有価証券報告書-第89期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は以下のとおりであります
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、個人消費の停滞傾向が一部で見られたものの、上向いた世界経済を背景に堅調な収益を見込む企業が多く、雇用・所得環境は改善し、緩やかな回復の動きを見せていましたが、年度末にかけてアメリカの経済政策等、国際情勢の変化により株価が乱高下するなど先行きが不透明な状況となりました。
当社グループの主力事業分野である広告業界では、引き続きインターネット広告費が大幅に伸長し、広告費全体では前年度を上回りました。地上波テレビの広告費は「ピョンチャンオリンピック・パラリンピック」等の大型スポーツイベントがありましたが、前年の「リオデジャネイロオリンピック・パラリンピック」等の反動減もあって微減となり、ラジオの広告費は前年度をやや上回りました。
このような情勢の中、当社グループは収入を確保すべく積極的な営業活動を展開した結果、主力事業である放送事業のうち、テレビは増収を確保しましたが、ラジオは前年に達しませんでした。また、システム関連事業は減収、不動産事業及びその他事業も減収となり、全体の売上高は265億58百万円と前年度に比べ1億50百万円(0.6%)の減収となりました。
支出については、システム関連子会社において退職金制度変更に伴い退職給付債務が減少し、引当金を取崩したことにより減少しました。この結果、経常利益は23億55百万円と前年度に比べ50百万円(2.2%)の増益となりました。一方、親会社株主に帰属する当期純利益は、前年度にあった放送設備購入補助金の受取りに伴う特別利益がなくなったこともあり、15億39百万円と前年度に比べ2億40百万円(13.5%)の減益となりました。
事業別の経過及びその成果は、次のとおりであります。
(放送事業)
当連結会計年度における放送事業の収入は、174億45百万円と前年度に比べ0.5%の増収となり、営業利益は17億27百万円と前年度に比べ10.5%の減益となりました。
テレビ部門では、タイム収入は、前年度に比べ3.1%の増収となりました。前年度から実施している音楽イベント「音恵」等、イベントと連動した番組の開発等により収入増を図りました。スポット収入は、上期を中心に活況が続き、前年度に比べ0.2%の増収となりました。業種別では、食品、通信・アプリ、薬品等が落ち込んだものの、輸送機器、化粧品・トイレタリー、住宅・建材等が好調に推移しました。この結果、テレビ事業全体では前年度に比べ0.9%の増収となりました。
番組編成面では、月曜から金曜の午前帯としては29年ぶりとなる生放送の情報番組「天神ウォッチ 新聞女子」を立ち上げました。生放送枠を広げることで、事件・事故や災害発生時にただちに第一報を伝え、エリアの信頼に応える編成を行いました。また、平成29年7月の九州北部豪雨の際には特別番組を速やかに編成し、大雨の情報と豪雨が残した爪痕を伝えました。さらに「今日感ニュース」では、被災地の現状を伝える企画『忘れない7.5~ふるさとのいま』を継続的に放送し、第42回JNNネットワーク協議会賞の活動部門・定時番組活動部門で「協議会賞」を受賞するなど、被災地に寄り添う報道姿勢が高く評価されました。一方、ゴールデンタイムには「母」にまつわる地域密着ヒューマンバラエティ「福おかぁさん」、深夜には音楽トーク番組「ミュージックスコップ」、全編スマホ撮影による動画を紹介する番組「スキマTIMES」などを制作しました。スポーツの分野では、福岡ソフトバンクホークスなど地元プロスポーツの試合中継や試合結果を日々の番組で伝え、横浜DeNAベイスターズとのプロ野球日本シリーズは4試合を生中継し、第5戦の32.3%を筆頭に全ての試合で25%を超える高視聴率を記録しました。その他、女子プロゴルフトーナメント「ほけんの窓口レディース」や「別府大分毎日マラソン」「クロスカントリー日本選手権」を全国に向けて発信しました。
ラジオ部門では、タイム収入は、ネット番組の拡大や特番セールスで上積みを図りましたが、ラジオショッピングの減少分を吸収することができず、前年度に比べて3.3%の減収となりました。またスポット収入も、法律事務所系の大口出稿が軒並み減少したことが響き、19.7%の減収となりました。制作費収入は、本社スタジオと4月から天神にオープンしたサテライトスタジオ「きらめき通りスタジオ」の2つのスタジオのネーミングライツのセールスや、空前のブームとなっているキャンピングカーの展示会など新しいイベントに取り組み、前年度から29.6%の大幅増となりましたが、ラジオ事業全体では前年度に比べ2.4%の減収となりました。番組面では、「大人の知的エンターテインメント」を掲げた新番組「オトナビゲーション」などを「きらめき通りスタジオ」から放送し、新たなリスナー獲得を図りました。
(システム関連事業)
システム関連事業では、積極的な営業活動により機器等販売は堅調に伸長しましたが、官公庁分野の受注減少や医療分野での受注条件の厳しさから、売上高は52億19百万円と前年度に比べ3.6%の減収となりました。一方、外注費の削減や退職金制度見直しによる引当金取崩しにより営業利益は3億54百万円となり、減収増益となりました。
(不動産事業)
不動産事業の収入は、放送会館への新たなテナントの入居があった一方、駐車場収入が減少し、10億48百万円と前年度に比べて1.2%の減収となりました。また、営業利益も10億82百万円と前年度に比べ0.1%の減益となりました。
(その他事業)
その他事業部門の収入は、催し物等、グループ各社で積極的な展開を図りましたが、28億44百万円と前年度に比べ0.7%の減収となり、営業利益は87百万円の損失となりました。催事事業では「世界遺産ラスコー展」「黄金のファラオと大ピラミッド展」をそれぞれ九州国立博物館、福岡市博物館で夏休み期間中に同時に展開しました。また、創立65周年記念事業のフィナーレとして「シーサイドももち花火ファンタジアFUKUOKA」を開催しました。他にも福岡市との「The Creators 2017」、北九州市との「TGC KITAKYUSHU 2017」等、行政と連携したイベントにも取り組み、中でも今回10回目を迎えた「FACo(福岡アジアコレクション)」は7,500人を超える入場者を集め、好評を博しました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動により21億70百万円増加し、有形固定資産の取得等により投資活動で5億85百万円、配当金の支払等により財務活動で4億79百万円減少したこと等により、当連結会計年度末には、前連結会計年度末に比べ11億5百万円(16.3%)増加し、78億72百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、前連結会計年度に比べ7億49百万円減少し、21億70百万円(前連結会計年度は29億19百万円の獲得)となりました。これは主に、法人税等の支払額が6億73百万円増加したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、前連結会計年度に比べ3億81百万円減少し、5億85百万円(前連結会計年度は9億67百万円の使用)となりました。これは主に、定期預金の純増額が3億31百万円減少したことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、前連結会計年度に比べ2億97百万円減少し、4億79百万円(前連結会計年度は7億77百万円の使用)となりました。これは主に、長期借入金の返済が2億40百万円減少したことによるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
(a) 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前年同期比(%) |
| 放送事業 | 17,445 | 0.5 |
| システム関連事業 | 5,219 | △3.6 |
| 不動産事業 | 1,048 | △1.2 |
| その他事業 | 2,844 | △0.7 |
| 合計 | 26,558 | △0.6 |
(注) 1 セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
| 相手先 | 前連結会計年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) | 当連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) | ||
| 金額(百万円) | 割合(%) | 金額(百万円) | 割合(%) | |
| ㈱電通 | 3,741 | 14.0 | 3,800 | 14.3 |
| ㈱博報堂DYメディアパートナーズ | 2,837 | 10.6 | 2,857 | 10.8 |
3 本表の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、決算日における資産・負債の数値ならびに当連結会計年度における収益・費用の数値に影響を与える見積りおよび仮定設定を行います。
当社グループの重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1(1) 連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、特に貸倒引当金、投資の減損、繰延税金資産・負債および退職給付費用に関する見積りおよび判断が連結財務諸表の作成に重要な影響を及ぼすと考えております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(経営成績)
当社グループは、放送を核とした総合メディア企業として、主たる事業である放送事業のコンテンツ制作力を高め、放送による地域貢献を推し進め、また、グループ各社の連携を深めグループ全体の企業価値を向上させつつ新たな経営視点でビジネス領域を広げ、戦略的でかつ安定的な経営を実現する強靱かつ持続可能な企業体を目指しています。
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、主力事業である放送事業のうち、テレビは増収を確保しましたが、ラジオは前年に達しませんでした。また、システム関連事業は減収、不動産事業及びその他事業も減収となり、売上高は265億58百万円と前連結会計年度に比べ1億50百万円(0.6%)の減収となりました。営業利益は、システム関連子会社において退職金制度変更に伴い退職給付債務が減少し、引当金を取崩したことにより、22億4百万円と前連結会計年度に比べ29百万円(1.4%)の増益となりました。経常利益は、23億55百万円と前連結会計年度に比べ50百万円(2.2%)の増益となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、15億39百万円と前連結会計年度に比べ2億40百万円(13.5%)の減益となりました。
(財政状態)
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ9億15百万円増加し、466億38百万円となりました。これは主に、現金及び預金が11億25百万円増加したことによるものであります。
当連結会計年度末の総負債は、前連結会計年度末に比べ6億84百万円減少し、133億55百万円となりました。これは主に、未払法人税等が6億20百万円減少したことによるものであります。
当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べ16億円増加し、332億82百万円となりました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益を15億39百万円計上したことによるものであります。
(キャッシュ・フロー)
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動により21億70百万円増加し、有形固定資産の取得等により投資活動で5億85百万円、配当金の支払等により財務活動で4億79百万円減少したこと等により、当連結会計年度末には、前連結会計年度末に比べ11億5百万円(16.3%)増加し、78億72百万円となりました。
営業活動の結果得られた資金は、21億70百万円(前連結会計年度は 29億19百万円の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益の計上によるものであります。
投資活動の結果使用した資金は、5億85百万円(前連結会計年度は9億67百万円の使用)となりました。これは主に、有形固定資産の取得によるものであります。
財務活動の結果使用した資金は、4億79百万円(前連結会計年度は7億77百万円の使用)となりました。これは主に、配当金の支払等によるものであります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、放送設備等の取得は継続的に予定されていますが、運転資金については内部資金で賄える状態であります。流動資産から流動負債を控除した運転資本については、流動資産が上回っております。また、資金運用についてはリスクの軽微な短期の定期預金及び債券等に限定しており流動性を高めております。
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。
(放送事業)
放送事業のテレビ部門では、月曜から金曜の午前帯としては29年ぶりとなる生放送の情報番組「天神ウォッチ新聞女子」を立ち上げました。生放送枠を広げることで、事件・事故や災害発生時にただちに第一報を伝え、エリアの信頼に応える編成を行いました。また、平成29年7月の九州北部豪雨の際には特別番組を速やかに編成し、大雨の情報と豪雨が残した爪痕を伝えました。ラジオ部門では、天神にオープンしたサテライトスタジオ「きらめき通りスタジオ」から、「大人の知的エンターテインメント」を掲げた新番組「オトナビゲーション」などを放送し、新たなリスナー獲得に取り組んでおり、コンテンツ制作力を高め、放送による地域貢献を推し進めております。
主たる事業である放送事業収入は、企業の広告費に拠っているため、国内の景気動向や他メディアとの競合による影響が考えられますが、戦略的でかつ安定的な経営を実現することを目指しており、放送事業の売上高は、テレビ部門においてタイム収入が3.1%の増収、スポット収入が0.2%の増収となったことにより、174億45百万円と0.5%の増収となりました。コンテンツ制作力を高めるための番組費の増加等により営業支出が増加し、営業利益は17億27百万円と10.5%の減益となりました。
(システム関連事業)
システム関連事業では、AI事業の着手、セキュリティ対策のブランド化や監視システムの外販等の新たなサービス事業創出を進め、事業拡大、利益改善、マネジメント強化に取り組んでおります。
新たな経営視点でビジネス領域を広げ、安定的な経営を実現する強靱かつ持続的な企業体を目指しており、システム関連事業の売上高は、機器等販売は堅調に伸長しましたが、官公庁分野等の受注が減少したことにより、52億19百万円と3.6%の減収となりました。一方、外注費の削減や退職金制度見直しによる引当金の取崩しにより営業利益は3億54百万円と251.9%の増益となりました。今後更なるオープンイノベーションによる事業基盤の変革を推進し、先端新技術への挑戦により高品質なサービスを提供し、ストックビジネスの拡大による顧客基盤の維持・拡大を図ると共に新規事業による新たな収益基盤の確立を目指し、「技術レベルの向上」「プロジェクトマネジメントの改善・強化」により安定した利益実現と企業価値向上を進めていきます。
(不動産事業)
不動産事業では、RKB放送会館のテナント及び駐車場、渡辺通旧本社跡地等安定的な収入の確保に取り組んでおります。
グループ全体としての安定的な経営を実現する強靱かつ持続的な企業体を目指す中で、重要な事業となっております。不動産事業の売上高は、駐車場収入が減少したため、10億48百万円と1.2%の減収となり、営業利益も10億82百万円と0.1%の減益となりましたが、売上高、利益とも前年並みを確保しました。
(その他事業)
その他事業についても、総合メディア企業としてコンテンツ制作力を高め、地域貢献を推し進めており、創立65周年記念事業のフィナーレとして「シーサイドももち花火ファンタジアFUKUOKA」を開催しました。他にも行政と連携したイベントにも取り組み、福岡市との「The Creators 2017」、北九州市との「TGC KITAKYUSHU 2017」のほか、今回10回目を迎えた「FACo(福岡アジアコレクション)」等を開催しました。
その他事業の売上高は、催し物やコンテンツ開発で積極的な展開を図りましたが、28億44百万円と0.7%の減収となり、営業利益も87百万円の営業損失(前連結会計年度 営業損失57百万円)となりました。今後も損益の改善と地域と連動したイベントの展開を目指していきます。