有価証券報告書-第163期(2024/01/01-2024/12/31)

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2025/03/25 16:16
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(1) 経営成績の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において判断したものであります。
①経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境が改善する中、景気は緩やかな回復基調となりました。一方、ウクライナ情勢の長期化、中東情勢の混乱、エネルギーや原材料価格の高騰及び円安の影響、アメリカの今後の政策動向など、先行きは依然として不透明な状況が続いています。
このような状況の中、当社グループでは、グループ全体の事業再建・価値向上を図ることを目的として、2024年1月1日付で当社の連結子会社である佐渡汽船運輸株式会社を吸収合併存続会社、同じく当社の連結子会社である佐渡急送株式会社を吸収合併消滅会社とする吸収合併を行っております。
当連結会計年度においては、2024年1月1日に「令和6年能登半島地震」が発生し、新潟県内においても大きな被害が出ております。当社グループにおいては、保有する船舶や建物等の資産については甚大な被害は免れましたが、直江津港では地震の影響により液状化現象が発生し、岸壁等の港湾施設が大きな被害を受けました。小木直江津航路は地震発生時、冬季運休期間中(2023年11月13日~2024年3月28日)であったものの、その被害の大きさから営業再開が危惧される状況となりましたが、港湾設備を管理する新潟県のご尽力により復旧作業が進められた結果、小木直江津航路は予定通り2024年3月29日から営業再開することができました。
また、2024年7月には「佐渡島の金山」の世界文化遺産への登録が実現しました。佐渡観光への追い風が期待されましたが、顕著に観光客の増加が認められたのは秋以降であったことから、当連結会計年度における世界遺産効果は限定的なものとなりました。
この結果、当連結会計年度の売上高は12,764,363千円(前年同期比5.1%増)、営業利益は959,781千円(前年同期比17.7%減)、経常利益は880,837千円(前年同期比22.7%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は959,220千円(前年同期比29.4%減)となりました。
セグメントごとの経営成績等は次の通りであります。当社グループの売上高は、事業の性質上、下半期に集中する傾向があり、季節的変動が顕著であります。
(海陸輸送)
当連結会計年度の海上輸送における旅客輸送人員は1,273,475人(前年同期比5.7%増)、自動車航送台数は乗用車換算で225,212台(前年同期比3.5%増)、貨物輸送トン数は126,366トン(前年同期比6.8%増)となり、主要3部門の輸送量は増加しました。
陸上輸送においては、2024年1月1日付で連結子会社である佐渡汽船運輸株式会社を吸収合併存続会社、同じく連結子会社である佐渡急送株式会社を吸収合併消滅会社とする吸収合併を行っております。
当連結会計年度の売上高は12,113,750千円(前年同期比4.4%増)、セグメント利益(営業利益)は872,724千円(前年同期比23.2%減)となりました。
当連結会計年度のセグメント資産は、売上高の増加に伴い現金及び預金が増加したこと、陸上輸送における車両の更新により、14,366,011千円(前年同期比4.0%増)となりました。
(観光)
コロナ禍からの需要の回復、「佐渡島の金山」の世界文化遺産への登録により、観光客、マイカー客の利用が増加したこと、閑散期においてグループ各社が地元客を対象とした商品開発・販売に努めたことにより、売上高は増加しました。
当連結会計年度の売上高は385,601千円(前年同期比23.0%増)、セグメント利益(営業利益)は10,359千円(前期は12,759千円のセグメント損失)となりました。
当連結会計年度のセグメント資産は、ホテルにおいて改装工事(2024年3月リニューアルオープン)を行っていることから、316,708千円(前年同期比18.0%増)となりました。
(不動産・施設管理)
両津港周辺の有料駐車場利用の増加、施設管理部門において大規模な保守修繕工事があったことから、売上高は増加しました。
当連結会計年度の売上高は265,012千円(前年同期比19.4%増)、セグメント利益(営業利益)は76,851千円(前年同期比76.6%増)となりました。
当連結会計年度のセグメント資産は、売上高の増加及び費用削減に伴い現金及び預金が増加したことから、440,814千円(前年同期比20.4%増)となりました。
②財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ621,449千円増加し14,658,235千円となりました。
流動資産は前連結会計年度末に比べ1,126,045千円増加し7,362,319千円となりました。これは、売上高の増加により現金及び預金が1,065,236千円増加したことが主な要因であります。
固定資産は前連結会計年度末に比べ504,430千円減少し7,295,916千円となりました。これは、有形固定資産が償却の進行により56,682千円減少したこと、その他無形固定資産が46,916千円、長期前払費用が247,031千円、繰延税金資産が118,970千円それぞれ減少したことが主な要因であります。
(負債)
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ355,483千円減少し10,848,249千円となりました。
流動負債は前連結会計年度末に比べ25,586千円増加し1,984,418千円となりました。これは、社債20,000千円の償還が完了したこと、1年内返済予定の長期借入金が94,286千円、未払消費税等20,644千円、その他流動負債が26,945千円それぞれ減少したものの、支払手形及び買掛金が64,920千円、未払金が126,326千円それぞれ増加したことが主な要因であります。
固定負債は前連結会計年度末に比べ381,069千円減少し8,863,831千円となりました。これは、退職給付に係る負債が153,532千円増加したものの、長期借入金が513,197千円減少したことが主な要因であります。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ976,932千円増加し3,809,986千円となりました。これは、親会社株主に帰属する当期純利益959,220千円を計上したことが主な要因であります。この結果、連結ベースの自己資本比率は前連結会計年度末の19.8%から25.5%に、また1株当たり純資産額は52.22円から70.46円になりました。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下、「資金」という)は、営業活動による資金の増加が2,360,582千円、投資活動による資金の減少が2,333,195千円、財務活動による資金の減少が633,899千円となり、前連結会計年度末に比べ606,512千円減少し、当連結会計年度末残高は3,421,427千円(前年同期比15.06%減)となりました。各キャッシュ・フローの状況と、それらの要因は以下の通りであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金の増加は2,360,582千円(前年同期は1,870,402千円の増加)となりました。これは棚卸資産の増加額が48,117千円、利息の支払額が145,527千円あったものの、税金等調整前当期純利益が1,143,080千円、減価償却費が758,372千円、仕入債務の増加が64,919千円、補助金の受取額が253,052千円あったことが主な要因であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金の減少は2,333,195千円(前年同期は744,454千円の減少)となりました。これは補助金収入が70,755千円、定期預金の払戻による収入が32,652千円あったものの、有形及び無形固定資産の取得による支出が763,985千円、定期預金の預入による支出が1,704,400千円あったことが主な要因であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金の減少は633,899千円(前年同期は253,532千円の減少)となりました。長期借入金の返済による支出が607,483千円、社債の償還による支出が20,000千円あったことが主な要因であります。
④生産、受注及び販売の実績
当社グループ(当社及び連結子会社)の営業形態はサービス業であるため、生産、受注及び販売の実績については、「① 経営成績の状況」における報告セグメントの業績に関連付けて示しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析内容は次の通りであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたり重要となる会計方針については「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載されているとおりであります。
この連結財務諸表の作成にあたり、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要としております。
なお、連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては「第5 経理の状況 1 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」をご参照ください。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(当社輸送実績)
2023年度2024年度輸送目標前年度差輸送目標差
旅客輸送人員(人)1,205,1331,273,4751,295,09568,342△21,620
自動車航送換算台数(台)217,560225,212222,6927,6522,520
貨物輸送トン数(トン)118,329126,366115,3008,03711,066

当連結会計年度においては、コロナ禍からの需要の回復に対応したダイヤ設定としましたが、2024年1月1日に発生した能登半島地震の影響を受けたこと、また、「佐渡の金山」世界文化遺産登録の効果が限定的であったことから、旅客輸送量は前連結会計年度を上回ったものの、目標には達しない状況となりました。しかしながら、当社の旅客、航送車、貨物の主要3部門の輸送量は前連結会計年度と比較して増加していることから、観光産業に付帯するサービスを提供する連結子会社の観光客需要も増加しております。また、佐渡島内の連結子会社では、地元客をターゲットとした商品開発を行い、積極的な営業活動を行ったことにより、当連結会計年度の当社グループの売上高は12,764,363千円(前年同期比5.1%増)となりました。
なお、当社では安定的な輸送量を維持するため、観光客の誘致を経営上の重要な施策と位置付けております。現状においては、当社の旅客輸送量に占めるインバウンドの割合は僅かではありますが、中長期的にはインバウンド誘致は当社にとって重要な課題であり、地元自治体やみちのりグループ各社と連携してインバウンド誘致に努めてまいります。
(船舶主燃料費の推移)
2022年度2023年度2024年度
船舶主燃料費(千円)1,425,4121,522,7751,701,500
連結売上原価に占める船舶
主燃料費の割合(%)
16.515.315.9

当社では、船舶主燃料の購入については入札制度を導入しコスト削減に努めております。一方、当連結会計年度においては、コロナ禍からの需要の回復に見合ったダイヤ設定により運航便数が増加していることや、エネルギー価格の高止まり及び円安の影響による燃料油価格の高騰により船舶主燃料費は増加しております。
なお、当社では燃料油価格の高騰に対応するため燃料油価格変動調整金を導入しておりますが、燃料油価格が著しく急騰した場合は当社グループの経営成績に影響を及ぼす恐れ(「3 事業等のリスク」参照)があるため、燃料油価格の動向を注視しております。
当社グループの売上原価は10,698,731千円(前年同期比7.5%増)、販売費及び一般管理費は1,105,851千円(前年同期比8.5%増)となりました。売上原価の増加は、売上高増加に伴う原価の増加、運航便数の増加に伴う燃料使用量の増加及び燃料油価格の高騰による燃料費の増加、コロナ禍において抑制していた設備投資額の増加に伴う減価償却費の増加、需要の回復に伴う人手不足問題に対応するため労働分配率の改善を図ったことが主な要因であります。
以上の結果、営業利益は959,781千円(前年同期比17.7%減)、経常利益は880,837千円(前年同期比22.7%減)となりました。
特別利益は379,086千円、特別損失は116,842千円を計上しております。特別利益については、補助金収入が増加したこと、保険解約返戻金を計上したことにより増加しております。特別損失については、固定資産除却損の増加、減損損失の計上、災害による損失を計上したことにより増加しております。
以上の結果、税金等調整前当期純利益1,143,080千円(前年同期比13.9%減)に法人税等調整額144,198千円(前期は△65,411千円の法人税等調整額)を計上したこと等により、親会社株主に帰属する当期純利益は959,220千円(前年同期比29.4%減)となりました。
財政状態の状況につきましては「(1) 経営成績の状況の概要 ②財政状態の状況」に、セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容につきましては、「(1)経営成績の状況の概要 ①経営成績の状況」にそれぞれ記載しております。
③経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループは海運業を主体とした事業を行っており、本土と佐渡島を結ぶ生活航路の要素と、佐渡島への観光客を輸送する観光航路の要素を併せ持っております。このことから、低廉な運賃でサービスを提供する公共交通機関としての使命と、営利を目的とする企業としての使命の二律背反の環境にあります。そのため、航路運営施策や観光客誘致施策に対する行政の支援の状況、景気低迷による観光需要の減少、及び風水害などの自然災害、気象・海象の悪化による欠航等の外的要因による輸送量の減少が経営成績に重要な影響を与える要因となっております。
この他、経営成績に重要な影響を与える要因につきましては「3 事業等のリスク」をご参照願います。
④資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金は、主に海上運送事業に係る船舶燃料費、船舶修繕費、人件費、経費、販売費及び一般管理費等の営業費用並びに当社グループの設備投資及び改修等に支出しております。これらの必要資金につきましては営業キャッシュ・フローを源泉とする自己資金のほか、金融機関からの借入等による資金調達にて対応しております。また、当社グループを対象としたグループ内融資枠制度を設けることにより、グループ内の余剰資金を一元管理し、グループ外からの借入による資金調達の抑制を行っております。
なお、2022年3月、当社は取引金融機関から既存借入金のリファイナンスにより返済猶予と15年間での分割返済を内容とする金融支援を受けておりましたが、返済猶予期間は前連結会計年度末にて終了し当連結会計年度より返済を再開しております。
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況につきましては「(1) 経営成績の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

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