有価証券報告書-第35期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)

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2018/06/28 9:24
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(経営成績等の状況の概要)
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
a.経営成績
当連結会計年度におけるわが国経済は、企業収益や雇用環境が改善し、緩やかな回復基調が続きましたが、所得の伸び悩みから個人消費は十分な改善は見られず、海外における政治・経済の不透明感などから引き続き不安定な状況が続きました。
外食産業におきましても、食材価格の高止まりや人手不足の恒常化による人件費の上昇に加え他業態との顧客獲得競争がさらに激化し、経営環境は引き続き厳しい状況となりました
このような状況の下、当社グループの当連結会計年度は、中期経営計画「継承」~「改革」~「飛躍」の初年度である継承期にあたり、「人々の心と体の健康を促進し、フードサービス業を通じ、人類の生成発展に貢献する」という経営理念のもと、「ちゃんとごはん。」を大戸屋ブランドのスローガンに掲げ、店舗価値の向上や人材の育成に取り組むとともに、6月にはグランド・メニューのリニューアルを行った他、季節商品の導入にも取り組んでまいりました。
これらの結果、当連結会計年度の業績は、売上高は26,265百万円(前年同期比2.5%増)、主に人件費の上昇による販管費の増加から営業利益634百万円(同10.7%減)、経常利益662百万円(同6.8%減)となり、創業者功労金200百万円及び減損損失56百万円を特別損失に計上し、法人税等合計が167百万円となったため、親会社株主に帰属する当期純利益は204百万円(同42.8%減)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
① 国内直営事業
国内直営事業は「大戸屋ごはん処」3店舗(新さっぽろサンピアザ店、溝の口店、渋谷文化村通り店(新))の新規出店があり、国内直営事業でありました2店舗(飯能店、練馬駅南口店)が国内フランチャイズ事業となりましたが、国内フランチャイズ事業でありました3店舗(府中北口店、パサージオ西新井店、アルカキット錦糸町店)について国内直営事業としました。また、国内直営事業4店舗(イトーヨーカドー奈良店、渋谷文化村通り店、行徳駅南口店、大宮東口店)、他業態1店舗(おとや熱海店)が閉店いたしました。
これにより、当連結会計年度における国内直営事業に係る稼働店舗数は「大戸屋ごはん処」145店舗となりました。
以上の結果、国内直営事業の当連結会計年度の売上高は14,564百万円(前年同期比1.4%増)となりましたが、人件費を中心とした販管費の増加により、営業利益は90百万円(同67.0%減)となりました。
② 国内フランチャイズ事業
国内フランチャイズ事業は、「大戸屋ごはん処」8店舗(大垣店、津山の手店、広小路柳橋店、一宮木曽川店、新潟女池店、豊田前山店、クロスモール豊川店、みらい長崎ココウォーク店)の新規出店があり、国内フランチャイズ事業でありました3店舗(府中北口店、パサージオ西新井店、アルカキット錦糸町店)について国内直営事業としましたが、国内直営事業でありました2店舗(飯能店、練馬駅南口店)が国内フランチャイズ事業となりました。また、国内フランチャイズ事業1店舗(テラスモール湘南店)が閉店いたしました。
これにより、当連結会計年度における国内フランチャイズ事業に係る稼働店舗数は「大戸屋ごはん処」208店舗となりました。
以上の結果、国内フランチャイズ事業の当連結会計年度の売上高は店舗数の増加もあり8,188百万円(前年同期比2.4%増)となり、営業利益1,059百万円(同0.8%増)となりました。
③ 海外直営事業
海外直営事業は、当連結会計年度末現在、12店舗(香港大戸屋有限公司が香港に4店舗、OOTOYA ASIA PACIFIC PTE. LTD.がシンガポール共和国に3店舗、AMERICA OOTOYA INC.が米国ニューヨーク州に4店舗、M OOTOYA (THAILAND) CO., LTD.がタイ王国に1店舗)稼働しており、当連結会計年度の売上高は2,963百万円(前年同期比6.1%増)となりましたが、主に人件費を中心とした販管費の増加により、営業損失75百万円(前年同期は40百万円の営業損失)となりました。
④ 海外フランチャイズ事業
海外フランチャイズ事業は、当連結会計年度末現在、92店舗(タイ王国において44店舗、台湾において32店舗、インドネシア共和国において11店舗、中国上海市において4店舗、ベトナムホーチミン市において1店舗)を展開しており、当連結会計年度の売上高は主にロイヤリティ収入が増加したことにより207百万円(前年同期比18.6%増)となり、営業利益83百万円(同39.1%増)となりました。
⑤ その他
その他は、メンテナンス事業、食育事業及びタイ王国におけるプライベートブランド商品の輸入・販売事業であり、当連結会計年度末現在、株式会社OTYフィールがメンテナンス事業を、THREE FOREST (THAILAND) CO., LTD.が当社のプライベートブランド商品の輸入・販売をタイ王国で行っており、当連結会計年度の売上高は340百万円(外部顧客に対する売上高。前年同期比16.9%増)、営業利益46百万円(同171.6%増)となりました。
b.財政状態
当連結会計年度末の資産合計は9,467百万円(前年同期比7.7%減)となりました。
当連結会計年度末の流動資産は、現金及び預金2,102百万円を主なものとして3,982百万円(前連結会計年度末比11.5%減)、また、固定資産は、店舗等の有形固定資産2,999百万円と敷金及び保証金1,842百万円を主なものとして5,485百万円(同4.7%減)であり、資産合計では9,467百万円(同7.7%減)となりました。これは主に、現金及び預金が減少したためであります。
当連結会計年度末の負債合計は4,722百万円(前年同期比14.7%減)となりました。
当連結会計年度末の流動負債は、短期借入金500百万円、1年内返済予定の長期借入金301百万円、買掛金1,117百万円及び未払金690百万円を主なものとして3,221百万円(前連結会計年度末比14.6%減)、固定負債は、退職給付に係る負債370百万円及び資産除去債務340百万円を主なものとして1,501百万円(同14.9%減)であり、負債合計では4,722百万円(同14.7%減)となりました。これは主に、長期借入金が減少したためであります。
当連結会計年度末の純資産は4,744百万円(前連結会計年度末比0.5%増)となり、自己資本比率は49.3%となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、営業活動により1,101百万円を獲得し、投資活動により473百万円を使用し、財務活動により1,127百万円を支出した結果、当連結会計年度末残高は1,994百万円(前連結会計年度末比19.9%減)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
① 営業活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における営業活動の結果、得られた資金は1,101百万円(前年同期比73.6%増)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益393百万円を計上し、減価償却費790百万円等の非資金的費用がありましたが、創業者功労金の支払いによる支出200百万円、法人税等の支払による支出357百万円があったためであります。
② 投資活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における投資活動の結果、使用した資金は473百万円(前年同期比16.8%減)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出436百万円があったためであります。
③ 財務活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における財務活動の結果、支出した資金は1,127百万円(前年同期は1,856百万円の支出)となりました。これは主に、借入金の返済による支出4,026百万円と配当金の支払額216百万円があったためであります。
(3)生産、受注及び販売の実績
a.生産実績及び受注実績
当社グループは生産活動を行っておりますが、グループ事業全体における重要性が低いため、生産実績及び受注実績については記載を省略しております。
b.食材等仕入実績
当連結会計年度における食材等仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称金額(千円)前年同期比(%)
国内直営事業4,112,398102.3
国内フランチャイズ事業6,573,935102.7
海外直営事業626,375100.9
海外フランチャイズ事業171,633103.4
合計11,484,343102.5

(注) 金額に消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
① 販売方法
当社グループは、主に大戸屋ごはん処等の直営店舗を展開し、また、フランチャイズ店舗からロイヤルティ等の収入を得ております。
② 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(セグメント別販売実績)
セグメントの名称金額(千円)前年同期比(%)
国内直営事業14,564,976101.4
国内フランチャイズ事業8,188,280102.4
海外直営事業2,963,752106.1
海外フランチャイズ事業207,991118.6
その他340,329116.9
合計26,265,329102.5

(注) 金額に消費税等は含まれておりません。
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、過去の実績等を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、見積りを行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。
(2) 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績について
当連結会計年度中の当社グループを取巻く環境は、消費マインドに回復の基調はあるものの、円安に伴う食材価格の高騰による一部商品の値上げや消費税増税を控えた不透明感の中、同業他社やコンビニエンス・ストア等の中食業態との競争が激しさを増し、厳しい経営環境が続きました。
こうした状況下、当社グループは「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 経営成績等の状況の概要」に記載のとおりの経営成績となりました。
当連結会計年度につきましては、国内直営事業での14,564百万円(前年同期比1.4%増)、国内フランチャイズ事業での8,188百万円(同2.4%増)、海外直営事業での2,963百万円(同6.1%増)、海外フランチャイズ事業での207百万円(同18.6%増)及びその他事業での340百万円を合わせて、連結売上高26,265百万円(同2.5%増)を獲得し、仕入管理の徹底により商品原価を抑制し、売上原価は11,576百万円(同2.5%増)となりましたが、売上総利益で14,689百万円(同2.6%増)となりました。
給与手当6,638百万円(同3.6%増)、地代家賃1,987百万円(同2.6%増)を主とする販売費及び一般管理費は総額で14,055百万円(同3.3%増)を費やし、営業利益で634百万円(同10.7%減)となりました。
営業外収益及び営業外費用はそれぞれ68百万円(同9.5%減)及び39百万円(同46.1%減)となり、経常利益で662百万円(同6.8%減)となりました。
特別利益は23百万円(同86.0%減)、特別損失は292百万円(同29.6%増)となり、法人税等の負担額167百万円(同41.8%減)及び非支配株主に帰属する当期純利益21百万円(同176.5%増)となった結果、親会社株主に帰属する当期純利益は204百万円(同42.8%減)となりました。
b.財政状態について
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ788百万円減少し、9,467百万円となりました。
流動資産は、前連結会計年度末に比べ517百万円減少し、3,982百万円となりました。これは現金及び預金が505百万円減少したことが主な要因です。また、固定資産は前連結会計年度末に比べ271百万円減少し、5,485百万円となりました。これは店舗に係る有形固定が前連結会計年度末に比べ268百万円減少したことが主な要因です。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ812百万円減少し、4,722百万円となりました。
流動負債は前連結会計年度末に比べ548百万円減少し、3,221百万円となりました。これは短期借入金が500百万円増加しましたが、1年内返済予定の長期借入金が949百万円減少したことが主な要因です。また、固定負債は前連結会計年度末に比べ263百万円減少し、1,501百万円となりました。これは長期借入金が301百万円減少したことが主な要因です。
当連結会計年度の純資産は剰余金の配当215百万円による減少がありましたが、親会社株主に帰属する当期純利益204百万円及び非支配株主持分が26百万円増加したことにより、前連結会計年度末に比べ23百万円増加し、4,744百万円となりました。
c.資本の財源及び資金の流動性について
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 経営成績等の状況の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの資金需要の主なものは、新規出店及び既存店改装等に係る投資であり、投資活動によるキャッシュ・フローに示した有形固定資産の取得、無形固定資産の取得、長期前払費用の取得及び敷金及び保証金の差入による支出総計562百万円であります。
これら資金の源泉は、営業活動により獲得した資金であります。
当連結会計年度末の借入金等の状況は以下のとおりであります。
区分当連結会計
年度末残高
(百万円)
返済スケジュール
1年以内
(百万円)
1年超2年以内
(百万円)
2年超3年以内
(百万円)
短期借入金500
1年内に返済予定の長期借入金301301
長期借入金(1年以内に返済予定のものを除く。)
1年以内に返済予定のリース債務128128
リース債務(1年以内に返済予定のものを除く。)1818252
合計6104298252

d.経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
e.経営者の問題認識と今後の方針について
経営者の問題認識と今後の方針につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。