有価証券報告書-第204期(令和3年1月1日-令和3年12月31日)

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2022/03/29 13:10
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(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は以下の通りであります。
① 経営成績の状況
当連結会計年度のわが国経済は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響が長期化するなか、ワクチン接種の進捗、感染者数の急減、行動制限の緩和等もあり、個人消費・企業収益ともに持ち直しの動きが見られましたが、新たな変異株による感染が世界的に急拡大するなど、先行き不透明感の強い状況が続きました。
当不動産業界におきましては、賃貸オフィス市場については、テレワークの普及等に伴うオフィスの統合・縮小の動きが見られ、空室率上昇と賃料下落の傾向が続きましたが、年度末にかけて一部エリアでは賃料の割安感から空室率が低下しました。また、ホテルや都心部の商業施設については、外出自粛やインバウンド需要消失の影響により厳しい状況が続きました。分譲住宅市場については、住まいに対する価値観やニーズの多様化、低金利の継続等もあり、都心・郊外ともに立地や利便性に優れた物件で好調な売れ行きが続くなど、全般として堅調に推移しました。不動産投資市場については、金融緩和による良好な資金調達環境が続き、投資家の投資意欲が引き続き旺盛だったことから、物流施設や賃貸住宅を中心に活況を呈しました。
このような事業環境のもと、当社グループは、2030年頃を見据えた長期ビジョン「次世代デベロッパーへ」と2020~2024年度を対象期間とするグループ中期経営計画に基づき、重点戦略を推進するとともに「ESG経営の高度化」に注力してまいりました。特に、脱炭素社会の実現に向けた取り組み強化のため、当社グループ全体における温室効果ガス排出量を2030年度までに40%削減(2019年度比)、2050年度までにネットゼロを目指すという中長期目標を設定するとともに、この目標がパリ協定の求める水準(注)に整合していることを示す「SBT(Science Based Targets)」認定を取得いたしました。また、事業活動で消費する電力を100%再生可能エネルギーで調達することを目指す国際的な環境イニシアチブである「RE100」への参加表明、個人投資家向けサステナビリティボンドの発行など、長期ビジョンで掲げる「社会課題の解決」と「企業としての成長」のより高い次元での両立に向けて、様々な取り組みを実施いたしました。さらに、コロナ禍を契機とした「働き方」・「働く場所」に対する多様なニーズに応えるため、フレキシブルオフィス事業の拡充を図ることとし、8拠点でサービスオフィスやコワーキングスペースを展開する「エキスパートオフィス㈱」の株式を取得して連結子会社化いたしました。
(注)世界の気温上昇を産業革命前より2℃を十分に下回る水準に抑え、また1.5℃に抑えることを目指すもの。
当連結会計年度における当社グループの連結業績については、ビル事業における賃貸収益が堅調に推移したこと、マンション分譲事業及び投資家向け物件売却が好調に推移したこと等により、営業収益は3,404億7千7百万円(前期3,349億8千万円、前期比1.6%増)、営業利益は587億8千4百万円(前期496億3千1百万円、前期比18.4%増)となりました。一方、海外事業の一部プロジェクトにおいて事業計画の見直しを行ったこと等により、持分法による投資損失108億4百万円を計上いたしました。この結果、事業利益は479億7千9百万円(前期498億4千7百万円、前期比3.7%減)、経常利益は462億7千万円(前期470億7千2百万円、前期比1.7%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は349億6千5百万円(前期317億9千5百万円、前期比10.0%増)となりました。
なお、当社グループは営業利益に持分法による投資損益を加えた「事業利益」を利益指標として設定しております。
また、当連結会計年度において、報告セグメントの区分を変更しており、前連結会計年度の実績値については、新セグメントに組替えて表示しております。
各セグメントの業績の概況は以下の通りであります。
イ.ビル事業
ビル事業におきましては、「東京駅前八重洲一丁目東B地区第一種市街地再開発事業」(東京都中央区)において再開発ビルの建築工事に着手し、「八重洲一丁目北地区第一種市街地再開発事業」(東京都中央区)においては市街地再開発組合の設立が認可されました。また、投資家向け物件については、物流施設の開発に注力し、2022年1月竣工の「T-LOGI(ティーロジ)横浜青葉」(横浜市都筑区)等、全国で17プロジェクトを推進したほか、中規模オフィスビル「T-PLUS(ティープラス)」、都市型ホテル、商業ビル等、多様なアセットタイプの新規開発を推進いたしました。
当連結会計年度におきましては、「Hareza Tower(ハレザタワー)」(東京都豊島区)、「T-LOGI久喜」(埼玉県久喜市)の通期稼働、「グランフロント大阪」(大阪市北区)の売却等により収益が増加いたしました。
この結果、営業収益は1,556億7千1百万円(前期1,445億5千4百万円、前期比7.7%増)、営業利益は444億8千1百万円(前期404億2千4百万円、前期比10.0%増)、事業利益は448億9百万円(前期408億6千5百万円、前期比9.7%増)となりました。
区分前連結会計年度当連結会計年度
数量等営業収益
(百万円)
数量等営業収益
(百万円)
ビル賃貸建物賃貸面積859,460㎡74,950建物賃貸面積862,209㎡75,701
(うち転貸面積81,362㎡)(うち転貸面積87,516㎡)
不動産売上6件32,8605件43,283
管理受託等-36,744-36,686
営業収益計-144,554-155,671
営業利益-40,424-44,481
事業利益-40,865-44,809

ロ.住宅事業
住宅事業におきましては、お客様評価NO.1を目指し、分譲マンションブランド「Brillia(ブリリア)」の価値向上に努めるとともに、賃貸マンション「Brillia ist(ブリリア イスト)」の開発等に積極的に取り組んでまいりました。当連結会計年度におきましては、住宅分譲では「Brillia Tower 西新」(福岡市早良区)、「SHINTO CITY(Ⅰ街区)」(さいたま市大宮区)、「Brillia Tower 有明 MID CROSS」(東京都江東区)、「Brillia 上野 Garden」(東京都台東区)等を収益に計上し、賃貸マンションでは「Brillia ist 千駄ヶ谷」(東京都新宿区)、「Brillia ist 文京茗荷谷」(東京都文京区)等を売却し、収益に計上いたしました。また、「Brillia Tower 堂島」(大阪市北区)、「Brillia Tower 浜離宮」(東京都港区)等の販売を開始いたしました。
この結果、営業収益は1,205億8千5百万円(前期991億6千4百万円、前期比21.6%増)、営業利益及び事業利益は170億9千6百万円(前期71億9千4百万円、前期比137.6%増)となりました。
区分前連結会計年度当連結会計年度
数量等営業収益
(百万円)
数量等営業収益
(百万円)
住宅分譲1,196戸64,4421,109戸71,903
不動産売上-8,842-20,585
住宅賃貸建物賃貸面積158,230㎡5,515建物賃貸面積153,254㎡5,896
マンション管理受託管理戸数95,720戸11,892管理戸数98,789戸12,906
その他-8,471-9,292
営業収益計-99,164-120,585
営業利益-7,194-17,096
事業利益-7,194-17,096

ハ.アセットサービス事業
アセットサービス事業におきましては、仲介事業については、法人のお客様との関係強化や大型案件の取り扱い増加等に取り組み、収益向上に努めてまいりました。既存の収益不動産の価値を高めて販売するアセットソリューション事業については、仲介事業との連携強化や物流施設等の新たなアセットへの取り組みを進めたこと等により、好調に推移いたしました。駐車場事業については、新規開設を厳選して行うとともに、駐車場システムの高機能化等の顧客サービス向上に努めたものの、新型コロナウイルス感染症拡大の影響が長期化したことにより、稼働は低水準で推移いたしました。
この結果、営業収益は426億5千4百万円(前期466億6千6百万円、前期比8.6%減)、営業利益及び事業利益は43億3千1百万円(前期26億8千6百万円、前期比61.2%増)となりました。
区分前連結会計年度当連結会計年度
数量等営業収益
(百万円)
数量等営業収益
(百万円)
仲介1,018件3,4561,152件4,473
アセットソリューション(注)-20,096-13,746
賃貸管理等-4,274-4,446
駐車場運営車室数76,173室18,839車室数75,254室19,988
営業収益計-46,666-42,654
営業利益-2,686-4,331
事業利益-2,686-4,331

(注)取得した不動産の付加価値を向上させて再販する買取再販業務を主に行っております。
ニ.海外事業
海外事業におきましては、シンガポールにおいて前年度に竣工したオフィスビル再開発事業「79ロビンソンロード」が通期稼働するとともに、中国においてマンション分譲事業が堅調に推移し、温州市における新たなプロジェクトに参画いたしました。一方、インドネシアにおいて新型コロナウイルス感染症拡大等の影響により一部プロジェクトで事業を中断したほか、ミャンマーにおいては「非常事態宣言」が発出されたことを受け、事業を全面的に停止いたしました。このような両国における事業の状況を踏まえ、それぞれの国で関係会社が参画するプロジェクトについて事業計画の見直しを行ったこと等により、持分法による投資損失111億3千3百万円を計上いたしました。
この結果、事業損失は118億7千8百万円(前期事業損失8億3千8百万円)となりました。
区分前連結会計年度当連結会計年度
数量等営業収益
(百万円)
数量等営業収益
(百万円)
コンサルティング報酬等-83-11
営業収益計-83-11
営業損失(△)-△613-△744
事業損失(△)-△838-△11,878

ホ.その他事業
クオリティライフ事業については、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けたものの、愛犬同伴型リゾートホテル、ゴルフ場は通年で高い稼働となりました。温浴施設については、新店舗「おふろの王様和光店」(埼玉県和光市)を12月に開業いたしました。また、保育施設については、新規に「おはよう保育園東中野」(東京都中野区)を4月に開設いたしました。
資産運用事業については、グループ内の連携を強化し、㈱東京リアルティ・インベストメント・マネジメント、東京建物不動産投資顧問㈱におけるAUM(運用資産残高)の拡大と運用受託報酬等の収益の向上に取り組んでまいりました。
当連結会計年度におきましては、クオリティライフ事業において前年度に計上したシニア事業の運営子会社株式と高齢者向け住宅の譲渡による収益が剥落したこと等により、営業収益は215億5千4百万円(前期445億1千万円、前期比51.6%減)、営業利益及び事業利益は27億6千2百万円(前期95億1百万円、前期比70.9%減)となりました。
なお、当連結会計年度より、一部組織再編を行い、「クオリティライフ事業」と「リゾート事業」を統合して「クオリティライフ事業」とする変更を行っております。
区分前連結会計年度当連結会計年度
営業収益
(百万円)
営業収益
(百万円)
クオリティライフ事業40,65717,377
その他3,8534,177
営業収益計44,51021,554
営業利益9,5012,762
事業利益9,5012,762

② 財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における資産合計は1兆6,507億7千万円となり、前連結会計年度末比で261億3千万円の増加となりました。これは、投資有価証券の減少があった一方で、現金及び預金並びに有形固定資産の増加があったこと等によるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計は1兆2,231億9百万円となり、前連結会計年度末比で24億円の減少となりました。これは、不動産特定共同事業出資受入金の増加があった一方で、有利子負債の減少があったこと等によるものであります。なお、有利子負債残高(リース債務除く。)は9,568億3千6百万円となり、前連結会計年度末比で200億5千9百万円の減少となりました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は4,276億6千1百万円となり、前連結会計年度末比で285億3千1百万円の増加となりました。これは、利益剰余金の増加があったこと等によるものであります。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、営業活動により658億8千9百万円増加、投資活動により16億4千2百万円減少、財務活動により321億8千7百万円減少したこと等により、前連結会計年度末比で323億6千2百万円増加し、870億8百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は以下の通りであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動による資金の増加は、658億8千9百万円(前期比223億6千5百万円増加)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益及び減価償却費による資金の増加があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動による資金の減少は、16億4千2百万円(前期比650億8千2百万円増加)となりました。これは主に、投資有価証券の売却による資金の増加があった一方で、固定資産の取得による資金の減少があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動による資金の減少は、321億8千7百万円(前期比704億9千4百万円減少)となりました。これは主に、社債の発行による資金の増加があった一方で、長期借入金の返済による資金の減少があったことによるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
生産、受注及び販売の実績については、「① 経営成績の状況」における各セグメント業績に関連付けて示しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下の通りであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 経営方針・経営戦略・経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、2020年度に策定したグループ中期経営計画(2020~2024年度)において、最終年度である2024年度の利益目標として、連結事業利益750億円を掲げております。また、D/Eレシオ2.4倍程度、有利子負債/EBITDA倍率12倍程度を目標達成に向けた財務指針として設定しております。
なお、当連結会計年度における達成状況は次の通りであります。
2021年12月期 実績
連結事業利益479億円
D/Eレシオ2.3倍
有利子負債/EBITDA倍率13.3倍

② 経営成績の分析
当連結会計年度における当社グループの連結業績については、ビル事業における賃貸収益が堅調に推移したこと、マンション分譲事業及び投資家向け物件売却が好調に推移したこと等により、営業収益は3,404億7千7百万円(前期3,349億8千万円、前期比1.6%増)、営業利益は587億8千4百万円(前期496億3千1百万円、前期比18.4%増)となりました。一方、海外事業の一部プロジェクトにおいて事業計画の見直しを行ったこと等により、持分法による投資損失108億4百万円を計上いたしました。この結果、事業利益は479億7千9百万円(前期498億4千7百万円、前期比3.7%減)、経常利益は462億7千万円(前期470億7千2百万円、前期比1.7%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は349億6千5百万円(前期317億9千5百万円、前期比10.0%増)となりました。
各セグメントの業績概要については、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況」に記載の通りであります。
③ 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの資金需要は主に不動産の取得・開発資金であり、これらの資金需要につきましては、営業活動によるキャッシュ・フローのほか、金融機関からの借入や社債発行等により資金調達を行っております。また、当社及び主要な連結子会社は、キャッシュマネジメントシステム(CMS)を導入することにより、各社の余剰資金を当社へ集約し、一元管理を行うことで、資金の効率化を図っております。
なお、資本の財源及び資金の流動性についての分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に、財政状態の分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ② 財政状態の状況」に記載の通りであります。
④ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載の通りであります。

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