有価証券報告書-第41期(2023/04/01-2024/03/31)

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2024/06/20 16:36
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(経営成績等の状況の概要)
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
a.経営成績
当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の分類が5類に移行したことや水際対策が撤廃されたことを契機に、個人消費及びインバウンド需要等を中心として社会経済活動が緩やかな回復傾向にあります。一方で、ウクライナ情勢の長期化及び中東情勢の影響や世界的な資源価格の高騰等を中心として、依然として先行き不透明な状況が続くと予想されます。
外食産業におきましても、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の分類が5類に移行されたことで、個人消費は回復の基調を見せつつありますが、原油・原材料価格の高騰等による仕入価格や光熱費の上昇及び慢性的な人手不足の影響等により依然として厳しい経営環境が続いております。
このような状況下、当社グループは、2021年5月20日に公表した中期経営計画の最終年度を迎え、目標数値を達成すべく事業推進に努めて参りました。
営業施策では、グランドメニューを変更したほか、「アジアン」メニューや季節の食材を使用した数量限定メニュー等の販売をいたしました。
また、人材の採用及び育成に注力し、店舗売上状況に応じた適正な人員配置による運営体制の強化等、事業環境の変化に順応した取り組みを行ったことにより、「大戸屋ごはん処」既存店売上高は堅調に推移いたしました。
このほか、人手不足によるオペレーションの課題や投資コストの削減に対応するべく、ショッピングモール内のフードコートモデルを確立したほか、コロナ禍で変化した生活様式に適応すべく、郊外・ロードサイド等中心に出店を進めております。また、お客様の健康志向を捉えた「蕎麦」をメインとした新業態の開発を行い、蕎麦処大戸屋(田無店、淵野辺店)2店舗を新規出店いたしました。
サステナビリティへの取り組みにも注力しており、従業員の健康保持や増進に向けた取り組み等を行い、経済産業省と日本健康会議が共同で実施する「健康経営優良法人2024(大規模法人部門)」に認定されました。また各地域で穫れたお米をその土地で精米まで行うことでフードマイレージを削減させる取り組みを開始したほか、フードロス削減の一環として規格外のしまほっけを使用した商品を企画するなど、地球環境や地域・社会への貢献を行って参りました。
この結果、当社グループの当連結会計年度の業績は、売上高は278億94百万円(前年同期比17.0%増)、営業利益16億46百万円(前年同期比505.4%増)、経常利益16億99百万円(前年同期比378.9%増)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は14億2百万円(前年同期比406.5%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
① 国内直営事業
国内直営事業においては、毎年恒例となった1月8日の「大戸屋定食の日」に数量限定「贅沢ミックスフ
ライ定食」を販売したほか、「韓国フェア」として数量限定メニューの販売や産学連携企画としてフードロスと栄養バランスをテーマに開発した期間限定メニューも販売いたしました。このほか、テレビCM放映等の
広告宣伝及び販売促進活動等を実施した結果、売上高・セグメント利益ともに前年同期より改善することと
なりました。
店舗展開につきましては、「大戸屋ごはん処」6店舗(トーブイコート草加松原店、アリオ橋本店、東大
和店、越谷南町店、宇都宮テラス店、ダイナシティ小田原店)の新規出店及び新業態「蕎麦処大戸屋」2店
舗(田無店、淵野辺店)の新規出店を行いました。また、国内直営事業でありました1店舗(小牧店)を国
内フランチャイズ事業とした一方、国内フランチャイズ事業でありました4店舗(ノースポートモイーアスつくば店、ひたちなかファッションクルーズ店、イオンモール水戸内原店)を国内直営事業としました。また、4店舗(札幌エスタ店、武蔵小山店、イトーヨーカドー拝島店、イトーヨーカドー東大和店)を閉店いたしました。
これにより、当連結会計年度末における国内直営事業に係る稼働店舗数は「大戸屋ごはん処」143店舗、「蕎麦処大戸屋」2店舗、その他4店舗となりました。
以上の結果、国内直営事業の当連結会計年度の売上高は165億14百万円(前年同期比23.7%増)、セグメント利益は6億43百万円(前年同期は3億97百万円の損失)となりました。
② 国内フランチャイズ事業
国内フランチャイズ事業においても、国内直営事業同様に数量限定「贅沢ミックスフライ定食」、「韓国フェア」の数量限定メニュー、産学連携企画の期間限定メニューを販売したほか、テレビCM放映等の広告宣伝及び販売促進活動等を実施した結果、売上高・セグメント利益ともに前年同期より改善することとなりました。
店舗展開につきましては、「大戸屋ごはん処」の新規出店はありませんでした。また、国内フランチャイズ事業でありました4店舗(ノースポートモール店、イーアスつくば店、ひたちなかファッションクルーズ店、イオンモール水戸内原店)を国内直営事業とした一方、国内直営事業でありました1店舗(小牧店)を国内フランチャイズ事業としました。また、7店舗(イオンモール浜松志都呂店、大分明野店、函館漁火通り店、阪奈菅原店、アリオ仙台泉店、イオンモール太田店、マックスバリュー千代田店)を閉店いたしました。
これにより、当連結会計年度末における国内フランチャイズ事業に係る稼働店舗数は「大戸屋ごはん処」159店舗となりました。
以上の結果、国内フランチャイズ事業の当連結会計年度の売上高は76億21百万円(前年同期比7.3%増)、セグメント利益は16億22百万円(前年同期比28.7%増)となりました。
③ 海外直営事業
海外直営事業においては、米国ニューヨーク州及び香港等では生活様式の変化による個人消費の縮小等により厳しい環境が続いておりますが、グランドメニュー変更等、販売施策の強化に取り組んだことから、売上高は前年同期より改善することとなりました。
当連結会計年度末における海外直営事業に係る稼働店舗数として9店舗(香港大戸屋有限公司が香港において4店舗、AMERICA OOTOYA INC.が米国ニューヨーク州において4店舗、M OOTOYA (THAILAND) CO., LTD.がタイ王国において1店舗)を展開しております。
以上の結果、海外直営事業の当連結会計年度の売上高は30億37百万円(前年同期比12.1%増)、セグメント損失は1億38百万円(前年同期は1億48百万円の損失)となりました。
④ 海外フランチャイズ事業
海外フランチャイズ事業においては、各国・地域ごとに販売促進活動等を行ったことから、売上高は前年同期より改善することとなりました。
当連結会計年度末における海外フランチャイズ事業に係る稼働店舗数102店舗(タイ王国において49店舗、台湾において45店舗、インドネシア共和国において8店舗)を展開しております。
以上の結果、海外フランチャイズ事業の当連結会計年度の売上高は2億74百万円(前年同期比0.6%増)、セグメント利益は1億円(前年同期比13.6%減)となりました。
⑤ その他
その他は、タイ王国におけるプライベートブランド商品の輸入・販売事業であり、当連結会計年度末現在、THREE FOREST (THAILAND) CO., LTD.がプライベートブランド商品の輸入・販売をタイ王国で行っております。
その他の当連結会計年度の売上高は4億46百万円(前年同期比8.8%増)、セグメント利益は74百万円(前年同期比6.2%減)となりました。
b.財政状態
当連結会計年度末の資産合計は108億49百万円(前連結会計年度末比13.0%増)となりました。
当連結会計年度末の流動資産は、現金及び預金45億39百万円を主なものとして63億18百万円(前連結会計年度末比11.6%増)、固定資産は、店舗等の有形固定資産16億81百万円と敷金及び保証金17億7百万円を主なものとして45億31百万円(同15.0%増)となりました。これは主に、現金及び預金が5億95百万円、預け金が99百万円増加したことによるものです。
当連結会計年度末の負債合計は59億円(前連結会計年度末比0.2%増)となりました。
当連結会計年度末の流動負債は、買掛金10億34百万円、1年内返済予定の長期借入金4億円および未払金12億71百万円を主なものとして39億19百万円(前連結会計年度末比12.8%増)、固定負債は、長期借入金6億円、資産除去債務8億3百万円を主なものとして19億81百万円(同17.9%減)となりました。これは主に、1年内返済予定の長期借入金が2億40百万円、長期借入金が4億円減少した一方、未払金が2億13百万円、未払法人税等が1億74百万円、買掛金が60百万円増加したことによるものです。
当連結会計年度末の純資産は、49億49百万円(前連結会計年度末比33.2%増)となり、自己資本比率は44.1%となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益14億2百万円の計上により利益剰余金が増加したことによるものです。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、営業活動により22億34百万円を獲得し、投資活動により7億87百万円を使用し、財務活動により8億89百万円を使用した結果、45億34百万円(前連結会計年度末比15.1%増)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
① 営業活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における営業活動の結果、増加した資金は22億34百万円(前年同期は7億26百万円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益15億84百万円を計上し、減価償却費の計上3億31百万円、未払金の増加1億37百万円があったためであります。
② 投資活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における投資活動の結果、使用した資金は7億87百万円(前年同期は4億78百万円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出7億66百万円があったためであります。
③ 財務活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における財務活動の結果、使用した資金は8億89百万円(前年同期は7億73百万円の支出)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出6億40百万円、配当金の支払額2億46百万円あったためであります。
(3)生産、受注及び販売の実績
a.生産実績及び受注実績
当社グループは、生産活動を行っていないため該当事項はありません。
b.食材等仕入実績
当連結会計年度における食材等仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称金額(百万円)前年同期比(%)
国内直営事業4,820117.3
国内フランチャイズ事業5,502102.7
海外直営事業693105.8
海外フランチャイズ事業04.3
その他299111.3
合計11,315108.9

c.販売実績
① 販売方法
当社グループは、主に大戸屋ごはん処等の直営店舗を展開し、また、フランチャイズ店舗からロイヤルティ等の収入を得ております。
② 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(セグメント別販売実績)
セグメントの名称金額(百万円)前年同期比(%)
国内直営事業16,514123.7
国内フランチャイズ事業7,621107.3
海外直営事業3,037112.1
海外フランチャイズ事業274100.6
その他446108.8
合計27,894117.0

(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、過去の実績等を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、見積りを行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
(2)当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績について
当連結会計年度につきましては、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の分類が5類に移行したことや水際対策が撤廃されたことを契機に、個人消費及びインバウンド需要等を中心として社会経済活動が緩やかな回復傾向にあります。一方で、ウクライナ情勢の長期化及び中東情勢の影響や世界的な資源価格の高騰等を中心として、依然として先行き不透明な状況が続くと予想されます。
このような状況下、当社グループは「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 経営成績等の状況の概要 (1)財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりの経営成績となりました。
当連結会計年度につきましては、国内直営事業での165億14百万円(前年同期比23.7%増)、国内フランチャイズ事業での76億21百万円(同7.3%増)、海外直営事業での30億37百万円(同12.1%増)、海外フランチャイズ事業での2億74百万円(同0.6%増)及びその他事業での4億46百万円を合わせて、売上高278億94百万円(同17.0%増)を獲得した一方、コロワイドグループとの共同購買の実施及び仕入管理の徹底等により前年に引き続き、商品原価を抑制し、売上原価は113億14百万円(同9.0%増)、売上総利益で165億79百万円(同23.1%増)となりました。
給与及び手当66億94百万円(同20.1%増)、地代家賃20億61百万円(同6.3%増)を主とする販売費及び一般管理費は総額149億33百万円(同13.1%増)となり、営業利益16億46百万円(同505.4%増)となりました。
営業外収益及び営業外費用はそれぞれ80百万円(同33.2%減)及び27百万円(同30.7%減)となり、経常利益16億99百万円(同378.9%増)となりました。
特別利益は0百万円(同99.4%減)、特別損失1億15百万円(同69.8%増)となり、法人税等の負担額1億46百万円(同13.6%増)及び非支配株主に帰属する当期純利益35百万円(同3.1%増)となった結果、親会社株主に帰属する当期純利益14億2百万円(同406.5%増)となりました。
b.財政状態について
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ12億46百万円増加し、108億49百万円となりました。
流動資産は、前連結会計年度末に比べ6億56百万円増加し、63億18百万円となりました。これは現金及び預金が5億95百万円、預け金が99百万円増加したことが主な要因です。また、固定資産は前連結会計年度末に比べ5億90百万円増加し、45億31百万円となりました。これは有形固定資産が前連結会計年度末に比べ4億72百万円増加したことが主な要因です。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ12百万円増加し、59億円となりました。
流動負債は前連結会計年度末に比べ4億44百万円増加し、39億19百万円となりました。これは主に1年内返済予定の長期借入金が2億40百万円減少した一方、未払金が2億13百万円、未払法人税等が1億74百万円、買掛金が60百万円増加したことが主な要因です。また、固定負債は前連結会計年度末に比べ4億32百万円減少し、19億81百万円となりました。これは長期借入金が4億円減少したことが主な要因です。
当連結会計年度末の純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益14億2百万円を計上したことにより、前連結会計年度末に比べ12億34百万円増加し、49億49百万円となりました。
c.資本の財源及び資金の流動性について
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況は、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 経営成績等の状況の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの資金需要の主なものは、新規出店及び既存店改装等に係る投資であり、投資活動によるキャッシュ・フローに示した有形固定資産の取得、無形固定資産の取得、長期前払費用の取得及び敷金及び保証金の差入による支出総計8億80百万円であります。
これら資金の源泉は、財務活動により獲得した資金であります。
当連結会計年度末の借入金等の状況は以下のとおりであります。
区分当連結会計
年度末残高
(百万円)
返済スケジュール
1年以内
(百万円)
1年超2年以内
(百万円)
2年超3年以内
(百万円)
1年内に返済予定の
長期借入金
400400--
長期借入金(1年以
内に返済予定のもの
を除く。)
600400200
1年以内に返済予定の
リース債務
11--
リース債務(1年以
内に返済予定のもの
を除く。)
----
合計1,001401400200

d.経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
e.経営者の問題認識と今後の方針について
経営者の問題認識と今後の方針につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。