訂正有価証券報告書-第16期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
(1) 経営成績等の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況(以下「経営成績等」という。)の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
当連結会計年度における我が国経済は、輸出を中心に弱含みで推移し、期末にかけては新型コロナウイルス感染症の影響により国内外の経済活動が強く抑制される状況となりました。企業部門においては、輸出や生産が減少しており、製造業を中心に企業収益も弱含んでいます。一方、家計部門においては、個人消費は持ち直しが続いていましたが、足元では感染症の影響により弱い動きとなっています。先行きについては、感染症の影響により極めて厳しい状況が続くと見込まれ、内外経済の下振れリスク、金融資本市場の変動等の影響を注視する必要があります。
外国為替市場においては、米ドル/円相場は1ドル=110円台後半で取引が始まり、4月から10月にかけては8月を除き、概ね月の高値と安値との差が1.6円から2.8円と値動きの乏しい相場となりました。8月1日にトランプ大統領の対中追加関税を発動する旨の発言から円買いドル売りが急激に進展し、8月26日には104円台半ばの安値をつけました。9月に入り米中通商問題の合意に向けての期待からドルが買われ9月18日には108円台半ばまで回復しましたが、10月頭に順次発表された米国経済指標が予想以上に弱い結果となったことでドルが売られ10月3日に一時106円台半ばをつけました。その後、11月から12月までは概ね107円台後半から109円台後半での極めて狭いレンジでの相場推移が続き、リーマン・ショック後では最もボラティリティの低い期間となりました。ところが、2月19日に中国での新型コロナウイルスの感染者数の増加ペースが鈍化したことや米国経済指標が予想を上回る結果となったことからドルが急騰し、翌2月20日には約10ヶ月振りとなる112円台前半の高値をつけました。3月に入ると新型コロナウイルス感染症が世界中に広がりを見せたことから高値111円台後半、安値101円台前半と値幅が10円を超える乱高下相場となり、1ドル=107円台半ばで期末を迎えました。各通貨全体としての変動率は、ボラタイルな相場展開となった2月下旬から3月を除くと総じて非常に低い水準となりました。
このような状況の中、当社グループは、主力サービスである外国為替証拠金取引について、2016年9月に開発に着手しました基幹システムの全面更新を10月から11月にかけて実施し、システム運用費用の大幅なコストダウンを実現しました。今後の当社グループが打ち出していく施策における根本部分の大改修を無事に終えた状況となります。また、金・銀のCFD取引を通して資産運用を学んで頂くマネパ投資塾の開催や外国為替投資に役立つ情報を提供する各種Webセミナーの開催、通貨毎に外国為替相場に関する情報を整理・集約する特設ページの設置、更には創業15周年を記念したキャンペーンを多面的に展開し、顧客取引の拡大を図りました。資金移動業においては、昨年4月1日より、複数の外貨に対応し世界中のマスターカード加盟店で利用可能なプリペイドカードである「Manepa Card」(マネパカード)の新サービスとして、自動的にカードへの残高のチャージや両替を行う「おまかせチャージ」及び「おまかせ両替」の機能を追加する等、利便性の向上に繋がる取組みによりカード利用の一層の拡大を図りました。暗号資産の分野においては、暗号資産交換業への本格参入のため、暗号資産交換業の登録準備を進めていたコイネージ株式会社を4月に特別目的会社の株式取得を通じて連結子会社とし、7月と2月に合わせて979百万円の増資を引き受け、当初予定2020年4月サービスインよりは若干の遅れはあるものの2021年3月期第1四半期中のサービスインに向けて準備を継続しております。
これらの結果、当連結会計年度の外国為替取引高は9,594億通貨単位(前期比19.1%減)となりました。また、当連結会計年度末の顧客口座数は340,483口座(前期末比10,253口座増)、顧客預り証拠金は65,510百万円(同4.7%増)、有価証券による預り資産額は8,846百万円(同28.7%増)となりました。
また、当連結会計年度の営業収益は、外国為替相場が新型コロナウイルス感染症の影響によりボラタイルな相場展開となった2月下旬から3月を除くと極めて低い変動率に留まったことにより外国為替取引高が減少したためトレーディング損益が221百万円減少したほか、システム関連売上高が111百万円減少したこと等により5,872百万円(前期比5.7%減)となりました。利益については、システム関連売上高の減少に伴い売上原価が109百万円減少しましたが、販売費・一般管理費が外国為替取引高の減少に伴う変動費減少(主に支払手数料70百万円の減少)の一方、連結子会社の追加による固定費の増加があり全体として292百万円増加したため、営業利益は622百万円(同46.9%減)、経常利益は595百万円(同49.6%減)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、前期に投資有価証券売却益168百万円、減損損失150百万円及び投資有価証券評価損49百万円の計上があったこと、当期に基幹システム更新に伴うシステム移行費用80百万円を計上したこと等により249百万円(同67.7%減)となりました。
② 財政状態の状況
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末と比較して4,382百万円増加し、90,784百万円となりました。これは流動資産が4,307百万円、固定資産が75百万円増加したことによるものであります。
負債は、前連結会計年度末と比較して4,343百万円増加し、77,250百万円となりました。これは流動負債が3,432百万円、固定負債が911百万円増加したことによるものであります。
純資産は、前連結会計年度末と比較して38百万円増加し、13,534百万円となりました。
(流動資産)
当連結会計年度末における主な流動資産の内訳は、預託金50,975百万円、トレーディング商品(資産)16,785百万円、現金・預金15,654百万円及び短期差入保証金2,726百万円であります。前連結会計年度末と比較して、顧客を相手方とする未決済の外国為替証拠金取引に係る評価益の増加等に伴うトレーディング商品(資産)の増加4,337百万円、現金・預金の増加921百万円、外国為替証拠金取引の証拠金として預託された財産の増加等に伴う顧客区分管理信託の増加890百万円等があった一方、短期差入保証金の減少1,415百万円、その他の預託金の減少493百万円等の減少要因があり、4,307百万円増加しております。
(固定資産)
当連結会計年度末における主な固定資産の内訳は、ソフトウェア723百万円、リース資産(無形形固定資産)713百万円、リース資産(有形固定資産)537百万円、投資有価証券269百万円、繰延税金資産210百万円、建物166百万円、長期差入保証金159百万円、長期前払費用115百万円及びソフトウエア仮勘定112百万円であります。前連結会計年度末と比較して、外国為替取引に係る基幹システム更新のための開発をはじめとするソフトウエアの取得、データベースサーバ及び関連機器のリプレイスや子会社のオフィス移転に伴う建物をはじめとする有形固定資産の取得等の増加要因があった一方、ソフトウエアの減価償却等の減少要因があり、75百万円増加しております。
(流動負債)
当連結会計年度末における主な流動負債の内訳は、受入保証金65,510百万円、預り金3,875百万円、未払費用2,691百万円及び短期借入金1,000百万円であります。前連結会計年度末と比較して、外国為替証拠金取引の証拠金として預託された受入保証金の増加2,952百万円等により3,432百万円増加しております。
(固定負債)
当連結会計年度末における主な固定負債の内訳は、転換社債型新株予約権付社債1,000百万円及びリース債務837百万円であります。前連結会計年度末と比較して、転換社債型新株予約権付社債の発行及びリース資産(有形固定資産)の取得に伴うリース債務の増加等があった一方、リース債務の返済による減少があり、911百万円増加しております。
(純資産)
当連結会計年度末における主な純資産の内訳は、資本金2,022百万円、資本剰余金2,161百万円、利益剰余金10,269百万円、自己株式△915百万円であります。前連結会計年度末と比較して、親会社株主に帰属する当期純利益による利益剰余金の増加249百万円があった一方、剰余金の配当による利益剰余金の減少211百万円があったこと等により38百万円増加しております。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動により880百万円増加、投資活動により172百万円減少、財務活動により463百万円増加いたしました。この結果、資金は前連結会計年度末に比べ1,171百万円の増加となり、当連結会計年度末における資金の残高は12,654百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は880百万円(前期は4,136百万円の収入)となりました。これは、税金等調整前当期純利益の計上515百万円、減価償却費の計上479百万円等の資金増加要因に加え、資金移動業関連の資産負債が差引867百万円の資金増加要因となった一方、外国為替取引関連の資産負債が差引390百万円、その他の流動負債の増減額226百万円が資金減少要因となったほか、法人税等の支払額319百万円があったこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は172百万円(前期は100百万円の支出)となりました。これは、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による収入310百万円があった一方、外国為替取引に係る基幹システム更新のための開発等による無形固定資産279百万円及び長期前払費用67百万円の取得による支出のほか、子会社のオフィス移転等に伴う有形固定資産の取得による支出118百万円及び敷金及び保証金の差入による支出33百万円があったこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は463百万円(前期は1,755百万円の支出)となりました。これは、転換社債型新株予約権付社債の発行による収入981百万円及び非支配株主からの払込みによる収入59百万円があった一方、リース債務の返済による支出299百万円、配当金の支払額212百万円及び連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の取得による支出60百万円があったこと等によるものであります。
(2) 業務の状況
① 受入手数料の内訳
(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
② トレーディング損益の内訳
(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
③ 金融収益の内訳
(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
④ その他の売上高の内訳
(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
⑤ 外国為替取引売買の状況
(注)1.上記金額は、顧客との相対取引による通貨毎の取引高であります。
2.外国為替取引には、CFD(差金決済取引)を含めており、CFD(差金決済取引)の取引高は、原取引資産を米ドル換算した上で集計しております。
⑥ 自己資本規制比率
(注)金融商品取引業を営む子会社である株式会社マネーパートナーズの自己資本規制比率を記載しております。
(3) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、本項に記載した将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において、当社グループが判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、経営者は決算日における資産・負債の報告数値及び報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積りを行う必要があります。これらの見積りについては、過去の実績や状況に応じた合理的と考えられる方法により判断しておりますが、実際の結果は見積もり特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社は、特に以下の重要な会計方針が、当社グループの連結財務諸表の作成において使用される重要な見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。
(デリバティブの評価)
当社グループは、デリバティブ取引の結果生じる正味の債権及び債務については時価をもって貸借対照表価額とし、その評価差額は当期の損益として処理しております。評価に使用する時価は、インターバンク市場における価額を参照し当社グループの顧客に対して取引価額として生成、提示する買い価額と売り価額の仲値を採用しております。
(貸倒引当金)
当社グループは、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別の回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しております。従って、債務者の財政状態が悪化し、その支払能力が低下した場合には、追加の引当が必要となることがあります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因としては、当社グループは主として外国為替証拠金取引に係る事業を行っていることから、営業収益は、経常的に当社グループの顧客の外国為替証拠金取引における投資動向に大きな影響を受けます。とりわけ外国為替市場の変動率(ボラティリティ)は、これが高まれば外国為替証拠金取引は活発に、低下すれば不活発になる傾向があることから、経営成績に重要な影響を与える主要な要因であると考えております。
当連結会計年度の外国為替市場の状況は、「(1) 経営成績等の概要 ① 経営成績の状況」に記載のとおりでありますが、これが経営成績に与えた影響の度合いは、定量的に把握することが困難であります。指標の一つとして各通貨ペアの値動きの状況という観点で、日々の高値・安値の値幅を見た場合、主要な通貨ペアである米ドル/円で前期と比べ平均値が2020年1月末時点では約17%減少したこと等が影響し、業界全体の外国為替証拠金取引高は、2020年1月末時点では前期を約8%下回る結果となっておりますが、新型コロナの影響で2月下旬から値動きが大きくなり、3月は月間の値幅が10円を超える乱高下相場となり、取引高は急増し通期では前期を約21%上回る結果となりました。新型コロナの影響で値動きの激しい相場展開となった2月下旬から3月を除くと極めて低い変動率に留まり厳しい経営環境であったものと判断しております。このような環境の下、当連結会計年度における当社グループの経営成績については、連結経常利益は前期比586百万円の減益となりました。2019年4月~2020年2月にかけては相場低迷と価格競争により営業収益面で苦戦しましたが、2020年1月以降既存顧客重視路線を再確認し重点施策を展開し、コロナ禍中、不安定なマーケットの中で可能な限り安定したレート配信に努めてサービスを継続した結果、外国為替証拠金取引によるトレーディング損益の減少幅が221百万円に留まりました。また、暗号資産交換業の開業に向けての準備コスト及び基幹スシテム更新による一時費用により、販売費・一般管理費が292百万円の増加となりましたが、暗号資産交換業の開業準備が進んだこと及び次期以降のシステム運用費用の大幅なコストダウンを実現したため、当社グループの取組みは一定の成果を得たものと分析しております。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、当社グループは、外国為替取引を専門とする事業形態をとっていることから、顧客との外国為替取引に係る資産及び負債がそれぞれの大部分を占めております。これらの資産及び負債は、顧客との外国為替取引及び外国為替相場の動向により日々変動いたしますが、当社グループにおいては、顧客との外国為替取引の結果生じる外国為替ポジションの偏りをカウンターパーティとの外国為替取引により完全にカバーするよう運用を行っているため、顧客及びカウンターパーティとの外国為替取引に係る資産及び負債トータルの増減はほぼ営業収益の額の動きに連動し、これが当社グループのキャッシュ・フローの源泉となっております。一方、主な負のキャッシュ・フローとしては、営業活動によるキャッシュ・フローにおいては、営業費用に係る支出や法人税等の支払に係る支出のほか、増加する外国為替取引に備えて行うカウンターパーティへの差入証拠金の積み増し等への支出があり、投資活動によるキャッシュ・フローにおいては、増加する外国為替取引への対応や競業他社との差別化のために行う外国為替取引システム等への投資のための支出があります。
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況は、営業活動によるキャッシュ・フローが880百万円の収入、投資活動によるキャッシュ・フローが172百万円の支出、財務活動によるキャッシュ・フローが463百万円の収入となり、現金及び現金同等物の期末残高が前期と比べ1,171百万円増加することとなり、資金の流動性については正常なリスク管理の中での循環が維持されているものと認識、分析しております。
当社グループが経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標として重視している自己資本利益率及び営業収益経常利益率については、当連結会計年度は自己資本利益率が1.8%、営業収益経常利益率が10.1%となりました。当社グループは、業績が外国為替相場の影響を大きく受け、その予測が困難であることから、それぞれの目標数値を公表しておりませんが、当連結会計年度については、外国為替相場の変動率が新型コロナの影響によりボラタイルな相場展開となった2月下旬から3月を除くと極めて低い水準に留まったことから目標数値を下回りました。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況(以下「経営成績等」という。)の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
当連結会計年度における我が国経済は、輸出を中心に弱含みで推移し、期末にかけては新型コロナウイルス感染症の影響により国内外の経済活動が強く抑制される状況となりました。企業部門においては、輸出や生産が減少しており、製造業を中心に企業収益も弱含んでいます。一方、家計部門においては、個人消費は持ち直しが続いていましたが、足元では感染症の影響により弱い動きとなっています。先行きについては、感染症の影響により極めて厳しい状況が続くと見込まれ、内外経済の下振れリスク、金融資本市場の変動等の影響を注視する必要があります。
外国為替市場においては、米ドル/円相場は1ドル=110円台後半で取引が始まり、4月から10月にかけては8月を除き、概ね月の高値と安値との差が1.6円から2.8円と値動きの乏しい相場となりました。8月1日にトランプ大統領の対中追加関税を発動する旨の発言から円買いドル売りが急激に進展し、8月26日には104円台半ばの安値をつけました。9月に入り米中通商問題の合意に向けての期待からドルが買われ9月18日には108円台半ばまで回復しましたが、10月頭に順次発表された米国経済指標が予想以上に弱い結果となったことでドルが売られ10月3日に一時106円台半ばをつけました。その後、11月から12月までは概ね107円台後半から109円台後半での極めて狭いレンジでの相場推移が続き、リーマン・ショック後では最もボラティリティの低い期間となりました。ところが、2月19日に中国での新型コロナウイルスの感染者数の増加ペースが鈍化したことや米国経済指標が予想を上回る結果となったことからドルが急騰し、翌2月20日には約10ヶ月振りとなる112円台前半の高値をつけました。3月に入ると新型コロナウイルス感染症が世界中に広がりを見せたことから高値111円台後半、安値101円台前半と値幅が10円を超える乱高下相場となり、1ドル=107円台半ばで期末を迎えました。各通貨全体としての変動率は、ボラタイルな相場展開となった2月下旬から3月を除くと総じて非常に低い水準となりました。
このような状況の中、当社グループは、主力サービスである外国為替証拠金取引について、2016年9月に開発に着手しました基幹システムの全面更新を10月から11月にかけて実施し、システム運用費用の大幅なコストダウンを実現しました。今後の当社グループが打ち出していく施策における根本部分の大改修を無事に終えた状況となります。また、金・銀のCFD取引を通して資産運用を学んで頂くマネパ投資塾の開催や外国為替投資に役立つ情報を提供する各種Webセミナーの開催、通貨毎に外国為替相場に関する情報を整理・集約する特設ページの設置、更には創業15周年を記念したキャンペーンを多面的に展開し、顧客取引の拡大を図りました。資金移動業においては、昨年4月1日より、複数の外貨に対応し世界中のマスターカード加盟店で利用可能なプリペイドカードである「Manepa Card」(マネパカード)の新サービスとして、自動的にカードへの残高のチャージや両替を行う「おまかせチャージ」及び「おまかせ両替」の機能を追加する等、利便性の向上に繋がる取組みによりカード利用の一層の拡大を図りました。暗号資産の分野においては、暗号資産交換業への本格参入のため、暗号資産交換業の登録準備を進めていたコイネージ株式会社を4月に特別目的会社の株式取得を通じて連結子会社とし、7月と2月に合わせて979百万円の増資を引き受け、当初予定2020年4月サービスインよりは若干の遅れはあるものの2021年3月期第1四半期中のサービスインに向けて準備を継続しております。
これらの結果、当連結会計年度の外国為替取引高は9,594億通貨単位(前期比19.1%減)となりました。また、当連結会計年度末の顧客口座数は340,483口座(前期末比10,253口座増)、顧客預り証拠金は65,510百万円(同4.7%増)、有価証券による預り資産額は8,846百万円(同28.7%増)となりました。
また、当連結会計年度の営業収益は、外国為替相場が新型コロナウイルス感染症の影響によりボラタイルな相場展開となった2月下旬から3月を除くと極めて低い変動率に留まったことにより外国為替取引高が減少したためトレーディング損益が221百万円減少したほか、システム関連売上高が111百万円減少したこと等により5,872百万円(前期比5.7%減)となりました。利益については、システム関連売上高の減少に伴い売上原価が109百万円減少しましたが、販売費・一般管理費が外国為替取引高の減少に伴う変動費減少(主に支払手数料70百万円の減少)の一方、連結子会社の追加による固定費の増加があり全体として292百万円増加したため、営業利益は622百万円(同46.9%減)、経常利益は595百万円(同49.6%減)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、前期に投資有価証券売却益168百万円、減損損失150百万円及び投資有価証券評価損49百万円の計上があったこと、当期に基幹システム更新に伴うシステム移行費用80百万円を計上したこと等により249百万円(同67.7%減)となりました。
② 財政状態の状況
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末と比較して4,382百万円増加し、90,784百万円となりました。これは流動資産が4,307百万円、固定資産が75百万円増加したことによるものであります。
負債は、前連結会計年度末と比較して4,343百万円増加し、77,250百万円となりました。これは流動負債が3,432百万円、固定負債が911百万円増加したことによるものであります。
純資産は、前連結会計年度末と比較して38百万円増加し、13,534百万円となりました。
(流動資産)
当連結会計年度末における主な流動資産の内訳は、預託金50,975百万円、トレーディング商品(資産)16,785百万円、現金・預金15,654百万円及び短期差入保証金2,726百万円であります。前連結会計年度末と比較して、顧客を相手方とする未決済の外国為替証拠金取引に係る評価益の増加等に伴うトレーディング商品(資産)の増加4,337百万円、現金・預金の増加921百万円、外国為替証拠金取引の証拠金として預託された財産の増加等に伴う顧客区分管理信託の増加890百万円等があった一方、短期差入保証金の減少1,415百万円、その他の預託金の減少493百万円等の減少要因があり、4,307百万円増加しております。
(固定資産)
当連結会計年度末における主な固定資産の内訳は、ソフトウェア723百万円、リース資産(無形形固定資産)713百万円、リース資産(有形固定資産)537百万円、投資有価証券269百万円、繰延税金資産210百万円、建物166百万円、長期差入保証金159百万円、長期前払費用115百万円及びソフトウエア仮勘定112百万円であります。前連結会計年度末と比較して、外国為替取引に係る基幹システム更新のための開発をはじめとするソフトウエアの取得、データベースサーバ及び関連機器のリプレイスや子会社のオフィス移転に伴う建物をはじめとする有形固定資産の取得等の増加要因があった一方、ソフトウエアの減価償却等の減少要因があり、75百万円増加しております。
(流動負債)
当連結会計年度末における主な流動負債の内訳は、受入保証金65,510百万円、預り金3,875百万円、未払費用2,691百万円及び短期借入金1,000百万円であります。前連結会計年度末と比較して、外国為替証拠金取引の証拠金として預託された受入保証金の増加2,952百万円等により3,432百万円増加しております。
(固定負債)
当連結会計年度末における主な固定負債の内訳は、転換社債型新株予約権付社債1,000百万円及びリース債務837百万円であります。前連結会計年度末と比較して、転換社債型新株予約権付社債の発行及びリース資産(有形固定資産)の取得に伴うリース債務の増加等があった一方、リース債務の返済による減少があり、911百万円増加しております。
(純資産)
当連結会計年度末における主な純資産の内訳は、資本金2,022百万円、資本剰余金2,161百万円、利益剰余金10,269百万円、自己株式△915百万円であります。前連結会計年度末と比較して、親会社株主に帰属する当期純利益による利益剰余金の増加249百万円があった一方、剰余金の配当による利益剰余金の減少211百万円があったこと等により38百万円増加しております。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動により880百万円増加、投資活動により172百万円減少、財務活動により463百万円増加いたしました。この結果、資金は前連結会計年度末に比べ1,171百万円の増加となり、当連結会計年度末における資金の残高は12,654百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は880百万円(前期は4,136百万円の収入)となりました。これは、税金等調整前当期純利益の計上515百万円、減価償却費の計上479百万円等の資金増加要因に加え、資金移動業関連の資産負債が差引867百万円の資金増加要因となった一方、外国為替取引関連の資産負債が差引390百万円、その他の流動負債の増減額226百万円が資金減少要因となったほか、法人税等の支払額319百万円があったこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は172百万円(前期は100百万円の支出)となりました。これは、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による収入310百万円があった一方、外国為替取引に係る基幹システム更新のための開発等による無形固定資産279百万円及び長期前払費用67百万円の取得による支出のほか、子会社のオフィス移転等に伴う有形固定資産の取得による支出118百万円及び敷金及び保証金の差入による支出33百万円があったこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は463百万円(前期は1,755百万円の支出)となりました。これは、転換社債型新株予約権付社債の発行による収入981百万円及び非支配株主からの払込みによる収入59百万円があった一方、リース債務の返済による支出299百万円、配当金の支払額212百万円及び連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の取得による支出60百万円があったこと等によるものであります。
(2) 業務の状況
① 受入手数料の内訳
| 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | |||
| 金額(百万円) | 対前期増減率(%) | ||
| 委託手数料 | 4 | 5.2 | |
| 外国為替取引手数料 | 4 | 25.2 | |
| その他の受入手数料 | 76 | △11.8 | |
| 合計 | 84 | △9.8 | |
(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
② トレーディング損益の内訳
| 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | |||
| 金額(百万円) | 対前期増減率(%) | ||
| 外国為替取引損益 | 5,400 | △3.9 | |
| 合計 | 5,400 | △3.9 | |
(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
③ 金融収益の内訳
| 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | |||
| 金額(百万円) | 対前期増減率(%) | ||
| 受取利息 | 65 | △19.6 | |
| 合計 | 65 | △19.6 | |
(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
④ その他の売上高の内訳
| 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | |||
| 金額(百万円) | 対前期増減率(%) | ||
| システム関係売上高 | 322 | △25.7 | |
| 合計 | 322 | △25.7 | |
(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
⑤ 外国為替取引売買の状況
| 区分 | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | ||
| 金額 | 対前期増減率(%) | ||
| 米ドル/円 | (百万ドル) | 489,701 | △17.19 |
| 英ポンド/円 | (百万ポンド) | 107,188 | 37.52 |
| 豪ドル/円 | (百万ドル) | 96,486 | 3.00 |
| ユーロ/円 | (百万ユーロ) | 60,842 | △51.46 |
| ユーロ/米ドル | (百万ドル) | 51,137 | △56.63 |
| トルコリラ/円 | (百万トルコリラ) | 38,739 | △58.54 |
| メキシコペソ/円 | (百万ペソ) | 23,005 | 54.93 |
| 英ポンド/米ドル | (百万ポンド) | 22,335 | 9.66 |
| 南アフリカランド/円 | (百万ランド) | 21,709 | △2.36 |
| 英ポンド/豪ドル | (百万ポンド) | 21,057 | 277.76 |
| その他 | (百万通貨単位) | 27,200 | 14.08 |
| 合計 | (百万通貨単位) | 959,403 | △19.14 |
(注)1.上記金額は、顧客との相対取引による通貨毎の取引高であります。
2.外国為替取引には、CFD(差金決済取引)を含めており、CFD(差金決済取引)の取引高は、原取引資産を米ドル換算した上で集計しております。
⑥ 自己資本規制比率
| 前事業年度末 (2019年3月31日) | 当事業年度末 (2020年3月31日) | ||
| 金額(百万円) | 金額(百万円) | ||
| 基本的項目計 ① | 11,213 | 11,551 | |
| その他有価証券評価差額金(評価益)等 | - | - | |
| 金融商品取引責任準備金等 | 0 | 0 | |
| 補完的項目 | 一般貸倒引当金 | 3 | - |
| 長期劣後債務 | - | - | |
| 短期劣後債務 | - | - | |
| 計 ② | 3 | 0 | |
| 控除資産 ③ | 6,735 | 6,116 | |
| 固定化されていない自己資本 ①+②-③ (A) | 4,482 | 5,434 | |
| 市場リスク相当額 | 29 | 10 | |
| リスク相当額 | 取引先リスク相当額 | 209 | 263 |
| 基礎的リスク相当額 | 1,110 | 1,059 | |
| 計 (B) | 1,350 | 1,334 | |
| 自己資本規制比率 (A)/(B)×100 | 331.9% | 407.3% | |
(注)金融商品取引業を営む子会社である株式会社マネーパートナーズの自己資本規制比率を記載しております。
(3) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、本項に記載した将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において、当社グループが判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、経営者は決算日における資産・負債の報告数値及び報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積りを行う必要があります。これらの見積りについては、過去の実績や状況に応じた合理的と考えられる方法により判断しておりますが、実際の結果は見積もり特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社は、特に以下の重要な会計方針が、当社グループの連結財務諸表の作成において使用される重要な見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。
(デリバティブの評価)
当社グループは、デリバティブ取引の結果生じる正味の債権及び債務については時価をもって貸借対照表価額とし、その評価差額は当期の損益として処理しております。評価に使用する時価は、インターバンク市場における価額を参照し当社グループの顧客に対して取引価額として生成、提示する買い価額と売り価額の仲値を採用しております。
(貸倒引当金)
当社グループは、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別の回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しております。従って、債務者の財政状態が悪化し、その支払能力が低下した場合には、追加の引当が必要となることがあります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因としては、当社グループは主として外国為替証拠金取引に係る事業を行っていることから、営業収益は、経常的に当社グループの顧客の外国為替証拠金取引における投資動向に大きな影響を受けます。とりわけ外国為替市場の変動率(ボラティリティ)は、これが高まれば外国為替証拠金取引は活発に、低下すれば不活発になる傾向があることから、経営成績に重要な影響を与える主要な要因であると考えております。
当連結会計年度の外国為替市場の状況は、「(1) 経営成績等の概要 ① 経営成績の状況」に記載のとおりでありますが、これが経営成績に与えた影響の度合いは、定量的に把握することが困難であります。指標の一つとして各通貨ペアの値動きの状況という観点で、日々の高値・安値の値幅を見た場合、主要な通貨ペアである米ドル/円で前期と比べ平均値が2020年1月末時点では約17%減少したこと等が影響し、業界全体の外国為替証拠金取引高は、2020年1月末時点では前期を約8%下回る結果となっておりますが、新型コロナの影響で2月下旬から値動きが大きくなり、3月は月間の値幅が10円を超える乱高下相場となり、取引高は急増し通期では前期を約21%上回る結果となりました。新型コロナの影響で値動きの激しい相場展開となった2月下旬から3月を除くと極めて低い変動率に留まり厳しい経営環境であったものと判断しております。このような環境の下、当連結会計年度における当社グループの経営成績については、連結経常利益は前期比586百万円の減益となりました。2019年4月~2020年2月にかけては相場低迷と価格競争により営業収益面で苦戦しましたが、2020年1月以降既存顧客重視路線を再確認し重点施策を展開し、コロナ禍中、不安定なマーケットの中で可能な限り安定したレート配信に努めてサービスを継続した結果、外国為替証拠金取引によるトレーディング損益の減少幅が221百万円に留まりました。また、暗号資産交換業の開業に向けての準備コスト及び基幹スシテム更新による一時費用により、販売費・一般管理費が292百万円の増加となりましたが、暗号資産交換業の開業準備が進んだこと及び次期以降のシステム運用費用の大幅なコストダウンを実現したため、当社グループの取組みは一定の成果を得たものと分析しております。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、当社グループは、外国為替取引を専門とする事業形態をとっていることから、顧客との外国為替取引に係る資産及び負債がそれぞれの大部分を占めております。これらの資産及び負債は、顧客との外国為替取引及び外国為替相場の動向により日々変動いたしますが、当社グループにおいては、顧客との外国為替取引の結果生じる外国為替ポジションの偏りをカウンターパーティとの外国為替取引により完全にカバーするよう運用を行っているため、顧客及びカウンターパーティとの外国為替取引に係る資産及び負債トータルの増減はほぼ営業収益の額の動きに連動し、これが当社グループのキャッシュ・フローの源泉となっております。一方、主な負のキャッシュ・フローとしては、営業活動によるキャッシュ・フローにおいては、営業費用に係る支出や法人税等の支払に係る支出のほか、増加する外国為替取引に備えて行うカウンターパーティへの差入証拠金の積み増し等への支出があり、投資活動によるキャッシュ・フローにおいては、増加する外国為替取引への対応や競業他社との差別化のために行う外国為替取引システム等への投資のための支出があります。
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況は、営業活動によるキャッシュ・フローが880百万円の収入、投資活動によるキャッシュ・フローが172百万円の支出、財務活動によるキャッシュ・フローが463百万円の収入となり、現金及び現金同等物の期末残高が前期と比べ1,171百万円増加することとなり、資金の流動性については正常なリスク管理の中での循環が維持されているものと認識、分析しております。
当社グループが経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標として重視している自己資本利益率及び営業収益経常利益率については、当連結会計年度は自己資本利益率が1.8%、営業収益経常利益率が10.1%となりました。当社グループは、業績が外国為替相場の影響を大きく受け、その予測が困難であることから、それぞれの目標数値を公表しておりませんが、当連結会計年度については、外国為替相場の変動率が新型コロナの影響によりボラタイルな相場展開となった2月下旬から3月を除くと極めて低い水準に留まったことから目標数値を下回りました。