有価証券報告書-第144期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績等の状況
当期の経済環境は、新型コロナウイルス感染症の影響の長期化により、依然として厳しい状況が続きましたが、国内での生産や中国向け輸出が増加に転じるなど改善の兆しが見られました。世界経済は、同感染症の影響を受け経済活動が抑制されましたが、米国では財政出動やワクチン接種の進展などにより消費が回復傾向を示し、中国では輸出が堅調となるなど、米中を中心に持ち直しの動きが見られました。
物流業界におきましては、新型コロナウイルス感染症の影響により倉庫貨物の荷動きが停滞した一方で、保管残高は堅調に推移しました。海運業界では、同感染症拡大時における輸送需要の急落に応じて船腹供給の調整が行われましたが、その後の輸送需要の急回復で需給が逼迫し、海上運賃が高騰しました。不動産賃貸業界では、企業における在宅勤務の広がりによりオフィス需要に陰りが見え、空室率の上昇や賃料水準の緩やかな下落傾向が見られました。
このような情勢のもと、当期の経営成績等は以下のとおりとなりました。
a. 経営成績の状況
セグメント別の状況は次のとおりであります。
(ⅰ)営業収益
(ⅱ)営業利益
b. 財政状態の状況
c. キャッシュ・フローの状況
②セグメントごとの主要業務の取扱高等
(ⅰ)物流事業
(イ)倉庫業
1)保管用面積
2)入出庫高及び保管残高
3)貨物回転率(月平均)
(ロ)港湾運送業
事業別取扱数量
(ハ)国際輸送業
取扱数量
(ⅱ)海運事業
(ⅲ)不動産事業
不動産賃貸面積
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであり、実際の業績等は様々な要因により大きく異なる可能性があります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループにおきましては、2020年度から2022年度までの中期経営計画の目標として掲げた事業基盤の強靭化を図るため、事業戦略に基づく諸施策に取り組んでまいりました。
国内では、2020年4月に愛知県犬山市、9月に埼玉県羽生市において、文書等情報記録媒体を取り扱う専用施設がそれぞれ竣工したほか、2021年1月には神戸市・ポートアイランドにおいて全天候型の大型倉庫が竣工しました。また、倉庫内作業の標準化及び生産性向上に寄与する物流システムの開発を進めております。
海外では、タイの現地法人Rojana Distribution Center Co., Ltd.が2021年2月にレムチャバン地区において倉庫施設の建設用地を取得するなど、物流需要が見込まれる東南アジアでの拠点拡充に向けた取組みを推進しました。
海運事業では、運航経費の削減や採算性の高い貨物の取扱い等による業績改善を目指し、不動産事業では、賃料水準の維持等に努めてまいりました。
この結果、当期の経営成績等は以下のとおりとなりました。
a. 経営成績
(営業収益)
物流事業では、倉庫収入は、新型コロナウイルス感染症の影響により荷動きが停滞して倉庫入出庫高は減少しましたが、前期及び当期に稼働した倉庫施設の寄与や文書等情報記録媒体の取扱増加等により倉庫保管残高が増加したことから、269億25百万円(前期比2.3%増)となりました。港湾運送収入は、同感染症の影響により一般荷捌の取扱いが大幅に減少したことに加え、コンテナ荷捌の取扱いも減少したことなどから、357億17百万円(前期比5.8%減)となりました。国際輸送収入は、航空貨物の取扱いにおいて、同感染症の影響による国際線の運航減便等に伴い輸送需給が逼迫し、航空運賃が上昇したことに加え、国際一貫輸送が増収となったことから、422億29百万円(前期比2.0%増)となりました。陸上運送ほか収入は、eコマース関連輸送の取扱拡大により陸上運送収入が増収となったことから、553億84百万円(前期比8.2%増)となりました。以上の結果、物流事業の営業収益は1,602億56百万円(前期比2.2%増)となりました。
海運事業では、新型コロナウイルス感染症の影響により、上半期は日本・韓国発北米向けコンテナの輸送数量が減少した一方で下半期は輸送数量が回復しましたが、通期では取扱減となったことに加え、円高の影響もあり、営業収益は226億1百万円(前期比12.4%減)となりました。
不動産事業では、新型コロナウイルス感染症の影響により、一部の賃貸用不動産物件の稼働率が低下した一方で、新規テナントの入居や前期に取得した賃貸用不動産物件が寄与したことなどにより、営業収益は前期並みの107億73百万円(前期比0.1%増)となりました。
以上から、セグメント間の内部営業収益16億6百万円を控除した営業収益は、1,920億24百万円(前期比0.2%増)となりました。
(営業原価、販売費及び一般管理費)
営業原価は、作業諸費は減少したものの、人件費の増加及び新倉庫稼働に伴う減価償却費の増加等により、1,713億28百万円(前期比0.3%増)となりました。販売費及び一般管理費は、新型コロナウイルス感染症の影響により旅費交通費等が減少したことなどから、97億32百万円(前期比1.5%減)となりました。
(営業利益)
物流事業では、営業収益は増加したものの、人件費の増加及び新倉庫稼働に伴う減価償却費の増加等により、105億9百万円(前期比4.0%減)となりました。海運事業では、営業収益は減少した一方、燃料油価格の下落やコンテナ輸送数量の減少に伴う回送費などコンテナ関連費用の減少等により運航経費が減少したことから、損益は改善したものの、1億40百万円の営業損失(前期は営業損失3億21百万円)となりました。不動産事業では、不動産取得税の発生がなかったことなどから営業費用が減少し、55億8百万円(前期比0.6%増)となりました。
以上から、各セグメントに帰属しない全社費用等49億13百万円を控除した営業利益は、109億63百万円(前期比1.2%減)となりました。
(経常利益)
経常利益は、新型コロナウイルス感染症に関連した公的助成金があったものの、受取配当金の減少等により、135億52百万円(前期比0.3%減)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
親会社株主に帰属する当期純利益は、投資有価証券売却益の減少等により、84億54百万円(前期比5.6%減)となりました。
次期につきましては、物流事業では当期に稼働した倉庫施設が通期で寄与するとともに、eコ
マースに関連する陸上輸送貨物の取扱いが引き続き堅調に推移し、また、海運事業では海運市況の好転に伴う海上運賃の上昇及び輸送数量の増加が見込まれます。このため、当社グループの次期の業績は、営業収益は2,000億円(当期比4.2%増)、営業利益は135億円(当期比23.1%増)、経常利益は157億円(当期比15.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は102億円(当期比20.7%増)を予想しております。
なお、新型コロナウイルス感染症の収束時期は不透明な状況にありますが、当社グループの次期業績に及ぼす影響は軽微であると予想しております。
b. 財政状態
資産合計は、設備投資及び借入金の返済等により「現金及び預金」が減少しましたが、新倉庫の建設等による有形固定資産の増加及び株式相場の回復に伴う「投資有価証券」の増加等により、3,489億68百万円(前期末比9.6%増)となりました。負債合計は、借入金は減少しましたが、社債発行及び投資有価証券の評価差額に係る「繰延税金負債」の増加等により、1,527億26百万円(前期末比4.3%増)となりました。純資産合計は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上に伴う「利益剰余金」の増加に加え、株式相場の回復に伴う「その他有価証券評価差額金」の増加等により、1,962億41百万円(前期末比14.1%増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a. 連結キャッシュ・フロー
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益及び減価償却による資金の留保等により、206億5百万円の増加(前期は149億75百万円の増加)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出等により、163億66百万円の減少(前期は172億11百万円の減少)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、社債の発行による収入がありましたが、借入金の返済による支出及び配当金の支払い等により、131億16百万円の減少(前期は125億55百万円の増加)となりました。
当期の連結キャッシュ・フローは、以上の結果に「現金及び現金同等物に係る換算差額」(△3億98百万円)を加えた全体で92億76百万円の減少となり、現金及び現金同等物の当期末残高は、252億72百万円となりました。
b. 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの資金の源泉は、主として営業キャッシュ・フローによる内部資金、社債の発行及び金融機関からの借入によっております。
営業費用等の運転資金及び設備投資資金については、主として営業キャッシュ・フローによる内部資金で賄うほか、必要に応じて社債の発行及び金融機関からの借入を行っております。調達時期及び方法については、事業計画に基づく資金需要、金利動向及び起債環境等を考慮の上、決定しております。当期末における社債、借入金等を含む有利子負債の残高は892億39百万円、現金及び現金同等物の残高は252億72百万円となっております。
次期のキャッシュ・フローの見通しについては、賃貸用オフィスビル改修工事等の設備投資に加え、自己株式の取得等がありますが、利益の計上及び減価償却費等の資金の留保により、現金及び現金同等物の期末残高は当期末並みになると予想しております。
なお、資金の流動性を確保するため、金融機関と当座勘定借越契約を締結しており、また、調達手段の多様化のため、コマーシャルペーパーの発行枠を設定いたしました。なお、当社は、㈱日本格付研究所から「AA-」の長期発行体格付及び「J-1+」の国内CP格付を取得しております。
株主還元につきましては、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」に記載している配当方針のとおり、剰余金の配当については利益水準にかかわらず1株につき47円の年間配当金を維持することとし、現在の中期経営計画期間において増配の継続を目指すこととしております。また、経済情勢及び財務状況を勘案のうえ、本計画期間中も自己株式を機動的に取得することとしております。上記の増配の継続を目指す方針のもと、次期の剰余金の配当につきましては、配当性向40%を基準とし、当期に比べ2円増配の1株につき50円(中間・期末とも1株につき25円)とさせていただく予定です。さらに、次期におきましても自己株式の取得(取得株式総数上限150万株、取得総額上限25億円)を実施いたします。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況」における「1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績等の状況
当期の経済環境は、新型コロナウイルス感染症の影響の長期化により、依然として厳しい状況が続きましたが、国内での生産や中国向け輸出が増加に転じるなど改善の兆しが見られました。世界経済は、同感染症の影響を受け経済活動が抑制されましたが、米国では財政出動やワクチン接種の進展などにより消費が回復傾向を示し、中国では輸出が堅調となるなど、米中を中心に持ち直しの動きが見られました。
物流業界におきましては、新型コロナウイルス感染症の影響により倉庫貨物の荷動きが停滞した一方で、保管残高は堅調に推移しました。海運業界では、同感染症拡大時における輸送需要の急落に応じて船腹供給の調整が行われましたが、その後の輸送需要の急回復で需給が逼迫し、海上運賃が高騰しました。不動産賃貸業界では、企業における在宅勤務の広がりによりオフィス需要に陰りが見え、空室率の上昇や賃料水準の緩やかな下落傾向が見られました。
このような情勢のもと、当期の経営成績等は以下のとおりとなりました。
a. 経営成績の状況
| 前連結会計年度 (百万円) | 当連結会計年度 (百万円) | 前連結会計年度比増減 | ||
| 金額(百万円) | 比率(%) | |||
| 営業収益 | 191,721 | 192,024 | 302 | 0.2 |
| 営業利益 | 11,101 | 10,963 | △137 | △1.2 |
| 経常利益 | 13,596 | 13,552 | △43 | △0.3 |
| 親会社株主に帰属 する当期純利益 | 8,951 | 8,454 | △497 | △5.6 |
セグメント別の状況は次のとおりであります。
(ⅰ)営業収益
| 内訳 | 前連結会計年度 (百万円) | 当連結会計年度 (百万円) | 前連結会計年度比増減 | |
| 金額(百万円) | 比率(%) | |||
| 物流事業 | 156,816 | 160,256 | 3,440 | 2.2 |
| (倉庫収入) | (26,321) | (26,925) | (603) | (2.3) |
| (港湾運送収入) | (37,911) | (35,717) | (△2,193) | (△5.8) |
| (国際輸送収入) | (41,384) | (42,229) | (844) | (2.0) |
| (陸上運送ほか収入) | (51,198) | (55,384) | (4,185) | (8.2) |
| 海運事業 | 25,790 | 22,601 | △3,189 | △12.4 |
| (海運事業収入) | (25,790) | (22,601) | (△3,189) | (△12.4) |
| 不動産事業 | 10,767 | 10,773 | 5 | 0.1 |
| (不動産事業収入) | (10,767) | (10,773) | (5) | (0.1) |
| 計 | 193,374 | 193,630 | 256 | 0.1 |
| セグメント間内部営業収益 | △1,653 | △1,606 | 46 | - |
| 純営業収益 | 191,721 | 192,024 | 302 | 0.2 |
(ⅱ)営業利益
| 前連結会計年度 (百万円) | 当連結会計年度 (百万円) | 前連結会計年度比増減 | ||
| 金額(百万円) | 比率(%) | |||
| 物流事業 | 10,945 | 10,509 | △436 | △4.0 |
| 海運事業 | △321 | △140 | 180 | - |
| 不動産事業 | 5,475 | 5,508 | 33 | 0.6 |
| 計 | 16,099 | 15,877 | △222 | △1.4 |
| 調整額 | △4,998 | △4,913 | 85 | - |
| 営業利益 | 11,101 | 10,963 | △137 | △1.2 |
b. 財政状態の状況
| 前連結会計年度末 (百万円) | 当連結会計年度末 (百万円) | 前連結会計年度末比増減 | ||
| 金額(百万円) | 比率(%) | |||
| 資産合計 | 318,458 | 348,968 | 30,510 | 9.6 |
| 負債合計 | 146,482 | 152,726 | 6,244 | 4.3 |
| 純資産合計 | 171,976 | 196,241 | 24,265 | 14.1 |
c. キャッシュ・フローの状況
| 前連結会計年度 (百万円) | 当連結会計年度 (百万円) | |
| 営業活動による キャッシュ・フロー | 14,975 | 20,605 |
| 投資活動による キャッシュ・フロー | △17,211 | △16,366 |
| 財務活動による キャッシュ・フロー | 12,555 | △13,116 |
| 現金及び現金同等物 に係る換算差額 | 69 | △398 |
| 現金及び現金同等物 の増加額(△は減少額) | 10,388 | △9,276 |
| 現金及び現金同等物 の期末残高 | 34,549 | 25,272 |
②セグメントごとの主要業務の取扱高等
(ⅰ)物流事業
(イ)倉庫業
1)保管用面積
| 内訳 | 前連結会計年度 (2020年3月31日現在) | 当連結会計年度 (2021年3月31日現在) |
| 所有庫 | 894,134㎡ | 973,253㎡ |
| 借庫 | 354,913㎡ | 347,936㎡ |
| 計 | 1,249,047㎡ | 1,321,189㎡ |
| 貸庫 | 482,684㎡ | 496,534㎡ |
| 差引実際保管用面積 | 766,363㎡ | 824,655㎡ |
2)入出庫高及び保管残高
| 区分 | 前連結会計年度 (2019年4月~2020年3月) | 当連結会計年度 (2020年4月~2021年3月) | |
| 入庫高 | 2,258千トン | 2,176千トン | |
| 出庫高 | 2,201千トン | 2,170千トン | |
| 保管残高 | 期末 | 602千トン | 591千トン |
| 期中平均 | 591千トン | 610千トン | |
3)貨物回転率(月平均)
| 区分 | 前連結会計年度 (2019年4月~2020年3月) | 当連結会計年度 (2020年4月~2021年3月) |
| 数量 | 31.0% | 29.7% |
| (注) 貨物回転率 = | 出庫高(月平均) | × 100 |
| 平均保管残高 |
(ロ)港湾運送業
事業別取扱数量
| 区分 | 前連結会計年度 (2019年4月~2020年3月) | 当連結会計年度 (2020年4月~2021年3月) |
| 沿岸荷役 | 1,582千トン | 1,205千トン |
| 一般荷捌 | 9,540千トン | 9,143千トン |
| コンテナ荷捌 | 50,046千トン | 49,357千トン |
| 船内荷役 | 627千トン | 480千トン |
(ハ)国際輸送業
取扱数量
| 区分 | 前連結会計年度 (2019年4月~2020年3月) | 当連結会計年度 (2020年4月~2021年3月) |
| 国際輸送 | 14,572千トン | 13,403千トン |
(ⅱ)海運事業
| 区分 | 前連結会計年度 (2019年4月~2020年3月) | 当連結会計年度 (2020年4月~2021年3月) |
| 輸送量 | 4,215千トン | 3,981千トン |
(ⅲ)不動産事業
不動産賃貸面積
| 区分 | 前連結会計年度 (2020年3月31日現在) | 当連結会計年度 (2021年3月31日現在) |
| 賃貸ビル等 | 281,092㎡ | 281,094㎡ |
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであり、実際の業績等は様々な要因により大きく異なる可能性があります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループにおきましては、2020年度から2022年度までの中期経営計画の目標として掲げた事業基盤の強靭化を図るため、事業戦略に基づく諸施策に取り組んでまいりました。
国内では、2020年4月に愛知県犬山市、9月に埼玉県羽生市において、文書等情報記録媒体を取り扱う専用施設がそれぞれ竣工したほか、2021年1月には神戸市・ポートアイランドにおいて全天候型の大型倉庫が竣工しました。また、倉庫内作業の標準化及び生産性向上に寄与する物流システムの開発を進めております。
海外では、タイの現地法人Rojana Distribution Center Co., Ltd.が2021年2月にレムチャバン地区において倉庫施設の建設用地を取得するなど、物流需要が見込まれる東南アジアでの拠点拡充に向けた取組みを推進しました。
海運事業では、運航経費の削減や採算性の高い貨物の取扱い等による業績改善を目指し、不動産事業では、賃料水準の維持等に努めてまいりました。
この結果、当期の経営成績等は以下のとおりとなりました。
a. 経営成績
(営業収益)
物流事業では、倉庫収入は、新型コロナウイルス感染症の影響により荷動きが停滞して倉庫入出庫高は減少しましたが、前期及び当期に稼働した倉庫施設の寄与や文書等情報記録媒体の取扱増加等により倉庫保管残高が増加したことから、269億25百万円(前期比2.3%増)となりました。港湾運送収入は、同感染症の影響により一般荷捌の取扱いが大幅に減少したことに加え、コンテナ荷捌の取扱いも減少したことなどから、357億17百万円(前期比5.8%減)となりました。国際輸送収入は、航空貨物の取扱いにおいて、同感染症の影響による国際線の運航減便等に伴い輸送需給が逼迫し、航空運賃が上昇したことに加え、国際一貫輸送が増収となったことから、422億29百万円(前期比2.0%増)となりました。陸上運送ほか収入は、eコマース関連輸送の取扱拡大により陸上運送収入が増収となったことから、553億84百万円(前期比8.2%増)となりました。以上の結果、物流事業の営業収益は1,602億56百万円(前期比2.2%増)となりました。
海運事業では、新型コロナウイルス感染症の影響により、上半期は日本・韓国発北米向けコンテナの輸送数量が減少した一方で下半期は輸送数量が回復しましたが、通期では取扱減となったことに加え、円高の影響もあり、営業収益は226億1百万円(前期比12.4%減)となりました。
不動産事業では、新型コロナウイルス感染症の影響により、一部の賃貸用不動産物件の稼働率が低下した一方で、新規テナントの入居や前期に取得した賃貸用不動産物件が寄与したことなどにより、営業収益は前期並みの107億73百万円(前期比0.1%増)となりました。
以上から、セグメント間の内部営業収益16億6百万円を控除した営業収益は、1,920億24百万円(前期比0.2%増)となりました。
(営業原価、販売費及び一般管理費)
営業原価は、作業諸費は減少したものの、人件費の増加及び新倉庫稼働に伴う減価償却費の増加等により、1,713億28百万円(前期比0.3%増)となりました。販売費及び一般管理費は、新型コロナウイルス感染症の影響により旅費交通費等が減少したことなどから、97億32百万円(前期比1.5%減)となりました。
(営業利益)
物流事業では、営業収益は増加したものの、人件費の増加及び新倉庫稼働に伴う減価償却費の増加等により、105億9百万円(前期比4.0%減)となりました。海運事業では、営業収益は減少した一方、燃料油価格の下落やコンテナ輸送数量の減少に伴う回送費などコンテナ関連費用の減少等により運航経費が減少したことから、損益は改善したものの、1億40百万円の営業損失(前期は営業損失3億21百万円)となりました。不動産事業では、不動産取得税の発生がなかったことなどから営業費用が減少し、55億8百万円(前期比0.6%増)となりました。
以上から、各セグメントに帰属しない全社費用等49億13百万円を控除した営業利益は、109億63百万円(前期比1.2%減)となりました。
(経常利益)
経常利益は、新型コロナウイルス感染症に関連した公的助成金があったものの、受取配当金の減少等により、135億52百万円(前期比0.3%減)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
親会社株主に帰属する当期純利益は、投資有価証券売却益の減少等により、84億54百万円(前期比5.6%減)となりました。
次期につきましては、物流事業では当期に稼働した倉庫施設が通期で寄与するとともに、eコ
マースに関連する陸上輸送貨物の取扱いが引き続き堅調に推移し、また、海運事業では海運市況の好転に伴う海上運賃の上昇及び輸送数量の増加が見込まれます。このため、当社グループの次期の業績は、営業収益は2,000億円(当期比4.2%増)、営業利益は135億円(当期比23.1%増)、経常利益は157億円(当期比15.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は102億円(当期比20.7%増)を予想しております。
なお、新型コロナウイルス感染症の収束時期は不透明な状況にありますが、当社グループの次期業績に及ぼす影響は軽微であると予想しております。
b. 財政状態
資産合計は、設備投資及び借入金の返済等により「現金及び預金」が減少しましたが、新倉庫の建設等による有形固定資産の増加及び株式相場の回復に伴う「投資有価証券」の増加等により、3,489億68百万円(前期末比9.6%増)となりました。負債合計は、借入金は減少しましたが、社債発行及び投資有価証券の評価差額に係る「繰延税金負債」の増加等により、1,527億26百万円(前期末比4.3%増)となりました。純資産合計は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上に伴う「利益剰余金」の増加に加え、株式相場の回復に伴う「その他有価証券評価差額金」の増加等により、1,962億41百万円(前期末比14.1%増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a. 連結キャッシュ・フロー
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益及び減価償却による資金の留保等により、206億5百万円の増加(前期は149億75百万円の増加)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出等により、163億66百万円の減少(前期は172億11百万円の減少)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、社債の発行による収入がありましたが、借入金の返済による支出及び配当金の支払い等により、131億16百万円の減少(前期は125億55百万円の増加)となりました。
当期の連結キャッシュ・フローは、以上の結果に「現金及び現金同等物に係る換算差額」(△3億98百万円)を加えた全体で92億76百万円の減少となり、現金及び現金同等物の当期末残高は、252億72百万円となりました。
b. 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの資金の源泉は、主として営業キャッシュ・フローによる内部資金、社債の発行及び金融機関からの借入によっております。
営業費用等の運転資金及び設備投資資金については、主として営業キャッシュ・フローによる内部資金で賄うほか、必要に応じて社債の発行及び金融機関からの借入を行っております。調達時期及び方法については、事業計画に基づく資金需要、金利動向及び起債環境等を考慮の上、決定しております。当期末における社債、借入金等を含む有利子負債の残高は892億39百万円、現金及び現金同等物の残高は252億72百万円となっております。
次期のキャッシュ・フローの見通しについては、賃貸用オフィスビル改修工事等の設備投資に加え、自己株式の取得等がありますが、利益の計上及び減価償却費等の資金の留保により、現金及び現金同等物の期末残高は当期末並みになると予想しております。
なお、資金の流動性を確保するため、金融機関と当座勘定借越契約を締結しており、また、調達手段の多様化のため、コマーシャルペーパーの発行枠を設定いたしました。なお、当社は、㈱日本格付研究所から「AA-」の長期発行体格付及び「J-1+」の国内CP格付を取得しております。
株主還元につきましては、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」に記載している配当方針のとおり、剰余金の配当については利益水準にかかわらず1株につき47円の年間配当金を維持することとし、現在の中期経営計画期間において増配の継続を目指すこととしております。また、経済情勢及び財務状況を勘案のうえ、本計画期間中も自己株式を機動的に取得することとしております。上記の増配の継続を目指す方針のもと、次期の剰余金の配当につきましては、配当性向40%を基準とし、当期に比べ2円増配の1株につき50円(中間・期末とも1株につき25円)とさせていただく予定です。さらに、次期におきましても自己株式の取得(取得株式総数上限150万株、取得総額上限25億円)を実施いたします。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況」における「1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。