有価証券報告書-第48期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
① 財政状態及び経営成績の状況
当期における世界経済は、2月にNYダウが29,500ドルを超えて史上最高値を更新したものの、米中貿易摩擦の激化に加え、新型コロナウイルス感染症の被害拡大でサプライチェーンの寸断が進み、各国で経済が停滞し始めました。我が国経済もこの世界経済停滞の影響により、緩やかな拡大を続けてきた景気が減速に転じ始めています。
国内商品先物市場における金の市況については、世界経済の停滞感から安全資産としての金に投資資金が集まり、9月前半には1グラム5,300円を超えました。その後値動きは小康状態となりましたが、年末以降、米国の利下げや新型コロナウイルス感染症の被害拡大による不安感から、2月後半には一時1グラム5,913円と上場来高値を更新し、1日の売買高が20万枚を超える日も出るなど、人気に拍車がかかりました。
白金の市況については、8月末から9月初めにかけ、中国の国内主要都市の自動車購入規制緩和見通しや、パラジウムとの価格差を意識した買いなどが入り、1グラム3,400円台まで急伸しました。その後1グラム3,000円台まで値を戻しましたが、12月中旬以降、南アフリカの計画停電や米国の利下げにより、1月には1グラム3,600円台まで上昇したものの、新型コロナウイルス感染症による世界経済の停滞懸念により、3月中旬には一時1グラム2,000円割れまで急落しました。
国内商品先物市場においては、貴金属市場は売買高が回復しましたが、原油を中心とするエネルギー市場等が低迷したことから、当期における国内商品取引所の総売買高(金先物オプション取引等を含む)は43,413千枚で、前年同期比1.9%の増加となりました。
当社においては、主力商品である金標準取引の当期における委託売買高は310千枚で前年同期比10.0%の増加、準主力商品である白金標準取引の委託売買高が135千枚で前年同期比51.6%の増加となり、全商品の総委託売買高は450千枚で前年同期比19.2%の増加となりました。
この結果、当期の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当期末の資産合計は、前期末に比べ1,268百万円増加し、19,641万円(前期比6.9%増)となりました。
当期末の負債合計は、前期末に比べ501百万円増加し、13,740百万円(前期比3.8%増)となりました。
当期末の純資産合計は、前期末に比べ766百万円増加し、5,901百万円(前期比14.9%増)となりました。
b.経営成績
当期の経営成績は、営業収益4,626百万円(前期比30.8%増)、営業利益1,106百万円(前期は66百万円の利益)、経常利益1,129百万円(前期比940.5%増)、当期純利益737百万円(前期比911.3%増)となりました。
なお、新型コロナウイルス感染症による当期の事業活動への影響は特段ありませんでしたが、当該感染症の世界的な被害拡大については、商品市況へ一定の影響を与える可能性はあり、また今後の当社の業績への影響は合理的には見通せない状況となっております。
② キャッシュ・フローの状況
当期における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前年同期に比べ1,496百万円増加し、当期末には3,977百万円となりました。なお、当期におけるキャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当期において営業活動の結果得られた資金は1,358百万円(前年同期末27百万円の支出)となりました。これは主に、税引前当期純利益の増加によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当期において投資活動の結果得られた資金は112百万円(前年同期末11百万円の収入)となりました。これは主に投資有価証券の売却による収入等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当期において財務活動の結果得られた資金は25百万円(前年同期末7百万円の支出)となりました。これは主に自己株式の売却による収入等によるものであります。
③ 商品先物取引関連事業
イ.当事業年度における営業収益は次のとおりであります。
1)受取手数料
(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.委託者の実現損益や含み損益は、対象商品の価格の変動によって左右されるべきものであります。
2)売買損益
(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
ロ.当社の商品先物取引の売買高に関して当事業年度の状況は次のとおりであります。
1)商品先物取引の売買高の状況
(注)1.主な商品別の委託売買高とその総委託売買高に対する割合は、次のとおりであります。
2.商品先物取引における取引の最低単位を枚と呼び、例えば金1枚は1kg、とうもろこし1枚は50tというように1枚当たりの数量は商品ごとに異なります。
ハ.当社の商品先物取引に関する売買高のうち当事業年度末において反対売買等により決済されていない建玉の状況は次のとおりであります。
1)商品先物取引の未決済建玉の状況
(注)未決済建玉数は、未決済の売建玉枚数と買建玉枚数の合計であります。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表作成にあたりまして、会計記録が適切であり、当社の役員及び内部統制上重要な役割を有する従業員による、財務諸表に重要な影響を与える違法または不正な行為がないことを十分に調査し、当社監査人たる監査法人アリアに必要な帳簿、証憑等を提示しております。
また、時価が著しく下落した有価証券及び実質価値が著しく下落した市場価格がない株式及び評価額が著しく下落した不動産につきましては、必要な減損処理をすると共に、取り立て不能のおそれのある債権につきましては、必要と認められる額の引当金を計上しております。
さらに、無担保未収金や貸付金について債務者と取り交わした弁済計画書等による回収予定が滞った場合等は適宜、引当金の追加計上を行う考えであります。
② 当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
1)財政状態
当期末の総資産は、現金及び預金の増加(1,496百万円)などにより、1,268百万円増加し、19,641百万円(前年同期比6.9%増)となりました。
負債は、主に預り証拠金の増加(452百万円)などにより、501百万円増加し、13,740百万円(前年同期比3.8%増)となりました。
純資産合計は、当期純利益737百万円の計上等により、766百万円増加し5,901百万円(前年同期比14.9%増)となりました。
2)経営成績
受取手数料は4,324百万円(前年同期比27.4%増)で売買損益は301百万円(前年同期比109.5%増)となり、営業収益は4,626百万円(前年同期比30.8%増)となりました。広告宣伝費や人件費等、経費抑制は継続して行っており、営業利益は1,106百万円(前年同期比16.6倍)となりました。経常利益については1,129百万円(前年同期比940.5%増)となりました。また、商品取引責任準備金の戻入額165百万円と繰入額168百万円との差引損失分が3百万円、投資有価証券売却益が74百万円、特別調査費用引当金繰入額が172百万円、固定資産の減損損失が37百万円となっており、当期純利益は737百万円(前年同期比911.3%増)となりました。
3)キャッシュ・フローの状況
当期のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営成績に重要な影響を与える要因としましては、当商品先物業界において平成17年5月の改正商品取引所法により、制度やルールが大幅に変更され、規制強化の方向が打ち出されたことが挙げられます。そして平成19年9月の改正商品取引所法の施行を経て、平成21年7月には商品取引所法が商品先物取引法に改定され、三段階に分けて施行されることとなりました。平成23年1月に施行された商品先物取引法においては不招請勧誘の禁止等が織り込まれ、平成27年6月の改正商品先物取引法施行規則の施行により一部規制緩和が行われたものの、各商品先物取引業者は今まで以上に法令・諸規則の理解を深めるとともに、より高いレベルの内部監査体制が求められると考えております。
c.資本の財源及び資金の流動性
当社は健全な財務基盤の確保を重視しております。運転資金及び設備資金全般につきましては、主に内部資金から資金調達をしております。なお、当期末日現在における借入金の残高はありません。
d.経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
商品先物取引業者は、商品先物取引法の定めに基づき、純資産額規制比率を120%以上に保つことが義務付けられています。商品市場における相場等に係る変動その他の理由により、商品先物取引業者の財務状況が急激に悪化等した場合においても、商品先物取引業者の経営の安定性確保、顧客保護の観点から、リスクに見合った純資産額を維持しなければなりません。当社におきましては、収益力を強化することで純資産額を増加させ、適正以上の純資産額を維持するよう努めてまいります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当期における世界経済は、2月にNYダウが29,500ドルを超えて史上最高値を更新したものの、米中貿易摩擦の激化に加え、新型コロナウイルス感染症の被害拡大でサプライチェーンの寸断が進み、各国で経済が停滞し始めました。我が国経済もこの世界経済停滞の影響により、緩やかな拡大を続けてきた景気が減速に転じ始めています。
国内商品先物市場における金の市況については、世界経済の停滞感から安全資産としての金に投資資金が集まり、9月前半には1グラム5,300円を超えました。その後値動きは小康状態となりましたが、年末以降、米国の利下げや新型コロナウイルス感染症の被害拡大による不安感から、2月後半には一時1グラム5,913円と上場来高値を更新し、1日の売買高が20万枚を超える日も出るなど、人気に拍車がかかりました。
白金の市況については、8月末から9月初めにかけ、中国の国内主要都市の自動車購入規制緩和見通しや、パラジウムとの価格差を意識した買いなどが入り、1グラム3,400円台まで急伸しました。その後1グラム3,000円台まで値を戻しましたが、12月中旬以降、南アフリカの計画停電や米国の利下げにより、1月には1グラム3,600円台まで上昇したものの、新型コロナウイルス感染症による世界経済の停滞懸念により、3月中旬には一時1グラム2,000円割れまで急落しました。
国内商品先物市場においては、貴金属市場は売買高が回復しましたが、原油を中心とするエネルギー市場等が低迷したことから、当期における国内商品取引所の総売買高(金先物オプション取引等を含む)は43,413千枚で、前年同期比1.9%の増加となりました。
当社においては、主力商品である金標準取引の当期における委託売買高は310千枚で前年同期比10.0%の増加、準主力商品である白金標準取引の委託売買高が135千枚で前年同期比51.6%の増加となり、全商品の総委託売買高は450千枚で前年同期比19.2%の増加となりました。
この結果、当期の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当期末の資産合計は、前期末に比べ1,268百万円増加し、19,641万円(前期比6.9%増)となりました。
当期末の負債合計は、前期末に比べ501百万円増加し、13,740百万円(前期比3.8%増)となりました。
当期末の純資産合計は、前期末に比べ766百万円増加し、5,901百万円(前期比14.9%増)となりました。
b.経営成績
当期の経営成績は、営業収益4,626百万円(前期比30.8%増)、営業利益1,106百万円(前期は66百万円の利益)、経常利益1,129百万円(前期比940.5%増)、当期純利益737百万円(前期比911.3%増)となりました。
なお、新型コロナウイルス感染症による当期の事業活動への影響は特段ありませんでしたが、当該感染症の世界的な被害拡大については、商品市況へ一定の影響を与える可能性はあり、また今後の当社の業績への影響は合理的には見通せない状況となっております。
② キャッシュ・フローの状況
当期における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前年同期に比べ1,496百万円増加し、当期末には3,977百万円となりました。なお、当期におけるキャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当期において営業活動の結果得られた資金は1,358百万円(前年同期末27百万円の支出)となりました。これは主に、税引前当期純利益の増加によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当期において投資活動の結果得られた資金は112百万円(前年同期末11百万円の収入)となりました。これは主に投資有価証券の売却による収入等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当期において財務活動の結果得られた資金は25百万円(前年同期末7百万円の支出)となりました。これは主に自己株式の売却による収入等によるものであります。
③ 商品先物取引関連事業
イ.当事業年度における営業収益は次のとおりであります。
1)受取手数料
| 区分 | 金額(千円) | 前年同期比(%) | |
| 商品先物取引 | |||
| 現物先物取引 | |||
| 貴金属市場 | 4,318,808 | 127.6 | |
| ゴム市場 | 2,688 | 49.3 | |
| 農産物・砂糖市場 | 973 | 115.0 | |
| 農産物市場 | 43 | 20.0 | |
| エネルギー市場 | 391 | 30.7 | |
| 小計 | 4,322,905 | 127.4 | |
| 現金決済先物取引 | |||
| エネルギー市場 | 1,767 | 83.3 | |
| 小計 | 1,767 | 83.3 | |
| 商品先物取引計 | 4,324,672 | 127.4 | |
| 合計 | 4,324,672 | 127.4 | |
(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.委託者の実現損益や含み損益は、対象商品の価格の変動によって左右されるべきものであります。
2)売買損益
| 区分 | 金額(千円) | 前年同期比(%) | |
| 商品先物取引 | |||
| 現物先物取引 | |||
| 貴金属市場 | △22,419 | △721.6 | |
| 小計 | △22,419 | △721.6 | |
| 商品先物取引計 | △22,419 | △721.6 | |
| 商品売買損益 | 324,059 | 230.0 | |
| 合計 | 301,639 | 209.5 | |
(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
ロ.当社の商品先物取引の売買高に関して当事業年度の状況は次のとおりであります。
1)商品先物取引の売買高の状況
| 市場 | 委託(枚) | 前年同期比(%) | 自己(枚) | 前年同期比(%) | 合計(枚) | 前年同期比(%) |
| 現物先物取引 | ||||||
| 貴金属市場 | 447,465 | 120.0 | 4,801 | 54.3 | 452,266 | 118.5 |
| ゴム市場 | 1,355 | 49.1 | - | - | 1,355 | 49.1 |
| 農産物・砂糖市場 | 599 | 108.1 | - | - | 599 | 108.1 |
| 農産物市場 | 36 | 116.1 | - | - | 36 | 116.1 |
| エネルギー市場 | 207 | 30.3 | - | - | 207 | 30.3 |
| 小計 | 449,662 | 119.3 | 4,801 | 54.3 | 454,463 | 117.8 |
| 現金決済先物取引 | ||||||
| エネルギー市場 | 931 | 80.5 | - | - | 931 | 80.5 |
| 小計 | 931 | 80.5 | - | - | 931 | 80.5 |
| 合計 | 450,593 | 119.2 | 4,801 | 54.3 | 455,394 | 117.7 |
(注)1.主な商品別の委託売買高とその総委託売買高に対する割合は、次のとおりであります。
| 取引所名 | 銘柄名 | 前事業年度 (自 平成30年4月1日 至 平成31年3月31日) | 当事業年度 (自 平成31年4月1日 至 令和2年3月31日) | ||
| 委託売買高 (枚) | 割合(%) | 委託売買高 (枚) | 割合(%) | ||
| 東京商品取引所 | 金 | 282,356 | 74.7 | 310,711 | 69.0 |
| 東京商品取引所 | 白金 | 89,526 | 23.7 | 135,761 | 30.1 |
| 東京商品取引所 | ゴム(RSS3) | 2,700 | 0.7 | 1,351 | 0.3 |
| 東京商品取引所 | 原油 | 1,156 | 0.3 | 931 | 0.2 |
| 東京商品取引所 | 銀 | 631 | 0.2 | 672 | 0.1 |
| 東京商品取引所 | とうもろこし | 436 | 0.1 | 595 | 0.1 |
| 東京商品取引所 | パラジウム | 422 | 0.1 | 321 | 0.1 |
| 東京商品取引所 | ガソリン | 513 | 0.1 | 198 | 0.0 |
| 大阪堂島商品取引所 | 新潟コシ | 7 | 0.0 | 36 | 0.0 |
| 東京商品取引所 | 灯油 | 171 | 0.0 | 9 | 0.0 |
| 東京商品取引所 | 小豆 | 99 | 0.0 | - | - |
2.商品先物取引における取引の最低単位を枚と呼び、例えば金1枚は1kg、とうもろこし1枚は50tというように1枚当たりの数量は商品ごとに異なります。
ハ.当社の商品先物取引に関する売買高のうち当事業年度末において反対売買等により決済されていない建玉の状況は次のとおりであります。
1)商品先物取引の未決済建玉の状況
| 市場 | 委託(枚) | 前年同期比(%) | 自己(枚) | 前年同期比(%) | 合計(枚) | 前年同期比(%) |
| 現物先物取引 | ||||||
| 貴金属市場 | 14,361 | 59.6 | - | - | 14,361 | 59.6 |
| ゴム市場 | 56 | 193.1 | - | - | 56 | 193.1 |
| 農産物・砂糖市場 | 63 | 105.0 | - | - | 63 | 105.0 |
| 農産物市場 | 1 | 33.3 | - | - | 1 | 33.3 |
| エネルギー市場 | 2 | 13.3 | - | - | 2 | 13.3 |
| 小計 | 14,483 | 59.9 | - | - | 14,483 | 59.8 |
| 現金決済先物取引 | ||||||
| エネルギー市場 | 77 | 226.5 | - | - | 77 | 226.5 |
| 小計 | 77 | 226.5 | - | - | 77 | 226.5 |
| 合計 | 14,560 | 60.1 | - | - | 14,560 | 60.1 |
(注)未決済建玉数は、未決済の売建玉枚数と買建玉枚数の合計であります。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表作成にあたりまして、会計記録が適切であり、当社の役員及び内部統制上重要な役割を有する従業員による、財務諸表に重要な影響を与える違法または不正な行為がないことを十分に調査し、当社監査人たる監査法人アリアに必要な帳簿、証憑等を提示しております。
また、時価が著しく下落した有価証券及び実質価値が著しく下落した市場価格がない株式及び評価額が著しく下落した不動産につきましては、必要な減損処理をすると共に、取り立て不能のおそれのある債権につきましては、必要と認められる額の引当金を計上しております。
さらに、無担保未収金や貸付金について債務者と取り交わした弁済計画書等による回収予定が滞った場合等は適宜、引当金の追加計上を行う考えであります。
② 当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
1)財政状態
当期末の総資産は、現金及び預金の増加(1,496百万円)などにより、1,268百万円増加し、19,641百万円(前年同期比6.9%増)となりました。
負債は、主に預り証拠金の増加(452百万円)などにより、501百万円増加し、13,740百万円(前年同期比3.8%増)となりました。
純資産合計は、当期純利益737百万円の計上等により、766百万円増加し5,901百万円(前年同期比14.9%増)となりました。
2)経営成績
受取手数料は4,324百万円(前年同期比27.4%増)で売買損益は301百万円(前年同期比109.5%増)となり、営業収益は4,626百万円(前年同期比30.8%増)となりました。広告宣伝費や人件費等、経費抑制は継続して行っており、営業利益は1,106百万円(前年同期比16.6倍)となりました。経常利益については1,129百万円(前年同期比940.5%増)となりました。また、商品取引責任準備金の戻入額165百万円と繰入額168百万円との差引損失分が3百万円、投資有価証券売却益が74百万円、特別調査費用引当金繰入額が172百万円、固定資産の減損損失が37百万円となっており、当期純利益は737百万円(前年同期比911.3%増)となりました。
3)キャッシュ・フローの状況
当期のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営成績に重要な影響を与える要因としましては、当商品先物業界において平成17年5月の改正商品取引所法により、制度やルールが大幅に変更され、規制強化の方向が打ち出されたことが挙げられます。そして平成19年9月の改正商品取引所法の施行を経て、平成21年7月には商品取引所法が商品先物取引法に改定され、三段階に分けて施行されることとなりました。平成23年1月に施行された商品先物取引法においては不招請勧誘の禁止等が織り込まれ、平成27年6月の改正商品先物取引法施行規則の施行により一部規制緩和が行われたものの、各商品先物取引業者は今まで以上に法令・諸規則の理解を深めるとともに、より高いレベルの内部監査体制が求められると考えております。
c.資本の財源及び資金の流動性
当社は健全な財務基盤の確保を重視しております。運転資金及び設備資金全般につきましては、主に内部資金から資金調達をしております。なお、当期末日現在における借入金の残高はありません。
d.経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
商品先物取引業者は、商品先物取引法の定めに基づき、純資産額規制比率を120%以上に保つことが義務付けられています。商品市場における相場等に係る変動その他の理由により、商品先物取引業者の財務状況が急激に悪化等した場合においても、商品先物取引業者の経営の安定性確保、顧客保護の観点から、リスクに見合った純資産額を維持しなければなりません。当社におきましては、収益力を強化することで純資産額を増加させ、適正以上の純資産額を維持するよう努めてまいります。