するラウンジのリニューアルなど、プレミアムメンバー様専用スペースのリニューアルを推進しております。
ソリューションサービス売上高は前年比2.9%増、売上総利益は同6.9%減、販売費及び一般管理費は同5.7%減となりました。
以上の結果、当社グループ売上高は404億47百万円(前年比7.2%減)、営業利益は25億79百万円(同13.5%減)、経常利益は26億85百万円(同12.8%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は15億53百万円(同20.7%減)となりました。
セグメント別の業績は次のとおりです。
①パソコン等販売事業
コンピューター販売において、2020年1月のWindows7のサポート終了を見据えた買い替え需要、働き方の変化に伴う需要、また、eスポーツ人気の高まりにより、高機能・高性能かつ高価格帯のパソコンや周辺機器の需要が見受けられます。スマホ関連では、2018年9月21日にiPhone XS / iPhone XS Maxの発売がありました。しかしながら、スマホ関連のマーケットの縮小は依然として続いており、デバイスの高品質化に伴い、買い替えサイクルも長期化傾向にあります。
こういった状況の中、当社はデジタルライフのサポート・計画的提案・需要創造への移行を継続いたしました。ソリューションサービスにおいては、2018年7月より、プレミアムメンバー様専用のメンバーソリューションハードプランのラインナップの拡充、折込広告にプレミアムメンバー様限定のサービスを掲載するなど、プレミアムメンバー様の利用機会の増加に努めました。プレミアムメンバー様には、引き続き優先対応をはじめ、ご本人や家族の皆様の「困ったを解決」だけではない「未来デジタルライフ」の計画的提案をお任せいただけるよう、専任担当チームがFACE to FACEのコミュニケーションを通して、提案いたしました。また、新規需要には「使い方」や「初期設定」など、初めてでも不安がないよう提案し、他社でご購入されたスマートデバイス、今お使いのインターネットの不都合やお困りごとなど、無料相談を通して解決し、その先のデジタルライフの計画的提案により需要創造をすることによって、プレミアムメンバー様の増加に努めました。
当連結会計年度末における「ピーシーデポスマートライフ店」「PC DEPOT」「PC DEPOTパソコンクリニック」の総店舗数は126店舗となりました。また、近畿・中国・四国地区においてフランチャイズが運営する「PC DEPOT」が3店舗あります。
以上の結果、パソコン等販売事業の売上高は392億30百万円(前年比7.4%減)、セグメント利益は24億55百万円(同15.1%減)となりました。
②インターネット関連事業
インターネット関連事業においては、当社グループが提供するプレミアムサービス関連におけるグループ内業務受託の強化に取り組んでおります。グループ売上高の減少に伴い、売上高は減少いたしましたが、売上原価、販売費及び一般管理費の適正化によりセグメント利益は改善しております。
以上の結果、インターネット関連事業の売上高は12億16百万円(前年比2.0%減)、セグメント利益は4億41百万円(同7.7%増)となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物は95億42百万円と前年度末に比べ10億55百万円減少(前年度は28億71百万円の増加)しました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、法人税等の支払額9億53百万円及び売上債権の増加額5億25百万円がありましたが、税金等調整前当期純利益23億2百万円、減価償却費8億34百万円などにより25億63百万円の増加(前年度は50億45百万円の増加)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、敷金及び保証金の回収による収入1億23百万円がありましたが、有形固定資産の取得による支出3億69百万円などにより7億21百万円の減少(前年度は2億97百万円の減少)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の返済による支出22億43百万円及び配当金の支払いによる支出6億52百万円などにより28億97百万円の減少(前年度は18億76百万円の減少)となりました。
仕入及び販売の実績
(1)仕入実績
仕入実績(商品別)をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
[セグメントの名称]
品目
当連結会計年度
(自 2018年4月1日
至 2019年3月31日)
前年同期比(%)
[パソコン等販売事業]
パソコン本体等(千円)5,679,22386.6
周辺機器(千円)3,088,50484.8
アクセサリ・サプライ(千円)1,087,55690.5
ソフト(千円)391,53293.1
中古品・その他(千円)9,520,79493.6
合計(千円)19,767,61089.9

(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.上記の金額には、ソリューションサービス売上高内のサービス一体型商品に含まれる商品仕入も計上しております。
(2)販売実績
① 販売実績(商品別)をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
[セグメントの名称]
品目
当連結会計年度
(自 2018年4月1日
至 2019年3月31日)
前年同期比(%)
[パソコン等販売事業]
パソコン本体等(千円)3,929,80578.9
周辺機器(千円)3,749,09485.0
アクセサリ・サプライ(千円)1,804,75484.8
ソフト(千円)502,85089.5
中古品・その他(千円)3,908,89769.3
商品売上高計(千円)13,895,40278.4
ロイヤリティー他収入(千円) (注3)64,618103.2
ソリューションサービス売上高(千円) (注4)25,270,629102.9
計(千円)39,230,65092.6
[インターネット関連事業]1,216,39898.0
合計(千円)40,447,04892.8

(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.セグメント間の取引については相殺消去しております。
3.ロイヤリティー他収入の対象となるフランチャイズ店売上高は1,167,565千円であります。
4.ソリューションサービス売上高には、サービス一体型商品に含まれる商品売上を計上しております。
② 地域別売上高
[セグメントの名称]
品目
期末
店舗数
当連結会計年度
(自 2018年4月1日
至 2019年3月31日)
前年同期比(%)
[パソコン等販売事業]
神奈川県・静岡県(千円)143,101,84076.1
東京都・千葉県(千円)244,333,08983.7
埼玉県・群馬県(千円)102,030,76070.7
茨城県・栃木県(千円)71,444,53179.9
その他地区(千円) (注2)132,985,18078.8
商品売上高計(千円)6813,895,40278.4

(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.「その他地区」は、連結子会社である(株)ピーシーデポストアーズにて運営しております。
財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
当連結会計年度の財政状態及び経営成績の分析は以下のとおりでありますが、文中における将来に関する事項については当連結会計年度末現在において判断したものであり、実際の結果には不確実性があるため、大きく異なる可能性があります。
(1)当連結会計年度の財政状態の分析
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は245億89百万円(前連結会計年度末は257億2百万円)となり、前連結会計年度に比べて11億12百万円の減少となりました。主な要因は、月額会員制サービス一体型の商品に伴う売掛金は増加したものの、現金及び預金が減少したことによるものです。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産の残高は90億31百万円(前連結会計年度末は93億51百万円)となり、前連結会計年度に比べて3億20百万円の減少となりました。主な要因は、新規出店やスマートライフ店への業態転換に伴う店舗改装等の設備投資を抑えたことによるものです。なお、当連結会計年度において実施した設備投資の総額は9億44百万円であります。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は54億99百万円(前連結会計年度末は62億79百万円)となり、前連結会計年度に比べて7億80百万円の減少となりました。主な要因は、1年以内返済長期借入金の減少によるものです。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債の残高は39億62百万円(前連結会計年度末は55億23百万円)となり、前連結会計年度に比べて15億61百万円の減少となりました。主な要因は、長期借入金の減少によるものです。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産の残高は241億59百万円(前連結会計年度末は232億50百万円)となり、前連結会計年度に比べて9億9百万円の増加となりました。主な要因は、利益剰余金の増加によるものです。
(自己資本比率)
当連結会計年度末における自己資本比率は、自己株式の取得により減少したものの利益剰余金の増加により、前連結会計年度末と比較して5.5ポイント増加の71.7%となりました。
(2)当連結会計年度の経営成績の分析
(売上高)
当社グループの連結売上高は、前連結会計年度と比較して7.2%減少の404億47百万円となりました。
パソコン等販売事業は、前連結会計年度と比較して7.4%減少の392億30百万円となりました。ソリューションサービス販売売上高は増加したものの商品販売売上高が減少しました。
インターネット関連事業は、前連結会計年度と比較して2.0%減少の12億16百万円となりました。
(売上総利益)
売上総利益は、前連結会計年度と比較して6.9%減少の186億63百万円となりました。
(営業利益)
営業利益は、既存会員様等のサポートサービスの品質向上の取り組みを進めた結果、販売費及び一般管理費が減少しましたが、売上総利益の減少を受けて、前連結会計年度と比較して13.5%減少の25億79百万円となりました。
(営業外収益)
営業外収益は、前連結会計年度と比較して3.5%増加の2億89百万円となりました。
(営業外費用)
営業外費用は、前連結会計年度と比較して0.6%増加の1億83百万円となりました。主な要因は、賃貸関連費用は増加しましたが、支払利息、支払手数料等が減少したことによるものです。
(経常利益)
経常利益は、前連結会計年度と比較して12.8%減少の26億85百万円となりました。
(特別利益)
特別利益は、0百万円となりました。
(特別損失)
特別損失は、3億83百万円となりました。主な要因は、店舗の減損損失及び固定資産除却損の計上によるものです。
(総資産経常利益率)
総資産経常利益率は、前連結会計年度と比較して0.9ポイント減少の7.8%となりました。
(自己資本利益率)
自己資本利益率は、前連結会計年度と比較して1.9ポイント減少の6.6%となりました。
(3)キャッシュ・フローの分析
キャッシュ・フローの分析については、「業績等の概要(2)キャシュ・フローの状況」にて記載したとおりです。
なお、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末の105億97百万円に対して10億55百万円減少し、95億42百万円となりました。