四半期報告書-第34期第1四半期(2023/04/01-2023/06/30)

【提出】
2023/08/10 10:39
【資料】
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【項目】
30項目
文中の将来に関する事項は、当四半期会計期間の末日現在において当社が判断したものであります。
また、セグメントの業績につきましては、当社はISP事業の単一セグメントであるため、記載を省略しております。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当第1四半期累計期間(2023年4月1日から2023年6月30日まで)におけるわが国の経済状況は、新型コロナウイルス感染症の影響が小さくなり経済活動が緩やかに戻りつつあり、個人消費は回復傾向にあります。一方で、半導体不足によるサプライチェーンの供給制約やエネルギー価格の上昇、金融引き締めによる金利上昇など、将来に向けた影響には十分に注意する必要があります。
当社が事業を展開する通信事業においては、企業のデジタル化(DX)への取り組みによる生産性向上や業務効率に向けた情報通信への先行投資は継続して拡大すると捉えております。このような状況下において、当社は社会的なインフラであるインターネット接続事業者として安定した通信環境とお客様に満足いただけるサービスの提供を維持し続けるための行動に努めております。
業界の動向
ISP(インターネット・サービス・プロバイダ)業界においては、2023年3月末のFTTH(光ファイバー)の利用者数は前年同期比116万契約増(3.1%増)の3,807万契約となり増加しております。また、FTTH契約数のうちNTT東西の卸電気通信役務(サービス卸)を利用して提供される契約数は1,681万契約となっており、FTTH全体契約数に占める割合は前年同期比0%の44.2%となりました。
MVNOサービスの利用者は、前年同期比362万契約増(13.6%増)の3,016万契約となりました。そのうち高速モバイル通信やIoT(Internet of Things)およびM2M(Machine to Machine)に利用されるSIMカード型の契約者数は前年同期比68万契約増(4.6%増)の1,560万契約となりました。eSIM(イー・シム)を含む通信モジュールの契約者数は前年同期比156万契約増(17.5%増)の1,047万契約となりました。
1契約あたりのダウンロードトラフィックは、総務省が2023年2月に公開した集計結果では、固定系ブロードバンド契約者1契約あたりのダウンロードトラフィックが前年同月比115kbps増(21.2%増)の658.2kbps、1カ月あたりのダウンロードトラフィックは約206GBとなりました。
インターネット接続サービスの状況
2024年3月期 第1四半期 インターネット接続サービスの売上高 (単位:百万円)
2023年3月期
第1四半期
2024年3月期
第1四半期
増減額増減率
ISP「ASAHIネット」2,2172,205△12△0.6%
VNE「v6 コネクト」3914586717.1%
合計2,6092,663542.1%

当第1四半期のインターネット接続サービスの売上高は前年同期比54百万円増(2.1%増)の2,663百万円となりました。
(ISP「ASAHIネット」)
「ASAHIネット」インターネット接続契約数の状況 (単位:千ID)
2022年6月末2023年6月末増減数増減率
FTTH(光接続)45045451.0%
ADSL93△6△66.5%
モバイル474701.1%

ISP「ASAHIネット」においては、FTTH接続サービスの2023年6月末の契約数は前年同期末比5千ID増(1.0%増)の454千IDとなりました。FTTH接続サービスにおいては、提供エリアが拡大している10Gbpsのフレッツ光に対応した光コラボレーションモデルの「AsahiNet 光」等に加え、NTT東西と提携した「マンション全戸加入プラン」の受注が増加しております。一方で、電力会社や他キャリアなどフレッツ光以外のFTTH接続サービスと当社FTTH接続サービスが比較された結果、当第1四半期には大口法人の解約が発生するなど競争環境は厳しくなっております。このような状況において、当事業年度はNTTチャネル、Webチャネル、大口法人を切り口とした会員獲得施策を進めております。
モバイル接続サービスの2023年6月末の契約数は前年同期末比0千ID増(1.1%増)の47千IDとなりました。モバイル接続サービスはSIMカード型で従量制のLTEとモバイルWi-Fiルーター型で定額制のWiMAXの接続サービスを提供しております。LTE接続サービスの主な利用用途は、駐車場や電力発電機など遠隔に設置している機器にアクセスするために固定IPアドレスを利用したIoT/M2Mの需要が増加しております。
ADSL接続サービスの2023年6月末の契約数は前年同期末比6千ID減(66.5%減)の3千IDとなりました。NTT東西のフレッツADSLにおける提供エリアが縮小する影響により契約数が減少となりました。
以上の結果、当第1四半期の「ASAHIネット」の売上高は前年同期比12百万円減(0.6%減)の2,205百万円となりました。
(VNE「v6 コネクト」)
「v6 コネクト」提携事業者数の状況 (単位:社)
2022年6月末2023年6月末増減数増減率
提携事業者数111219.1%

VNE「v6 コネクト」の2023年6月末の提携事業者数は12社となりました。前年同期末比1社の増加となります。当第1四半期の「v6 コネクト」の売上高は前年同期比67百万円増(17.1%増)の458百万円となりました。
「v6 コネクト」はVNO事業者(電気通信事業者)に対してNTT東西が提供するフレッツ光を使ったIPoE方式によるIPv6インターネット接続を卸提供するサービスです。当社は主として基本料およびVNO事業者が利用したトラフィックに応じた従量課金を売上として計上します。売上高の増収要因は主に2点から構成されます。1点目は提携事業者が取り扱うフレッツ光の回線数増加です。2点目は1回線当たりのトラフィック増加です。当第1四半期は引き続き1回線あたりのトラフィック増加が売上高を牽引しております。しかしながら、ISP「ASAHIネット」同様に電力会社や他キャリアとの比較に加えVNE事業者間でのフレッツ光における競合比較の機会が増えた影響により一部事業者との契約更改が発生しました。その結果、増収額は前年同期比で微増となりました。
インターネット関連サービスの状況
2024年3月期 第1四半期 インターネット関連サービスの売上高 (単位:百万円)
2023年3月期
第1四半期
2024年3月期
第1四半期
増減額増減率
「manaba」217169△47△22.0%
「その他」202195△6△3.2%
合計420365△54△12.9%

当第1四半期のインターネット関連サービスの売上高は前年同期比54百万円減(12.9%減)の365百万円となりました。
(教育支援サービス「manaba」)
「manaba」契約ID数と全学導入校数の状況 (単位:千ID)
2022年6月末2023年6月末増減数増減率
契約ID数818785△33△4.0%
全学導入校数99校92校△7校△7.1%

(注)全学導入校数の集計対象は大学、短期大学となります。専門学校や高等学校及び高等専門学校は集計対象に含めておりません。
教育支援サービス「manaba(マナバ)」の2023年6月末の契約ID数は前年同期末比33千ID減(4.0%減)の785千IDとなりました。全学導入校数は前年同期比7校減(7.1%減)の92大学となりました。
当第1四半期の「manaba」の売上高は前年同期比47百万円減(22.0%減)の169百万円となりました。株式会社レスポンとのrespon販売店契約が2023年3月末で契約終了したことに伴い、「respon」に関連する売上が減少しました。この影響として当事業年度に90百万円の減収を見込みます。また、2023年4月以降に7大学の解約がありました。この影響として当事業年度に40百万円の減収を見込みます。解約の理由は、「Google Workspace」や「Microsoft 365」の利用拡大や大学内で利用する他サービスとの統廃合によるものです。大学を取り巻く環境は文部科学省が進める教育のDX化が後押しされたことにより、LSMやポートフォリオは新たな価値を求められております。「manaba」は教育の質保証や大学IRを実現するために必要なサービスの提供を強化していきます。
(その他)
「その他」はメールサービスやセキュリティサービス、その他関連サービスの売上高となります。当第1四半期の「その他」の売上高は前年同期比6百万円減(3.2%減)の195百万円となりました。
収益の状況
2023年3月期 第1四半期の業績 (単位:百万円)
2022年3月期
第1四半期
2023年3月期
第1四半期
増減増減率(%)
売上高3,0293,02900.0%
営業利益494378△116△23.6%
経常利益498387△110△22.2%
四半期純利益336264△71△21.3%

売上高は、ISP「ASAHIネット」は、FTTH接続サービス及びモバイル接続サービスは契約数増加により増収となりましたが、ADSL接続サービスによる契約数減少とインターネット関連サービスの「その他」に含まれるナローバンド等の契約数減少による減収が増収を上回りまわる結果となりました。VNE「v6 コネクト」は取り扱い通信量の増加により増収となりました。教育支援サービス「manaba」はrespon販売店契約終了と解約により減収となりました。その結果、売上高は前年対比横ばいとなりました。
売上原価は、NTT東西との相互接続するネットワークの構成変更を進めるために一時的な通信費と業務委託費が先行して発生しております。また2023年3月期第2四半期にサービスリリースしたメールサービスの売上原価と減価償却費が増加しております。
販売費及び一般管理費は、ISP「ASAHIネット」のインターネット接続サービス契約数の増加に向けて、NTTチャネル及びWebチャネルでの業務委託費や広告宣伝費を投下しております。
以上の結果、当第1四半期の売上高は3,029百万円(前年同期比0百万円増、0.0%増)、営業利益は378百万円(同116百万円減、23.6%減)、経常利益は387百万円(同110百万円減、22.2%減)、四半期純利益は264百万円(同71百万円減、21.3%減)となりました。
財政の状況
資産は、主に現金及び預金の減少などにより、当第1四半期会計期間末の総資産は13,331百万円(前期末比2.4%減)となりました。
負債は、主に未払法人税等の減少などにより1,635百万円(前期末比3.7%減)となりました。
純資産は、主に自己株式の増加などにより11,695百万円(前期末比2.2%減)となりました。
(2)資本の財源及び資金の流動性
当第1四半期累計期間において、資本の財源及び資本の流動性について重要な変更はありません。
(3)経営方針・経営戦略等
当第1四半期累計期間において、経営方針・経営戦略等に重要な変更及び新たに定めたものはありません。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第1四半期累計期間において、事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(5)研究開発活動
該当事項はありません。