四半期報告書-第32期第3四半期(令和3年10月1日-令和3年12月31日)

【提出】
2022/02/10 10:10
【資料】
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【項目】
30項目
文中の将来に関する事項は、当四半期会計期間の末日現在において当社が判断したものであります。
また、セグメントの業績につきましては、当社はISP事業の単一セグメントであるため、記載を省略しております。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当第3四半期累計期間におけるわが国の経済状況は、引き続き新型コロナウイルス感染症の影響による制約を受けておりますが、ワクチン接種率の増加に伴い従来のビジネス活動を再開する動きが戻りつつありました。しかしながら足元ではオミクロン株による感染が再拡大したことにより先行きが不透明な状況です。このような状況の中、当社は社会的なインフラであるインターネット接続事業者としてお客様に満足いただけるサービスの提供を維持し続けるための行動を推進しております。
業界の動向
ISP(インターネット・サービス・プロバイダ)業界においては、2021年9月末のFTTH(光ファイバー)の利用者数は前年同期比192万契約増(5.6%増)の3,599万契約となり一貫して増加しております。また、FTTH契約数のうちNTT東西の卸電気通信役務(サービス卸)を利用して提供される契約数は1,591万契約となっており、FTTH全体契約数に占める割合は前年同期比1.3%増の44.2%となりました。
MVNOサービスの利用者数は、前年同期比60万契約増(2.3%増)の2,619万契約となりました。そのうち高速モバイル通信やIoT(Internet of Things)及びM2M(Machine to Machine)に利用されるSIMカード型の契約者数は前年同期比69万契約減(4.3%減)の1,531万契約となりました。eSIM(イー・シム)を含む通信モジュールの契約者数は前年同期比113万契約増(15.8%増)の827万契約となりました。
インターネットにおけるトラフィックは引き続き増加傾向にあります。総務省が2021年7月に公開した集計結果では1契約あたりのダウンロードトラフィックは前年同月比96.6kbps増(21.0%増)の556.8kbpsとなりました。1ヵ月当たり174.6GBとなり引き続き増加傾向にあります。国が主導するデジタル田園都市国家構想においてもデジタル社会の実現に向けたトラフィック増加が課題として取り上げられております。このような状況下において、トラフィック増加に起因する通信速度及び通信品質の低下はISP業界に留まらず通信業界全体での課題となっております。
インターネット接続サービスの状況
2022年3月期 第3四半期 インターネット接続サービス 売上高 (単位:百万円)
2021年3月期
第3四半期
2022年3月期
第3四半期
増減額増減率
ISP「ASAHIネット」6,6786,428(6,982)△250(303)△3.7%(4.5%)
VNE「v6 コネクト」5791,003(1,003)423(423)73.0%(73.0%)
合計7,2587,431(7,985)173(726)2.4%(10.0%)

(注)「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当事業年度第1四半期会計期間の期首から適用しております。2021年3月期は収益認識基準等を適用する前の数値となります。2022年3月期は収益認識基準等の適用後の数値となります。前年と比較するためカッコ内に収益認識に関する会計基準等適用前の数値を表記しております。
当第3四半期のインターネット接続サービスの売上高は前年同期比173百万円増(2.4%増)の7,431百万円となりました。なお、収益認識に関する会計基準等の適用前の売上高は前年同期比726百万円増(10.0%増)の7,985百万円となります。
(ISP「ASAHIネット」)
「ASAHIネット」インターネット接続契約数の状況 (単位:千ID)
2020年12月末2021年12月末増減数増減率
FTTH(光接続)421438174.1%
ADSL1610△5△34.5%
モバイル454712.7%

ISP「ASAHIネット」においては、FTTH接続サービスの2021年12月末の契約数は前年同期末比17千ID増(4.1%増)の438千IDとなりました。FTTH接続サービスにおいては「AsahiNet 光」の契約数が増加しました。前四半期から引き続き法人顧客からの受注が継続しております。
モバイル接続サービスの2021年12月末の契約数は前年同期末比1千ID増(2.7%増)の47千IDとなりました。モバイル接続サービスはSIMカード型の「ANSIM」とモバイルWi-Fiルーター型の「WiMAX」を提供しております。データ通信に加え固定IPアドレスを用いたネットワークサービスとして法人顧客からの受注が増加しております。
ASDL接続サービスの2021年12月末の契約数は前年同期末比5千ID減(34.5%減)の10千IDとなりました。2021年9月末に回線事業者であるソフトバンク株式会社(旧イー・アクセス株式会社)のサービス提供終了に伴い、当社ADSLサービス「新超割ADSL」を終了したことで契約数が減少しております。ADSL接続サービスを利用いただいていた会員がFTTH接続サービスやモバイル接続サービスへ契約変更を行う動きがありました。
これまでは「ASAHIネット」の会員数を半期に一度開示しておりましたが、2022年3月期よりインターネット接続契約数を四半期単位で開示しております。開示する指標はFTTH、ADSL、モバイル接続サービスの契約数としました。なお、2021年12月末時点でのASAHIネット会員数は前年同期末比12千ID増(1.9%増)の645千IDとなりました。
2022年3月期は様々なチャネルを用いた施策がインターネット接続契約数の増加に寄与しております。当第3四半期においては、チャネルとして獲得効率が高い自社サイト「ASAHIネット」のサービスサイトリニューアルやWeb施策の拡大を進めております。また、第三者機関の調査により利用者満足度の高いインターネット通信サービスを選出する「RBB TODAY ブロードバンドアワード2021」において、プロバイダ部門総合の部で8年連続の最優秀賞を受賞いたしました。評価対象期間はコロナ禍によるテレワークの機会が増加し、自宅の固定回線やWi-Fiの通信品質が問われる年でした。そのような状況下で最優秀賞を受賞いただけたことは、当社が対処すべき課題として掲げている「増加する費用を抑え、利益が出せる構造を維持すること」「お客様に満足いただける品質のサービスを今後も提供し続けること」の両側面が進捗していることと捉えております。
当第3四半期の「ASAHIネット」の売上高は前年同期比250百万円減(3.7%減)の6,428百万円となりました。なお、当事業年度第1四半期期首より収益認識に関する会計基準等を適用したことにより、一部の取引について売上高を総額から純額へ変更しております。収益認識に関する会計基準等の適用前の売上高は前年同期比303百万円増(4.5%増)の6,982百万円となります。
(VNE「v6 コネクト」)
「v6 コネクト」提携事業者数の状況 (単位:社)
2020年12月末2021年12月末増減数増減率
提携事業者数1111--

VNE「v6 コネクト」の2021年12月末の提携事業者数の増減はありませんでした。
当第3四半期の「v6 コネクト」の売上高は前年同期比423百万円増(73.0%増)の1,003百万円となりました。「v6 コネクト」の増収要因は、提携事業者が取り扱うフレッツ回線数、1回線あたりのトラフィックとなっており、当第3四半期は前四半期に引き続き1回線あたりトラフィックの増加が増収に寄与しております。巣ごもり需要と言われている家の中で快適に過ごす行動としてオンラインゲームや動画視聴の機会が増加しており、今後もトラフィックは継続的に伸びると考えております。
インターネット関連サービスの状況
2022年3月期 第3四半期 インターネット関連サービス 売上高 (単位:百万円)
2021年3月期
第3四半期
2022年3月期
第3四半期
増減額増減率
「manaba」559555△4△0.8%
「その他」623605△17△2.8%
合計1,1831,161△21△1.9%

当第3四半期のインターネット関連サービスの売上高は前年同期比21百万円減(1.9%減)の1,161百万円となりました。なお、収益認識に関する会計基準等の適用による影響はありません。
(教育支援サービス「manaba」)
「manaba」契約ID数と全学導入校数の状況 (単位:千ID)
2020年12月末2021年12月末増減数増減率
契約ID数789801121.5%
全学導入校数96校(109校)98校(110校)2校(1校)2.1%(0.9%)

(注)2021年3月末から全学導入校数の集計対象を大学・短大のみとしました。この変更により専門学校や高校及び高等専門学校を全学導入校数に含めておりません。カッコ内は従来の集計対象での全学導入校数となります。
教育支援サービス「manaba」の2021年12月末の契約ID数は前年同期末比12千ID増(1.5%増)の801千IDとなりました。全学導入校数は前年同期末比2校増(2.1%増)の98校となりました。当第3四半期の全学導入校数の増減はありませんでした。売上高は前年同期比4百万円減(0.8%減)の555百万円となりました。
当第3四半期は文部科学省が大学に求める「教育の質保証」を実現するため機能開発と提案活動を進めております。1点目は「教育の質保証」の取り組みに対応したポートフォリオ機能の拡充です。当第3四半期は2大学へパイロット版の提供を行い、2023年3月期での売上計上に向けて活動しております。2点目は出席管理機能です。2022年4月からの利用開始に向けて大学への提案活動を進めております。これらの取り組みを通じて、当社は「manaba」を多様な学びを支えるサービスとして大学教育へ貢献してまいります。
(その他)
「その他」はメールサービスやセキュリティサービス、その他関連サービスの売上高となります。当第3四半期の「その他」の売上高は前年同期比17百万円減(2.8%減)の605百万円となりました。メールサービスをより使いやすく安全性の高いサービスにするため、2022年8月に向けてシステム更改を予定しております。
収益の状況
2022年3月期 第3四半期の業績 (単位:百万円)
2021年3月期
第3四半期
2022年3月期
第3四半期
増減額増減率
売上高8,4418,592(9,146)151(705)1.8% (8.4%)
営業利益1,2131,439(1,418)226(204)18.6%(16.9%)
経常利益1,2691,444(1,422)174(152)13.7%(12.0%)
四半期純利益9271,011 (996)84 (69)9.1% (7.5%)

(注)「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当事業年度第1四半期会計期間の期首から適用しております。2021年3月期は収益認識基準等を適用する前の数値となります。2022年3月期は収益認識基準等の適用後の数値となります。前年と比較するためカッコ内に収益認識に関する会計基準等適用前の数値を表記しております。
当第3四半期は、ISP「ASAHIネット」のFTTH接続サービスの契約数増加、VNE「v6 コネクト」の取り扱い通信量増加により売上高は増収しております。売上原価においては、FTTH接続サービスの契約拡大に伴う回線仕入や、NTT東西と相互接続するIPv6ネットワークを追加契約したことにより通信費が増加しております。また、前年度に実施した通信品質を維持するための設備投資に伴う減価償却費が増加しております。
以上の結果、当第3四半期の売上高は8,592百万円(前年同期比1.8%増)、営業利益は1,439百万円(同18.6%増)、経常利益は1,444百万円(同13.7%増)、四半期純利益は1,011百万円(同9.1%増)となりました。なお、2021年3月期第2四半期は特別利益として投資有価証券売却益338百万円、2021年3月期第3四半期は特別損失として固定資産譲渡損205百万円を計上しておりました。
当事業年度第1四半期より収益認識に関する会計基準等を適用した事により、主としてインターネット接続サービスの一部の取引について売上高を総額から純額へ変更しております。またキャッシュ・バック等については取引価格から減額し、契約期間に応じて期間按分する方法に変更しております。この結果、当第3四半期の売上高は553百万円減少、売上原価は540百万円減少、販売費及び一般管理費は34百万円減少、営業利益、経常利益及び税引前四半期純利益はそれぞれ21百万円増加、四半期純利益は14百万円増加しております。
財政の状況
財政の状態といたしましては、当第3四半期会計期間末の総資産は売掛金及び契約資産の増加、無形固定資産の増加等により13,017百万円(前期末比1.6%増)となりました。
負債は未払法人税等の減少等により1,776百万円(前期末比5.8%減)となりました。
純資産は利益剰余金の増加等により11,241百万円(前期末比2.8%増)となりました。
(2)資本の財源及び資金の流動性
当第3四半期累計期間において、資本の財源及び資本の流動性について重要な変更はありません。
(3)経営方針・経営戦略等
当第3四半期累計期間において、経営方針・経営戦略等に重要な変更及び新たに定めたものはありません。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期累計期間において、事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(5)研究開発活動
該当事項はありません。