有価証券報告書-第146期(2022/04/01-2023/03/31)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績等の状況
当期の経済環境は、国内においては個人消費や設備投資が緩やかに持ち直した一方、ウクライナ情勢に端を発する原材料・資源価格の高騰に伴う物価上昇や世界経済の減速懸念の影響により、景気は一進一退の状況が続きました。海外においては、米国では、景気は持ち直しましたが、急速な金融引締めによる下振れリスクが高まりました。また中国では新型コロナウイルス感染症の再拡大の影響で景気が減速した後、ゼロコロナ政策の終了による景気回復が見られたものの力強さを欠きました。
物流業界では、倉庫貨物の保管残高は前期を上回って推移しましたが、荷動きは概ね前期並みとなりました。海運業界では、コンテナ市況の高騰が緩やかになり、その後は世界的なインフレ等の影響で荷動きが減速し、市況は落ち込みました。不動産賃貸業界では、オフィスビルの空室率は上昇基調が続き、賃料水準は緩やかな下落傾向を示しました。
このような情勢のもと、当期の経営成績等は以下のとおりとなりました。
a. 経営成績の状況
セグメント別の状況は次のとおりであります。
(ⅰ)営業収益
(ⅱ)営業利益
b. 財政状態の状況
c. キャッシュ・フローの状況
②セグメントごとの主要業務の取扱高等
(ⅰ)物流事業
(イ)倉庫業
1)保管用面積
2)入出庫高及び保管残高
3)貨物回転率(月平均)
(ロ)港湾運送業
事業別取扱数量
(ハ)国際輸送業
取扱数量
(ⅱ)海運事業
(注)Westwood Shipping Lines, Inc.及びその子会社2社の業績が第1四半期連結会計期間の3か月分の反映にとどまっております。
(ⅲ)不動産事業
不動産賃貸面積
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであり、実際の業績等は様々な要因により大きく異なる可能性があります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループにおきましては、当期が最終年度となる中期経営計画で掲げた事業基盤の強靭化を更に推し進め、物流及び不動産の両事業の収益力強化を目指し、同計画で策定した諸施策を着実に遂行してまいりました。
物流事業では、国内においては、神戸市・ポートアイランドの大型倉庫で定温設備を増強するなど、施設の高機能化による多様な物流サービスの提供に努めたほか、静岡県袋井市において新倉庫の建設を進めました。また、情報通信技術の活用により、輸出入通関事務のデジタル化を推進するなど、荷捌業務の効率化に取り組んでおります。海外においては、タイで新倉庫建設に着手したほか、米国ではテキサス州に新たな拠点を開設するなど、国際物流ネットワークの拡充を図りました。
不動産事業では、大阪府池田市において賃貸用不動産物件を取得するなど、事業の拡大に取り組んでまいりました。
また、当社グループの最適な事業ポートフォリオを検討した結果、コア事業である物流事業及び不動産事業に経営資源を集中するとの方針のもと、海運事業を営むWestwood Shipping Lines, Inc.の全株式及び当社連結子会社SW Maritime 1, Inc.等全4社が保有する船舶を2022年6月にシンガポールの海運会社であるSwire Shipping Pte. Ltd.及びその関係会社に譲渡いたしました。
この結果、当期の経営成績等は以下のとおりとなりました。
a. 経営成績
(営業収益)
物流事業では、倉庫収入は、機械部品等の取扱いが増加し、また保管残高も好調に推移したことから、304億15百万円(前期比5.3%増)となりました。港湾運送収入は、コンテナ荷捌の収益が微増となったことから、323億75百万円(前期比0.2%増)となりました。国際輸送収入は、海上運賃の高騰により国際一貫輸送が増収となったことに加え、海外子会社では米国を中心に業績が好調に推移し、また円安効果もあり増収となったことから、702億52百万円(前期比21.0%増)となりました。陸上運送ほか収入は、eコマース関連輸送が堅調であったことなどにより、606億62百万円(前期比2.6%増)となりました。以上の結果、物流事業の営業収益は1,937億6百万円(前期比8.6%増)となりました。
海運事業では、Westwood Shipping Lines, Inc.及びその子会社2社の業績が第1四半期連結会計期間の3か月分の反映にとどまったため、営業収益は214億68百万円(前期比52.9%減)となりました。
不動産事業では、前期及び当期に取得した賃貸用不動産が寄与したものの、一部テナントの賃料改定等により、営業収益は前期並みの106億74百万円(前期比0.01%増)となりました。
以上から、セグメント間の内部営業収益19億1百万円を控除した営業収益は、2,239億48百万円(前期比3.2%減)となりました。
(営業原価、販売費及び一般管理費)
営業原価は、物流事業において取扱数量が増加したことに伴う作業諸費等の増加があったものの、海運事業においてWestwood Shipping Lines, Inc. 及びその子会社2社の業績が第1四半期連結会計期間の3か月分にとどまったため、1,883億35百万円(前期比2.4%減)となりました。販売費及び一般管理費も同様の理由により、95億22百万円(前期比10.8%減)となりました。
(営業利益)
物流事業では、作業諸費や人件費等の増加により営業原価は増加したものの、増収効果により、156億35百万円(前期比9.3%増)となりました。海運事業では、Westwood Shipping Lines, Inc. 及びその子会社2社の業績が第1四半期連結会計期間の3か月分にとどまったため、102億95百万円(前期比21.7%減)となりました。不動産事業では、減価償却費の増加などにより、51億87百万円(前期比2.1%減)となりました。
以上から、各セグメントに帰属しない全社費用等50億27百万円を控除した営業利益は、260億90百万円(前期比6.0%減)となりました。
(経常利益)
経常利益は、受取配当金が増加したものの、営業利益が減益になったことなどから、291億15百万円(前期比4.3%減)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
親会社株主に帰属する当期純利益は、関係会社株式売却益等の計上により、224億55百万円(前期比14.0%増)となりました。
次期につきましては、物流事業においては倉庫貨物の取扱いは引き続き堅調に推移する一方、国際輸送貨物の取扱いの減速が予想されます。また、海上運賃相場の正常化に伴う減収のほか、経費面におきましては人件費や動力光熱費等の増加が見込まれます。不動産事業においては、賃貸用不動産の新規取得に伴う賃料の増加等の一方、減価償却費の増加や取得時一時税金の発生が見込まれます。また、コア事業である物流事業及び不動産事業に経営資源を集中するため、2022年6月に海運事業を営むWestwood Shipping Lines, Inc.の全株式及び当社連結子会社SW Maritime 1, Inc.等全4社が保有する船舶を譲渡し、海運事業から撤退いたしました。
この結果、当社グループの次期の営業収益は当期を10.7%下回る2,000億円、営業利益は当期を44.4%下回る145億円、経常利益は当期を37.8%下回る181億円を予想しております。また、親会社株主に帰属する当期純利益は、中期経営計画に掲げた政策保有株式縮減に伴う投資有価証券売却益の計上が見込まれるものの、当期を44.8%下回る124億円を予想しております。
b. 財政状態
資産合計は、Westwood Shipping Lines, Inc.等の連結範囲からの除外に伴い「受取手形及び営業未収入金」等が減少したものの、同社株式及び船舶の売却による「現金及び預金」、「その他流動資産(未収入金)」の増加等により、3,857億91百万円(前期末比3.2%増)となりました。負債合計は、社債の償還等により、1,568億45百万円(前期末比1.8%減)となりました。純資産合計は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上に伴う「利益剰余金」の増加に加え、株式相場の回復に伴う「その他有価証券評価差額金」の増加等により、2,289億45百万円(前期末比7.0%増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a. 連結キャッシュ・フロー
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益及び減価償却による資金の留保等により、298億16百万円の増加(前期は314億18百万円の増加)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、固定資産や子会社株式の売却による収入があったものの、固定資産の取得による支出等により、45億72百万円の減少(前期は58億79百万円の減少)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払い、社債の償還及び自己株式の取得等により、205億25百万円の減少(前期は102億67百万円の減少)となりました。
当期の連結キャッシュ・フローは、以上の結果に「現金及び現金同等物に係る換算差額」(9億63百万円)を加えた全体で56億81百万円の増加となり、現金及び現金同等物の当期末残高は、465億21百万円となりました。
b. 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの資金の源泉は、主として営業キャッシュ・フローによる内部資金、社債の発行及び金融機関からの借入によっております。
営業費用等の運転資金及び設備投資資金については、主として営業キャッシュ・フローによる内部資金で賄うほか、必要に応じて社債の発行及び金融機関からの借入を行っております。調達時期及び方法については、事業計画に基づく資金需要、金利動向及び起債環境等を考慮の上、決定しております。当期末における社債、借入金等を含む有利子負債の残高は846億5百万円、現金及び現金同等物の残高は465億21百万円となっております。
次期のキャッシュ・フローの見通しについては、利益の計上及び減価償却費等の資金の留保がありますが、大阪市中央区所在のオフィスビルの共有持分取得等の設備投資による支出等が予定されるため、現金及び現金同等物の期末残高は当期末を下回ると予想しております。
なお、資金の流動性を確保するため、金融機関と当座勘定借越契約を締結しており、また、調達手段の多様化のため、コマーシャル・ペーパーの発行枠を設定しております。なお、当社は、㈱日本格付研究所から「AA-」の長期発行体格付及び「J-1+」の国内CP格付を取得しております。
株主還元につきましては、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」に記載のとおり、当社は2023年度を初年度とする3か年の中期経営計画を定め、中長期視点での企業価値向上のために必要な事業投資を継続したうえで、剰余金の配当については1株につき年額100円をミニマムとし、各事業年度の収益力の向上を考慮しつつ、自己資本配当率(DOE:Dividend on Equity)3.5~4.0%を目安として実施する方針としております。このような方針のもと、次期の年間配当金につきましては、1株につき101円(中間・期末ともに1株につき50円50銭)とさせていただく予定です。なお、本中期経営計画におきましても、経済情勢、市場動向並びに事業投資及び利益水準を勘案しながら、自己株式の取得を機動的に実施することとしております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況」における「1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績等の状況
当期の経済環境は、国内においては個人消費や設備投資が緩やかに持ち直した一方、ウクライナ情勢に端を発する原材料・資源価格の高騰に伴う物価上昇や世界経済の減速懸念の影響により、景気は一進一退の状況が続きました。海外においては、米国では、景気は持ち直しましたが、急速な金融引締めによる下振れリスクが高まりました。また中国では新型コロナウイルス感染症の再拡大の影響で景気が減速した後、ゼロコロナ政策の終了による景気回復が見られたものの力強さを欠きました。
物流業界では、倉庫貨物の保管残高は前期を上回って推移しましたが、荷動きは概ね前期並みとなりました。海運業界では、コンテナ市況の高騰が緩やかになり、その後は世界的なインフレ等の影響で荷動きが減速し、市況は落ち込みました。不動産賃貸業界では、オフィスビルの空室率は上昇基調が続き、賃料水準は緩やかな下落傾向を示しました。
このような情勢のもと、当期の経営成績等は以下のとおりとなりました。
a. 経営成績の状況
| 前連結会計年度 (百万円) | 当連結会計年度 (百万円) | 前連結会計年度比増減 | ||
| 金額(百万円) | 比率(%) | |||
| 営業収益 | 231,461 | 223,948 | △7,512 | △3.2 |
| 営業利益 | 27,748 | 26,090 | △1,658 | △6.0 |
| 経常利益 | 30,421 | 29,115 | △1,306 | △4.3 |
| 親会社株主に帰属 する当期純利益 | 19,703 | 22,455 | 2,751 | 14.0 |
セグメント別の状況は次のとおりであります。
(ⅰ)営業収益
| 内訳 | 前連結会計年度 (百万円) | 当連結会計年度 (百万円) | 前連結会計年度比増減 | |
| 金額(百万円) | 比率(%) | |||
| 物流事業 | 178,347 | 193,706 | 15,359 | 8.6 |
| (倉庫収入) | (28,888) | (30,415) | (1,527) | (5.3) |
| (港湾運送収入) | (32,297) | (32,375) | (77) | (0.2) |
| (国際輸送収入) | (58,038) | (70,252) | (12,214) | (21.0) |
| (陸上運送ほか収入) | (59,122) | (60,662) | (1,540) | (2.6) |
| 海運事業 | 45,585 | 21,468 | △24,117 | △52.9 |
| (海運事業収入) | (45,585) | (21,468) | (△24,117) | (△52.9) |
| 不動産事業 | 10,673 | 10,674 | 0 | 0.0 |
| (不動産事業収入) | (10,673) | (10,674) | (0) | (0.0) |
| 計 | 234,606 | 225,849 | △8,756 | △3.7 |
| セグメント間内部営業収益 | △3,145 | △1,901 | 1,243 | - |
| 純営業収益 | 231,461 | 223,948 | △7,512 | △3.2 |
(ⅱ)営業利益
| 前連結会計年度 (百万円) | 当連結会計年度 (百万円) | 前連結会計年度比増減 | ||
| 金額(百万円) | 比率(%) | |||
| 物流事業 | 14,303 | 15,635 | 1,332 | 9.3 |
| 海運事業 | 13,152 | 10,295 | △2,857 | △21.7 |
| 不動産事業 | 5,296 | 5,187 | △109 | △2.1 |
| 計 | 32,753 | 31,117 | △1,635 | △5.0 |
| 調整額 | △5,004 | △5,027 | △22 | - |
| 営業利益 | 27,748 | 26,090 | △1,658 | △6.0 |
b. 財政状態の状況
| 前連結会計年度末 (百万円) | 当連結会計年度末 (百万円) | 前連結会計年度末比増減 | ||
| 金額(百万円) | 比率(%) | |||
| 資産合計 | 373,720 | 385,791 | 12,071 | 3.2 |
| 負債合計 | 159,774 | 156,845 | △2,929 | △1.8 |
| 純資産合計 | 213,945 | 228,945 | 15,000 | 7.0 |
c. キャッシュ・フローの状況
| 前連結会計年度 (百万円) | 当連結会計年度 (百万円) | |
| 営業活動による キャッシュ・フロー | 31,418 | 29,816 |
| 投資活動による キャッシュ・フロー | △5,879 | △4,572 |
| 財務活動による キャッシュ・フロー | △10,267 | △20,525 |
| 現金及び現金同等物 に係る換算差額 | 295 | 963 |
| 現金及び現金同等物 の増加額(△は減少額) | 15,567 | 5,681 |
| 現金及び現金同等物 の期末残高 | 40,840 | 46,521 |
②セグメントごとの主要業務の取扱高等
(ⅰ)物流事業
(イ)倉庫業
1)保管用面積
| 内訳 | 前連結会計年度 (2022年3月31日現在) | 当連結会計年度 (2023年3月31日現在) |
| 所有庫 | 945,761㎡ | 946,667㎡ |
| 借庫 | 346,030㎡ | 337,994㎡ |
| 計 | 1,291,791㎡ | 1,284,662㎡ |
| 貸庫 | 487,935㎡ | 472,839㎡ |
| 差引実際保管用面積 | 803,856㎡ | 811,822㎡ |
2)入出庫高及び保管残高
| 区分 | 前連結会計年度 (2021年4月~2022年3月) | 当連結会計年度 (2022年4月~2023年3月) | |
| 入庫高 | 2,315千トン | 2,310千トン | |
| 出庫高 | 2,275千トン | 2,290千トン | |
| 保管残高 | 期末 | 638千トン | 658千トン |
| 期中平均 | 628千トン | 658千トン | |
3)貨物回転率(月平均)
| 区分 | 前連結会計年度 (2021年4月~2022年3月) | 当連結会計年度 (2022年4月~2023年3月) |
| 数量 | 30.2% | 29.0% |
| (注) 貨物回転率 = | 出庫高(月平均) | × 100 |
| 平均保管残高 |
(ロ)港湾運送業
事業別取扱数量
| 区分 | 前連結会計年度 (2021年4月~2022年3月) | 当連結会計年度 (2022年4月~2023年3月) |
| 沿岸荷役 | 1,159千トン | 1,081千トン |
| 一般荷捌 | 9,652千トン | 9,530千トン |
| コンテナ荷捌 | 57,700千トン | 57,192千トン |
| 船内荷役 | 590千トン | 555千トン |
(ハ)国際輸送業
取扱数量
| 区分 | 前連結会計年度 (2021年4月~2022年3月) | 当連結会計年度 (2022年4月~2023年3月) |
| 国際輸送 | 13,642千トン | 13,299千トン |
(ⅱ)海運事業
| 区分 | 前連結会計年度 (2021年4月~2022年3月) | 当連結会計年度 (2022年4月~2023年3月) |
| 輸送量 | 4,092千トン | 1,144千トン |
(注)Westwood Shipping Lines, Inc.及びその子会社2社の業績が第1四半期連結会計期間の3か月分の反映にとどまっております。
(ⅲ)不動産事業
不動産賃貸面積
| 区分 | 前連結会計年度 (2022年3月31日現在) | 当連結会計年度 (2023年3月31日現在) |
| 賃貸ビル等 | 286,431㎡ | 290,136㎡ |
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであり、実際の業績等は様々な要因により大きく異なる可能性があります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループにおきましては、当期が最終年度となる中期経営計画で掲げた事業基盤の強靭化を更に推し進め、物流及び不動産の両事業の収益力強化を目指し、同計画で策定した諸施策を着実に遂行してまいりました。
物流事業では、国内においては、神戸市・ポートアイランドの大型倉庫で定温設備を増強するなど、施設の高機能化による多様な物流サービスの提供に努めたほか、静岡県袋井市において新倉庫の建設を進めました。また、情報通信技術の活用により、輸出入通関事務のデジタル化を推進するなど、荷捌業務の効率化に取り組んでおります。海外においては、タイで新倉庫建設に着手したほか、米国ではテキサス州に新たな拠点を開設するなど、国際物流ネットワークの拡充を図りました。
不動産事業では、大阪府池田市において賃貸用不動産物件を取得するなど、事業の拡大に取り組んでまいりました。
また、当社グループの最適な事業ポートフォリオを検討した結果、コア事業である物流事業及び不動産事業に経営資源を集中するとの方針のもと、海運事業を営むWestwood Shipping Lines, Inc.の全株式及び当社連結子会社SW Maritime 1, Inc.等全4社が保有する船舶を2022年6月にシンガポールの海運会社であるSwire Shipping Pte. Ltd.及びその関係会社に譲渡いたしました。
この結果、当期の経営成績等は以下のとおりとなりました。
a. 経営成績
(営業収益)
物流事業では、倉庫収入は、機械部品等の取扱いが増加し、また保管残高も好調に推移したことから、304億15百万円(前期比5.3%増)となりました。港湾運送収入は、コンテナ荷捌の収益が微増となったことから、323億75百万円(前期比0.2%増)となりました。国際輸送収入は、海上運賃の高騰により国際一貫輸送が増収となったことに加え、海外子会社では米国を中心に業績が好調に推移し、また円安効果もあり増収となったことから、702億52百万円(前期比21.0%増)となりました。陸上運送ほか収入は、eコマース関連輸送が堅調であったことなどにより、606億62百万円(前期比2.6%増)となりました。以上の結果、物流事業の営業収益は1,937億6百万円(前期比8.6%増)となりました。
海運事業では、Westwood Shipping Lines, Inc.及びその子会社2社の業績が第1四半期連結会計期間の3か月分の反映にとどまったため、営業収益は214億68百万円(前期比52.9%減)となりました。
不動産事業では、前期及び当期に取得した賃貸用不動産が寄与したものの、一部テナントの賃料改定等により、営業収益は前期並みの106億74百万円(前期比0.01%増)となりました。
以上から、セグメント間の内部営業収益19億1百万円を控除した営業収益は、2,239億48百万円(前期比3.2%減)となりました。
(営業原価、販売費及び一般管理費)
営業原価は、物流事業において取扱数量が増加したことに伴う作業諸費等の増加があったものの、海運事業においてWestwood Shipping Lines, Inc. 及びその子会社2社の業績が第1四半期連結会計期間の3か月分にとどまったため、1,883億35百万円(前期比2.4%減)となりました。販売費及び一般管理費も同様の理由により、95億22百万円(前期比10.8%減)となりました。
(営業利益)
物流事業では、作業諸費や人件費等の増加により営業原価は増加したものの、増収効果により、156億35百万円(前期比9.3%増)となりました。海運事業では、Westwood Shipping Lines, Inc. 及びその子会社2社の業績が第1四半期連結会計期間の3か月分にとどまったため、102億95百万円(前期比21.7%減)となりました。不動産事業では、減価償却費の増加などにより、51億87百万円(前期比2.1%減)となりました。
以上から、各セグメントに帰属しない全社費用等50億27百万円を控除した営業利益は、260億90百万円(前期比6.0%減)となりました。
(経常利益)
経常利益は、受取配当金が増加したものの、営業利益が減益になったことなどから、291億15百万円(前期比4.3%減)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
親会社株主に帰属する当期純利益は、関係会社株式売却益等の計上により、224億55百万円(前期比14.0%増)となりました。
次期につきましては、物流事業においては倉庫貨物の取扱いは引き続き堅調に推移する一方、国際輸送貨物の取扱いの減速が予想されます。また、海上運賃相場の正常化に伴う減収のほか、経費面におきましては人件費や動力光熱費等の増加が見込まれます。不動産事業においては、賃貸用不動産の新規取得に伴う賃料の増加等の一方、減価償却費の増加や取得時一時税金の発生が見込まれます。また、コア事業である物流事業及び不動産事業に経営資源を集中するため、2022年6月に海運事業を営むWestwood Shipping Lines, Inc.の全株式及び当社連結子会社SW Maritime 1, Inc.等全4社が保有する船舶を譲渡し、海運事業から撤退いたしました。
この結果、当社グループの次期の営業収益は当期を10.7%下回る2,000億円、営業利益は当期を44.4%下回る145億円、経常利益は当期を37.8%下回る181億円を予想しております。また、親会社株主に帰属する当期純利益は、中期経営計画に掲げた政策保有株式縮減に伴う投資有価証券売却益の計上が見込まれるものの、当期を44.8%下回る124億円を予想しております。
b. 財政状態
資産合計は、Westwood Shipping Lines, Inc.等の連結範囲からの除外に伴い「受取手形及び営業未収入金」等が減少したものの、同社株式及び船舶の売却による「現金及び預金」、「その他流動資産(未収入金)」の増加等により、3,857億91百万円(前期末比3.2%増)となりました。負債合計は、社債の償還等により、1,568億45百万円(前期末比1.8%減)となりました。純資産合計は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上に伴う「利益剰余金」の増加に加え、株式相場の回復に伴う「その他有価証券評価差額金」の増加等により、2,289億45百万円(前期末比7.0%増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a. 連結キャッシュ・フロー
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益及び減価償却による資金の留保等により、298億16百万円の増加(前期は314億18百万円の増加)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、固定資産や子会社株式の売却による収入があったものの、固定資産の取得による支出等により、45億72百万円の減少(前期は58億79百万円の減少)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払い、社債の償還及び自己株式の取得等により、205億25百万円の減少(前期は102億67百万円の減少)となりました。
当期の連結キャッシュ・フローは、以上の結果に「現金及び現金同等物に係る換算差額」(9億63百万円)を加えた全体で56億81百万円の増加となり、現金及び現金同等物の当期末残高は、465億21百万円となりました。
b. 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの資金の源泉は、主として営業キャッシュ・フローによる内部資金、社債の発行及び金融機関からの借入によっております。
営業費用等の運転資金及び設備投資資金については、主として営業キャッシュ・フローによる内部資金で賄うほか、必要に応じて社債の発行及び金融機関からの借入を行っております。調達時期及び方法については、事業計画に基づく資金需要、金利動向及び起債環境等を考慮の上、決定しております。当期末における社債、借入金等を含む有利子負債の残高は846億5百万円、現金及び現金同等物の残高は465億21百万円となっております。
次期のキャッシュ・フローの見通しについては、利益の計上及び減価償却費等の資金の留保がありますが、大阪市中央区所在のオフィスビルの共有持分取得等の設備投資による支出等が予定されるため、現金及び現金同等物の期末残高は当期末を下回ると予想しております。
なお、資金の流動性を確保するため、金融機関と当座勘定借越契約を締結しており、また、調達手段の多様化のため、コマーシャル・ペーパーの発行枠を設定しております。なお、当社は、㈱日本格付研究所から「AA-」の長期発行体格付及び「J-1+」の国内CP格付を取得しております。
株主還元につきましては、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」に記載のとおり、当社は2023年度を初年度とする3か年の中期経営計画を定め、中長期視点での企業価値向上のために必要な事業投資を継続したうえで、剰余金の配当については1株につき年額100円をミニマムとし、各事業年度の収益力の向上を考慮しつつ、自己資本配当率(DOE:Dividend on Equity)3.5~4.0%を目安として実施する方針としております。このような方針のもと、次期の年間配当金につきましては、1株につき101円(中間・期末ともに1株につき50円50銭)とさせていただく予定です。なお、本中期経営計画におきましても、経済情勢、市場動向並びに事業投資及び利益水準を勘案しながら、自己株式の取得を機動的に実施することとしております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況」における「1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。