四半期報告書-第32期第2四半期(令和3年7月1日-令和3年9月30日)

【提出】
2021/11/12 9:01
【資料】
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【項目】
32項目
文中の将来に関する事項は、当四半期会計期間の末日現在において当社が判断したものであります。
また、セグメントの業績につきましては、当社はISP事業の単一セグメントであるため、記載を省略しております。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当第2四半期累計期間におけるわが国の経済状況は、新型コロナウイルス感染症を起因とした緊急事態宣言やまん延防止等重点措置に伴う規制により経済活動や人の行動が強く制限されていますが、ワクチン接種率の増加に伴い従来のビジネス活動を再開する動きは戻りつつあります。日常生活やビジネス環境においては人との接触を抑止するためにインターネットを利活用したオンライン会議やイベントが増加し、インターネット通信の重要性が増しています。このような変化の中、当社は社会的なインフラであるインターネット接続事業者としてお客様に満足いただけるサービスの提供と維持の取り組みを推進しております。
業界の動向
ISP(インターネット・サービス・プロバイダ)業界においては、2021年6月末のFTTH(光ファイバー)の利用者数は前年同期比197万契約増(5.9%増)の3,555万契約となり一貫して増加しています。また、FTTH契約数のうちNTT東西の卸電気通信役務(サービス卸)を利用して提供される契約数は1,561万契約となっており、FTTH全体契約数に占める割合は前年同期比1.5%増の43.9%となりました。
MVNOサービスの利用者は、前年同期比67万契約増(2.7%増)の2,597万契約となりました。そのうち高速モバイル通信やIoT(Internet of Things)及びM2M(Machine to Machine)に利用されるSIM型カードの契約者数は前年同期比47万契約減(2.9%減)の1,550万契約となりました。
インターネットにおけるトラフィックは引き続き増加傾向にあります。総務省が2021年7月に公開した集計結果では1契約当たりのダウンロードトラフィックは前年同月比96.6kbps増(21.0%増)の556.8kbpsとなりました。1ヵ月当たり174.6GBとなり引き続き増加傾向にあります。ダウンロードトラフィックは2020年5月から2020年11月までの増加率は大きくありませんでしたが、2020年11月から2021年5月までの増加率は大きく伸長しています。インターネットトラフィックのピーク時間帯は前回調査結果と同様に19時から21時に集中しています。外出制限のため在宅時間が増加する中でオンラインゲームや動画視聴などインターネットを通じたデジタルコンテンツのトラフィックが伸びています。また、日中帯においても在宅時間が増加し、トラフィックが昨年対比で倍増しています。このような状況下において、トラフィック増加に起因する通信速度及び通信品質の低下はISP業界に留まらず通信業界全体での課題となっています。
インターネット接続サービスの状況
2022年3月期 第2四半期 インターネット接続サービス 売上高 (単位:百万円)
2021年3月期
第2四半期
2022年3月期
第2四半期
増減増減率
ISP「ASAHIネット」4,4424,261(4,634)△181(191)△4.1%(4.3%)
VNE「v6 コネクト」350643(643)292(292)83.3%(83.3%)
合計4,7934,904(5,277)110(483)2.3%(10.1%)

(注)「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号2020年3月31日)等を当事業年度第1四半期会計期間の期首から適用しております。2021年3月期は収益認識基準等を適用する前の数値となります。2022年3月期は収益認識基準等の適用後の数値となります。前年と比較するためカッコ内に収益認識に関する会計基準等適用前の数値を表記しております。
当第2四半期のインターネット接続サービスの売上高は前年同期比110百万円増(2.3%増)の4,904百万円となりました。なお、収益認識に関する会計基準等の適用前の売上高は前年同期比483百万円増(10.1%増)の5,277百万円となります。
(ISP「ASAHIネット」)
「ASAHIネット」インターネット接続契約数 (単位:千ID)
2020年9月末2021年9月末増減増減率
FTTH(光接続)421434133.0%
ADSL1612△4△25.9%
モバイル464611.7%

ISP「ASAHIネット」においては、FTTH接続サービスの2021年9月末の契約数は前年同期末比13千ID増(3.0%増)の434千IDとなりました。FTTH接続サービスにおいては「AsahiNet 光」の契約数が増加しました。当事業年度第1四半期に引き続き、法人顧客からの受注が継続していることが大きな要因となります。当期は様々なチャネルを用いたインターネット接続契約数の増加施策を実施しております。以前から注力して取り組みを進めている獲得効率の高い自社Webサイトやコールセンターを活用した直販チャネルに加え、検索エンジン広告やコンテンツマーケティングによるWeb施策並びにパートナー等の代理店チャネル拡大を進めております。
モバイル接続サービスの2021年9月末契約数は前年同期末比1千ID増(1.7%増)の46千IDとなりました。音声通話やデータ通信を主な用途とする契約に加え、固定IPアドレスを用いたネットワークサービスとしての活用事例が増加しております。IoT及びM2M端末を遠隔から操作することで省人化や省力化を実現することができます。今後もLTEにおいては利用者の需要に対応した各容量プランの提供、WiMAXにおいてはデータ容量無制限の定額制プランを中心にモバイル接続サービス契約数の増加を見込みます。
ADSL接続サービスの2021年9月末の契約数は前年同期末比4千ID減(25.9%減)の12千IDとなりました。2021年9月末に、回線事業者であるソフトバンク株式会社(旧イー・アクセス株式会社)のサービス提供終了に伴い、当社ADSLサービス「新超割ADSL」を終了いたしました。なお、NTT東日本及び西日本が提供するADSLサービスは2023年1月末にサービス提供終了を予定しております。それに伴い当社ADSLサービス「フレッツADSL」の契約数は減少を見込みます。
当第2四半期における「ASAHIネット」の売上高は前年同期比181百万円減(4.1%減)の4,261百万円となりました。なお、当事業年度第1四半期期首より収益認識に関する会計基準等を適用したことにより、一部の取引について売上高を総額から純額へ変更しております。収益認識に関する会計基準等の適用前の売上高は前年同期比191百万円増(4.3%増)の4,634百万円となります。
(VNE「v6 コネクト」)
「v6 コネクト」提携事業者数 (単位:社)
2020年9月末2021年9月末増減増減率
提携事業者数1011110.0%

VNE「v6 コネクト」の2021年9月末の提携事業者数は前年同期末比1社増(10.0%増)の11社となりました。当第2四半期の提携事業者の増減はありませんでした。
当第2四半期の「v6 コネクト」の売上高は前年同期比292百万円増(83.3%増)の643百万円となりました。「v6 コネクト」の増収要因としては、提携事業者数の増加、提携事業者が取り扱うフレッツ回線数、1回線当たりのトラフィックの3点となります。当第2四半期は提携事業者が取り扱うフレッツ回線数の増加と1回線当たりトラフィックの増加が増収に寄与しております。
インターネット関連サービスの状況
2022年3月期 第2四半期 インターネット関連サービス 売上高 (単位:百万円)
2021年3月期
第2四半期
2022年3月期
第2四半期
増減増減率
「manaba」369385154.3%
「その他」414402△11△2.8%
合計78478840.6%

当第2四半期のインターネット関連サービスの売上高は前年同期比4百万円増(0.6%増)の788百万円となりました。なお、収益認識に関する会計基準等の適用による影響はありません。
(教育支援サービス「manaba」)
「manaba」契約ID数の状況 (単位:千ID)
2020年9月末2021年9月末増減増減率
契約ID数742801598.0%
全学導入校数96校(109校)98校(110校)2校(1校)2.1%(0.9%)

(注)2021年3月末から全学導入校数の集計対象を大学・短大のみとしました。この変更により専門学校や高校及び高等専門学校を全学導
入校数に含めておりません。カッコ内は従来の集計対象での全学導入校数となります。
教育支援サービス「manaba」の2021年9月末の契約ID数は前年同期末比59千ID増(8.0%増)の801千IDとなりました。全学導入校数は前年同期末比2校増(2.1%増)の98校となりました。当第2四半期の全学導入校数の増減はありませんでした。
当第2四半期の「manaba」の売上高は前年同期比15百万円増(4.3%増)の385百万円となりました。主に2021年3月期から利用を開始した大学の月額利用料や付随した追加オプション機能の利用申し込み増加により増収となりました。
当第2四半期は文部科学省が大学に求める「教育の質保証」を実現するための機能開発を進めております。大学は昨年度に引き続き、新型コロナウイルス感染症対策を行いながら授業運営を行っております。ライブ型やオンデマンド型などインターネットを経由した授業運営が主ではありますが、一部では対面授業が再開されるなど教員と学生の学びの機会は多様化しておりICTを活用した取り組みが進められています。1点目は「教育の質保証」の取り組みに対応したポートフォリオ機能の拡充です。具体的には、ディプロマポリシーへの達成度評価を実現する機能、学生の目標を自己管理するための機能、学外のアセスメントテストの結果や資格取得実績をポートフォリオに登録する機能、「教育の質保証」で求められる4年間の学修成果をポートフォリオ上で可視化する機能を提供いたします。本機能は2021年11月から複数大学へパイロット版の提供を開始いたします。導入大学数は2025年に向けて50大学を目指します。2点目は出席管理機能です。学生が授業に参加したかを示す出席情報は大学にとって学生の学修成果や「教育の質保証」を測るひとつの指標です。また、教員にとっては学生の最終成績をつける素点であるため出席情報の完全性と可用性が求められております。本機能の提供により、大学は学生の正しい出席情報を取得すること並びに教員は正しい出席情報を簡単な操作で管理することができます。結果として文部科学省が求める出席情報や出席率の管理を実現いたします。これらの取り組みにより、当社は「manaba」を多様な学びを支えるサービスとして大学教育へ貢献してまいります。
(その他)
「その他」はメールやセキュリティサービス、その他関連サービスの売上高となります。
当第2四半期の「その他」の売上高は前年同期比11百万円減(2.8%減)の402百万円となりました。
収益の状況
2022年3月期 第2四半期の業績 (単位:百万円)
2021年3月期
第2四半期
2022年3月期
第2四半期
増減増減率
売上高5,5785,693(6,066)115(488)2.1%(8.8%)
営業利益768944(930)175(162)22.9%(21.1%)
経常利益823948(934)124(111)15.2%(13.5%)
四半期純利益791671(662)△120(△129)△15.2%(△16.4%)

(注)「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号2020年3月31日)等を当事業年度第1四半期会計期間の期首から適用しております。2021年3月期は収益認識基準等を適用する前の数値となります。2022年3月期の数値は収益認識基準等の適用後の数値となります。前年と比較するためカッコ内に収益認識に関する会計基準等適用前の数値を表記しております。
当第2四半期は、ISP「ASAHIネット」のFTTH接続サービスの契約数増加、VNE「v6 コネクト」の取り扱い通信量増加、教育支援サービス「manaba」の契約ID数増加により売上高は増収しております。売上原価においては、FTTH接続サービスの契約拡大に伴う回線仕入の増加、NTT東西と相互接続するIPv6ネットワークを追加契約したことにより通信費が増加しております。また、前年度に実施した通信品質を維持するための設備投資に伴う減価償却費が増加しております。
以上の結果、当第2四半期の売上高は5,693百万円(前年同期比2.1%増)、営業利益は944百万円(同22.9%増)、経常利益は948百万円(同15.2%増)、四半期純利益は671百万円(同15.2%減)となりました。なお、2021年3月期第2四半期は特別利益として投資有価証券売却益338百万円を計上しておりました。
当事業年度第1四半期より収益認識に関する会計基準等を適用した事により、主としてインターネット接続サービスの一部の取引について売上高を総額から純額へ変更しております。またキャッシュ・バック等については取引価格から減額し、契約期間に応じて期間按分する方法に変更しております。この結果、当第2四半期の売上高は372百万円減少、売上原価は364百万円減少、販売費及び一般管理費は22百万円減少、営業利益、経常利益及び税引前四半期純利益はそれぞれ13百万円増加、四半期純利益は9百万円増加しております。
財政の状況
財政状態といたしましては、売掛金及び契約資産の増加(前年同期末比7.4%増)、貯蔵品の増加(同40.8%増)などにより、当第2四半期会計期間末の総資産は13,298百万円(同3.8%増)となりました。
負債は、買掛金の減少(同20.7%減)があったものの、前受収益の増加(同218.7%増)などにより1,920百万円(同1.9%増)となりました。
純資産は、利益剰余金の増加などにより11,377百万円(同4.1%増)となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は前事業年度末に比べて92百万円減少し、4,147百万円となりました。
なお、当第2四半期累計期間における各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により得た資金は737百万円(前年同期は896百万円の獲得)となりました。これは主に、税引前四半期純利益が967百万円、減価償却費が374百万円あったものの、法人税等の支払額333百万円などがあったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は551百万円(前年同期は62百万円の使用)となりました。これは有形固定資産の取得による支出が415百万円、無形固定資産の取得による支出が172百万円などがあったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により使用した資金は278百万円(前年同期は264百万円の使用)となりました。これは、配当金の支払額278百万円があったことによるものです。
(3)資本の財源及び資金の流動性
当第2四半期累計期間において、資本の財源及び資本の流動性について重要な変更はありません。
(4)経営方針・経営戦略等
当第2四半期累計期間において、経営方針・経営戦略等に重要な変更及び新たに定めたものはありません。
(5)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第2四半期累計期間において、事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(6)研究開発活動
該当事項はありません。