有価証券報告書-第43期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における国内経済は、企業収益が高い水準を維持し、雇用・所得環境も改善するなど緩やかな回復基調で推移しましたが、年度末にかけて新型コロナウイルス感染症の影響により急速に悪化し、国内外の景気は極めて先行き不透明な状況となりました。
ソフトウェア業界及び情報サービス業界においては、企業における人手不足への対応や働き方改革への取り組みなどを背景に、生産性向上や業務効率化を目的としたIT投資需要が高い水準にある一方、特に年度末以降、先行き不透明な景況感の中で投資判断に慎重さが見られました。
このような経営環境の下、販売力や製品・サービス力の向上により既存顧客との関係維持、満足度向上を図るとともに、新規顧客の開拓による顧客基盤の拡大とこれらに伴うサービス収入の増大、収益基盤の更なる強化に努めました。
販売面では、期首より消費税法改正・軽減税率制度やIT導入補助金、働き方改革など、お客様の関心の高い分野のセミナーや研修会を全国で開催するとともに、当社主催の全国総合フェア「MJS Solution Seminar & Fair 2019」の開催、各種総合イベントへの出展等を通じて、多くのお客様に主力のERP製品や各種サービスを訴求しました。また、お客様のテレワーク導入への取り組みが急速に進む中で、リモートツールを含む各種クラウドサービスやセキュリティ商品の提案活動を強化しました。
開発面では、上期において消費税率の引上げ及び軽減税率制度の導入、相続税の電子申告(e-TAX)等の税制改正に迅速かつ適切なシステム対応を行いました。また、会計事務所の業務効率化を支援する、AIを活用した仕訳・残高チェックシステム『MJS AI 監査支援』を新規開発するとともに、中堅・中小企業向けの主力ERP製品をはじめ、経費精算や勤怠管理などの業務を効率化するクラウドサービス『Edge Tracker』やクラウド型の会計・給与サービス『かんたんクラウド会計・給与』において、お客様ニーズに即した機能改良を継続的に行いました。
一方、地域経済の活性化を目的に地域金融機関との業務提携を推進し、各種ソリューション・サービスの提供を通じて中小企業の事業活動を支援しました。さらに、各金融機関におけるAPI公開に対応するために昨年6月に電子決済等代行業者の登録を行い、当社が提供するERP製品やクラウドサービスと、各金融機関とのAPI接続を通じた安全なデータ連携の仕組み作りやFinTech分野の新たなサービス開発を進めています。
今後、全国の会計事務所及び地域金融機関との協力体制を一層強化し、地域の中小企業における業務効率化や資金繰り、事業承継などの経営課題に対して総合的な経営支援サービスを提供し、地域経済の活性化を共同で推進するとともに、業容拡大を図ってまいります。
このような事業活動により、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当連結会計年度末の資産合計は38,348百万円となり、前連結会計年度末に比べ136百万円増加しました。
当連結会計年度末の負債合計は19,318百万円となり、前連結会計年度末に比べ834百万円減少しました。
当連結会計年度末の純資産合計は19,029百万円となり、前連結会計年度末に比べ971百万円増加しました。
b.経営成績
当連結会計年度の売上高は、過去最高の35,501百万円(前年同期比13.4%増)となりました。一方、クラウドサービスへの本格的な移行による収益構造の変化や、クラウド製品の徹底した競争力強化のための更なる開発投資を考慮し、一旦、既存のクラウド製品における将来の収益性を保守的に見積もることとし、ソフトウェア資産を早期償却(1,078百万円)しました。これにより、利益面に影響があったものの、営業利益5,227百万円(前年同期比1.2%増)、経常利益5,311百万円(前年同期比5.0%増)と最高益を更新しました。一方、親会社株主に帰属する当期純利益においては、開発中のWeb型製品に関して、お客様ニーズや競争環境の変化に伴い新製品開発の方向性、優先順位を一部見直したため、長期の開発行為に分類されるソフトウェア資産において将来の収益見込みの変動要素が大きいと判断しソフトウェア評価損(2,516百万円)を計上した結果、1,839百万円(前年同期比50.7%減)となりました。これらのソフトウェア資産の早期償却や評価損を計上することにより、今後の償却負担が軽減され中期的に収益性が改善されることとなります。
当連結会計年度の品目別の売上高は以下のとおりであります。
(システム導入契約売上高)
ハードウェア売上高は、Windows7のサポート終了に伴いPC等のリプレース需要が高まり、前年同期比43.1%増の4,869百万円、ソフトウェア売上高は、前年同期比0.1%減の12,429百万円となりました。ユースウェア売上高は、前年同期比32.4%増の5,060百万円となりました。
この結果、システム導入契約売上高の合計は、前年同期比13.7%増の22,359百万円となりました。
※「システム導入契約売上高」は、システム導入契約時の売上高の合計として、ハードウェア、ソフトウェア、ユースウェア(システム導入支援サービス等)の売上高から構成されております。
(サービス収入)
会計事務所向けの総合保守サービスであるTVS(トータル・バリューサービス)収入は、前年同期比18.9%増の2,324百万円となりました。ソフト使用料収入は、前年同期比19.6%増の1,776百万円となりました。企業向けのソフトウェア運用支援サービス収入は、新規顧客の開拓によりサービス契約社数が増加したため、前年同期比10.2%増の4,860百万円となりました。ハードウェア・ネットワーク保守サービス収入は、前年同期比3.3%増の1,395百万円、サプライ・オフィス用品は、前年同期比4.9%増の697百万円となりました。
この結果、サービス収入の合計は、前年同期比12.0%増の11,055百万円となりました。
※「サービス収入」は、主に継続的な役務の対価となる安定的な収入として、ソフト保守やHW・NW保守サービス、ソフト使用料収入、サプライ・オフィス用品等の売上高から構成されています。
売上高前年同期比較
(単位:百万円、%)
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ1,708百万円増加し、17,749百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、5,343百万円の収入(前年同期は4,105百万円の収入)となりました。これは主として、税金等調整前当期純利益2,782百万円、減価償却費2,227百万円、ソフトウエア評価損2,516百万円がそれぞれキャッシュ・フローの増加要因となり、法人税等の支払額2,138百万円がキャッシュ・フローの減少要因となったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、1,998百万円の支出(前年同期は3,311百万円の支出)となりました。これは主として、有形固定資産の取得による支出472百万円、無形固定資産の取得による支出1,541百万円がそれぞれキャッシュ・フローの支出となったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、1,636百万円の支出(前年同期は8,956百万円の収入)となりました。これは主として、短期借入れによる収入3,100百万円がキャッシュ・フローの収入となり、短期借入金の返済による支出3,100百万円、長期借入金の返済による支出552百万円、配当金の支払額1,048百万円がそれぞれキャッシュ・フローの支出となったことによるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループは、単一セグメントであるため品目別に記載しております。
(注) 上記の金額は販売価額で表示しており、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当社グループは、一部受託開発を行っておりますが、金額が軽微のため、記載を省略しております。
c.仕入実績
(注) 上記の金額は仕入価額で表示しており、消費税等は含まれておりません。
d.販売実績
(注) 上記の金額は販売価額で表示しており、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
1)財政状態
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は23,603百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,641百万円増加しました。これは主に現金及び預金が1,708百万円、受取手形及び売掛金が327百万円増加したこと及び商品が266百万円減少したことによるものであります。
固定資産は14,716百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,497百万円減少しました。これは主に、ソフトウェア資産の早期償却や評価損計上に伴い無形固定資産が2,986百万円減少したこと及び投資その他の資産が1,339百万円増加したことによるものであります。
繰延資産は28百万円となり、前連結会計年度末に比べ7百万円減少しました。
この結果、総資産は、38,348百万円となり、前連結会計年度末に比べ136百万円増加しました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は7,096百万円となり、前連結会計年度末に比べ394百万円減少しました。これは主に前受収益が141百万円増加したこと及び買掛金が281百万円、賞与引当金が174百万円減少したことによるものであります。
固定負債は12,222百万円となり、前連結会計年度末に比べ439百万円減少しました。これは主に長期借入金が442百万円減少したことによるものであります。
この結果、負債合計は、19,318百万円となり、前連結会計年度末に比べ834百万円減少しました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は19,029百万円となり、前連結会計年度末に比べ971百万円増加しました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益1,839百万円を計上した一方、剰余金の配当に伴い1,049百万円減少したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は49.6%(前連結会計年度末は47.2%)となりました。
2)経営成績
(売上高)
売上高は、35,501百万円(前年同期比13.4%増)と過去最高を更新しました。主な要因は、Windows7のサポート終了に伴いPC等のリプレース需要が高まったことや新規顧客を中心に企業向け・会計事務所向けERP製品等の販売が引き続き好調に推移したことにより、システム導入契約売上高が前年同期比13.7%増の22,359百万円となり、また、新規顧客開拓によるソフトウェア運用支援サービス契約社数の増加等によりサービス収入が前年同期比12.0%増の11,055百万円となったことなどによります。
(営業利益・経常利益・親会社株主に帰属する当期純利益)
売上原価は、ハードウェアの需要増に伴う仕入原価の増加やソフトウェア資産の早期償却(1,078百万円)などにより、3,602百万円増加しました。ソフトウェア資産の早期償却は、クラウドサービスへの本格的な移行による収益構造の変化や、クラウド製品の徹底した競争力強化のための更なる開発投資を考慮し、一旦、既存のクラウド製品における将来の収益性を保守的に見積もることとし計上しております。
販売費及び一般管理費は、新卒入社社員の採用や定期昇給等による人件費の増加、新規顧客開拓のための販売促進費の増加などにより520百万円増加しました。
売上原価、販売費及び一般管理費は増加しましたが、増収効果により、営業利益5,227百万円(前年同期比1.2%増)、経常利益5,311百万円(前年同期比5.0%増)と過去最高益を更新しました。一方、親会社株主に帰属する当期純利益においては、開発中のWeb型製品に関して、お客様ニーズや競争環境の変化に伴い新製品開発の方向性、優先順位を一部見直したため、長期の開発行為に分類されるソフトウェア資産において将来の収益見込みの変動要素が大きいと判断しソフトウェア評価損(2,516百万円)を計上した結果、1,839百万円(前年同期比50.7%減)となりました。
なお、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
1)キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
2)当社グループの資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、仕入商品の購入費用及びソフトウェア製品の保守費用のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、先端技術を活用した独創的な次世代製品・サービスの開発等によるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
短期運転資金は、自己資金及び金融機関からの短期借入による調達を基本としております。また、設備投資、開発資金及び長期運転資金は、金融機関からの長期借入による調達を基本としております。
また、新型コロナウイルスの影響による売掛債権の回収遅延等を想定の上、十分な手元流動性確保のため、適切な資金調達策を講じる予定であります。
なお、当連結会計年度末における借入金、リース債務及び無利息の転換社債型新株予約権付社債を含む有利子負債の残高は13,158百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は17,749百万円となっております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成に当たって採用している重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。
なお、連結財務諸表の作成に際して必要となる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しておりますが、特に以下の事項は、経営者の会計上の見積りの判断が、財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼすと考えております。
(ソフトウエアの減価償却)
当社グループでは、一部のソフトウェアの減価償却については、残存有効期間に基づく均等配分額と見込販売数量に基づく償却額とのいずれか大きい額を計上しております。また、毎期、将来の見込販売数量を見直し、追加の減価償却費計上の要否を検討していますが、市場環境の変化等により、見積りに際して前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、追加の費用計上が必要となる可能性があります。
(繰延税金資産)
当社グループは、繰延税金資産を計上する際には将来の課税所得を合理的に見積もっており、繰延税金資産の全部又は一部を将来回収できないと判断した場合は、評価性引当額を計上しております。課税所得の見積りに際して前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、繰延税金資産が減額され、税金費用が計上される可能性があります。
(固定資産の減損処理)
当社グループは、固定資産のうち、減損の兆候があると認められる資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、減損損失を計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に際しては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、減損処理が必要となる可能性があります。
また、新型コロナウイルス感染症につきましては、翌連結会計年度の第1~2四半期中に収束に向かい、徐々に経済活動が回復し、第3四半期以降に当社の事業環境が正常化するという仮定のもと、会計上の見積りを行っております。
④経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループが継続的な企業価値の向上を実現するうえで、事業の成長性及び資本の効率性を経営上の重要な判断指標として位置付けており、2014年5月19日に2020年度の経営目標(売上高500億円、経常利益率30%、ROE30%)を公表しました。しかし、経営環境の変化等に伴い子会社の成長戦略の見直しが必要になったことや、新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大に伴う経済活動への影響等を考慮し、2020年度の経営目標を2019年5月及び2020年5月に二度改定しております。
当連結会計年度においては、ソフトウェア評価損の特別損失の計上等により、親会社に帰属する当期純利益については減益となった一方、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)経営戦略等」に記載している「経営Vision2020」及び基本方針に沿って事業を推進してきた結果、9年連続で過去最高の売上高、経常利益を達成しておりますので、その方向性、基本方針は堅持してまいります。
当社グループの再改定後の2020年度の経営目標に対する2018年度及び2019年度の実績は、以下のとおりです。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における国内経済は、企業収益が高い水準を維持し、雇用・所得環境も改善するなど緩やかな回復基調で推移しましたが、年度末にかけて新型コロナウイルス感染症の影響により急速に悪化し、国内外の景気は極めて先行き不透明な状況となりました。
ソフトウェア業界及び情報サービス業界においては、企業における人手不足への対応や働き方改革への取り組みなどを背景に、生産性向上や業務効率化を目的としたIT投資需要が高い水準にある一方、特に年度末以降、先行き不透明な景況感の中で投資判断に慎重さが見られました。
このような経営環境の下、販売力や製品・サービス力の向上により既存顧客との関係維持、満足度向上を図るとともに、新規顧客の開拓による顧客基盤の拡大とこれらに伴うサービス収入の増大、収益基盤の更なる強化に努めました。
販売面では、期首より消費税法改正・軽減税率制度やIT導入補助金、働き方改革など、お客様の関心の高い分野のセミナーや研修会を全国で開催するとともに、当社主催の全国総合フェア「MJS Solution Seminar & Fair 2019」の開催、各種総合イベントへの出展等を通じて、多くのお客様に主力のERP製品や各種サービスを訴求しました。また、お客様のテレワーク導入への取り組みが急速に進む中で、リモートツールを含む各種クラウドサービスやセキュリティ商品の提案活動を強化しました。
開発面では、上期において消費税率の引上げ及び軽減税率制度の導入、相続税の電子申告(e-TAX)等の税制改正に迅速かつ適切なシステム対応を行いました。また、会計事務所の業務効率化を支援する、AIを活用した仕訳・残高チェックシステム『MJS AI 監査支援』を新規開発するとともに、中堅・中小企業向けの主力ERP製品をはじめ、経費精算や勤怠管理などの業務を効率化するクラウドサービス『Edge Tracker』やクラウド型の会計・給与サービス『かんたんクラウド会計・給与』において、お客様ニーズに即した機能改良を継続的に行いました。
一方、地域経済の活性化を目的に地域金融機関との業務提携を推進し、各種ソリューション・サービスの提供を通じて中小企業の事業活動を支援しました。さらに、各金融機関におけるAPI公開に対応するために昨年6月に電子決済等代行業者の登録を行い、当社が提供するERP製品やクラウドサービスと、各金融機関とのAPI接続を通じた安全なデータ連携の仕組み作りやFinTech分野の新たなサービス開発を進めています。
今後、全国の会計事務所及び地域金融機関との協力体制を一層強化し、地域の中小企業における業務効率化や資金繰り、事業承継などの経営課題に対して総合的な経営支援サービスを提供し、地域経済の活性化を共同で推進するとともに、業容拡大を図ってまいります。
このような事業活動により、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当連結会計年度末の資産合計は38,348百万円となり、前連結会計年度末に比べ136百万円増加しました。
当連結会計年度末の負債合計は19,318百万円となり、前連結会計年度末に比べ834百万円減少しました。
当連結会計年度末の純資産合計は19,029百万円となり、前連結会計年度末に比べ971百万円増加しました。
b.経営成績
当連結会計年度の売上高は、過去最高の35,501百万円(前年同期比13.4%増)となりました。一方、クラウドサービスへの本格的な移行による収益構造の変化や、クラウド製品の徹底した競争力強化のための更なる開発投資を考慮し、一旦、既存のクラウド製品における将来の収益性を保守的に見積もることとし、ソフトウェア資産を早期償却(1,078百万円)しました。これにより、利益面に影響があったものの、営業利益5,227百万円(前年同期比1.2%増)、経常利益5,311百万円(前年同期比5.0%増)と最高益を更新しました。一方、親会社株主に帰属する当期純利益においては、開発中のWeb型製品に関して、お客様ニーズや競争環境の変化に伴い新製品開発の方向性、優先順位を一部見直したため、長期の開発行為に分類されるソフトウェア資産において将来の収益見込みの変動要素が大きいと判断しソフトウェア評価損(2,516百万円)を計上した結果、1,839百万円(前年同期比50.7%減)となりました。これらのソフトウェア資産の早期償却や評価損を計上することにより、今後の償却負担が軽減され中期的に収益性が改善されることとなります。
当連結会計年度の品目別の売上高は以下のとおりであります。
(システム導入契約売上高)
ハードウェア売上高は、Windows7のサポート終了に伴いPC等のリプレース需要が高まり、前年同期比43.1%増の4,869百万円、ソフトウェア売上高は、前年同期比0.1%減の12,429百万円となりました。ユースウェア売上高は、前年同期比32.4%増の5,060百万円となりました。
この結果、システム導入契約売上高の合計は、前年同期比13.7%増の22,359百万円となりました。
※「システム導入契約売上高」は、システム導入契約時の売上高の合計として、ハードウェア、ソフトウェア、ユースウェア(システム導入支援サービス等)の売上高から構成されております。
(サービス収入)
会計事務所向けの総合保守サービスであるTVS(トータル・バリューサービス)収入は、前年同期比18.9%増の2,324百万円となりました。ソフト使用料収入は、前年同期比19.6%増の1,776百万円となりました。企業向けのソフトウェア運用支援サービス収入は、新規顧客の開拓によりサービス契約社数が増加したため、前年同期比10.2%増の4,860百万円となりました。ハードウェア・ネットワーク保守サービス収入は、前年同期比3.3%増の1,395百万円、サプライ・オフィス用品は、前年同期比4.9%増の697百万円となりました。
この結果、サービス収入の合計は、前年同期比12.0%増の11,055百万円となりました。
※「サービス収入」は、主に継続的な役務の対価となる安定的な収入として、ソフト保守やHW・NW保守サービス、ソフト使用料収入、サプライ・オフィス用品等の売上高から構成されています。
売上高前年同期比較
(単位:百万円、%)
| 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 前年同期比較 | |||||
| (自 2018年4月1日 | (自 2019年4月1日 | ||||||
| 至 2019年3月31日) | 至 2020年3月31日) | ||||||
| 売上高 | 構成比 | 売上高 | 構成比 | 増減額 | 前期比 | ||
| ハードウェア | 3,403 | 10.9 | 4,869 | 13.7 | 1,465 | 43.1 | |
| ソフトウェア | 12,440 | 39.7 | 12,429 | 35.0 | △10 | △0.1 | |
| ユースウェア | 3,821 | 12.2 | 5,060 | 14.3 | 1,238 | 32.4 | |
| システム導入契約売上高 | 19,665 | 62.8 | 22,359 | 63.0 | 2,693 | 13.7 | |
| TVS | 1,955 | 6.2 | 2,324 | 6.5 | 369 | 18.9 | |
| ソフト使用料 | 1,485 | 4.7 | 1,776 | 5.0 | 290 | 19.6 | |
| ソフトウェア運用支援サービス | 4,409 | 14.1 | 4,860 | 13.7 | 451 | 10.2 | |
| HW・NW保守サービス | 1,351 | 4.3 | 1,395 | 3.9 | 44 | 3.3 | |
| サプライ・オフィス用品 | 665 | 2.1 | 697 | 2.0 | 32 | 4.9 | |
| サービス収入 | 9,867 | 31.5 | 11,055 | 31.1 | 1,188 | 12.0 | |
| その他 | 1,784 | 5.7 | 2,086 | 5.9 | 301 | 16.9 | |
| 合計 | 31,317 | 100.0 | 35,501 | 100.0 | 4,183 | 13.4 | |
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ1,708百万円増加し、17,749百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、5,343百万円の収入(前年同期は4,105百万円の収入)となりました。これは主として、税金等調整前当期純利益2,782百万円、減価償却費2,227百万円、ソフトウエア評価損2,516百万円がそれぞれキャッシュ・フローの増加要因となり、法人税等の支払額2,138百万円がキャッシュ・フローの減少要因となったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、1,998百万円の支出(前年同期は3,311百万円の支出)となりました。これは主として、有形固定資産の取得による支出472百万円、無形固定資産の取得による支出1,541百万円がそれぞれキャッシュ・フローの支出となったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、1,636百万円の支出(前年同期は8,956百万円の収入)となりました。これは主として、短期借入れによる収入3,100百万円がキャッシュ・フローの収入となり、短期借入金の返済による支出3,100百万円、長期借入金の返済による支出552百万円、配当金の支払額1,048百万円がそれぞれキャッシュ・フローの支出となったことによるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループは、単一セグメントであるため品目別に記載しております。
| 名称 | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 前年同期比(%) | |
| ソフトウェア(千円) | 12,429,519 | 99.9 | |
(注) 上記の金額は販売価額で表示しており、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当社グループは、一部受託開発を行っておりますが、金額が軽微のため、記載を省略しております。
c.仕入実績
| 名称 | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 前年同期比(%) | |
| ハードウェア(千円) | 3,539,606 | 120.1 | |
| ソフトウェア(千円) | 829,013 | 115.2 | |
| システム導入契約仕入高(千円) | 4,368,619 | 119.1 | |
| サプライ・オフィス用品(千円) | 371,401 | 103.4 | |
| サービス仕入高(千円) | 371,401 | 103.4 | |
| その他(千円) | 2,987 | 11.8 | |
| 合計(千円) | 4,743,008 | 117.1 | |
(注) 上記の金額は仕入価額で表示しており、消費税等は含まれておりません。
d.販売実績
| 名称 | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 前年同期比(%) | |
| ハードウェア(千円) | 4,869,526 | 143.1 | |
| ソフトウェア(千円) | 12,429,519 | 99.9 | |
| ユースウェア(千円) | 5,060,253 | 132.4 | |
| システム導入契約売上高(千円) | 22,359,298 | 113.7 | |
| TVS(千円) | 2,324,601 | 118.9 | |
| ソフト使用料(千円) | 1,776,676 | 119.6 | |
| ソフトウェア運用支援サービス(千円) | 4,860,938 | 110.2 | |
| HW・NW保守サービス(千円) | 1,395,497 | 103.3 | |
| サプライ・オフィス用品(千円) | 697,608 | 104.9 | |
| サービス収入(千円) | 11,055,323 | 112.0 | |
| その他(千円) | 2,086,408 | 116.9 | |
| 合計(千円) | 35,501,029 | 113.4 | |
(注) 上記の金額は販売価額で表示しており、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
1)財政状態
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は23,603百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,641百万円増加しました。これは主に現金及び預金が1,708百万円、受取手形及び売掛金が327百万円増加したこと及び商品が266百万円減少したことによるものであります。
固定資産は14,716百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,497百万円減少しました。これは主に、ソフトウェア資産の早期償却や評価損計上に伴い無形固定資産が2,986百万円減少したこと及び投資その他の資産が1,339百万円増加したことによるものであります。
繰延資産は28百万円となり、前連結会計年度末に比べ7百万円減少しました。
この結果、総資産は、38,348百万円となり、前連結会計年度末に比べ136百万円増加しました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は7,096百万円となり、前連結会計年度末に比べ394百万円減少しました。これは主に前受収益が141百万円増加したこと及び買掛金が281百万円、賞与引当金が174百万円減少したことによるものであります。
固定負債は12,222百万円となり、前連結会計年度末に比べ439百万円減少しました。これは主に長期借入金が442百万円減少したことによるものであります。
この結果、負債合計は、19,318百万円となり、前連結会計年度末に比べ834百万円減少しました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は19,029百万円となり、前連結会計年度末に比べ971百万円増加しました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益1,839百万円を計上した一方、剰余金の配当に伴い1,049百万円減少したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は49.6%(前連結会計年度末は47.2%)となりました。
2)経営成績
(売上高)
売上高は、35,501百万円(前年同期比13.4%増)と過去最高を更新しました。主な要因は、Windows7のサポート終了に伴いPC等のリプレース需要が高まったことや新規顧客を中心に企業向け・会計事務所向けERP製品等の販売が引き続き好調に推移したことにより、システム導入契約売上高が前年同期比13.7%増の22,359百万円となり、また、新規顧客開拓によるソフトウェア運用支援サービス契約社数の増加等によりサービス収入が前年同期比12.0%増の11,055百万円となったことなどによります。
(営業利益・経常利益・親会社株主に帰属する当期純利益)
売上原価は、ハードウェアの需要増に伴う仕入原価の増加やソフトウェア資産の早期償却(1,078百万円)などにより、3,602百万円増加しました。ソフトウェア資産の早期償却は、クラウドサービスへの本格的な移行による収益構造の変化や、クラウド製品の徹底した競争力強化のための更なる開発投資を考慮し、一旦、既存のクラウド製品における将来の収益性を保守的に見積もることとし計上しております。
販売費及び一般管理費は、新卒入社社員の採用や定期昇給等による人件費の増加、新規顧客開拓のための販売促進費の増加などにより520百万円増加しました。
売上原価、販売費及び一般管理費は増加しましたが、増収効果により、営業利益5,227百万円(前年同期比1.2%増)、経常利益5,311百万円(前年同期比5.0%増)と過去最高益を更新しました。一方、親会社株主に帰属する当期純利益においては、開発中のWeb型製品に関して、お客様ニーズや競争環境の変化に伴い新製品開発の方向性、優先順位を一部見直したため、長期の開発行為に分類されるソフトウェア資産において将来の収益見込みの変動要素が大きいと判断しソフトウェア評価損(2,516百万円)を計上した結果、1,839百万円(前年同期比50.7%減)となりました。
なお、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
1)キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
2)当社グループの資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、仕入商品の購入費用及びソフトウェア製品の保守費用のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、先端技術を活用した独創的な次世代製品・サービスの開発等によるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
短期運転資金は、自己資金及び金融機関からの短期借入による調達を基本としております。また、設備投資、開発資金及び長期運転資金は、金融機関からの長期借入による調達を基本としております。
また、新型コロナウイルスの影響による売掛債権の回収遅延等を想定の上、十分な手元流動性確保のため、適切な資金調達策を講じる予定であります。
なお、当連結会計年度末における借入金、リース債務及び無利息の転換社債型新株予約権付社債を含む有利子負債の残高は13,158百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は17,749百万円となっております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成に当たって採用している重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。
なお、連結財務諸表の作成に際して必要となる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しておりますが、特に以下の事項は、経営者の会計上の見積りの判断が、財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼすと考えております。
(ソフトウエアの減価償却)
当社グループでは、一部のソフトウェアの減価償却については、残存有効期間に基づく均等配分額と見込販売数量に基づく償却額とのいずれか大きい額を計上しております。また、毎期、将来の見込販売数量を見直し、追加の減価償却費計上の要否を検討していますが、市場環境の変化等により、見積りに際して前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、追加の費用計上が必要となる可能性があります。
(繰延税金資産)
当社グループは、繰延税金資産を計上する際には将来の課税所得を合理的に見積もっており、繰延税金資産の全部又は一部を将来回収できないと判断した場合は、評価性引当額を計上しております。課税所得の見積りに際して前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、繰延税金資産が減額され、税金費用が計上される可能性があります。
(固定資産の減損処理)
当社グループは、固定資産のうち、減損の兆候があると認められる資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、減損損失を計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に際しては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、減損処理が必要となる可能性があります。
また、新型コロナウイルス感染症につきましては、翌連結会計年度の第1~2四半期中に収束に向かい、徐々に経済活動が回復し、第3四半期以降に当社の事業環境が正常化するという仮定のもと、会計上の見積りを行っております。
④経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループが継続的な企業価値の向上を実現するうえで、事業の成長性及び資本の効率性を経営上の重要な判断指標として位置付けており、2014年5月19日に2020年度の経営目標(売上高500億円、経常利益率30%、ROE30%)を公表しました。しかし、経営環境の変化等に伴い子会社の成長戦略の見直しが必要になったことや、新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大に伴う経済活動への影響等を考慮し、2020年度の経営目標を2019年5月及び2020年5月に二度改定しております。
当連結会計年度においては、ソフトウェア評価損の特別損失の計上等により、親会社に帰属する当期純利益については減益となった一方、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)経営戦略等」に記載している「経営Vision2020」及び基本方針に沿って事業を推進してきた結果、9年連続で過去最高の売上高、経常利益を達成しておりますので、その方向性、基本方針は堅持してまいります。
当社グループの再改定後の2020年度の経営目標に対する2018年度及び2019年度の実績は、以下のとおりです。
| 2018年度実績 | 2019年度実績 | 2020年度経営目標 | |
| 売上高 | 313億円 | 355億円 | 360億円 |
| 経常利益 | 50億円 | 53億円 | 36億円 |
| 経常利益率 | 16.1% | 15.0% | 10.0% |
| ROE | 21.7% | 9.9% | 11.9% |