有価証券報告書-第161期(2022/01/01-2022/12/31)
当連結会計年度の期首より、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用しております。財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに関する説明における前期及び前連結会計年度末との比較は、当該会計基準等を適用する前の前連結会計年度の数値を用いて算定しております。
詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (会計方針の変更)」をご参照ください。
(1) 経営成績の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において判断したものであります。
①経営成績の状況
当連結会計年度のわが国経済は、新型コロナウイルス変異株による感染の再拡大、ウクライナ情勢、世界的な半導体不足、原油や原材料価格の高騰等の影響により、依然として先行きは不透明な状況にあります。
このような状況の中、当社グループは、当連結会計年度において、産業競争力強化法に基づき新潟県中小企業再生支援協議会が実施する私的整理手続きにおいて再生計画を策定し、これに基づき、みちのりホールディングスからの出資を通じた経営支援を受けた他、取引金融機関からは、債務の株式化、既存借入金のリファイナンスにより2023年12月までの返済猶予と15年間での分割返済を内容とする金融支援を受け、資本増強及び財務キャッシュ・フローの安定化を図っております。
当連結会計年度における当社グループの業績は、2022年3月にまん延防止等重点措置が解除されて以降、政府による感染防止対策と社会経済活動重視との政策等により、需要が回復傾向となったこと、また、再生計画に基づく増収施策やコスト削減策の実施に加え、親会社であるみちのりホールディングスとの縦串横串経営、ベストプラクティスの共有、スケールメリットの追求等の効果により、売上高は10,089,910千円(前年同期比24.9%増)、営業利益は403,783千円(前年同期は1,641,370千円の営業損失)、経常利益は359,613千円(前年同期は1,745,192千円の経常損失)、親会社株主に帰属する当期純利益は922,483千円(前年同期は1,671,983千円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
セグメントごとの経営成績等は次のとおりであります。
(海運)
当連結会計年度の旅客輸送人員は984,659人(前年同期比28.9%増)、自動車航送台数は乗用車換算で195,540台(前年同期比11.0%増)、貨物輸送トン数は126,647トン(前年同期比2.9%減)となりました。
当社は、再生計画に基づく増収施策として2022年1月より運賃割引の見直し、2022年7月より燃料油価格変動調整金の制度改定を行ったことに加え、需要が回復してきたことにより売上高は前年同期を上回りました。費用面においても再生計画に基づくコスト削減策として、競争の強化による仕入・調達費の抑制、賞与等の人件費の抑制、DX推進による業務の効率化等を実施いたしました。これらにより、当連結会計年度は前連結会計年度のセグメント損失(営業損失)からセグメント利益(営業利益)へ転換いたしました。
当連結会計年度の売上高は7,150,085千円(前年同期比28.2%増)、セグメント利益(営業利益)は300,706千円(前年同期は1,468,336千円のセグメント損失(営業損失))となりました。
当連結会計年度のセグメント資産は、売上高の回復、みちのりホールディングスからの出資や取引金融機関から既存借入金の返済猶予を内容とする金融支援により現金及び預金が増加したこと、中古船舶の取得(建設仮勘定に計上)により固定資産が増加したことから、9,782,187千円(前年同期28.1%増)となりました。
(一般貨物自動車運送)
貨物輸送量は、佐渡産の米やおけさ柿等の農産物輸送や佐渡市防災庁舎建設工事等の公共工事関連資材輸送があったことから堅調に推移しました。費用面においては燃料費の高騰があったものの、各種コスト削減策や固定資産の償却の進行に伴い減価償却費が減少したことにより、前年同期を下回りました。
当連結会計年度の売上高は1,466,719千円(前年同期比3.0%増)、セグメント利益(営業利益)は52,300千円(前年同期比119.1%増)となりました。
当連結会計年度のセグメント資産は、償却の進行により固定資産が減少したことから2,031,243千円(前年同期比9.9%減)となりました。
(売店・飲食)
旅行需要が回復傾向にあることや、政府による旅行支援策が実施によりされたことでクーポン券利用による旺盛な需要がありました。
当連結会計年度の売上高は717,902千円(前年同期比33.7%増)、セグメント損失(営業損失)は28,009千円(前年同期は126,631千円のセグメント損失(営業損失))となりました。
当連結会計年度のセグメント資産は、新規借入を抑制したことにより現金及び預金が減少したことから189,894千円(前年同期比17.3%減)となりました。
(観光)
新型コロナウイルス感染症拡大の影響が和らぎ、旅行需要が回復傾向にあることや政府による旅行支援策により旅行商品の売上が堅調に推移しました。観光客の需要回復により、宿泊部門、観光施設部門においても業績が回復しつつあります。
当連結会計年度の売上高は570,787千円(前年同期比53.2%増)、セグメント利益(営業利益)は21,450千円(前年同期は80,153千円のセグメント損失(営業損失))となりました。
当連結会計年度のセグメント資産は、売上高の回復により現金及び預金が増加したことから579,430千円(前年同期比11.4%増)となりました。
(不動産賃貸)
入店テナントの増加により賃貸料収入が増加したこと、両津港ターミナル周辺駐車場の短時間利用の増加に伴い駐車場収入が増加したことから、売上高は前年同期を上回りました。
当連結会計年度の売上高は、91,296千円(前年同期比14.9%増)、セグメント利益(営業利益)は10,389千円(前年同期は18,606千円のセグメント損失(営業損失))となりました。
当連結会計年度のセグメント資産は、売上高の回復により現金及び預金が増加したことから223,791千円(前年同期比7.4%増)となりました。
(その他)
当社グループ外より受託している清掃サービス部門の売上高は前年同期を上回りました。
当連結会計年度の売上高は93,121千円(前年同期比3.1%増)、セグメント利益(営業利益)は2,461千円(前年同期は1,596千円のセグメント損失(営業損失))となりました。
当連結会計年度のセグメント資産は、売上高の回復により現金及び預金が増加したことから79,033千円(前年同期比5.6%増)となりました。
②財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,939,761千円増加し12,070,990千円となりました。
流動資産は前連結会計年度末に比べ1,233,132千円増加し4,996,628千円となりました。これは、株式会社みちのりホールディングスからの出資を通じた経営支援を受けたことや、売上高の増加により現金及び預金が1,257,677千円増加したことが主な要因であります。 固定資産は前連結会計年度末に比べ712,280千円増加し7,073,973千円となりました。これは、有形固定資産
が中古船舶の購入(建設仮勘定939,058千円)により増加したことが主な要因であります。
(負債)
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ1,742,532千円減少し10,592,049千円となりました。
流動負債は前連結会計年度末に比べ1,238,153千円減少し1,243,314千円となりました。これは、1年内返済予定の長期借入金が1,130,787千円、1年内償還予定の社債が117,280千円減少したことが主な要因であります。
固定負債は前連結会計年度末に比べ504,379千円減少し9,348,735千円となりました。これは、特別修繕引当金が84,980千円増加したものの、社債が344,800千円、長期借入金が136,451千円、退職給付に係る負債が28,139千円それぞれ減少したことが主な要因であります。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ3,682,293千円増加し1,478,941千円となりました。これは、株式会社みちのりホールディングスからの出資を通じた経営支援を受けた他、取引金融機関である株式会社第四北越銀行からの債務の株式化による金融支援を受けたこと、また、親会社株主に帰属する当期純利益922,483千円を計上したことが主な要因であります。この結果、連結ベースの自己資本比率は前連結会計年度末の△22.4%から11.8%に、また1株当たり純資産額は△136.05円から26.59円になりました。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下、「資金」という)は、営業活動による資金の増加が1,275,023千円、投資活動による資金の減少が1,005,523千円、財務活動による資金の増加が1,007,869千円となり、前連結会計年度末に比べ1,277,369千円増加し、当連結会計年度末残高は3,155,523千円(前年同期比68.01%増)となりました。各キャッシュ・フローの状況と、それらの要因は以下の通りであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金の増加は1,275,023千円(前年同期は747,915千円の減少)となりました。これは売上債権の増加額が28,129千円、役員退職慰労引当金の減少が58,510千円、利息の支払額が120,150千円、法人税等の支払額が72,720千円あったものの、税金等調整前当期純利益が692,579千円、減価償却費が435,428千円、補助金の受取額が370,920千円あったことが主な要因であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金の減少は1,005,523千円(前年同期は2,715,682千円の増加)となりました。これは定期預金の払戻による収入が187,094千円あったものの、有形及び無形固定資産の取得による支出が1,040,668千円あったことが主な要因であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金の増加は1,007,869千円(前年同期は2,860,221千円の減少)となりました。これは短期借入金の返済による支出が121,280千円、長期借入金の返済による支出が5,756,312千円、社債の償還による支出が462,080千円、自己株式の取得による支出が249,578千円あったものの、長期借入れによる収入が4,489,074千円、株式の発行による収入が2,788,004千円、自己株式の売却による収入が252,345千円あったことが主な要因であります。
④生産、受注及び販売の実績
当社グループ(当社及び連結子会社)の営業形態はサービス業であるため、生産、受注及び販売の実績については、「① 経営成績の状況」における報告セグメントの業績に関連付けて示しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析内容は次の通りであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたり重要となる会計方針については「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載されているとおりであります。
この連結財務諸表の作成にあたり、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要としております。
なお、連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては「第5 経理の状況 1 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」をご参照ください。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(当社輸送実績)
当連結会計年度においては、2022年3月にまん延防止等重点措置が解除されて以降、政府による感染防止対策と社会経済活動重視との政策等により需要が回復傾向となったことや旅行支援に関する施策が行われたことにより、当社の旅客、航送車の輸送量は前連結会計年度と比較して増加しました。これに伴い、当社及び観光産業に付帯するサービスを提供する「売店・飲食」セグメント及び「観光」セグメントの連結子会社の業績も改善しております。また、当社において、収益改善施策として営業割引の見直しや燃料油価格変動調整金の改定を行ったこと等により、当連結会計年度の当社グループの売上高は10,089,910千円(前連結会計年度売上高は8,078,994千円)となりました。
なお、当社では安定的な輸送量を維持するため、観光客の誘致を経営上の重要な施策と位置付けております。現状においては、当社の旅客輸送量に占めるインバウンドの割合は僅かではありますが、中長期的にはインバウンド誘致は当社にとって重要な課題であり、アフターコロナを見据えてインバウンド誘致に努めてまいります。
(船舶主燃料費の推移)
当連結会計年度においても、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により輸送量がコロナ禍前と比較して減少していることから、輸送量に見合ったダイヤ編成による運航コストの削減を行いました。また、船舶主燃料の一部については入札制度を導入し、コスト削減に努めました。しかしながら、ウクライナ情勢による世界的なエネルギー価格の高騰の影響を受け、船舶主燃料費は増加しております。
なお、当社では燃料油価格の高騰に対応するため燃料油価格変動調整金を導入しておりますが、燃料油価格が著しく急騰した場合は当社グループの経営成績に影響を及ぼす恐れ(「2 事業等のリスク」参照)があるため、燃料油価格の動向を注視しております。
当社グループの売上原価は8,654,979千円(前年同期比0.3%減)、販売費及び一般管理費は1,031,148千円(前年同期比1.2%減)となりました。売上原価、販売費及び一般管理費においては、前述のとおり船舶主燃料費の増加や私的整理手続きに係る専門家費用の発生があったものの、各種契約の見直し、競争の強化による仕入・調達費の抑制、賞与等の人件費の抑制等によりコスト削減に努めました。一方、生産性及び収益力を高めるため、中長期的な視野に立ちDXの推進やコンサルタント導入等の支出も行っております。この結果、費用全体ではほぼ前年並みとなりました。
以上の結果、営業利益は403,783千円(前年同期は1,641,370千円の営業損失)、経常利益は359,613千円(前年同期は1,745,192千円の経常損失)となりました。
特別利益は427,239千円、特別損失は94,273千円を計上しております。詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (連結損益計算書関係) ※4~※8」をご参照ください。なお、前連結会計年度においては、船舶売却に伴う特別利益及び特別損失を計上していることから、前連結会計年度と比較して著しく減少しております。
以上の結果、税金等調整前当期純利益は692,579千円(前年同期は1,628,756千円の税金等調整前当期純損失)に法人税等調整額△256,860千円を計上したこと等により、親会社株主に帰属する当期純利益は922,483千円(前年同期は1,671,983千円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
財政状態の状況につきましては「(1) 経営成績の状況の概要 ②財政状態の状況」に、セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容につきましては、「(1)経営成績の状況の概要 ①経営成績の状況」にそれぞれ記載しております。
③経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループは海運業を主体とした事業を行っており、本土と佐渡島を結ぶ生活航路の要素と、佐渡島への観光客を輸送する観光航路の要素を併せ持っております。このことから、低廉な運賃でサービスを提供する公共交通機関としての使命と、営利を目的とする企業としての使命の二律背反の環境にあります。そのため、航路運営施策や観光客誘致施策に対する行政の支援の状況、景気低迷による観光需要の減少、及び風水害などの自然災害、気象・海象の悪化による欠航等の外的要因による輸送量の減少が経営成績に重要な影響を与える要因となっております。
この他、経営成績に重要な影響を与える要因につきましては「2 事業等のリスク」をご参照願います。
④資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金は、主に海上運送事業に係る船舶燃料費、船舶修繕費、人件費、経費、販売費及び一般管理費等の営業費用並びに当社グループの設備投資及び改修等に支出しております。これらの必要資金につきましては営業キャッシュ・フローを源泉とする自己資金のほか、金融機関からの借入等による資金調達にて対応しております。また、当社グループを対象としたグループ内融資枠制度を設けることにより、グループ内の余剰資金を一元管理し、グループ外からの借入による資金調達の抑制を行っております。
なお、当連結会計年度においては、みちのりホールディングスからの出資を通じた経営支援を受けた他、新株予約権の行使に伴う新株発行、取引金融機関からは債務の株式化、既存借入金のリファイナンスにより2023年12月までの返済猶予と15年間での分割返済を内容とする金融支援を受けております。
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況につきましては「(1) 経営成績の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
⑤経営上の目標の達成状況について
(単位:千円)
詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (会計方針の変更)」をご参照ください。
(1) 経営成績の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において判断したものであります。
①経営成績の状況
当連結会計年度のわが国経済は、新型コロナウイルス変異株による感染の再拡大、ウクライナ情勢、世界的な半導体不足、原油や原材料価格の高騰等の影響により、依然として先行きは不透明な状況にあります。
このような状況の中、当社グループは、当連結会計年度において、産業競争力強化法に基づき新潟県中小企業再生支援協議会が実施する私的整理手続きにおいて再生計画を策定し、これに基づき、みちのりホールディングスからの出資を通じた経営支援を受けた他、取引金融機関からは、債務の株式化、既存借入金のリファイナンスにより2023年12月までの返済猶予と15年間での分割返済を内容とする金融支援を受け、資本増強及び財務キャッシュ・フローの安定化を図っております。
当連結会計年度における当社グループの業績は、2022年3月にまん延防止等重点措置が解除されて以降、政府による感染防止対策と社会経済活動重視との政策等により、需要が回復傾向となったこと、また、再生計画に基づく増収施策やコスト削減策の実施に加え、親会社であるみちのりホールディングスとの縦串横串経営、ベストプラクティスの共有、スケールメリットの追求等の効果により、売上高は10,089,910千円(前年同期比24.9%増)、営業利益は403,783千円(前年同期は1,641,370千円の営業損失)、経常利益は359,613千円(前年同期は1,745,192千円の経常損失)、親会社株主に帰属する当期純利益は922,483千円(前年同期は1,671,983千円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
セグメントごとの経営成績等は次のとおりであります。
(海運)
当連結会計年度の旅客輸送人員は984,659人(前年同期比28.9%増)、自動車航送台数は乗用車換算で195,540台(前年同期比11.0%増)、貨物輸送トン数は126,647トン(前年同期比2.9%減)となりました。
当社は、再生計画に基づく増収施策として2022年1月より運賃割引の見直し、2022年7月より燃料油価格変動調整金の制度改定を行ったことに加え、需要が回復してきたことにより売上高は前年同期を上回りました。費用面においても再生計画に基づくコスト削減策として、競争の強化による仕入・調達費の抑制、賞与等の人件費の抑制、DX推進による業務の効率化等を実施いたしました。これらにより、当連結会計年度は前連結会計年度のセグメント損失(営業損失)からセグメント利益(営業利益)へ転換いたしました。
当連結会計年度の売上高は7,150,085千円(前年同期比28.2%増)、セグメント利益(営業利益)は300,706千円(前年同期は1,468,336千円のセグメント損失(営業損失))となりました。
当連結会計年度のセグメント資産は、売上高の回復、みちのりホールディングスからの出資や取引金融機関から既存借入金の返済猶予を内容とする金融支援により現金及び預金が増加したこと、中古船舶の取得(建設仮勘定に計上)により固定資産が増加したことから、9,782,187千円(前年同期28.1%増)となりました。
(一般貨物自動車運送)
貨物輸送量は、佐渡産の米やおけさ柿等の農産物輸送や佐渡市防災庁舎建設工事等の公共工事関連資材輸送があったことから堅調に推移しました。費用面においては燃料費の高騰があったものの、各種コスト削減策や固定資産の償却の進行に伴い減価償却費が減少したことにより、前年同期を下回りました。
当連結会計年度の売上高は1,466,719千円(前年同期比3.0%増)、セグメント利益(営業利益)は52,300千円(前年同期比119.1%増)となりました。
当連結会計年度のセグメント資産は、償却の進行により固定資産が減少したことから2,031,243千円(前年同期比9.9%減)となりました。
(売店・飲食)
旅行需要が回復傾向にあることや、政府による旅行支援策が実施によりされたことでクーポン券利用による旺盛な需要がありました。
当連結会計年度の売上高は717,902千円(前年同期比33.7%増)、セグメント損失(営業損失)は28,009千円(前年同期は126,631千円のセグメント損失(営業損失))となりました。
当連結会計年度のセグメント資産は、新規借入を抑制したことにより現金及び預金が減少したことから189,894千円(前年同期比17.3%減)となりました。
(観光)
新型コロナウイルス感染症拡大の影響が和らぎ、旅行需要が回復傾向にあることや政府による旅行支援策により旅行商品の売上が堅調に推移しました。観光客の需要回復により、宿泊部門、観光施設部門においても業績が回復しつつあります。
当連結会計年度の売上高は570,787千円(前年同期比53.2%増)、セグメント利益(営業利益)は21,450千円(前年同期は80,153千円のセグメント損失(営業損失))となりました。
当連結会計年度のセグメント資産は、売上高の回復により現金及び預金が増加したことから579,430千円(前年同期比11.4%増)となりました。
(不動産賃貸)
入店テナントの増加により賃貸料収入が増加したこと、両津港ターミナル周辺駐車場の短時間利用の増加に伴い駐車場収入が増加したことから、売上高は前年同期を上回りました。
当連結会計年度の売上高は、91,296千円(前年同期比14.9%増)、セグメント利益(営業利益)は10,389千円(前年同期は18,606千円のセグメント損失(営業損失))となりました。
当連結会計年度のセグメント資産は、売上高の回復により現金及び預金が増加したことから223,791千円(前年同期比7.4%増)となりました。
(その他)
当社グループ外より受託している清掃サービス部門の売上高は前年同期を上回りました。
当連結会計年度の売上高は93,121千円(前年同期比3.1%増)、セグメント利益(営業利益)は2,461千円(前年同期は1,596千円のセグメント損失(営業損失))となりました。
当連結会計年度のセグメント資産は、売上高の回復により現金及び預金が増加したことから79,033千円(前年同期比5.6%増)となりました。
②財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,939,761千円増加し12,070,990千円となりました。
流動資産は前連結会計年度末に比べ1,233,132千円増加し4,996,628千円となりました。これは、株式会社みちのりホールディングスからの出資を通じた経営支援を受けたことや、売上高の増加により現金及び預金が1,257,677千円増加したことが主な要因であります。 固定資産は前連結会計年度末に比べ712,280千円増加し7,073,973千円となりました。これは、有形固定資産
が中古船舶の購入(建設仮勘定939,058千円)により増加したことが主な要因であります。
(負債)
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ1,742,532千円減少し10,592,049千円となりました。
流動負債は前連結会計年度末に比べ1,238,153千円減少し1,243,314千円となりました。これは、1年内返済予定の長期借入金が1,130,787千円、1年内償還予定の社債が117,280千円減少したことが主な要因であります。
固定負債は前連結会計年度末に比べ504,379千円減少し9,348,735千円となりました。これは、特別修繕引当金が84,980千円増加したものの、社債が344,800千円、長期借入金が136,451千円、退職給付に係る負債が28,139千円それぞれ減少したことが主な要因であります。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ3,682,293千円増加し1,478,941千円となりました。これは、株式会社みちのりホールディングスからの出資を通じた経営支援を受けた他、取引金融機関である株式会社第四北越銀行からの債務の株式化による金融支援を受けたこと、また、親会社株主に帰属する当期純利益922,483千円を計上したことが主な要因であります。この結果、連結ベースの自己資本比率は前連結会計年度末の△22.4%から11.8%に、また1株当たり純資産額は△136.05円から26.59円になりました。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下、「資金」という)は、営業活動による資金の増加が1,275,023千円、投資活動による資金の減少が1,005,523千円、財務活動による資金の増加が1,007,869千円となり、前連結会計年度末に比べ1,277,369千円増加し、当連結会計年度末残高は3,155,523千円(前年同期比68.01%増)となりました。各キャッシュ・フローの状況と、それらの要因は以下の通りであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金の増加は1,275,023千円(前年同期は747,915千円の減少)となりました。これは売上債権の増加額が28,129千円、役員退職慰労引当金の減少が58,510千円、利息の支払額が120,150千円、法人税等の支払額が72,720千円あったものの、税金等調整前当期純利益が692,579千円、減価償却費が435,428千円、補助金の受取額が370,920千円あったことが主な要因であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金の減少は1,005,523千円(前年同期は2,715,682千円の増加)となりました。これは定期預金の払戻による収入が187,094千円あったものの、有形及び無形固定資産の取得による支出が1,040,668千円あったことが主な要因であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金の増加は1,007,869千円(前年同期は2,860,221千円の減少)となりました。これは短期借入金の返済による支出が121,280千円、長期借入金の返済による支出が5,756,312千円、社債の償還による支出が462,080千円、自己株式の取得による支出が249,578千円あったものの、長期借入れによる収入が4,489,074千円、株式の発行による収入が2,788,004千円、自己株式の売却による収入が252,345千円あったことが主な要因であります。
④生産、受注及び販売の実績
当社グループ(当社及び連結子会社)の営業形態はサービス業であるため、生産、受注及び販売の実績については、「① 経営成績の状況」における報告セグメントの業績に関連付けて示しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析内容は次の通りであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたり重要となる会計方針については「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載されているとおりであります。
この連結財務諸表の作成にあたり、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要としております。
なお、連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては「第5 経理の状況 1 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」をご参照ください。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(当社輸送実績)
| 2021年度 | 2022年度 | 輸送目標 | 前年度差 | 輸送目標差 | |
| 旅客輸送人員(人) | 763,971 | 984,659 | 954,000 | 220,688 | 30,659 |
| 自動車航送換算台数(台) | 176,144 | 195,540 | 183,000 | 19,396 | 12,540 |
| 貨物輸送トン数(トン) | 130,407 | 126,647 | 138,000 | △3,760 | △11,353 |
当連結会計年度においては、2022年3月にまん延防止等重点措置が解除されて以降、政府による感染防止対策と社会経済活動重視との政策等により需要が回復傾向となったことや旅行支援に関する施策が行われたことにより、当社の旅客、航送車の輸送量は前連結会計年度と比較して増加しました。これに伴い、当社及び観光産業に付帯するサービスを提供する「売店・飲食」セグメント及び「観光」セグメントの連結子会社の業績も改善しております。また、当社において、収益改善施策として営業割引の見直しや燃料油価格変動調整金の改定を行ったこと等により、当連結会計年度の当社グループの売上高は10,089,910千円(前連結会計年度売上高は8,078,994千円)となりました。
なお、当社では安定的な輸送量を維持するため、観光客の誘致を経営上の重要な施策と位置付けております。現状においては、当社の旅客輸送量に占めるインバウンドの割合は僅かではありますが、中長期的にはインバウンド誘致は当社にとって重要な課題であり、アフターコロナを見据えてインバウンド誘致に努めてまいります。
(船舶主燃料費の推移)
| 2020年度 | 2021年度 | 2022年度 | |
| 船舶主燃料費(千円) | 1,120,839 | 1,239,862 | 1,425,412 |
| 連結売上原価に占める船舶 主燃料費の割合(%) | 11.9 | 14.3 | 16.5 |
当連結会計年度においても、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により輸送量がコロナ禍前と比較して減少していることから、輸送量に見合ったダイヤ編成による運航コストの削減を行いました。また、船舶主燃料の一部については入札制度を導入し、コスト削減に努めました。しかしながら、ウクライナ情勢による世界的なエネルギー価格の高騰の影響を受け、船舶主燃料費は増加しております。
なお、当社では燃料油価格の高騰に対応するため燃料油価格変動調整金を導入しておりますが、燃料油価格が著しく急騰した場合は当社グループの経営成績に影響を及ぼす恐れ(「2 事業等のリスク」参照)があるため、燃料油価格の動向を注視しております。
当社グループの売上原価は8,654,979千円(前年同期比0.3%減)、販売費及び一般管理費は1,031,148千円(前年同期比1.2%減)となりました。売上原価、販売費及び一般管理費においては、前述のとおり船舶主燃料費の増加や私的整理手続きに係る専門家費用の発生があったものの、各種契約の見直し、競争の強化による仕入・調達費の抑制、賞与等の人件費の抑制等によりコスト削減に努めました。一方、生産性及び収益力を高めるため、中長期的な視野に立ちDXの推進やコンサルタント導入等の支出も行っております。この結果、費用全体ではほぼ前年並みとなりました。
以上の結果、営業利益は403,783千円(前年同期は1,641,370千円の営業損失)、経常利益は359,613千円(前年同期は1,745,192千円の経常損失)となりました。
特別利益は427,239千円、特別損失は94,273千円を計上しております。詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (連結損益計算書関係) ※4~※8」をご参照ください。なお、前連結会計年度においては、船舶売却に伴う特別利益及び特別損失を計上していることから、前連結会計年度と比較して著しく減少しております。
以上の結果、税金等調整前当期純利益は692,579千円(前年同期は1,628,756千円の税金等調整前当期純損失)に法人税等調整額△256,860千円を計上したこと等により、親会社株主に帰属する当期純利益は922,483千円(前年同期は1,671,983千円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
財政状態の状況につきましては「(1) 経営成績の状況の概要 ②財政状態の状況」に、セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容につきましては、「(1)経営成績の状況の概要 ①経営成績の状況」にそれぞれ記載しております。
③経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループは海運業を主体とした事業を行っており、本土と佐渡島を結ぶ生活航路の要素と、佐渡島への観光客を輸送する観光航路の要素を併せ持っております。このことから、低廉な運賃でサービスを提供する公共交通機関としての使命と、営利を目的とする企業としての使命の二律背反の環境にあります。そのため、航路運営施策や観光客誘致施策に対する行政の支援の状況、景気低迷による観光需要の減少、及び風水害などの自然災害、気象・海象の悪化による欠航等の外的要因による輸送量の減少が経営成績に重要な影響を与える要因となっております。
この他、経営成績に重要な影響を与える要因につきましては「2 事業等のリスク」をご参照願います。
④資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金は、主に海上運送事業に係る船舶燃料費、船舶修繕費、人件費、経費、販売費及び一般管理費等の営業費用並びに当社グループの設備投資及び改修等に支出しております。これらの必要資金につきましては営業キャッシュ・フローを源泉とする自己資金のほか、金融機関からの借入等による資金調達にて対応しております。また、当社グループを対象としたグループ内融資枠制度を設けることにより、グループ内の余剰資金を一元管理し、グループ外からの借入による資金調達の抑制を行っております。
なお、当連結会計年度においては、みちのりホールディングスからの出資を通じた経営支援を受けた他、新株予約権の行使に伴う新株発行、取引金融機関からは債務の株式化、既存借入金のリファイナンスにより2023年12月までの返済猶予と15年間での分割返済を内容とする金融支援を受けております。
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況につきましては「(1) 経営成績の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
⑤経営上の目標の達成状況について
(単位:千円)
| 2022年度実績 | 2022年度計画 | |
| 売上高 | 10,089,910 | 9,427,000 |
| 営業利益 | 403,783 | △94,000 |
| EBITDA(営業利益+減価償却費) | 839,211 | 264,000 |
| フリー・キャッシュ・フロー | 269,500 | △1,645,000 |