有価証券報告書-第14期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)
(1) 経営成績等の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況(以下「経営成績等」という。)の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
当連結会計年度における我が国経済は、緩やかな回復基調で推移しました。企業部門においては、輸出・生産とも持ち直しが続いており、企業収益も改善しています。一方、家計部門においても、雇用情勢は着実に改善しており、個人消費も持ち直しております。先行きについては、雇用・所得環境の改善を背景に、緩やかな回復が続くことが期待されます。ただし、海外経済の不確実性や金融資本市場の変動の影響に留意する必要があります。
外国為替市場において、米ドル/円相場は、期首は1ドル=111円台半ばで取引が始まり、4月中旬、北朝鮮によるミサイル発射実験がなされると108円台前半まで値を下げたものの、5月上旬には地政学的リスクの後退や米国金利の上昇等から114円台前半まで値を上げました。その後も、6月中旬に米国におけるいわゆるロシアゲート問題に伴うドル売りから108円台後半まで値を下げる局面や9月上旬には北朝鮮建国記念日に向けたミサイル発射懸念等から一時107円台前半をつける局面もありましたが、概ね110円台から114円台にかけての狭いレンジでの相場推移となりました。その後、年が明けて1月上旬に米国が北米自由貿易協定の離脱の通知を検討しているとの報道がなされると、米国の通商政策への懸念からドル売り円買いが優勢となり、2月の上旬から中旬にかけては日米の株価下落を受け急ピッチなドル安円高が進展し、16日には105円台半ばをつけました。その後も、米国の通商政策への懸念をテーマに円高ドル安の流れは変わらず、3月23日には当期の安値となる104円台半ばをつけた後106円台前半で期末を迎えました。また、米ドル/円以外の主要な取扱い通貨である欧州・オセアニア通貨についても、期首より概ね円に対して強い動きでの推移の後、年が明けて以降は円に対して弱い動きとなりました。また、各通貨全体としての変動率は、米ドル/円を中心に各通貨とも大きく低下した結果、前期を大きく下回りました。
このような状況の中、当社グループは、主力サービスである外国為替証拠金取引について、スプレッドの縮小や新たにトルコリラ/円やメキシコペソ/円の取扱いを開始する等商品性を強化するとともに、積極的なキャンペーンに取り組むことにより、顧客取引の拡大を図りました。さらに、幅広い顧客層の獲得のため、少額外国為替証拠金取引サービス「パートナーズFXnano」に外貨ポジションを通貨で受け取ることのできるサービスの提供開始や複数の外貨に対応し世界中のマスターカード加盟店で利用可能なプリペイドカードである「Manepa Card」(マネパカード)について、知名度向上等のためのプロモーション活動に注力するなど、外国為替の実需層へのアプローチを強化いたしました。また、ビットコインをはじめとする仮想通貨については、9月29日に仮想通貨交換業の登録及び金融商品取引業者としての兼業の承認を受け、サービス開始に向けての準備に取り組んでおりますが、グローバルなアンチ・マネーロンダリング強化の流れの中で既存サービスへの影響を慎重に見極める必要が生じており、現時点ではサービス開始時期等については未定であります。
これらの結果、当連結会計年度の外国為替取引高は13,246億通貨単位(前期比42.2%増)となりました。また、当連結会計年度末の顧客口座数は314,547口座(前期末比17,686口座増)、顧客預り証拠金は61,758百万円(同2.4%増)、有価証券による預り資産額は8,241百万円(同30.9%増)となりました。
また、当連結会計年度の営業収益は、前期と比べスプレッド縮小等により外国為替取引高が大きく増加した一方、引き換えに収益性が低下したこと等から前期並みの6,029百万円(前期比0.2%減)となりました。一方、外国為替取引高の増加に伴う変動費の増加や外国為替相場の不測の変動に備えての金融費用の増加等に伴い営業利益は1,046百万円(同10.8%減)、経常利益は1,064百万円(同11.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は719百万円(同9.4%減)となりました。
② 財政状態の状況
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末と比較して4,415百万円増加し、84,344百万円となりました。これは流動資産が3,898百万円、固定資産が516百万円増加したことによるものであります。
負債は、前連結会計年度末と比較して3,908百万円増加し、71,331百万円となりました。これは主に流動負債が3,592百万円、固定負債が316百万円増加したことによるものであります。
純資産は、前連結会計年度末と比較して506百万円増加し、13,013百万円となりました。
(流動資産)
当連結会計年度末における主な流動資産の内訳は、預託金48,814百万円、トレーディング商品(資産)13,752百万円、現金・預金12,452百万円及び短期差入保証金5,352百万円であります。前連結会計年度末と比較して、外国為替証拠金取引の証拠金として預託された財産の増加等に伴う顧客区分管理信託を中心とする預託金の増加5,503百万円、顧客を相手方とする未決済の外国為替証拠金取引に係る評価益の増加等に伴うトレーディング商品(資産)の増加2,397百万円等があった一方、短期差入保証金の減少2,567百万円、現金・預金の減少1,479百万円等により3,898百万円増加しております。
(固定資産)
当連結会計年度末における主な固定資産の内訳は、投資有価証券414百万円、リース資産(有形固定資産)373百万円、ソフトウエア335百万円、ソフトウエア仮勘定324百万円、リース資産(無形固定資産)189百万円、建物165百万円、長期前払費用163百万円及び長期差入保証金150百万円であります。前連結会計年度末と比較して、外国為替取引システムや資金移動業関連システムの機能追加・更新等によるリース資産(有形及び無形固定資産)、ソフトウエア、ソフトウエア仮勘定及び長期前払費用の取得のほか、投資有価証券の取得等の増加要因があった一方、ソフトウエア等の減価償却、投資有価証券の分配・償還等の減少要因により516百万円増加しております。
(流動負債)
当連結会計年度末における主な流動負債の内訳は、受入保証金61,758百万円、預り金3,424百万円、短期借入金2,286百万円及び未払費用1,950百万円であります。前連結会計年度末と比較して、外国為替取引の証拠金として預託された受入保証金の増加1,432百万円、外国為替証拠金取引の決済等に備えての短期借入金の増加1,286百万円、未払費用の増加785百万円及び資金移動業や証券業に係る預り金の増加785百万円等があった一方、顧客を相手方とする未決済の外国為替証拠金取引に係る評価損の減少等に伴うトレーディング商品(負債)の減少676百万円等により3,592百万円増加しております。
(固定負債)
当連結会計年度末における主な固定負債の内訳は、リース債務442百万円であります。前連結会計年度末と比較して、外国為替取引システムの更新のためのリース資産(有形及び無形固定資産)の取得に伴うリース債務の増加があった一方、リース債務の返済等により316百万円増加しております。
(純資産)
当連結会計年度末における主な純資産の内訳は、資本金2,020百万円、資本剰余金2,160百万円、利益剰余金9,752百万円、自己株式△921百万円であります。前連結会計年度末と比較して、親会社株式に帰属する当期純利益による利益剰余金の増加719百万円、ストック・オプションの行使による資本金及び資本剰余金の増加7百万円及び業績連動型株式報酬による当社株式の交付等に伴う自己株式の減少1百万円があった一方、剰余金の配当による利益剰余金の減少211百万円があったこと等により506百万円増加しております。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動により1,939百万円減少、投資活動により434百万円減少、財務活動により894百万円増加いたしました。この結果、資金は前連結会計年度末に比べ1,479百万円の減少となり、当連結会計年度末における資金の残高は9,202百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は1,939百万円(前期は2,217百万円の収入)となりました。これは、税金等調整前当期純利益の計上1,064百万円、減価償却費の計上397百万円、前払費用の減少額137百万円及び未収入金の減少額116百万円等の資金増加要因があったことに加え、資金移動業関連の資産負債が差引485百万円の資金増加要因となった一方、法人税等の支払額231百万円等の資金減少要因に加え、外国為替取引関連の資産負債が差引3,909百万円の資金減少要因となったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は434百万円(前期は650百万円の支出)となりました。これは、投資事業組合からの分配による収入22百万円、投資有価証券の償還による収入15百万円があった一方、外国為替取引システムや資金移動業関連システムの機能追加・更新等による無形固定資産275百万円、長期前払費用50百万円及び有形固定資産45百万円の取得による支出のほか、投資有価証券の取得による支出100百万円があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は894百万円(前期は927百万円の支出)となりました。これは、外国為替証拠金取引の決済等に備えて短期借入金が1,286百万円の純増となった一方、配当金の支払額210百万円、リース債務の返済による支出187百万円があったこと等によるものであります。
(2) 業務の状況
① 受入手数料の内訳
(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
② トレーディング損益の内訳
(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
③ 金融収益の内訳
(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
④ その他の売上高の内訳
(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
⑤ 外国為替取引売買の状況
(注)1.上記金額は、顧客との相対取引による通貨毎の取引高であります。
2.「トルコリラ/円」は、当連結会計年度(平成29年5月)より取扱いを開始しております。
3.外国為替取引には、CFD(差金決済取引)を含めており、CFD(差金決済取引)の取引高は、原取引資産を米ドル換算した上で集計しております。
⑥ 自己資本規制比率
(注)金融商品取引業を営む子会社である株式会社マネーパートナーズの自己資本規制比率を記載しております。
(3) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、本項に記載した将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において、当社グループが判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、経営者は決算日における資産・負債の報告数値及び報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積りを行う必要があります。これらの見積りについては、過去の実績や状況に応じた合理的と考えられる方法により判断しておりますが、実際の結果は見積もり特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社は、特に以下の重要な会計方針が、当社グループの連結財務諸表の作成において使用される重要な見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。
(デリバティブの評価)
当社グループは、デリバティブ取引の結果生じる正味の債権及び債務については時価をもって貸借対照表価額とし、その評価差額は当期の損益として処理しております。評価に使用する時価は、インターバンク市場における価額を参照し当社グループの顧客に対して取引価額として生成、提示する買い価額と売り価額の仲値を採用しております。
(貸倒引当金)
当社グループは、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別の回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しております。従って、債務者の財政状態が悪化し、その支払能力が低下した場合には、追加の引当が必要となることがあります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因としては、当社グループは主として外国為替証拠金取引に係る事業を行っていることから、営業収益は、経常的に当社グループの顧客の外国為替証拠金取引における投資動向に大きな影響を受けます。とりわけ外国為替市場の変動率(ボラティリティ)は、これが高まれば外国為替証拠金取引は活発に、低下すれば不活発になる傾向があることから、経営成績に重要な影響を与える主要な要因であると考えております。当連結会計年度の外国為替市場の状況は、「(1) 経営成績等の概要 ① 経営成績の状況」に記載のとおりでありますが、これが経営成績に与えた影響の度合いは、定量的に把握することが困難であります。指標の一つとして各通貨ペアの値動きの状況という観点で、日々の高値・安値の値幅を見た場合、主要な通貨ペアである米ドル/円で前期と比べ平均値が約30%減少した他、ユーロ/円・英ポンド/円・豪ドル/円で10%~30%程度の減少となるなど、総じて値動きが乏しい状況であったものと考えております。この結果、業界全体の外国為替証拠金取引高は、前期を約18%下回る結果となっております。一方、外国為替証拠金取引高は相場の影響で減少したものの、業界全体の顧客建玉の総量は、相場の影響による増減はあるものの、前期末から当期末にかけて約26%増加しており、顧客の数や顧客からの預り資産も増加するなど外国為替証拠金取引全体は継続的な成長を維持しているものと判断しております。このような環境の下、当連結会計年度における当社グループの経営成績については、外国為替証拠金取引による収益が大半を占めるトレーディング損益の減少幅が1%にとどまり前期とほぼ横這いの営業収益となったことをはじめ、当社グループの取組みは一定の成果を得たものと分析しております。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、当社グループは、外国為替取引を専門とする事業形態をとっていることから、顧客との外国為替取引に係る資産及び負債がそれぞれの大部分を占めております。これらの資産及び負債は、顧客との外国為替取引及び外国為替相場の動向により日々変動いたしますが、当社グループにおいては、顧客との外国為替取引の結果生じる外国為替ポジションの偏りをカウンターパーティとの外国為替取引により完全にカバーするよう運用を行っているため、顧客及びカウンターパーティとの外国為替取引に係る資産及び負債トータルの増減はほぼ営業収益の額の動きに連動し、これが当社グループのキャッシュ・フローの源泉となっております。一方、主な負のキャッシュ・フローとしては、営業活動によるキャッシュ・フローにおいては、営業費用に係る支出や法人税等の支払に係る支出のほか、増加する外国為替取引に備えて行うカウンターパーティへの差入証拠金の積み増し等への支出があり、投資活動によるキャッシュ・フローにおいては、増加する外国為替取引への対応や競業他社との差別化のために行う外国為替取引システム等への投資のための支出があります。当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況は、営業活動によるキャッシュ・フローが1,939百万円の支出となったこと等により、現金及び現金同等物の期末残高が前期と比べ1,479百万円減少することとなりましたが、これは主に外国為替証拠金取引のリスクヘッジのための建玉に係る年度末特有の相場変動によるリスクへの対応余力を増すために取引金融機関への預託を増加させたこと等によるものであり、資金の流動性については正常なリスク管理の中での循環が維持されているものと認識、分析しております。
当社グループが経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標として重視している自己資本利益率及び営業収益経常利益率については、当連結会計年度は自己資本利益率が5.6%、営業収益経常利益率が17.7%となりました。当社グループは、業績が外国為替相場の影響を大きく受け、その予測が困難であることから、それぞれの目標数値を公表しておりませんが、当連結会計年度については、外国為替相場の変動率等が想定を大きく下回ったことから目標数値を下回りました。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況(以下「経営成績等」という。)の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
当連結会計年度における我が国経済は、緩やかな回復基調で推移しました。企業部門においては、輸出・生産とも持ち直しが続いており、企業収益も改善しています。一方、家計部門においても、雇用情勢は着実に改善しており、個人消費も持ち直しております。先行きについては、雇用・所得環境の改善を背景に、緩やかな回復が続くことが期待されます。ただし、海外経済の不確実性や金融資本市場の変動の影響に留意する必要があります。
外国為替市場において、米ドル/円相場は、期首は1ドル=111円台半ばで取引が始まり、4月中旬、北朝鮮によるミサイル発射実験がなされると108円台前半まで値を下げたものの、5月上旬には地政学的リスクの後退や米国金利の上昇等から114円台前半まで値を上げました。その後も、6月中旬に米国におけるいわゆるロシアゲート問題に伴うドル売りから108円台後半まで値を下げる局面や9月上旬には北朝鮮建国記念日に向けたミサイル発射懸念等から一時107円台前半をつける局面もありましたが、概ね110円台から114円台にかけての狭いレンジでの相場推移となりました。その後、年が明けて1月上旬に米国が北米自由貿易協定の離脱の通知を検討しているとの報道がなされると、米国の通商政策への懸念からドル売り円買いが優勢となり、2月の上旬から中旬にかけては日米の株価下落を受け急ピッチなドル安円高が進展し、16日には105円台半ばをつけました。その後も、米国の通商政策への懸念をテーマに円高ドル安の流れは変わらず、3月23日には当期の安値となる104円台半ばをつけた後106円台前半で期末を迎えました。また、米ドル/円以外の主要な取扱い通貨である欧州・オセアニア通貨についても、期首より概ね円に対して強い動きでの推移の後、年が明けて以降は円に対して弱い動きとなりました。また、各通貨全体としての変動率は、米ドル/円を中心に各通貨とも大きく低下した結果、前期を大きく下回りました。
このような状況の中、当社グループは、主力サービスである外国為替証拠金取引について、スプレッドの縮小や新たにトルコリラ/円やメキシコペソ/円の取扱いを開始する等商品性を強化するとともに、積極的なキャンペーンに取り組むことにより、顧客取引の拡大を図りました。さらに、幅広い顧客層の獲得のため、少額外国為替証拠金取引サービス「パートナーズFXnano」に外貨ポジションを通貨で受け取ることのできるサービスの提供開始や複数の外貨に対応し世界中のマスターカード加盟店で利用可能なプリペイドカードである「Manepa Card」(マネパカード)について、知名度向上等のためのプロモーション活動に注力するなど、外国為替の実需層へのアプローチを強化いたしました。また、ビットコインをはじめとする仮想通貨については、9月29日に仮想通貨交換業の登録及び金融商品取引業者としての兼業の承認を受け、サービス開始に向けての準備に取り組んでおりますが、グローバルなアンチ・マネーロンダリング強化の流れの中で既存サービスへの影響を慎重に見極める必要が生じており、現時点ではサービス開始時期等については未定であります。
これらの結果、当連結会計年度の外国為替取引高は13,246億通貨単位(前期比42.2%増)となりました。また、当連結会計年度末の顧客口座数は314,547口座(前期末比17,686口座増)、顧客預り証拠金は61,758百万円(同2.4%増)、有価証券による預り資産額は8,241百万円(同30.9%増)となりました。
また、当連結会計年度の営業収益は、前期と比べスプレッド縮小等により外国為替取引高が大きく増加した一方、引き換えに収益性が低下したこと等から前期並みの6,029百万円(前期比0.2%減)となりました。一方、外国為替取引高の増加に伴う変動費の増加や外国為替相場の不測の変動に備えての金融費用の増加等に伴い営業利益は1,046百万円(同10.8%減)、経常利益は1,064百万円(同11.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は719百万円(同9.4%減)となりました。
② 財政状態の状況
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末と比較して4,415百万円増加し、84,344百万円となりました。これは流動資産が3,898百万円、固定資産が516百万円増加したことによるものであります。
負債は、前連結会計年度末と比較して3,908百万円増加し、71,331百万円となりました。これは主に流動負債が3,592百万円、固定負債が316百万円増加したことによるものであります。
純資産は、前連結会計年度末と比較して506百万円増加し、13,013百万円となりました。
(流動資産)
当連結会計年度末における主な流動資産の内訳は、預託金48,814百万円、トレーディング商品(資産)13,752百万円、現金・預金12,452百万円及び短期差入保証金5,352百万円であります。前連結会計年度末と比較して、外国為替証拠金取引の証拠金として預託された財産の増加等に伴う顧客区分管理信託を中心とする預託金の増加5,503百万円、顧客を相手方とする未決済の外国為替証拠金取引に係る評価益の増加等に伴うトレーディング商品(資産)の増加2,397百万円等があった一方、短期差入保証金の減少2,567百万円、現金・預金の減少1,479百万円等により3,898百万円増加しております。
(固定資産)
当連結会計年度末における主な固定資産の内訳は、投資有価証券414百万円、リース資産(有形固定資産)373百万円、ソフトウエア335百万円、ソフトウエア仮勘定324百万円、リース資産(無形固定資産)189百万円、建物165百万円、長期前払費用163百万円及び長期差入保証金150百万円であります。前連結会計年度末と比較して、外国為替取引システムや資金移動業関連システムの機能追加・更新等によるリース資産(有形及び無形固定資産)、ソフトウエア、ソフトウエア仮勘定及び長期前払費用の取得のほか、投資有価証券の取得等の増加要因があった一方、ソフトウエア等の減価償却、投資有価証券の分配・償還等の減少要因により516百万円増加しております。
(流動負債)
当連結会計年度末における主な流動負債の内訳は、受入保証金61,758百万円、預り金3,424百万円、短期借入金2,286百万円及び未払費用1,950百万円であります。前連結会計年度末と比較して、外国為替取引の証拠金として預託された受入保証金の増加1,432百万円、外国為替証拠金取引の決済等に備えての短期借入金の増加1,286百万円、未払費用の増加785百万円及び資金移動業や証券業に係る預り金の増加785百万円等があった一方、顧客を相手方とする未決済の外国為替証拠金取引に係る評価損の減少等に伴うトレーディング商品(負債)の減少676百万円等により3,592百万円増加しております。
(固定負債)
当連結会計年度末における主な固定負債の内訳は、リース債務442百万円であります。前連結会計年度末と比較して、外国為替取引システムの更新のためのリース資産(有形及び無形固定資産)の取得に伴うリース債務の増加があった一方、リース債務の返済等により316百万円増加しております。
(純資産)
当連結会計年度末における主な純資産の内訳は、資本金2,020百万円、資本剰余金2,160百万円、利益剰余金9,752百万円、自己株式△921百万円であります。前連結会計年度末と比較して、親会社株式に帰属する当期純利益による利益剰余金の増加719百万円、ストック・オプションの行使による資本金及び資本剰余金の増加7百万円及び業績連動型株式報酬による当社株式の交付等に伴う自己株式の減少1百万円があった一方、剰余金の配当による利益剰余金の減少211百万円があったこと等により506百万円増加しております。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動により1,939百万円減少、投資活動により434百万円減少、財務活動により894百万円増加いたしました。この結果、資金は前連結会計年度末に比べ1,479百万円の減少となり、当連結会計年度末における資金の残高は9,202百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は1,939百万円(前期は2,217百万円の収入)となりました。これは、税金等調整前当期純利益の計上1,064百万円、減価償却費の計上397百万円、前払費用の減少額137百万円及び未収入金の減少額116百万円等の資金増加要因があったことに加え、資金移動業関連の資産負債が差引485百万円の資金増加要因となった一方、法人税等の支払額231百万円等の資金減少要因に加え、外国為替取引関連の資産負債が差引3,909百万円の資金減少要因となったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は434百万円(前期は650百万円の支出)となりました。これは、投資事業組合からの分配による収入22百万円、投資有価証券の償還による収入15百万円があった一方、外国為替取引システムや資金移動業関連システムの機能追加・更新等による無形固定資産275百万円、長期前払費用50百万円及び有形固定資産45百万円の取得による支出のほか、投資有価証券の取得による支出100百万円があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は894百万円(前期は927百万円の支出)となりました。これは、外国為替証拠金取引の決済等に備えて短期借入金が1,286百万円の純増となった一方、配当金の支払額210百万円、リース債務の返済による支出187百万円があったこと等によるものであります。
(2) 業務の状況
① 受入手数料の内訳
| 当連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) | |||
| 金額(百万円) | 対前期増減率(%) | ||
| 委託手数料 | 4 | 53.4 | |
| 外国為替取引手数料 | 4 | 187.9 | |
| その他の受入手数料 | 96 | 8.8 | |
| 合計 | 104 | 13.1 | |
(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
② トレーディング損益の内訳
| 当連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) | |||
| 金額(百万円) | 対前期増減率(%) | ||
| 外国為替取引損益 | 5,671 | △1.0 | |
| 合計 | 5,671 | △1.0 | |
(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
③ 金融収益の内訳
| 当連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) | |||
| 金額(百万円) | 対前期増減率(%) | ||
| 受取利息 | 62 | 191.8 | |
| 合計 | 62 | 191.8 | |
(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
④ その他の売上高の内訳
| 当連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) | |||
| 金額(百万円) | 対前期増減率(%) | ||
| システム関係売上高 | 190 | △2.3 | |
| 合計 | 190 | △2.3 | |
(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
⑤ 外国為替取引売買の状況
| 区分 | 当連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) | ||
| 金額 | 対前期増減率(%) | ||
| 米ドル/円 | (百万ドル) | 900,938 | 38.8 |
| ユーロ/米ドル | (百万ユーロ) | 85,912 | 130.6 |
| 豪ドル/円 | (百万豪ドル) | 78,540 | △12.5 |
| ユーロ/円 | (百万ユーロ) | 71,999 | 159.3 |
| 英ポンド/円 | (百万ポンド) | 71,068 | 3.3 |
| トルコリラ/円 | (百万トルコリラ) | 40,516 | - |
| 南アフリカランド/円 | (百万ランド) | 18,679 | 62.1 |
| 英ポンド/米ドル | (百万ポンド) | 16,918 | 7.8 |
| その他 | (百万通貨単位) | 40,048 | 26.9 |
| 合計 | (百万通貨単位) | 1,324,622 | 42.2 |
(注)1.上記金額は、顧客との相対取引による通貨毎の取引高であります。
2.「トルコリラ/円」は、当連結会計年度(平成29年5月)より取扱いを開始しております。
3.外国為替取引には、CFD(差金決済取引)を含めており、CFD(差金決済取引)の取引高は、原取引資産を米ドル換算した上で集計しております。
⑥ 自己資本規制比率
| 前事業年度末 (平成29年3月31日) | 当事業年度末 (平成30年3月31日) | ||
| 金額(百万円) | 金額(百万円) | ||
| 基本的項目計 ① | 10,284 | 10,732 | |
| その他有価証券評価差額金(評価益)等 | - | - | |
| 金融商品取引責任準備金等 | 0 | 0 | |
| 補完的項目 | 一般貸倒引当金 | 2 | 2 |
| 長期劣後債務 | - | - | |
| 短期劣後債務 | - | - | |
| 計 ② | 3 | 3 | |
| 控除資産 ③ | 4,347 | 5,561 | |
| 固定化されていない自己資本 ①+②-③ (A) | 5,940 | 5,173 | |
| 市場リスク相当額 | 27 | 28 | |
| リスク相当額 | 取引先リスク相当額 | 255 | 212 |
| 基礎的リスク相当額 | 1,131 | 1,113 | |
| 計 (B) | 1,414 | 1,354 | |
| 自己資本規制比率 (A)/(B)×100 | 419.9% | 381.8% | |
(注)金融商品取引業を営む子会社である株式会社マネーパートナーズの自己資本規制比率を記載しております。
(3) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、本項に記載した将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において、当社グループが判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、経営者は決算日における資産・負債の報告数値及び報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積りを行う必要があります。これらの見積りについては、過去の実績や状況に応じた合理的と考えられる方法により判断しておりますが、実際の結果は見積もり特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社は、特に以下の重要な会計方針が、当社グループの連結財務諸表の作成において使用される重要な見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。
(デリバティブの評価)
当社グループは、デリバティブ取引の結果生じる正味の債権及び債務については時価をもって貸借対照表価額とし、その評価差額は当期の損益として処理しております。評価に使用する時価は、インターバンク市場における価額を参照し当社グループの顧客に対して取引価額として生成、提示する買い価額と売り価額の仲値を採用しております。
(貸倒引当金)
当社グループは、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別の回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しております。従って、債務者の財政状態が悪化し、その支払能力が低下した場合には、追加の引当が必要となることがあります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因としては、当社グループは主として外国為替証拠金取引に係る事業を行っていることから、営業収益は、経常的に当社グループの顧客の外国為替証拠金取引における投資動向に大きな影響を受けます。とりわけ外国為替市場の変動率(ボラティリティ)は、これが高まれば外国為替証拠金取引は活発に、低下すれば不活発になる傾向があることから、経営成績に重要な影響を与える主要な要因であると考えております。当連結会計年度の外国為替市場の状況は、「(1) 経営成績等の概要 ① 経営成績の状況」に記載のとおりでありますが、これが経営成績に与えた影響の度合いは、定量的に把握することが困難であります。指標の一つとして各通貨ペアの値動きの状況という観点で、日々の高値・安値の値幅を見た場合、主要な通貨ペアである米ドル/円で前期と比べ平均値が約30%減少した他、ユーロ/円・英ポンド/円・豪ドル/円で10%~30%程度の減少となるなど、総じて値動きが乏しい状況であったものと考えております。この結果、業界全体の外国為替証拠金取引高は、前期を約18%下回る結果となっております。一方、外国為替証拠金取引高は相場の影響で減少したものの、業界全体の顧客建玉の総量は、相場の影響による増減はあるものの、前期末から当期末にかけて約26%増加しており、顧客の数や顧客からの預り資産も増加するなど外国為替証拠金取引全体は継続的な成長を維持しているものと判断しております。このような環境の下、当連結会計年度における当社グループの経営成績については、外国為替証拠金取引による収益が大半を占めるトレーディング損益の減少幅が1%にとどまり前期とほぼ横這いの営業収益となったことをはじめ、当社グループの取組みは一定の成果を得たものと分析しております。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、当社グループは、外国為替取引を専門とする事業形態をとっていることから、顧客との外国為替取引に係る資産及び負債がそれぞれの大部分を占めております。これらの資産及び負債は、顧客との外国為替取引及び外国為替相場の動向により日々変動いたしますが、当社グループにおいては、顧客との外国為替取引の結果生じる外国為替ポジションの偏りをカウンターパーティとの外国為替取引により完全にカバーするよう運用を行っているため、顧客及びカウンターパーティとの外国為替取引に係る資産及び負債トータルの増減はほぼ営業収益の額の動きに連動し、これが当社グループのキャッシュ・フローの源泉となっております。一方、主な負のキャッシュ・フローとしては、営業活動によるキャッシュ・フローにおいては、営業費用に係る支出や法人税等の支払に係る支出のほか、増加する外国為替取引に備えて行うカウンターパーティへの差入証拠金の積み増し等への支出があり、投資活動によるキャッシュ・フローにおいては、増加する外国為替取引への対応や競業他社との差別化のために行う外国為替取引システム等への投資のための支出があります。当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況は、営業活動によるキャッシュ・フローが1,939百万円の支出となったこと等により、現金及び現金同等物の期末残高が前期と比べ1,479百万円減少することとなりましたが、これは主に外国為替証拠金取引のリスクヘッジのための建玉に係る年度末特有の相場変動によるリスクへの対応余力を増すために取引金融機関への預託を増加させたこと等によるものであり、資金の流動性については正常なリスク管理の中での循環が維持されているものと認識、分析しております。
当社グループが経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標として重視している自己資本利益率及び営業収益経常利益率については、当連結会計年度は自己資本利益率が5.6%、営業収益経常利益率が17.7%となりました。当社グループは、業績が外国為替相場の影響を大きく受け、その予測が困難であることから、それぞれの目標数値を公表しておりませんが、当連結会計年度については、外国為替相場の変動率等が想定を大きく下回ったことから目標数値を下回りました。