有価証券報告書-第28期(2022/03/01-2023/01/31)

【提出】
2023/04/26 16:01
【資料】
PDFをみる
【項目】
135項目
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当連結会計年度(2022年3月1日~2023年1月31日)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症に伴う行動制限や入国制限の緩和により、経済活動や個人消費活動の正常化に向けた動きが見られました。一方で、米国の金融引き締め政策による円安、ロシア・ウクライナ情勢に起因する経済への影響、資源価格の高騰等、経済環境の変化により、引き続き先行きが不透明な経済情勢が続いております。
外食業界におきましても、3月下旬にまん延防止等重点措置が解除され、一時的に人流が回復したものの、7月以降の新型コロナウイルス感染症の第7波により、再び個人消費が低迷、その後、直近にて人流は再び戻りつつあるものの、需要は未だ回復途中であります。また、こうした環境下で、有効求人倍率は上がり続けており、働き手不足にも至っております。更に、経済環境変化によるサプライチェーンへの影響により原材料価格が高騰し、依然として厳しい状況が続いております。
こうした環境の中、当社グループは、アフターコロナを見据え、お客様により楽しんでいただくことを目的に各事業のブラッシュアップに努め、安全面に配慮しながらも各事業で積極的な営業を実施いたしました。
① 財政状態及び経営成績の状況
(国内事業)
全体的には、新型コロナウイルス感染症の第7波による影響を受けながらも、各事業コンテンツを導入する公園再生プロジェクトの1つである葛西臨海公園再生プロジェクトにおいて、更なる拡張を実行し、2022年4月に環境保全を意識した持続可能なバーベキュー場「なぎさBBQ」(アウトドア事業)をオープンいたしました。また、アウトドア事業の既存店舗では、昨年コロナ禍で営業が出来なかった店舗においても、空間や商品、プライシングの見直しを図るとともに、例年より早期オープンすることにより、好調な業績を残すことに成功いたしました。
ブライダル事業では、当社グループの大型店舗である「徳川園」において、2022年4月よりPark-PFI制度を活用した管理運営に切り替わることに伴い、コンソーシアムグループ「徳川の杜」の一員として、約3ヶ月にわたる大幅リニューアル工事を実施し、従前とは異なる柔軟な運営が可能となったことから、新規事業の構築を進め、7月に再開業を実施しております。
これらの結果、売上面においては、コロナ前の2020年2月期比で78.0%となったものの、計画比では87.7%と、第7波、第8波の影響を受けながらも高水準にて着地いたしました。一方で利益面においては、アウトドア事業は計画以上の利益を創出したものの、アロハテーブル事業、ダイニング事業において、原材料価格の高騰、人件費を中心としたコストを吸収しきれず、計画を下回る水準にて着地いたしました。
(海外事業)
米国ハワイ州にて事業を運営しております連結子会社 ZETTON,INC.のインターナショナル事業におきましては、経済活動の活発化に加え、戦略的な営業施策が功を奏し、既存店舗は好調に推移、また、更なる事業規模拡大に向けて、2021年11月に業態変更を行ったアイランドフレンチの新店「natuRe waikiki」のオープンをはじめ、人気店舗「Aloha Steak House」の移転拡張や、「CAMADO Ramen Tavern」、「The Seaside-seafood・raw bar・wine-」と言った新業態にもチャレンジ、好調な立ち上がりに成功しております。
これらの結果、売上面においては、2020年2月期比で139.0%、利益面においても、新規店舗のイニシャルコストを吸収して黒字にて着地いたしました。加えて、2021年9月に米国政府による「RRF(レストラン活性化基金)」受給を今期の会計に反映させることにより、過去最高益を達成しております。
ゼットングループとして、引き続き当社グループの持つブランド力を最大限に生かしながら、創業時からの企業理念「店づくりは、人づくり。店づくりは、街づくり。」はアフターコロナの新しい時代においてこそ、ぶれる事のない普遍の理念であることを認識し、持続可能な社会の実現と永続的な企業価値の向上を目指してまいります。
当連結会計年度(2022年3月1日~2023年1月31日)の連結業績につきましては、売上高9,053百万円(前年同期は4,619百万円)、営業利益372百万円(前年同期は営業損失1,179百万円)、経常利益452百万円(前年同期は263百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益486百万円(前年同期は582百万円)となりました。
※店舗数については、当期間に4店舗の新規出店、6店舗の退店を行ったことにより、当期末の店舗数は、直営店68店舗(国内60店舗、海外8店舗)、FC店3店舗の合計71店舗となっております。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ519百万円減少の1,794百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は536百万円(前年同期は1,161百万円の収入)となりました。これは主に助成金の受取額353百万円、税金等調整前当期純利益352百万円等の資金増加要因が、未収入金の増加額175百万円、売上債権の増加額121百万円、法人税等の支払額94百万円等の資金減少要因を上回ったこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は735百万円(前年同期は81百万円の支出)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出681百万円、差入保証金の差入による支出35百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は466百万円(前年同期は661百万円の収入)となりました。これは主に長期借入金の返済による支出581百万円等によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績を示すと、次のとおりであります。
なお、当社グループは単一セグメントであるため、セグメントの名称を飲食事業として記載しております。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2022年3月1日
至 2023年1月31日)
金額(千円)前期比(%)
飲食事業2,269,067190.82%
合計2,269,067190.82%

(注)当社グループの主たる事業は、飲食店舗の運営であるため、生産実績の金額には売上原価の金額を記載しております。
b.受注実績
当社グループの主たる事業は飲食店舗の運営であり、提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、記載を省略しております。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績を示すと、次のとおりであります。
なお、当社グループは単一セグメントであるため、セグメントの名称を飲食事業として記載しております。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2022年3月1日
至 2023年1月31日)
金額(千円)前期比(%)
飲食事業9,053,726195.99%
合計9,053,726195.99%

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて作成しております。この連結財務諸表の作成にあたっては、決算日における財政状態及び経営成績に影響を与えるような経営者の見積り及び予測を必要としております。当社グループは、過去の実績値や状況を総合的に勘案して合理的と判断される前提に基づき、見積り及び予測を行っております。実際の結果は、見積り特有の不確実性が存在するため、これら見積りと異なる場合があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
(固定資産の減損)
当社グループは、原則として、各店舗を独立したキャッシュ・フローを生み出す最小の単位としてグルーピングをしており、減損の兆候がある店舗について、割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、減損損失を計上しております。回収可能価額は、正味売却価額または使用価値により算定しております。
減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、減損処理が必要となる場合があります。
なお、新型コロナウイルス感染症の当社グループの影響につきましては、店舗の休業及び営業時間の短縮等により来客数及び売上高が減少し、経営成績に大きな影響を受けております。
新型コロナウイルス感染症の収束時期は不透明であり、予測することは困難な状況ではありますが、2024年1月期も継続するものの、2025年1月期以降については、当該感染症の拡大以前の状況まで回復するとの仮定に基づき、固定資産の減損の会計上の見積りを行っております。
(繰延税金資産)
当社グループは、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、繰延税金資産及び法人税等調整額に重要な影響を与える可能性があります。
なお、新型コロナウイルス感染症の当社グループの影響につきましては、店舗の休業及び営業時間の短縮等により来客数及び売上高が減少し、経営成績に大きな影響を受けております。
新型コロナウイルス感染症の収束時期は不透明であり、予測することは困難な状況ではありますが、2024年1月期も継続するものの、2025年1月期以降については、当該感染症の拡大以前の状況まで回復するとの仮定に基づき、繰延税金資産の回収可能性の会計上の見積りを行っております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する分析及び検討内容
イ 財政状態
財政状態の分析については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」をご参照ください。
ロ 経営成績
Ⅰ(売上高)
日本国内におきましては、全体的には、新型コロナウイルス感染症の第7波による影響を受けながらも、特にアウトドア事業では、昨年コロナ禍で営業が出来なかった店舗においても、空間や商品、プライシングの見直しを図るとともに、例年より早期オープンすることにより、好調な業績を残すことに成功いたしました。
ブライダル事業では、当社グループの大型店舗である「徳川園」において、2022年4月よりPark-PFI制度を活用した管理運営に切り替わることに伴い、コンソーシアムグループ「徳川の杜」の一員として、約3ヶ月にわたる大幅リニューアル工事を実施し、従前とは異なる柔軟な運営が可能となったことから、新規事業の構築を進め、7月に再開業を実施しております。
これらの結果、売上面においては、第7波、第8波の影響を受けながらも高水準にて着地いたしました。
米国ハワイ州にて事業を運営しております連結子会社 ZETTON,INC.のインターナショナル事業におきましては、経済活動の活発化に加え、戦略的な営業施策が功を奏し、既存店舗は好調に推移、また、更なる事業規模拡大を図りました。
これらの結果、売上面においては、2020年2月期比で136.8%と好調に着地いたしました。
Ⅱ(営業利益)
国内のアウトドア事業は計画以上の利益を創出したものの、アロハテーブル事業、ダイニング事業において、原材料価格の高騰、人件費を中心としたコストを吸収しきれず、計画を下回る利益にて着地いたしました。一方で海外のインターナショナル事業において、2021年9月に米国政府による「RRF(レストラン活性化基金)」受給を今期の会計に反映させることにより、全体としては、372百万円の営業利益(前年同期は営業損失1,179百万円)となりました。
Ⅲ(経常利益)
休業協力金収入及び支払利息の削減の結果、452百万円の経常利益(前年同期は経常利益263百万円)となりました。
Ⅳ(親会社株主に帰属する当期純利益)
親会社株主に帰属する当期純利益486百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純利益582百万円)となりました。
ハ 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」をご参照ください。
ニ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、原材料費、人件費及び店舗家賃等の営業費用であり、設備投資資金需要のうち主なものは、新規出店及び既存店の改装費等であります。
これらの必要資金については、営業キャッシュ・フローで充当するとともに、必要に応じて金融機関等からの借入れによる資金調達を実施して充当しております。今後におきましても、安定的な経営を続けるために必要な流動性を確保しながら、金融情勢を勘案して、安定資金を重点的に調達していく方針であります。なお、当連結会計年度末における有利子負債の残高は、980百万円であります。
ホ 経営者の問題認識と今後の方針について
当社グループにおける今後の成長に向けた課題については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。
へ 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、売上高、営業利益、営業利益率、総資産当期純利益率及び自己資本比率を重要な経営指標として位置付け、2026年1月期を最終年度とする中期事業計画の数値目標(売上高150億円、営業利益10億5千万円、営業利益率7%、総資産当期純利益率10%、自己資本比率45%(注))を掲げております。
コロナ禍を経て、人々の消費マインドが大きく変化していく世の中の動きに合わせて、新たに求められる価値のある事業や店舗の在り方、お客様が求めること、スタッフが求めることを大事にしていくことを前提に企業経営を進めてまいります。この中期事業計画「zetton VISION 23 to 26 ~Road to 2030~」に則り、アフターコロナを見据えた、今後のビジネスチャンスに速やかに対応していき、更なる企業価値向上を図ってまいります。
(注)在外子会社によるASC第842号「リース」の適用の影響を控除・修正したBSにて算出しております。