有価証券報告書-第15期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)
(1) 経営成績等の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況(以下「経営成績等」という。)の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
当連結会計年度における我が国経済は、足元では一部に弱さが見られるものの総じて緩やかな回復基調で推移しました。企業部門においては、輸出・生産は持ち直しの後弱い推移となり、企業収益も改善の後足踏み状態となりました。一方、家計部門においては、雇用情勢は改善しており、個人消費も持ち直しが継続しています。先行きについては、雇用・所得環境の改善を背景に、緩やかな回復が続くことが期待されます。ただし、通商問題の動向が世界経済に与える影響や、中国経済の先行き、海外経済の動向と政策に関する不確実性、金融資本市場の変動の影響に留意する必要があります。
外国為替市場において、米ドル/円相場は、1ドル=106円台前半で取引が始まり、米中の通商問題や北朝鮮情勢等のリスク要因の後退、更には米国金利の上昇を背景にドル高円安基調で推移し、5月21日には111円台半ばをつけました。その後も、8月に米国とトルコとの関係悪化への懸念等を背景とするリスク回避の流れから円が買われ一時109円台後半をつける局面はありましたが、10月4日には当期の高値となる114円台半ばまで値を上げました。その後は、米中通商問題への警戒感や米国金利政策への思惑が交錯する中、方向性に乏しい相場展開となり、111円台半ばから114円台前半にかけての狭い範囲で推移しました。ところが、12月中旬に米国金利政策への警戒感が台頭すると米国金利の低下、株安を伴い急ピッチなドル安円高の流れとなり、年が明けて1月3日には外国為替市場における商いの薄い中、投機的な動きと相俟ってドルは急落し一時的に当期の安値となる105円台前半をつけました。その後は、堅調な米国経済指標結果を背景に徐々に値を戻し、3月初頭にかけて112円台前半の水準まで値を上げましたが、3月下旬にグローバル経済後退への懸念からリスクオフムードが台頭すると円が買われ110円台後半で期末を迎えました。また、米ドル/円以外の主要な取扱い通貨である欧州・オセアニア通貨については、円に対して概ね期首から弱い動きで推移し、2019年1月3日の急激な円高を経た後、概ね横這いで推移しました。各通貨の変動率は、トルコリラを始めとする新興国通貨が8月に急落する局面があった一方、当期の米ドル/円の月足において全ての月で高値と安値の差が5円未満となるなど、主要な通貨について総じて歴史的とも言える低水準となりました。
このような状況の中、当社グループは、主力サービスである外国為替証拠金取引について、法人取引の最大レバレッジの最適化を行ったほか、取引高に応じたキャッシュバックキャンペーンや少額取引サービス「パートナーズFXnano」におけるスワップポイント拡大キャンペーン等、積極的なキャンペーン展開を実施した他、Brexit特集コンテンツの設置や新興国通貨に関する解説セミナー等外国為替に関する情報提供等に取り組むことにより顧客取引の拡大を図りました。また、複数の外貨に対応し世界中のマスターカード加盟店で利用可能なプリペイドカードである「Manepa Card」(マネパカード)について、会員専用サイトの改修やコンビニ予約入金サービスの開始、更にはAIチャットを使用した問い合わせ窓口対応の強化等による利便性の向上を図ったほか、新たに国内格安航空会社との提携による提携カードのサービス提供を開始いたしました。また、仮想通貨関連ビジネスにおいては、当初計画していた資金決済サービスとの連携サービスについて、世界的なマネーロンダリング・テロ資金供与対策強化の流れを受けて、既存サービスへの影響等の不確実性を排除できるまでには、なお時間を要するものと判断し、3月25日にキャピタルゲイン目的のトレードを含む仮想通貨交換業全般を目的とする子会社の設立を決定いたしました。
これらの結果、当連結会計年度の外国為替取引高は11,865億通貨単位(前期比10.4%減)となりました。また、当連結会計年度末の顧客口座数は330,230口座(前期末比15,683口座増)、顧客預り証拠金は62,557百万円(同1.3%増)、有価証券による預り資産額は6,872百万円(同16.6%減)となりました。
また、当連結会計年度の営業収益は、主要通貨ペアと比較して相場変動率の高かった新興国通貨の取引高の割合の増加が外国為替取引全体の収益性を底上げしたこと等からトレーディング損益が前期比微減にとどまったことに加え、システム関連売上高が大型案件の受注等により大きく増加したこと等により6,230百万円(前期比3.3%増)となりました。利益については、システム関連売上高増加に伴う売上原価の増加があった一方、販売費・一般管理費が全般的に減少した結果、営業利益は1,171百万円(同12.0%増)、経常利益は1,181百万円(同10.9%増)となりました。また、特別利益として投資有価証券売却益168百万円、特別損失として減損損失150百万円並びに投資有価証券評価損49百万円の計上がそれぞれあったことから、親会社株主に帰属する当期純利益は772百万円(同7.4%増)となりました。
② 財政状態の状況
「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)を当連結会計年度の期首から適用しており、以下の比較で使用する前連結会計年度末の数値は遡及処理後のものを使用しております。
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末と比較して2,057百万円増加し、86,402百万円となりました。これは流動資産が1,382百万円、固定資産が675百万円増加したことによるものであります。
負債は、前連結会計年度末と比較して1,575百万円増加し、72,906百万円となりました。これは流動負債が974百万円、固定負債が601百万円増加したことによるものであります。
純資産は、前連結会計年度末と比較して482百万円増加し、13,495百万円となりました。
(流動資産)
当連結会計年度末における主な流動資産の内訳は、預託金50,499百万円、現金・預金14,732百万円、トレーディング商品(資産)12,448百万円及び短期差入保証金4,142百万円であります。前連結会計年度末と比較して、現金・預金の増加2,280百万円、外国為替証拠金取引の証拠金として預託された財産の増加等に伴う顧客区分管理信託を中心とする預託金の増加1,685百万円等があった一方、顧客を相手方とする未決済の外国為替証拠金取引に係る評価益の減少等に伴うトレーディング商品(資産)の減少1,303百万円、短期差入保証金の減少1,210百万円等により1,382百万円増加しております。
(固定資産)
当連結会計年度末における主な固定資産の内訳は、リース資産(無形形固定資産)818百万円、リース資産(有形固定資産)532百万円、ソフトウエア仮勘定380百万円、ソフトウエア291百万円、投資有価証券286百万円、繰延税金資産207百万円及び長期前払費用159百万円であります。前連結会計年度末と比較して、外国為替取引システム更新や資金移動業関連システムの機能追加のための開発等によるリース資産(有形及び無形固定資産)の取得、ソフトウエア及び長期前払費用の取得、ソフトウエア仮勘定の計上等の増加要因があった一方、ソフトウエア等の減価償却、ソフトウエア仮勘定の減損損失及び投資有価証券評価損の計上等の減少要因があり、675百万円増加しております。
(流動負債)
当連結会計年度末における主な流動負債の内訳は、受入保証金62,557百万円、預り金3,867百万円、未払費用2,567百万円及び短期借入金1,000百万円であります。前連結会計年度末と比較して、外国為替証拠金取引の証拠金として預託された受入保証金の増加799百万円、未払費用の増加616百万円、資金移動業や証券業に係る預り金の増加443百万円、リース債務の増加178百万円及び顧客を相手方とする未決済の外国為替証拠金取引に係る評価損の増加等に伴うトレーディング商品(負債)の増加153百万円等があった一方、短期借入金の減少1,286百万円により全体としては974百万円増加しております。
(固定負債)
当連結会計年度末における主な固定負債の内訳は、リース債務1,022百万円であります。前連結会計年度末と比較して、リース資産(有形及び無形固定資産)の取得に伴うリース債務の増加があった一方、リース債務の返済等による減少があり、601百万円増加しております。
(純資産)
当連結会計年度末における主な純資産の内訳は、資本金2,022百万円、資本剰余金2,161百万円、利益剰余金10,232百万円、自己株式△915百万円であります。前連結会計年度末と比較して、親会社株主に帰属する当期純利益による利益剰余金の増加772百万円、業績連動型株式報酬による当社株式の交付等に伴う自己株式の減少6百万円及びストック・オプションの行使による資本金及び資本剰余金の増加2百万円があった一方、剰余金の配当による利益剰余金の減少293百万円があったこと等により482百万円増加しております。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動により4,136百万円増加、投資活動により100百万円減少、財務活動により1,755百万円減少いたしました。この結果、資金は前連結会計年度末に比べ2,280百万円の増加となり、当連結会計年度末における資金の残高は11,482百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は4,136百万円(前期は1,939百万円の支出)となりました。これは、税金等調整前当期純利益の計上1,149百万円、減価償却費352百万円及び減損損失150百万円の計上等の資金増加要因に加え、外国為替取引関連の資産負債、資金移動業関連の資産負債がそれぞれ差引2,387百万円、416百万円の資金増加要因となった一方、法人税等の支払額455百万円、投資有価証券売却益の計上166百万円等の資金減少要因によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は100百万円(前期は434百万円の支出)となりました。これは、投資有価証券の売却による収入289百万円及び投資事業組合からの分配による収入27百万円があった一方、外国為替取引システム更新や資金移動業関連システムの機能追加のための開発等による無形固定資産296百万円、長期前払費用32百万円及び有形固定資産16百万円の取得による支出に加え、投資有価証券の取得による支出72百万円があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は1,755百万円(前期は894百万円の収入)となりました。これは、ストック・オプションの行使に伴う株式の発行による収入2百万円があった一方、外国為替証拠金取引の期末相場変動に備えての短期借入金が1,286百万円の純減となったことに加え、配当金の支払額291百万円、リース債務の返済による支出179百万円があったことによるものであります。
(2) 業務の状況
① 受入手数料の内訳
(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
② トレーディング損益の内訳
(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
③ 金融収益の内訳
(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
④ その他の売上高の内訳
(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
⑤ 外国為替取引売買の状況
(注)1.上記金額は、顧客との相対取引による通貨毎の取引高であります。
2.外国為替取引には、CFD(差金決済取引)を含めており、CFD(差金決済取引)の取引高は、原取引資産を米ドル換算した上で集計しております。
⑥ 自己資本規制比率
(注)金融商品取引業を営む子会社である株式会社マネーパートナーズの自己資本規制比率を記載しております。
(3) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、本項に記載した将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において、当社グループが判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、経営者は決算日における資産・負債の報告数値及び報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積りを行う必要があります。これらの見積りについては、過去の実績や状況に応じた合理的と考えられる方法により判断しておりますが、実際の結果は見積もり特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社は、特に以下の重要な会計方針が、当社グループの連結財務諸表の作成において使用される重要な見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。
(デリバティブの評価)
当社グループは、デリバティブ取引の結果生じる正味の債権及び債務については時価をもって貸借対照表価額とし、その評価差額は当期の損益として処理しております。評価に使用する時価は、インターバンク市場における価額を参照し当社グループの顧客に対して取引価額として生成、提示する買い価額と売り価額の仲値を採用しております。
(貸倒引当金)
当社グループは、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別の回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しております。従って、債務者の財政状態が悪化し、その支払能力が低下した場合には、追加の引当が必要となることがあります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因としては、当社グループは主として外国為替証拠金取引に係る事業を行っていることから、営業収益は、経常的に当社グループの顧客の外国為替証拠金取引における投資動向に大きな影響を受けます。とりわけ外国為替市場の変動率(ボラティリティ)は、これが高まれば外国為替証拠金取引は活発に、低下すれば不活発になる傾向があることから、経営成績に重要な影響を与える主要な要因であると考えております。当連結会計年度の外国為替市場の状況は、「(1) 経営成績等の概要 ① 経営成績の状況」に記載のとおりでありますが、これが経営成績に与えた影響の度合いは、定量的に把握することが困難であります。指標の一つとして各通貨ペアの値動きの状況という観点で、日々の高値・安値の値幅を見た場合、主要な通貨ペアである米ドル/円で前期と比べ平均値が約20%減少したこと等が影響し、業界全体の外国為替証拠金取引高は、前期を約8%下回る結果となっております。また、主要通貨については値動きが小さかった一方、新興国通貨においては円に対して急落する局面があるなど総じて円高傾向で相場が推移したことから新興国通貨の買建玉を保有する個人投資家に損失が生じた結果、当期は業界全体の顧客建玉の総量においても前期末から当期末にかけて円換算ベースで約10%減少するなど厳しい経営環境であったものと判断しております。このような環境の下、当連結会計年度における当社グループの経営成績については、外国為替証拠金取引による収益が大半を占めるトレーディング損益の減少幅が1%にとどまり前期とほぼ横這いの営業収益となったことをはじめ、当社グループの取組みは一定の成果を得たものと分析しております。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、当社グループは、外国為替取引を専門とする事業形態をとっていることから、顧客との外国為替取引に係る資産及び負債がそれぞれの大部分を占めております。これらの資産及び負債は、顧客との外国為替取引及び外国為替相場の動向により日々変動いたしますが、当社グループにおいては、顧客との外国為替取引の結果生じる外国為替ポジションの偏りをカウンターパーティとの外国為替取引により完全にカバーするよう運用を行っているため、顧客及びカウンターパーティとの外国為替取引に係る資産及び負債トータルの増減はほぼ営業収益の額の動きに連動し、これが当社グループのキャッシュ・フローの源泉となっております。一方、主な負のキャッシュ・フローとしては、営業活動によるキャッシュ・フローにおいては、営業費用に係る支出や法人税等の支払に係る支出のほか、増加する外国為替取引に備えて行うカウンターパーティへの差入証拠金の積み増し等への支出があり、投資活動によるキャッシュ・フローにおいては、増加する外国為替取引への対応や競業他社との差別化のために行う外国為替取引システム等への投資のための支出があります。当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況は、営業活動によるキャッシュ・フローが4,136百万円の収入となったこと等により、現金及び現金同等物の期末残高が前期と比べ2,280百万円増加することとなりましたが、これは主に外国為替証拠金取引のリスクヘッジのための建玉の減少に伴い取引金融機関への預託を減少させたこと等によるものであり、資金の流動性については正常なリスク管理の中での循環が維持されているものと認識、分析しております。
当社グループが経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標として重視している自己資本利益率及び営業収益経常利益率については、当連結会計年度は自己資本利益率が5.8%、営業収益経常利益率が19.0%となりました。当社グループは、業績が外国為替相場の影響を大きく受け、その予測が困難であることから、それぞれの目標数値を公表しておりませんが、当連結会計年度については、外国為替相場の変動率等が想定を大きく下回ったことから目標数値を下回りました。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況(以下「経営成績等」という。)の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
当連結会計年度における我が国経済は、足元では一部に弱さが見られるものの総じて緩やかな回復基調で推移しました。企業部門においては、輸出・生産は持ち直しの後弱い推移となり、企業収益も改善の後足踏み状態となりました。一方、家計部門においては、雇用情勢は改善しており、個人消費も持ち直しが継続しています。先行きについては、雇用・所得環境の改善を背景に、緩やかな回復が続くことが期待されます。ただし、通商問題の動向が世界経済に与える影響や、中国経済の先行き、海外経済の動向と政策に関する不確実性、金融資本市場の変動の影響に留意する必要があります。
外国為替市場において、米ドル/円相場は、1ドル=106円台前半で取引が始まり、米中の通商問題や北朝鮮情勢等のリスク要因の後退、更には米国金利の上昇を背景にドル高円安基調で推移し、5月21日には111円台半ばをつけました。その後も、8月に米国とトルコとの関係悪化への懸念等を背景とするリスク回避の流れから円が買われ一時109円台後半をつける局面はありましたが、10月4日には当期の高値となる114円台半ばまで値を上げました。その後は、米中通商問題への警戒感や米国金利政策への思惑が交錯する中、方向性に乏しい相場展開となり、111円台半ばから114円台前半にかけての狭い範囲で推移しました。ところが、12月中旬に米国金利政策への警戒感が台頭すると米国金利の低下、株安を伴い急ピッチなドル安円高の流れとなり、年が明けて1月3日には外国為替市場における商いの薄い中、投機的な動きと相俟ってドルは急落し一時的に当期の安値となる105円台前半をつけました。その後は、堅調な米国経済指標結果を背景に徐々に値を戻し、3月初頭にかけて112円台前半の水準まで値を上げましたが、3月下旬にグローバル経済後退への懸念からリスクオフムードが台頭すると円が買われ110円台後半で期末を迎えました。また、米ドル/円以外の主要な取扱い通貨である欧州・オセアニア通貨については、円に対して概ね期首から弱い動きで推移し、2019年1月3日の急激な円高を経た後、概ね横這いで推移しました。各通貨の変動率は、トルコリラを始めとする新興国通貨が8月に急落する局面があった一方、当期の米ドル/円の月足において全ての月で高値と安値の差が5円未満となるなど、主要な通貨について総じて歴史的とも言える低水準となりました。
このような状況の中、当社グループは、主力サービスである外国為替証拠金取引について、法人取引の最大レバレッジの最適化を行ったほか、取引高に応じたキャッシュバックキャンペーンや少額取引サービス「パートナーズFXnano」におけるスワップポイント拡大キャンペーン等、積極的なキャンペーン展開を実施した他、Brexit特集コンテンツの設置や新興国通貨に関する解説セミナー等外国為替に関する情報提供等に取り組むことにより顧客取引の拡大を図りました。また、複数の外貨に対応し世界中のマスターカード加盟店で利用可能なプリペイドカードである「Manepa Card」(マネパカード)について、会員専用サイトの改修やコンビニ予約入金サービスの開始、更にはAIチャットを使用した問い合わせ窓口対応の強化等による利便性の向上を図ったほか、新たに国内格安航空会社との提携による提携カードのサービス提供を開始いたしました。また、仮想通貨関連ビジネスにおいては、当初計画していた資金決済サービスとの連携サービスについて、世界的なマネーロンダリング・テロ資金供与対策強化の流れを受けて、既存サービスへの影響等の不確実性を排除できるまでには、なお時間を要するものと判断し、3月25日にキャピタルゲイン目的のトレードを含む仮想通貨交換業全般を目的とする子会社の設立を決定いたしました。
これらの結果、当連結会計年度の外国為替取引高は11,865億通貨単位(前期比10.4%減)となりました。また、当連結会計年度末の顧客口座数は330,230口座(前期末比15,683口座増)、顧客預り証拠金は62,557百万円(同1.3%増)、有価証券による預り資産額は6,872百万円(同16.6%減)となりました。
また、当連結会計年度の営業収益は、主要通貨ペアと比較して相場変動率の高かった新興国通貨の取引高の割合の増加が外国為替取引全体の収益性を底上げしたこと等からトレーディング損益が前期比微減にとどまったことに加え、システム関連売上高が大型案件の受注等により大きく増加したこと等により6,230百万円(前期比3.3%増)となりました。利益については、システム関連売上高増加に伴う売上原価の増加があった一方、販売費・一般管理費が全般的に減少した結果、営業利益は1,171百万円(同12.0%増)、経常利益は1,181百万円(同10.9%増)となりました。また、特別利益として投資有価証券売却益168百万円、特別損失として減損損失150百万円並びに投資有価証券評価損49百万円の計上がそれぞれあったことから、親会社株主に帰属する当期純利益は772百万円(同7.4%増)となりました。
② 財政状態の状況
「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)を当連結会計年度の期首から適用しており、以下の比較で使用する前連結会計年度末の数値は遡及処理後のものを使用しております。
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末と比較して2,057百万円増加し、86,402百万円となりました。これは流動資産が1,382百万円、固定資産が675百万円増加したことによるものであります。
負債は、前連結会計年度末と比較して1,575百万円増加し、72,906百万円となりました。これは流動負債が974百万円、固定負債が601百万円増加したことによるものであります。
純資産は、前連結会計年度末と比較して482百万円増加し、13,495百万円となりました。
(流動資産)
当連結会計年度末における主な流動資産の内訳は、預託金50,499百万円、現金・預金14,732百万円、トレーディング商品(資産)12,448百万円及び短期差入保証金4,142百万円であります。前連結会計年度末と比較して、現金・預金の増加2,280百万円、外国為替証拠金取引の証拠金として預託された財産の増加等に伴う顧客区分管理信託を中心とする預託金の増加1,685百万円等があった一方、顧客を相手方とする未決済の外国為替証拠金取引に係る評価益の減少等に伴うトレーディング商品(資産)の減少1,303百万円、短期差入保証金の減少1,210百万円等により1,382百万円増加しております。
(固定資産)
当連結会計年度末における主な固定資産の内訳は、リース資産(無形形固定資産)818百万円、リース資産(有形固定資産)532百万円、ソフトウエア仮勘定380百万円、ソフトウエア291百万円、投資有価証券286百万円、繰延税金資産207百万円及び長期前払費用159百万円であります。前連結会計年度末と比較して、外国為替取引システム更新や資金移動業関連システムの機能追加のための開発等によるリース資産(有形及び無形固定資産)の取得、ソフトウエア及び長期前払費用の取得、ソフトウエア仮勘定の計上等の増加要因があった一方、ソフトウエア等の減価償却、ソフトウエア仮勘定の減損損失及び投資有価証券評価損の計上等の減少要因があり、675百万円増加しております。
(流動負債)
当連結会計年度末における主な流動負債の内訳は、受入保証金62,557百万円、預り金3,867百万円、未払費用2,567百万円及び短期借入金1,000百万円であります。前連結会計年度末と比較して、外国為替証拠金取引の証拠金として預託された受入保証金の増加799百万円、未払費用の増加616百万円、資金移動業や証券業に係る預り金の増加443百万円、リース債務の増加178百万円及び顧客を相手方とする未決済の外国為替証拠金取引に係る評価損の増加等に伴うトレーディング商品(負債)の増加153百万円等があった一方、短期借入金の減少1,286百万円により全体としては974百万円増加しております。
(固定負債)
当連結会計年度末における主な固定負債の内訳は、リース債務1,022百万円であります。前連結会計年度末と比較して、リース資産(有形及び無形固定資産)の取得に伴うリース債務の増加があった一方、リース債務の返済等による減少があり、601百万円増加しております。
(純資産)
当連結会計年度末における主な純資産の内訳は、資本金2,022百万円、資本剰余金2,161百万円、利益剰余金10,232百万円、自己株式△915百万円であります。前連結会計年度末と比較して、親会社株主に帰属する当期純利益による利益剰余金の増加772百万円、業績連動型株式報酬による当社株式の交付等に伴う自己株式の減少6百万円及びストック・オプションの行使による資本金及び資本剰余金の増加2百万円があった一方、剰余金の配当による利益剰余金の減少293百万円があったこと等により482百万円増加しております。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動により4,136百万円増加、投資活動により100百万円減少、財務活動により1,755百万円減少いたしました。この結果、資金は前連結会計年度末に比べ2,280百万円の増加となり、当連結会計年度末における資金の残高は11,482百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は4,136百万円(前期は1,939百万円の支出)となりました。これは、税金等調整前当期純利益の計上1,149百万円、減価償却費352百万円及び減損損失150百万円の計上等の資金増加要因に加え、外国為替取引関連の資産負債、資金移動業関連の資産負債がそれぞれ差引2,387百万円、416百万円の資金増加要因となった一方、法人税等の支払額455百万円、投資有価証券売却益の計上166百万円等の資金減少要因によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は100百万円(前期は434百万円の支出)となりました。これは、投資有価証券の売却による収入289百万円及び投資事業組合からの分配による収入27百万円があった一方、外国為替取引システム更新や資金移動業関連システムの機能追加のための開発等による無形固定資産296百万円、長期前払費用32百万円及び有形固定資産16百万円の取得による支出に加え、投資有価証券の取得による支出72百万円があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は1,755百万円(前期は894百万円の収入)となりました。これは、ストック・オプションの行使に伴う株式の発行による収入2百万円があった一方、外国為替証拠金取引の期末相場変動に備えての短期借入金が1,286百万円の純減となったことに加え、配当金の支払額291百万円、リース債務の返済による支出179百万円があったことによるものであります。
(2) 業務の状況
① 受入手数料の内訳
| 当連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | |||
| 金額(百万円) | 対前期増減率(%) | ||
| 委託手数料 | 3 | △1.6 | |
| 外国為替取引手数料 | 3 | △29.5 | |
| その他の受入手数料 | 86 | △9.7 | |
| 合計 | 94 | △10.3 | |
(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
② トレーディング損益の内訳
| 当連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | |||
| 金額(百万円) | 対前期増減率(%) | ||
| 外国為替取引損益 | 5,621 | △0.9 | |
| 合計 | 5,621 | △0.9 | |
(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
③ 金融収益の内訳
| 当連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | |||
| 金額(百万円) | 対前期増減率(%) | ||
| 受取利息 | 81 | 29.9 | |
| 合計 | 81 | 29.9 | |
(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
④ その他の売上高の内訳
| 当連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | |||
| 金額(百万円) | 対前期増減率(%) | ||
| システム関係売上高 | 433 | 127.5 | |
| 合計 | 433 | 127.5 | |
(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
⑤ 外国為替取引売買の状況
| 区分 | 当連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | ||
| 金額 | 対前期増減率(%) | ||
| 米ドル/円 | (百万ドル) | 591,379 | △34.4 |
| ユーロ/円 | (百万ユーロ) | 125,347 | 74.1 |
| ユーロ/米ドル | (百万ユーロ) | 117,898 | 37.2 |
| 豪ドル/円 | (百万ドル) | 93,674 | 19.3 |
| トルコリラ/円 | (百万トルコリラ) | 93,432 | 130.6 |
| 英ポンド/円 | (百万ポンド) | 77,945 | 9.7 |
| 南アフリカランド/円 | (百万ランド) | 22,234 | 19.0 |
| 英ポンド/米ドル | (百万ポンド) | 20,367 | 20.4 |
| メキシコペソ/円 | (百万ペソ) | 14,849 | 89.4 |
| その他 | (百万通貨単位) | 29,416 | △8.7 |
| 合計 | (百万通貨単位) | 1,186,546 | △10.4 |
(注)1.上記金額は、顧客との相対取引による通貨毎の取引高であります。
2.外国為替取引には、CFD(差金決済取引)を含めており、CFD(差金決済取引)の取引高は、原取引資産を米ドル換算した上で集計しております。
⑥ 自己資本規制比率
| 前事業年度末 (2018年3月31日) | 当事業年度末 (2019年3月31日) | ||
| 金額(百万円) | 金額(百万円) | ||
| 基本的項目計 ① | 10,732 | 11,213 | |
| その他有価証券評価差額金(評価益)等 | - | - | |
| 金融商品取引責任準備金等 | 0 | 0 | |
| 補完的項目 | 一般貸倒引当金 | 2 | 3 |
| 長期劣後債務 | - | - | |
| 短期劣後債務 | - | - | |
| 計 ② | 3 | 3 | |
| 控除資産 ③ | 5,561 | 6,735 | |
| 固定化されていない自己資本 ①+②-③ (A) | 5,173 | 4,482 | |
| 市場リスク相当額 | 28 | 29 | |
| リスク相当額 | 取引先リスク相当額 | 212 | 209 |
| 基礎的リスク相当額 | 1,113 | 1,110 | |
| 計 (B) | 1,354 | 1,350 | |
| 自己資本規制比率 (A)/(B)×100 | 381.8% | 331.9% | |
(注)金融商品取引業を営む子会社である株式会社マネーパートナーズの自己資本規制比率を記載しております。
(3) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、本項に記載した将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において、当社グループが判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、経営者は決算日における資産・負債の報告数値及び報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積りを行う必要があります。これらの見積りについては、過去の実績や状況に応じた合理的と考えられる方法により判断しておりますが、実際の結果は見積もり特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社は、特に以下の重要な会計方針が、当社グループの連結財務諸表の作成において使用される重要な見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。
(デリバティブの評価)
当社グループは、デリバティブ取引の結果生じる正味の債権及び債務については時価をもって貸借対照表価額とし、その評価差額は当期の損益として処理しております。評価に使用する時価は、インターバンク市場における価額を参照し当社グループの顧客に対して取引価額として生成、提示する買い価額と売り価額の仲値を採用しております。
(貸倒引当金)
当社グループは、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別の回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しております。従って、債務者の財政状態が悪化し、その支払能力が低下した場合には、追加の引当が必要となることがあります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因としては、当社グループは主として外国為替証拠金取引に係る事業を行っていることから、営業収益は、経常的に当社グループの顧客の外国為替証拠金取引における投資動向に大きな影響を受けます。とりわけ外国為替市場の変動率(ボラティリティ)は、これが高まれば外国為替証拠金取引は活発に、低下すれば不活発になる傾向があることから、経営成績に重要な影響を与える主要な要因であると考えております。当連結会計年度の外国為替市場の状況は、「(1) 経営成績等の概要 ① 経営成績の状況」に記載のとおりでありますが、これが経営成績に与えた影響の度合いは、定量的に把握することが困難であります。指標の一つとして各通貨ペアの値動きの状況という観点で、日々の高値・安値の値幅を見た場合、主要な通貨ペアである米ドル/円で前期と比べ平均値が約20%減少したこと等が影響し、業界全体の外国為替証拠金取引高は、前期を約8%下回る結果となっております。また、主要通貨については値動きが小さかった一方、新興国通貨においては円に対して急落する局面があるなど総じて円高傾向で相場が推移したことから新興国通貨の買建玉を保有する個人投資家に損失が生じた結果、当期は業界全体の顧客建玉の総量においても前期末から当期末にかけて円換算ベースで約10%減少するなど厳しい経営環境であったものと判断しております。このような環境の下、当連結会計年度における当社グループの経営成績については、外国為替証拠金取引による収益が大半を占めるトレーディング損益の減少幅が1%にとどまり前期とほぼ横這いの営業収益となったことをはじめ、当社グループの取組みは一定の成果を得たものと分析しております。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、当社グループは、外国為替取引を専門とする事業形態をとっていることから、顧客との外国為替取引に係る資産及び負債がそれぞれの大部分を占めております。これらの資産及び負債は、顧客との外国為替取引及び外国為替相場の動向により日々変動いたしますが、当社グループにおいては、顧客との外国為替取引の結果生じる外国為替ポジションの偏りをカウンターパーティとの外国為替取引により完全にカバーするよう運用を行っているため、顧客及びカウンターパーティとの外国為替取引に係る資産及び負債トータルの増減はほぼ営業収益の額の動きに連動し、これが当社グループのキャッシュ・フローの源泉となっております。一方、主な負のキャッシュ・フローとしては、営業活動によるキャッシュ・フローにおいては、営業費用に係る支出や法人税等の支払に係る支出のほか、増加する外国為替取引に備えて行うカウンターパーティへの差入証拠金の積み増し等への支出があり、投資活動によるキャッシュ・フローにおいては、増加する外国為替取引への対応や競業他社との差別化のために行う外国為替取引システム等への投資のための支出があります。当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況は、営業活動によるキャッシュ・フローが4,136百万円の収入となったこと等により、現金及び現金同等物の期末残高が前期と比べ2,280百万円増加することとなりましたが、これは主に外国為替証拠金取引のリスクヘッジのための建玉の減少に伴い取引金融機関への預託を減少させたこと等によるものであり、資金の流動性については正常なリスク管理の中での循環が維持されているものと認識、分析しております。
当社グループが経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標として重視している自己資本利益率及び営業収益経常利益率については、当連結会計年度は自己資本利益率が5.8%、営業収益経常利益率が19.0%となりました。当社グループは、業績が外国為替相場の影響を大きく受け、その予測が困難であることから、それぞれの目標数値を公表しておりませんが、当連結会計年度については、外国為替相場の変動率等が想定を大きく下回ったことから目標数値を下回りました。