有価証券報告書-第141期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績等の状況
当期の経済環境は、日本では設備投資や個人消費が持ち直すなど、景気は緩やかな回復基調をたどりました。世界経済は、米国経済の拡大基調が持続し、アジアではASEAN諸国を中心に景気は堅調に推移しました。
物流業界におきましては、倉庫貨物の荷動きは前期を上回りましたが、保管残高は前期並みで推移しました。海運業界では、荷動きは堅調であったものの、燃料油価格の上昇が見られました。不動産賃貸業界では、都心部のオフィスビルの空室率は引き続き緩やかな改善傾向を示しました。
このような情勢のもと、当社グループにおきましては、創業120年となる平成31年度(2019年度)を最終年度とする3か年の中期経営計画で掲げた事業戦略に基づき、国内物流、海外物流及び不動産事業における施策を着実に遂行し、目標達成に向けて取り組んでまいりました。
国内では、平成29年7月に東京都江東区の倉庫会社 株式会社若洲を子会社化したほか、同年9月には堅調な文書保管需要を背景に愛知県犬山市において倉庫施設の建設用地を取得しました。また、大阪地区の倉庫において、IoT技術の活用等による物流業務の効率化に向けた取組みを推進しました。
海外では、タイの現地法人Rojana Distribution Center Co., Ltd.及びSumiso(Laem Chabang)Co., Ltd.が、シンガポールではSumitomo Warehouse(Singapore)Pte Ltdがそれぞれ新倉庫建設に着手するなど、旺盛な物流需要が見込まれる東南アジアを中心に、物流拠点の拡充に取り組みました。また、海運におきましては、輸送数量の拡大及び経費削減を図ってまいりました。
不動産では、平成30年3月に東京都中央区において賃貸用不動産物件を取得するなど、事業基盤を強化いたしました。
この結果、当期の経営成績等は以下のとおりとなりました。
a. 財政状態の状況
資産合計は、前期末に比べ368億90百万円増加し、3,426億42百万円となりました。
負債合計は、前期末に比べ221億32百万円増加し、1,490億48百万円となりました。
純資産合計は、前期末に比べ147億57百万円増加し、1,935億93百万円となりました。
b. 経営成績の状況
営業収益は1,757億56百万円(前期比6.4%増)、営業利益は103億2百万円(前期比12.1%増)、経常利益は126億84百万円(前期比12.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は、83億58百万円(前期比7.1%増)となりました。
セグメント別の状況は次のとおりであります。
物流事業では、営業収益は1,401億14百万円(前期比6.9%増)、営業利益は98億65百万円(前期比1.0%増)となりました。
海運事業では、営業収益は264億22百万円(前期比4.9%増)、営業損失は76百万円(前期は営業損失3億47百万円)となりました。
不動産事業では、営業収益は105億95百万円(前期比4.2%増)、営業利益は、52億50百万円(前期比14.9%増)となりました。
なお、上記のセグメントの営業収益には、セグメント間の内部営業収益13億76百万円を含んでおります。また、上記のセグメントの営業利益は、各セグメントに帰属しない全社費用等47億36百万円控除前の利益であります。
c. キャッシュ・フローの状況
営業活動によるキャッシュ・フローは、166億39百万円の増加(前期は166億29百万円の増加)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、132億68百万円の減少(前期は63億3百万円の減少)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、33億55百万円の増加(前期は92億34百万円の減少)となりました。
当期の連結キャッシュ・フローは、以上の結果に「現金及び現金同等物に係る換算差額」(12百万円)を加えた全体で67億39百万円の増加となり、現金及び現金同等物の当期末残高は、312億99百万円となりました。
②生産、受注及び販売の実績
a. セグメントごとの営業収益内訳
| 内訳 | 前連結会計年度 (平成28年4月 ~平成29年3月) | 当連結会計年度 (平成29年4月 ~平成30年3月) | 前連結会計年度比増減 | |
| 増減額 | 比率% | |||
| 物流事業 | 131,055百万円 | 140,114百万円 | 9,059百万円 | 6.9 |
| (倉庫収入) | (22,968) | (24,091) | (1,123) | (4.9) |
| (港湾運送収入) | (35,846) | (35,903) | (57) | (0.2) |
| (国際輸送収入) | (32,694) | (38,033) | (5,339) | (16.3) |
| (陸上運送ほか収入) | (39,546) | (42,085) | (2,538) | (6.4) |
| 海運事業 | 25,183 | 26,422 | 1,238 | 4.9 |
| (海運事業収入) | (25,183) | (26,422) | (1,238) | (4.9) |
| 不動産事業 | 10,172 | 10,595 | 423 | 4.2 |
| (不動産事業収入) | (10,172) | (10,595) | (423) | (4.2) |
| 計 | 166,411 | 177,133 | 10,721 | 6.4 |
| セグメント間内部営業収益 | △1,155 | △1,376 | △221 | △19.2 |
| 純営業収益 | 165,256 | 175,756 | 10,499 | 6.4 |
b. セグメントごとの主要業務の取扱高等
(ⅰ)物流事業
(イ)倉庫業
1)保管用面積
| 内訳 | 前連結会計年度 (平成29年3月31日現在) | 当連結会計年度 (平成30年3月31日現在) |
| 所有庫 | 845,899㎡ | 860,189㎡ |
| 借庫 | 321,477 | 333,337 |
| 計 | 1,167,377 | 1,193,526 |
| 貸庫 | 473,938 | 489,847 |
| 差引実際保管用面積 | 693,439 | 703,679 |
2)入出庫高及び保管残高
| 区分 | 前連結会計年度 (平成28年4月~平成29年3月) | 当連結会計年度 (平成29年4月~平成30年3月) | |
| 入庫高 | 2,209千トン | 2,233千トン | |
| 出庫高 | 2,208 | 2,217 | |
| 保管残高 | 期末 | 514 | 562 |
| 期中平均 | 522 | 545 | |
3)貨物回転率(月平均)
| 区分 | 前連結会計年度 (平成28年4月~平成29年3月) | 当連結会計年度 (平成29年4月~平成30年3月) |
| 数量 | 35.2% | 33.9% |
| (注) 貨物回転率 = | 出庫高(月平均) | × 100 |
| 平均保管残高 |
(ロ)港湾運送業
事業別取扱数量
| 区分 | 前連結会計年度 (平成28年4月~平成29年3月) | 当連結会計年度 (平成29年4月~平成30年3月) |
| 沿岸荷役 | 2,511千トン | 1,927千トン |
| 一般荷捌 | 9,050 | 9,337 |
| コンテナ荷捌 | 48,514 | 48,849 |
| 船内荷役 | 664 | 628 |
(ハ)国際輸送業
取扱数量
| 区分 | 前連結会計年度 (平成28年4月~平成29年3月) | 当連結会計年度 (平成29年4月~平成30年3月) |
| 国際輸送 | 12,176千トン | 13,720千トン |
(ⅱ)海運事業
| 区分 | 前連結会計年度 (平成28年4月~平成29年3月) | 当連結会計年度 (平成29年4月~平成30年3月) |
| 輸送量 | 4,283千トン | 4,489千トン |
(ⅲ)不動産事業
不動産賃貸面積
| 区分 | 前連結会計年度 (平成29年3月31日現在) | 当連結会計年度 (平成30年3月31日現在) |
| 賃貸ビル等 | 273,822㎡ | 275,278㎡ |
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成に係る会計方針及び見積りについては、「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 当社グループの当連結会計年度の経営成績等
(ⅰ)財政状態
資産合計は、社債発行による「現金及び預金」の増加及び株式相場の上昇に伴う「投資有価証券」の増加等により、前期末比12.1%増の3,426億42百万円となりました。また、負債合計は、「社債」の発行及び投資有価証券の評価差額に係る「繰延税金負債」の増加等により、前期末比17.4%増の1,490億48百万円となりました。純資産合計は、株式相場の上昇に伴う「その他有価証券評価差額金」の増加及び親会社株主に帰属する当期純利益の計上に伴う「利益剰余金」の増加等により、前期末比8.3%増の1,935億93百万円となりました。
(ⅱ)経営成績
(営業収益)
物流事業では、倉庫収入は、文書等情報記録媒体や日用雑貨等を中心に貨物保管残高が堅調に推移したことなどから240億91百万円(前期比4.9%増)となりました。港湾運送収入は、海運業界再編に伴いコンテナ荷捌が減収となった一方、一般荷捌が増収となったことから、359億3百万円(前期比0.2%増)となりました。国際輸送収入は、国際一貫輸送及び航空貨物の取扱いが増加し、海外子会社も増収となったことから、380億33百万円(前期比16.3%増)となりました。陸上運送ほか収入は、eコマースに関連する輸送の取扱拡大に伴い陸上運送収入が増収となったことなどから、420億85百万円(前期比6.4%増)となりました。以上の結果、物流事業の営業収益は1,401億14百万円(前期比6.9%増)となりました。
海運事業では、林産品やコンテナの輸送数量が増加したことなどから、営業収益は前期比12億38百万円(4.9%)増収の264億22百万円となりました。
不動産事業では、前期に竣工した商業施設等の賃料収入が寄与したことなどから、営業収益は前期比4億23百万円(4.2%)増収の105億95百万円となりました。
以上から、セグメント間の内部営業収益13億76百万円を控除した営業収益は、前期比104億99百万円(6.4%)増収の1,757億56百万円となりました。
(営業原価、販売費及び一般管理費)
営業原価は、営業収益の増収に伴い作業諸費が増加したことなどから、前期比94億52百万円(6.5%)増加の1,557億16百万円、販売費及び一般管理費は、前期並みの97億37百万円(前期比△64百万円、△0.7%)となりました。
(営業利益)
物流事業は、国際輸送収入、陸上運送収入、倉庫収入等の増収により、前期比93百万円(1.0%)増益の98億65百万円となりました。海運事業は、前期比2億70百万円改善したものの、コンテナ運賃の回復が不十分であったことに加え、燃料油価格の上昇などにより、76百万円の営業損失となりました。不動産事業は、増収に加え、前期に不動産取得税等を計上していたことなどから、前期比6億80百万円(14.9%)増益の52億50百万円となりました。
以上から、各セグメントに帰属しない全社費用等47億36百万円を控除した営業利益は、前期比11億12百万円(12.1%)増益の103億2百万円となりました。
(経常利益)
経常利益は、営業利益の増益に加え、受取配当金の増加等により、前期比13億56百万円(12.0%)増益の126億84百万円となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
米国における法人税率の引下げに伴い法人税等調整額が増加したものの、経常利益の増益に加え、特別損益も改善したことから、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比5億55百万円(7.1%)増益の83億58百万円となりました。
(ⅲ)キャッシュ・フロー
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益及び減価償却による資金の留保等により、166億39百万円の増加(前期は166億29百万円の増加)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、定期預金の預入による支出及び有形固定資産の取得による支出等により、132億68百万円の減少(前期は63億3百万円の減少)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、借入金の返済及び自己株式の取得による支出はあったものの、社債発行による収入等により、33億55百万円の増加(前期は92億34百万円の減少)となりました。
当期の連結キャッシュ・フローは、以上の結果に「現金及び現金同等物に係る換算差額」 (12百万円)を加えた全体で67億39百万円の増加となり、現金及び現金同等物の当期末残高は、312億99百万円となりました。
b. 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因
「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載の通りであります。
c. 当社グループの資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、営業原価、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入及び社債発行を基本としております。
重要な設備投資の予定及びその資金調達方法については、「第3 設備の状況 3.設備の新設、除却等の計画」に記載のとおりであります。
なお、当連結会計年度末における社債、借入金等を含む有利子負債の残高は874億19百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は312億99百万円となっております。
d. 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
中期経営計画(2017年度~2019年度)の目標数値(最終年度の営業収益、営業利益)に対する当連結会計年度の進捗状況は次のとおりです。目標数値の達成に向けて、引き続き国内における物流・不動産両事業の収益力を一層強化し、海外物流のグローバル展開を推進いたします。
| 指標 (連結) | 基準年度 (2016年度) 実績 | 当連結会計年度 (2017年度) 実績 | 最終年度 (2019年度) 計画 | |
| 営業収益 | 1,652億円 | 1,757億円 | 1,900億円 | |
| 営業利益 | 91億円 | 103億円 | 120億円 |