有価証券報告書-第91期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は以下のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用情勢の改善など緩やかな回復基調で推移しましたが、第4四半期に入ると新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受け株式市況や原油市場が不安定となり、景気の先行きは不透明な状況が続きました。
当社グループの主力事業分野である広告業界では、テレビメディアへの出稿が減少する一方、インターネット広告費は引き続き大幅に伸長し、2019年にはインターネット広告費がテレビメディアの広告費を上回りました。
このような情勢の中、当社グループは収入を確保すべく積極的な営業活動を展開した結果、システム関連事業は増収となりましたが、主力事業である放送事業のテレビ、不動産事業とその他事業は減収となり、全体の売上高は
263億79百万円と前年度に比べ3億14百万円(1.2%)の減収となりました。
この結果、経常利益は16億66百万円と前年度に比べ3億13百万円(15.8%)の減益となり、親会社株主に帰属する当期純利益も10億79百万円と前年度に比べ1億67百万円(13.4%)の減益となりました。
事業別の経過及びその成果は、次のとおりであります。
(放送事業)
当連結会計年度における放送事業の収入は170億13百万円と前年度に比べ3.2%の減収となり、営業利益は12億30 百万円と前年度に比べ17.5%の減益となりました。
(テレビ事業)タイム収入については、レギュラータイムの落ち込みやネット配分の減収を、ミニ番組販売等の新規案件でカバーすることが出来ず、前年度に比べ0.7%の減収となりました。スポット収入については、第1四半期は堅調に推移したものの、第2四半期以降は米中貿易摩擦による経済環境の悪化、インバウンド需要の冷え込み、消費税増税によるクライアントの出稿様子見、そして新型コロナウイルス感染拡大に伴う出稿のキャンセルなどで売上が急激に落ち込み、前年度に比べ6.2%の大幅な減収となりました。業種別では、食品、薬品、通信・放送、輸送機器、化粧品トイレタリーなど主要業種全てが前年割れとなりました。この結果、テレビ事業全体では前年度に比べ4.1%の減収となりました。
番組編成面では、午前に「今日感モーニング」、午後には「今日感テレビ」を生放送で編成し、視聴者が求める旬な場所からの中継や、事件・事故、災害発生時にはただちに第一報を伝えるなど、エリアの信頼に応える編成を行いました。また夕方の「今日感ニュース」では、「変わる働き方」「挑戦」「SDGs」「アジアの風」など様々な通年企画を展開し、地域の人々に寄り添った報道で視聴者からの高い支持を受けました。また、“テクノロジーを遊び倒す”がテーマの深夜番組「エンタテ!区 ~テレビが知らないe世界~」は番組が独自に開発したバーチャルアナウンサー“百道桃”がJNN技術賞の最優秀賞、番組がJNNネットワーク協議会賞の活動部門で奨励賞を受賞するなど、これまでのテレビの枠組みを超えた挑戦が評価されました。ドキュメンタリー分野では「さよなら前田有楽~成人映画館最後の日々~」「イントレランスの時代」の2番組がギャラクシー賞で月間賞を受賞。さらに海洋プラスチック問題を扱った「人類VSプラスチック」は第61回科学技術映像祭で内閣総理大臣賞を受賞するなど、地域や社会が抱える問題を映し出した番組が高い評価を得ました。スポーツの分野では、福岡ソフトバンクホークスなど地元プロスポーツの試合中継や試合結果を日々の番組で伝え、また女子プロゴルフトーナメント「ほけんの窓口レディース」、ホークスの「日本シリーズ第2戦」や「別府大分毎日マラソン」「クロスカントリー日本選手権」などを全国に向けて発信しました。
(ラジオ事業)タイム収入は、ラジオショッピングや番組のネット局数の拡大や特番セールス、JRAの競馬中継等が寄与し、前年度に比べ13.3%の増収になりました。スポット収入は、新規スポンサーの獲得に努めましたが、出稿マインドの低下や法律事務所系等の落ち込みをカバーするまでには至らず、前年度から5.2%の減収になりました。また制作費収入は、実施イベントを見直したことや、第4四半期に新型コロナウイルスの感染拡大による中止等もあり、前年度から13.4%の減収となりました。この結果、ラジオ事業全体では前年度に比べ3.3%の増収になりました。また番組編成面では、「RKBラジオの夜が変わる!ティーンの夜を変える!」をテーマに、夜の時間帯を中心に中高生を意識した新番組を立ち上げ、新たなリスナーの獲得に努めました。番組では、ドキュメンタリー「SCRATCH~差別と平成」が、第45回放送文化基金賞で最優秀賞を、「さようなら九電記念体育館~プロデューサーNが残した宝物の木箱から」が、日本民間放送連盟賞で優秀賞を受賞しました。
(システム関連事業)
システム関連事業では、前年度から続く元号改正、消費増税対応に加え、官公庁・民需ともに業務効率化の需要によって高まるITニーズとPC等の買換え需要を背景に収入は64億39百万円となり、前年度に比べて17.3%の増収となりました。一方、利益面では、第1四半期から官公庁、民需ともに大型のSIサービス物件の受注が好調であったことと、経費の削減努力により、営業利益を大幅に改善し2億79百万円を確保いたしました。
(不動産事業)
不動産事業の収入は、RKB放送会館のテナント収入は堅調でしたが、駐車場収入が前年度を下回り、10億44百万円と前年度に比べ0.7%の減収となりました。また営業利益は10億61百万円と前年度に比べ5.5%の減益となりました。
(その他事業)
その他事業部門の収入は、催し物等、グループ各社で積極的な展開を図りましたが、18億82百万円と前年度に比べ27.1%の大幅な減収となり、営業利益は80百万円の損失となりました。催事事業では「福岡音楽祭 音恵2019」
「いきものキングダムin 北九州」「熊川哲也K-BALLET COMPANYくるみ割り人形」「チームラボ 福岡城址 光の祭り」等多彩な事業を展開。他にも福岡市との「The Creators 2019」等、行政と連携したイベントにも取り組み、好評を博しました。しかしながら、3回目の実施となった「シーサイドももち花火ファンタジアFUKUOKA」は荒天のため中止、また新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、3月に実施予定だった大型案件が次々と中止となり厳しい一年となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動により24億13百万円増加し、有形固定資産の取得等により投資活動で14億68百万円、リース債務の返済等により財務活動で4億5百万円減少した こと等により、当連結会計年度末には、前連結会計年度末に比べ5億39百万円(6.6%)増加し、87億24百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、前連結会計年度に比べ7億40百万円増加し、24億13百万円(前連結会計年度は
16億73百万円の獲得)となりました。これは主に、仕入債務の額が3億91百万円減少し、法人税等の支払額が2億90 百万円増加したものの、売上債権の額が17億17百万円減少したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、前連結会計年度に比べ7億91百万円増加し、14億68百万円(前連結会計年度は6 億76百万円の使用)となりました。これは主に、定期預金の額が8億80百万円増加したことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、前連結会計年度に比べ2億79百万円減少し、4億5百万円(前連結会計年度は6億
85百万円の使用)となりました。これは主に、リース債務の返済が2億78百万円減少したことによるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
(a) 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前年同期比(%) |
| 放送事業 | 17,013 | △3.2 |
| システム関連事業 | 6,439 | 17.3 |
| 不動産事業 | 1,044 | △0.7 |
| その他事業 | 1,882 | △27.1 |
| 合計 | 26,379 | △1.2 |
(注) 1 セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
| 相手先 | 前連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | ||
| 金額(百万円) | 割合(%) | 金額(百万円) | 割合(%) | |
| ㈱電通 | 3,648 | 13.7 | 3,682 | 14.0 |
| ㈱博報堂DYメディアパートナーズ | 2,781 | 10.4 | 2,495 | 9.5 |
3 本表の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(経営成績)
当社グループは、放送を核とした総合メディア企業として、主たる事業である放送事業のコンテンツ制作力を高め、放送による地域貢献を推し進め、また、グループ各社の連携を深めグループ全体の企業価値を向上させつつ新たな経営視点でビジネス領域を広げ、戦略的でかつ安定的な経営を実現する強靱かつ持続可能な企業体を目指しています。
当連結会計年度における売上高は、263億79百万円と前年度に比べ3億14百万円(1.2%)の減収となりました。また、売上原価と販売費及び一般管理費を合わせた営業費用は、248億48百万円と前年度に比べ14百万円(0.1%)減少しました。
この結果、営業利益は、15億31百万円と前年度に比べ2億99百万円(16.4%)の減益となりました。また、経常利益も、16億66百万円と前年度に比べ3億13百万円(15.8%)の減益となり、親会社株主に帰属する当期純利益も、10億79百万円と前年度に比べ1億67百万円(13.4%)の減益となりました。
なお、セグメントごとの経営成績等については、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりです。
(財政状態)
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ11億35百万円減少し、457億21百万円となりました。これは主に、株価の下落により投資有価証券が10億72百万円減少したことによるものであります。
当連結会計年度末の総負債は、前連結会計年度末に比べ13億45百万円減少し、113億93百万円となりました。これは主に、年金の拠出金等により退職給付に係る負債が3億38百万円、繰延税金負債が3億32百万円減少したことによるものであります。
当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べ2億9百万円増加し、343億28百万円となりました。これは主に、株価の下落によりその他有価証券評価差額金が7億19百万円減少したものの、親会社株主に帰属する当期純利益を10億79百万円計上したことによるものであります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、営業活動により24億13百万円増加し、投資活動で14億68百万円、財務活動で4億5百万円減少したことにより、前連結会計年度末に比べ5億39百万円(6.6%)増加し、87億24百万円となりました。
なお、詳細については、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、放送設備等の取得は継続的に予定されていますが、運転資金については内部資金で賄える状態であります。流動資産から流動負債を控除した運転資本については、流動資産が上回っております。また、資金運用についてはリスクの軽微な短期の定期預金及び債券等に限定しており流動性を高めております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、決算日における資産・負債の数値ならびに当連結会計年度における収益・費用の数値に影響を与える見積りおよび仮定設定を行います。
当社グループの重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1(1) 連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、特に貸倒引当金、投資の評価、繰延税金資産の回収可能性および退職給付に関する見積りおよび判断が連結財務諸表の作成に重要な影響を及ぼすと考えております。
新型コロナウイルス感染症の影響は、会計上の見積り及び仮定において重要な影響を与えるものではないと判断しております。
なお、見積り及び判断・評価につきましては、過去実績や状況に応じて合理的と考えられる要因等に基づき行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は異なる場合があります。
新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、国内はもとより海外でも人々の活動は制限され、企業の生産活動やサービス活動が停滞し各企業と共に消費者も大きなダメージを受けております。特に国内では、4月に出された緊急事態宣言が5月下旬に全国で解除されましたが、経済の停滞も懸念されます。広告収入の減少やイベントの中止等の影響を受けており、今後の経過によっては、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。