有価証券報告書-第57期(2025/04/01-2026/03/31)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における国内経済は、物価高や外需減少により一時足踏み状態にあったものの、企業収益は底堅く推移しており、雇用・所得環境の改善や各種政策の効果により緩やかな回復が見られます。一方で、不安定な国際情勢、金融資本市場の変動の影響や米国の通商政策をめぐる動向等、先行きは依然として不透明な状況が続いております。
当社グループが属する情報サービス産業においては、企業や自治体におけるクラウド移行が加速し、クラウドがソフトウェア市場全体をけん引する構図へとシフトしております。また、生成AIやAIエージェントの導入に関する取組みが本格化するとともに、既存ERPシステムのサポート期限到来を背景としたERPのモダナイゼーション及び周辺システムへの投資も拡大しております。これらを背景に、IT投資は引き続き拡大していくものと予想しております。
このような中、当社グループは、「世界中のデータをつなぎ、誰もがデータを活用できる社会を作る」をミッションとし「4つのシフト(事業シフト・技術シフト・組織シフト・人材シフト)」を戦略として掲げ、HULFT事業・データプラットフォーム事業を中心としたデータ連携ビジネスの更なる拡大に取組んでおります。
当連結会計年度における当社グループの業績は、下表のとおりです。
(単位:百万円)
減収の主な要因は、システム受託事業におけるシステム開発案件の減少等によるものです。一方で、成長領域と位置付けているデータプラットフォーム事業は順調に拡大しており、当社グループが事業シフト進捗を測る指標として設定しているデータ連携ビジネス売上比率は、58.2%(前期比5.6ポイント増)となりました。減益の主な要因は、売上高の減少に加えて、開発を進めていた一部プロジェクトに高負荷が発生したことにより、この立て直しに必要な今後の開発コストも含め、受注損失引当金繰入額439百万円を売上原価に計上したこと等によるものです。
前連結会計年度において、報告セグメントは「HULFT事業」、「データプラットフォーム事業」、「流通ITサービス事業」、「フィナンシャルITサービス事業」としておりましたが、当連結会計年度より「流通ITサービス事業」と「フィナンシャルITサービス事業」を統合し、セグメント区分は「HULFT事業」、「データプラットフォーム事業」、「システム受託事業」に変更しております。
当社は、事業戦略の一環として「組織シフト」を掲げ、機能別組織への改組を通じて、エンジニア間の相互連携を強化し、これまで顧客業種ごとに行われていたシステム受託ビジネスを横断的に展開できる体制を整えてまいりました。流通ITサービス事業における大型案件が前連結会計年度に終息したことを受けて、組織リソースの効率化を図り、これまで以上に適切な意思決定を行うために、セグメント区分の変更をすることとしました。
前連結会計年度との比較・分析は、変更後の名称・区分により行っております。
当連結会計年度におけるセグメント別の業績は次のとおりであります。以下、セグメント間取引については相殺消去しておりません。
(単位:百万円)
(HULFT事業)
当事業では、国内におけるデータ連携ソフトウェアのスタンダードである当社の主力製品「HULFT」、「DataSpider Servista」及び関連製品の販売・サポートサービスを提供しております。
売上高は、9,755百万円(前期比2.4%減)となりました。減収の主な要因は、ライセンス売上の減少等によるものです。これは、前期に発生したような大型案件の受注が減少したこと等によるもので、ライセンス売上は前期比15.2%減となりました。一方で、サポートサービスの更新は順調に推移しており、サポートサービス売上は、前期比5.8%増となりました。営業利益は、売上高減少に伴う減益及びデータ連携ビジネスへの営業リソースの再配分に伴う販売費及び一般管理費の増加等により、4,032百万円(同10.0%減)となりました。
(データプラットフォーム事業)
当事業では、当社の強みである「HULFT」、「DataSpider Servista」及び日本発iPaaS「HULFT Square」を活用し、企業内・企業間のシステムとSaaSのデータを連携することで、業務効率化及び経営刷新を図るサービスを提供しております。
売上高は、3,004百万円(前期比6.2%増)となりました。増収の主な要因は、「HULFT Square」の売上増加によるものです。生成AIの進化等を背景としたデータ利活用の促進や、レガシーシステムのマイグレーション等のニーズを取り込み、エンタープライズ企業を中心に「HULFT Square」の導入が拡大いたしました。この結果、当連結会計年度における「HULFT Square」の売上は、前期比113.8%増となりました。一方で、データ連携ビジネスへの営業リソースの再配分に伴う販売費及び一般管理費の増加及び開発を進めていた一部プロジェクトに高負荷が発生したことにより、この立て直しに必要な今後の開発コストも含め、受注損失引当金繰入額439百万円を売上原価に計上しております。この結果、3,346百万円の営業損失(前連結会計年度は2,605百万円の営業損失)となりました。
(システム受託事業)
当事業では、主に金融・流通小売業向けに、情報処理サービス、システム開発・運用サービスを提供しております。
売上高は、9,156百万円(前期比20.8%減)となりました。減収の主な要因は、システム開発案件の減少等によります。営業利益は、916百万円(同241.4%増)となりました。増益の主な要因は、データ連携ビジネスへの営業リソースの再配分に伴うコスト低減等によります。
(トピックス)
・「HULFT Square」の導入拡大
当社グループは、「世界中のデータをつなぎ、誰もがデータを活用できる社会を作る」というミッションのもと、自社製品を通じてお客様のデータ・AI活用やレガシーシステムのモダナイゼーションを支援しております。
当連結会計年度においては、8件の導入事例を公表いたしました。2026年1月から3月にかけては、日本航空株式会社・JALデジタル株式会社、株式会社横浜銀行における「HULFT Square」の導入事例を発表し、順調に導入実績を拡大しております。
・「DataSpider Servista 5」を2026年2月より提供開始
2026年2月9日、オンプレミス向けデータ連携プラットフォーム「DataSpider Servista 5」の提供を開始しました。本製品は、ノンプログラミングでクラウドサービス(SaaS含む)や業務アプリケーション等、さまざまなシステム間のデータ連携を実現します。Java21への基盤刷新により大規模データ処理の安定性が向上したほか、開発環境のユーザビリティも改善しました。今後、「HULFT Square」との連携を強化し、レガシーシステムとモダン環境間のデータ連携とAI・データ活用を推進してまいります。
・当社グループ子会社によるAI分野での戦略提携
米国子会社Saison Technology International, Inc.は、エージェント型AIプラットフォームを提供するOpnova社及び検索拡張生成(RAG)分野のVectara社とそれぞれ戦略的パートナーシップを締結しました。当社のデータ連携技術と各社の先進的なAI技術を組み合わせることで、業務自動化や対話型AIなど、金融・製造業等の顧客における生産性向上とセキュアなAI活用を支援してまいります。
(今後のセグメント開示について)
当社は、当連結会計年度において機能別組織を採用しておりましたが、翌連結会計年度より、事業の採算性と全社に関わる製品サービス開発・運用機能を両立した事業別組織と機能別組織のハイブリッド体制に変更します。この変更に伴い、事業体制とセグメント区分を一致させるため、「データプラットフォーム事業」の一部の事業を「システム受託事業」に組替します。
当連結会計年度の財政状態の概要は次のとおりであります。
a.資産
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末より152百万円増加し、21,331百万円となりました。主な増加要因は、退職給付に係る資産が同722百万円増加したこと、契約資産が同220百万円増加したこと等によるものであります。また、主な減少要因は、売掛金が同403百万円減少したこと、ソフトウエアが同228百万円減少したこと、未収還付法人税等が同124百万円減少したこと等によるものであります。
セグメントごとの資産は、次のとおりであります。
(HULFT事業)
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末より472百万円減少し、3,192百万円となりました。主な減少要因は、売掛金が同268百万円減少したこと等によるものであります。
(データプラットフォーム事業)
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末より43百万円増加し、1,313百万円となりました。主な増加要因は、契約資産が同134百万円増加したこと等によるものであります。
(システム受託事業)
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末より83百万円減少し、2,396百万円となりました。主な減少要因は、流動資産のその他に含まれる前払費用が同106百万円減少したこと等によるものであります。
b.負債
負債合計は同258百万円増加し、7,203百万円となりました。主な増加要因は、未払法人税等が同491百万円増加したこと等によるものであります。また、主な減少要因は、流動負債のその他に含まれる未払消費税等が同277百万円減少したこと、前受金が同198百万円減少したこと、流動負債のその他に含まれる未払金が同149百万円減少したこと等によるものであります。
c.純資産
純資産合計は同106百万円減少し、14,128百万円となりました。この要因は、利益剰余金が、剰余金処分による配当財源への割当てにより同1,457百万円減少した一方で、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により同1,086百万円増加したこと等によるものであります。
以上の結果、自己資本比率は前連結会計年度末より1.0ポイント減少し、66.2%となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末より60百万円減少し、12,765百万円となりました。各キャッシュ・フローの増減状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は1,739百万円(前連結会計年度は1,188百万円の獲得)となりました。
主な増加要因は、税金等調整前当期純利益が1,594百万円となったこと、減価償却費738百万円を計上したこと、受注損失引当金が234百万円増加したこと、売上債権及び契約資産が189百万円減少したこと等によるものであります。また、主な減少要因は、法人税等220百万円を支払ったこと、その他の負債に含まれる未払消費税等が277百万円減少したこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は384百万円(前連結会計年度は249百万円の使用)となりました。
主な減少要因は、投資有価証券の取得により212百万円を支出したこと、ソフトウェア開発やハードウェア購入等に185百万円を支出したこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は1,458百万円(前連結会計年度は1,460百万円の使用)となりました。
主な減少要因は、配当金の支払1,456百万円があったこと等によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しておりません。
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) セグメント間の取引については相殺消去しておりません。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1 セグメント間の取引については相殺消去しておりません。また、セグメント間の振替高を含めて表示しております。
2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日時点において当社グループが判断したものであります。
① 当連結会計年度の財政状態及び経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
・「当連結会計年度の経営成績等」及び「セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況」に関する分析・検討内容
「(1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
・経営成績に重要な影響を与える要因
「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
・キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容
「(1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
・資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、外注費や労務費等の製造経費、人件費や借地借家料等の販売費及び一般管理費によるものであります。投資を目的とした資金需要は、設備投資、国内及び海外拠点における製品開発、研究開発投資等によるものであります。運転資金及び投資資金は、主として自己資金で調達しております。
なお、当連結会計年度末における有利子負債残高は、リース債務4百万円となっております。また、現金及び現金同等物の残高は12,765百万円となっております。
③ 重要な会計方針及び見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。
連結財務諸表の作成に際し、当連結会計年度末日における資産・負債の報告数値及び当連結会計年度における収入・費用の報告数値に影響を与える見積りは、過去の実績や当社グループを取り巻く環境等に応じて合理的と考えられる方法により計上しておりますが、見積り特有の不確実性があるために実際の結果は異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しておりますが、特に下記の会計方針が連結財務諸表作成における重要な見積りの判断等に影響を及ぼすと考えております。
a.市場販売目的のソフトウェアの減価償却の方法
市場販売目的のソフトウェアの減価償却は、製品ごとに未償却残高を、見込販売収益を基礎として当連結会計年度の実績販売収益に対応して計算した金額と残存有効期間に基づく均等配分額のいずれか多い金額で償却を行うものとしております。見込販売収益が減少した場合、ソフトウェアの減価償却費が増加する可能性があります。
b.固定資産の減損
固定資産については、「固定資産の減損に係る会計基準」に基づき、減損処理の要否を検討しております。資産計上したサーバー等のハードウェアやサービスの提供に用いるソフトウェア、開発仕掛中のソフトウェア等について、事業環境の悪化や開発コストの増加等で当初想定した投資回収が見込めなくなり、減損の必要性を認識した場合には、固定資産の減損処理を実施する可能性があります。
c.繰延税金資産の回収可能性
繰延税金資産は毎期、過去の課税所得の推移や将来の課税所得の見込等を勘案し、回収可能性を慎重に検討し計上しております。回収の実現性が低いと判断した場合には適正と考えられる金額へ減額する可能性があります。
d.進捗度の見積りに基づく収益認識及び受注損失引当金
請負契約等の顧客に対して成果物の引き渡し義務を伴う受託システム開発については、合理的に履行義務の充足に係る進捗度を見積ることができる場合には、当該進捗度に基づき一定期間にわたり収益を認識しております。
履行義務の充足に係る進捗度の見積りにあたっては、見積原価総額に対する実際発生原価の割合により測定し、それに基づき収益を認識しております。見積原価総額は、主として開発工数と工数単価により見積もられる労務費及び外注費等によって構成されております。プロジェクトの開発工数は、プロジェクトを構成する機能開発ごとに、過去の類似する開発実績を基礎として、その他プロジェクト固有の特性、遂行体制、納期、進捗状況等を総合的に勘案して見積もっております。
また、当連結会計年度末において将来の損失が見込まれ、かつ、当該損失額を合理的に見積ることが可能なものについては、翌連結会計年度以降に発生が見込まれる損失額に対して、受注損失引当金を計上しております。
受託システム開発は、契約ごとの個別性が強く、顧客要望の高度化、プロジェクトの複雑化や完成までの事業環境の変化等によって、当初見積り時には予見不能な作業工数の増加により見積りの修正が必要になることがあります。見積原価総額が大幅に変動した場合には、売上高、受注損失引当金及び売上原価に影響を与える可能性があります。
④ 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、中長期において魅力的で稀有な高収益IT企業となり、企業価値を向上させていくことを経営の目標としており、具体的にはROE20%以上を恒常的に達成することを経営指標としております。
当連結会計年度は、「HULFT Square」等製品サービスの開発及び人的資本への投資に関わる費用投下等により、ROEは7.7%となり計画値11.2%を下回る結果となりましたが、今後も目標水準の到達へ向けた経営を意識してまいります。
翌連結会計年度も事業構造の変革期であり、引き続き当社グループの製品サービス開発及び人的資本への費用投下を行うことから、ROEの計画値は7.2%を計画しております。
(ROE推移)
また、当社グループは、中長期的な企業価値を要因として、株主の最終的な利益に整合した指標であるため、TSR(株主総利回り)を経営指標の1つに設定しております。
評価期間は、2021年3月末を基準(100%)として評価をしており、その推移は次のとおりです。
※GICS(世界産業分類基準)の4510:ソフトウェア・サービスに属する国内上場企業の平均値
当社グループのTSRは、2024年3月期から当中間連結会計期間において業界平均を下回って推移しておりましたが、当連結会計年度においては業界平均を上回っております。これは、当社グループが注力するデータ連携ビジネスの拡大により市場から高く評価される業態の割合が増加していることが資本市場において認識され始めていることに加え、「アンソロピック・ショック」の影響等によりSaaS・SIer企業の株価が下落した一方で、当社グループはITインフラに近い製品特性をもった事業形態であることや、足元で社会全体のAIの利用促進が当社事業に対しては追い風になることが見込まれること等が当社グループのTSRを押し上げている要因と推察しております。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における国内経済は、物価高や外需減少により一時足踏み状態にあったものの、企業収益は底堅く推移しており、雇用・所得環境の改善や各種政策の効果により緩やかな回復が見られます。一方で、不安定な国際情勢、金融資本市場の変動の影響や米国の通商政策をめぐる動向等、先行きは依然として不透明な状況が続いております。
当社グループが属する情報サービス産業においては、企業や自治体におけるクラウド移行が加速し、クラウドがソフトウェア市場全体をけん引する構図へとシフトしております。また、生成AIやAIエージェントの導入に関する取組みが本格化するとともに、既存ERPシステムのサポート期限到来を背景としたERPのモダナイゼーション及び周辺システムへの投資も拡大しております。これらを背景に、IT投資は引き続き拡大していくものと予想しております。
このような中、当社グループは、「世界中のデータをつなぎ、誰もがデータを活用できる社会を作る」をミッションとし「4つのシフト(事業シフト・技術シフト・組織シフト・人材シフト)」を戦略として掲げ、HULFT事業・データプラットフォーム事業を中心としたデータ連携ビジネスの更なる拡大に取組んでおります。
当連結会計年度における当社グループの業績は、下表のとおりです。
(単位:百万円)
| 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 親会社株主に帰属する当期純利益 | |
| 当連結会計年度 | 21,917 | 1,602 | 1,620 | 1,086 |
| 前連結会計年度 | 24,383 | 2,141 | 2,160 | 1,506 |
| 増減率 | △10.1% | △25.2% | △25.0% | △27.9% |
減収の主な要因は、システム受託事業におけるシステム開発案件の減少等によるものです。一方で、成長領域と位置付けているデータプラットフォーム事業は順調に拡大しており、当社グループが事業シフト進捗を測る指標として設定しているデータ連携ビジネス売上比率は、58.2%(前期比5.6ポイント増)となりました。減益の主な要因は、売上高の減少に加えて、開発を進めていた一部プロジェクトに高負荷が発生したことにより、この立て直しに必要な今後の開発コストも含め、受注損失引当金繰入額439百万円を売上原価に計上したこと等によるものです。
前連結会計年度において、報告セグメントは「HULFT事業」、「データプラットフォーム事業」、「流通ITサービス事業」、「フィナンシャルITサービス事業」としておりましたが、当連結会計年度より「流通ITサービス事業」と「フィナンシャルITサービス事業」を統合し、セグメント区分は「HULFT事業」、「データプラットフォーム事業」、「システム受託事業」に変更しております。
当社は、事業戦略の一環として「組織シフト」を掲げ、機能別組織への改組を通じて、エンジニア間の相互連携を強化し、これまで顧客業種ごとに行われていたシステム受託ビジネスを横断的に展開できる体制を整えてまいりました。流通ITサービス事業における大型案件が前連結会計年度に終息したことを受けて、組織リソースの効率化を図り、これまで以上に適切な意思決定を行うために、セグメント区分の変更をすることとしました。
前連結会計年度との比較・分析は、変更後の名称・区分により行っております。
当連結会計年度におけるセグメント別の業績は次のとおりであります。以下、セグメント間取引については相殺消去しておりません。
(単位:百万円)
| 売上高 | セグメント利益又は損失(△) | |||||
| 前連結会計 年度 | 当連結会計 年度 | 増減率 | 前連結会計 年度 | 当連結会計 年度 | 増減率 | |
| HULFT事業 | 9,998 | 9,755 | △2.4% | 4,478 | 4,032 | △10.0% |
| データプラットフォーム事業 | 2,828 | 3,004 | 6.2% | △2,605 | △3,346 | - |
| システム受託 事業 | 11,555 | 9,156 | △20.8% | 268 | 916 | 241.4% |
| 計 | 24,383 | 21,917 | △10.1% | 2,141 | 1,602 | △25.2% |
| 調整額 | - | - | - | - | - | - |
| 合計 | 24,383 | 21,917 | △10.1% | 2,141 | 1,602 | △25.2% |
(HULFT事業)
当事業では、国内におけるデータ連携ソフトウェアのスタンダードである当社の主力製品「HULFT」、「DataSpider Servista」及び関連製品の販売・サポートサービスを提供しております。
売上高は、9,755百万円(前期比2.4%減)となりました。減収の主な要因は、ライセンス売上の減少等によるものです。これは、前期に発生したような大型案件の受注が減少したこと等によるもので、ライセンス売上は前期比15.2%減となりました。一方で、サポートサービスの更新は順調に推移しており、サポートサービス売上は、前期比5.8%増となりました。営業利益は、売上高減少に伴う減益及びデータ連携ビジネスへの営業リソースの再配分に伴う販売費及び一般管理費の増加等により、4,032百万円(同10.0%減)となりました。
(データプラットフォーム事業)
当事業では、当社の強みである「HULFT」、「DataSpider Servista」及び日本発iPaaS「HULFT Square」を活用し、企業内・企業間のシステムとSaaSのデータを連携することで、業務効率化及び経営刷新を図るサービスを提供しております。
売上高は、3,004百万円(前期比6.2%増)となりました。増収の主な要因は、「HULFT Square」の売上増加によるものです。生成AIの進化等を背景としたデータ利活用の促進や、レガシーシステムのマイグレーション等のニーズを取り込み、エンタープライズ企業を中心に「HULFT Square」の導入が拡大いたしました。この結果、当連結会計年度における「HULFT Square」の売上は、前期比113.8%増となりました。一方で、データ連携ビジネスへの営業リソースの再配分に伴う販売費及び一般管理費の増加及び開発を進めていた一部プロジェクトに高負荷が発生したことにより、この立て直しに必要な今後の開発コストも含め、受注損失引当金繰入額439百万円を売上原価に計上しております。この結果、3,346百万円の営業損失(前連結会計年度は2,605百万円の営業損失)となりました。
(システム受託事業)
当事業では、主に金融・流通小売業向けに、情報処理サービス、システム開発・運用サービスを提供しております。
売上高は、9,156百万円(前期比20.8%減)となりました。減収の主な要因は、システム開発案件の減少等によります。営業利益は、916百万円(同241.4%増)となりました。増益の主な要因は、データ連携ビジネスへの営業リソースの再配分に伴うコスト低減等によります。
(トピックス)
・「HULFT Square」の導入拡大
当社グループは、「世界中のデータをつなぎ、誰もがデータを活用できる社会を作る」というミッションのもと、自社製品を通じてお客様のデータ・AI活用やレガシーシステムのモダナイゼーションを支援しております。
当連結会計年度においては、8件の導入事例を公表いたしました。2026年1月から3月にかけては、日本航空株式会社・JALデジタル株式会社、株式会社横浜銀行における「HULFT Square」の導入事例を発表し、順調に導入実績を拡大しております。
・「DataSpider Servista 5」を2026年2月より提供開始
2026年2月9日、オンプレミス向けデータ連携プラットフォーム「DataSpider Servista 5」の提供を開始しました。本製品は、ノンプログラミングでクラウドサービス(SaaS含む)や業務アプリケーション等、さまざまなシステム間のデータ連携を実現します。Java21への基盤刷新により大規模データ処理の安定性が向上したほか、開発環境のユーザビリティも改善しました。今後、「HULFT Square」との連携を強化し、レガシーシステムとモダン環境間のデータ連携とAI・データ活用を推進してまいります。
・当社グループ子会社によるAI分野での戦略提携
米国子会社Saison Technology International, Inc.は、エージェント型AIプラットフォームを提供するOpnova社及び検索拡張生成(RAG)分野のVectara社とそれぞれ戦略的パートナーシップを締結しました。当社のデータ連携技術と各社の先進的なAI技術を組み合わせることで、業務自動化や対話型AIなど、金融・製造業等の顧客における生産性向上とセキュアなAI活用を支援してまいります。
(今後のセグメント開示について)
当社は、当連結会計年度において機能別組織を採用しておりましたが、翌連結会計年度より、事業の採算性と全社に関わる製品サービス開発・運用機能を両立した事業別組織と機能別組織のハイブリッド体制に変更します。この変更に伴い、事業体制とセグメント区分を一致させるため、「データプラットフォーム事業」の一部の事業を「システム受託事業」に組替します。
当連結会計年度の財政状態の概要は次のとおりであります。
a.資産
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末より152百万円増加し、21,331百万円となりました。主な増加要因は、退職給付に係る資産が同722百万円増加したこと、契約資産が同220百万円増加したこと等によるものであります。また、主な減少要因は、売掛金が同403百万円減少したこと、ソフトウエアが同228百万円減少したこと、未収還付法人税等が同124百万円減少したこと等によるものであります。
セグメントごとの資産は、次のとおりであります。
(HULFT事業)
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末より472百万円減少し、3,192百万円となりました。主な減少要因は、売掛金が同268百万円減少したこと等によるものであります。
(データプラットフォーム事業)
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末より43百万円増加し、1,313百万円となりました。主な増加要因は、契約資産が同134百万円増加したこと等によるものであります。
(システム受託事業)
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末より83百万円減少し、2,396百万円となりました。主な減少要因は、流動資産のその他に含まれる前払費用が同106百万円減少したこと等によるものであります。
b.負債
負債合計は同258百万円増加し、7,203百万円となりました。主な増加要因は、未払法人税等が同491百万円増加したこと等によるものであります。また、主な減少要因は、流動負債のその他に含まれる未払消費税等が同277百万円減少したこと、前受金が同198百万円減少したこと、流動負債のその他に含まれる未払金が同149百万円減少したこと等によるものであります。
c.純資産
純資産合計は同106百万円減少し、14,128百万円となりました。この要因は、利益剰余金が、剰余金処分による配当財源への割当てにより同1,457百万円減少した一方で、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により同1,086百万円増加したこと等によるものであります。
以上の結果、自己資本比率は前連結会計年度末より1.0ポイント減少し、66.2%となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末より60百万円減少し、12,765百万円となりました。各キャッシュ・フローの増減状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は1,739百万円(前連結会計年度は1,188百万円の獲得)となりました。
主な増加要因は、税金等調整前当期純利益が1,594百万円となったこと、減価償却費738百万円を計上したこと、受注損失引当金が234百万円増加したこと、売上債権及び契約資産が189百万円減少したこと等によるものであります。また、主な減少要因は、法人税等220百万円を支払ったこと、その他の負債に含まれる未払消費税等が277百万円減少したこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は384百万円(前連結会計年度は249百万円の使用)となりました。
主な減少要因は、投資有価証券の取得により212百万円を支出したこと、ソフトウェア開発やハードウェア購入等に185百万円を支出したこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は1,458百万円(前連結会計年度は1,460百万円の使用)となりました。
主な減少要因は、配当金の支払1,456百万円があったこと等によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 前連結会計年度 (自 2024年4月 1日 至 2025年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2025年4月 1日 至 2026年3月31日) | 増減 | |
| 生産高(千円) | 生産高(千円) | 生産高 (千円) | 増減率 (%) | |
| HULFT事業 | 9,998,766 | 9,755,605 | △243,161 | △2.43 |
| データプラットフォーム事業 | 2,828,999 | 3,012,649 | 183,649 | 6.49 |
| システム受託事業 | 11,553,344 | 9,161,358 | △2,391,985 | △20.70 |
| 合計 | 24,381,110 | 21,929,613 | △2,451,496 | △10.05 |
(注) 金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しておりません。
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 前連結会計年度 (自 2024年4月 1日 至 2025年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2025年4月 1日 至 2026年3月31日) | 増減 | |||
| 受注高 (千円) | 受注残高 (千円) | 受注高 (千円) | 受注残高 (千円) | 受注高 (千円) | 受注残高 (千円) | |
| HULFT事業 | 10,896,078 | 4,861,790 | 9,975,329 | 4,747,543 | △920,749 | △114,247 |
| データプラットフォーム事業 | 3,203,487 | 1,113,378 | 3,059,493 | 1,168,104 | △143,994 | 54,725 |
| システム受託事業 | 9,757,110 | 4,868,413 | 8,627,612 | 4,190,705 | △1,129,498 | △677,707 |
| 合計 | 23,856,676 | 10,843,582 | 21,662,434 | 10,106,353 | △2,194,242 | △737,229 |
(注) セグメント間の取引については相殺消去しておりません。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 前連結会計年度 (自 2024年4月 1日 至 2025年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2025年4月 1日 至 2026年3月31日) | 増減 | |
| 販売高(千円) | 販売高(千円) | 販売高 (千円) | 増減率 (%) | |
| HULFT事業 | 9,998,766 | 9,755,605 | △243,161 | △2.43 |
| データプラットフォーム事業 | 2,828,477 | 3,004,767 | 176,290 | 6.23 |
| システム受託事業 | 11,555,991 | 9,156,983 | △2,399,007 | △20.76 |
| 合計 | 24,383,235 | 21,917,356 | △2,465,878 | △10.11 |
(注)1 セグメント間の取引については相殺消去しておりません。また、セグメント間の振替高を含めて表示しております。
2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
| 相手先 | 前連結会計年度 (自 2024年4月 1日 至 2025年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2025年4月 1日 至 2026年3月31日) | ||
| 販売高(千円) | 割合(%) | 販売高(千円) | 割合(%) | |
| 株式会社クレディセゾン | 6,935,724 | 28.4 | 6,826,285 | 31.1 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日時点において当社グループが判断したものであります。
① 当連結会計年度の財政状態及び経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
・「当連結会計年度の経営成績等」及び「セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況」に関する分析・検討内容
「(1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
・経営成績に重要な影響を与える要因
「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
・キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容
「(1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
・資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、外注費や労務費等の製造経費、人件費や借地借家料等の販売費及び一般管理費によるものであります。投資を目的とした資金需要は、設備投資、国内及び海外拠点における製品開発、研究開発投資等によるものであります。運転資金及び投資資金は、主として自己資金で調達しております。
なお、当連結会計年度末における有利子負債残高は、リース債務4百万円となっております。また、現金及び現金同等物の残高は12,765百万円となっております。
③ 重要な会計方針及び見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。
連結財務諸表の作成に際し、当連結会計年度末日における資産・負債の報告数値及び当連結会計年度における収入・費用の報告数値に影響を与える見積りは、過去の実績や当社グループを取り巻く環境等に応じて合理的と考えられる方法により計上しておりますが、見積り特有の不確実性があるために実際の結果は異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しておりますが、特に下記の会計方針が連結財務諸表作成における重要な見積りの判断等に影響を及ぼすと考えております。
a.市場販売目的のソフトウェアの減価償却の方法
市場販売目的のソフトウェアの減価償却は、製品ごとに未償却残高を、見込販売収益を基礎として当連結会計年度の実績販売収益に対応して計算した金額と残存有効期間に基づく均等配分額のいずれか多い金額で償却を行うものとしております。見込販売収益が減少した場合、ソフトウェアの減価償却費が増加する可能性があります。
b.固定資産の減損
固定資産については、「固定資産の減損に係る会計基準」に基づき、減損処理の要否を検討しております。資産計上したサーバー等のハードウェアやサービスの提供に用いるソフトウェア、開発仕掛中のソフトウェア等について、事業環境の悪化や開発コストの増加等で当初想定した投資回収が見込めなくなり、減損の必要性を認識した場合には、固定資産の減損処理を実施する可能性があります。
c.繰延税金資産の回収可能性
繰延税金資産は毎期、過去の課税所得の推移や将来の課税所得の見込等を勘案し、回収可能性を慎重に検討し計上しております。回収の実現性が低いと判断した場合には適正と考えられる金額へ減額する可能性があります。
d.進捗度の見積りに基づく収益認識及び受注損失引当金
請負契約等の顧客に対して成果物の引き渡し義務を伴う受託システム開発については、合理的に履行義務の充足に係る進捗度を見積ることができる場合には、当該進捗度に基づき一定期間にわたり収益を認識しております。
履行義務の充足に係る進捗度の見積りにあたっては、見積原価総額に対する実際発生原価の割合により測定し、それに基づき収益を認識しております。見積原価総額は、主として開発工数と工数単価により見積もられる労務費及び外注費等によって構成されております。プロジェクトの開発工数は、プロジェクトを構成する機能開発ごとに、過去の類似する開発実績を基礎として、その他プロジェクト固有の特性、遂行体制、納期、進捗状況等を総合的に勘案して見積もっております。
また、当連結会計年度末において将来の損失が見込まれ、かつ、当該損失額を合理的に見積ることが可能なものについては、翌連結会計年度以降に発生が見込まれる損失額に対して、受注損失引当金を計上しております。
受託システム開発は、契約ごとの個別性が強く、顧客要望の高度化、プロジェクトの複雑化や完成までの事業環境の変化等によって、当初見積り時には予見不能な作業工数の増加により見積りの修正が必要になることがあります。見積原価総額が大幅に変動した場合には、売上高、受注損失引当金及び売上原価に影響を与える可能性があります。
④ 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、中長期において魅力的で稀有な高収益IT企業となり、企業価値を向上させていくことを経営の目標としており、具体的にはROE20%以上を恒常的に達成することを経営指標としております。
当連結会計年度は、「HULFT Square」等製品サービスの開発及び人的資本への投資に関わる費用投下等により、ROEは7.7%となり計画値11.2%を下回る結果となりましたが、今後も目標水準の到達へ向けた経営を意識してまいります。
翌連結会計年度も事業構造の変革期であり、引き続き当社グループの製品サービス開発及び人的資本への費用投下を行うことから、ROEの計画値は7.2%を計画しております。
(ROE推移)
| 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 | 2027年3月期 | |
| 計画 | 8.9% | 8.9% | 10.5% | 11.2% | 7.2% |
| 実績 | 9.8% | 4.2% | 10.6% | 7.7% | ― |
また、当社グループは、中長期的な企業価値を要因として、株主の最終的な利益に整合した指標であるため、TSR(株主総利回り)を経営指標の1つに設定しております。
評価期間は、2021年3月末を基準(100%)として評価をしており、その推移は次のとおりです。
| 2022年3月末 | 2023年3月末 | 2024年3月末 | 2025年3月末 | 2026年3月末 | |
| 当社 | 93.2% | 94.1% | 105.3% | 100.2% | 134.0% |
| 同業他社 平均※ | 89.4% | 89.1% | 107.5% | 106.6% | 112.5% |
※GICS(世界産業分類基準)の4510:ソフトウェア・サービスに属する国内上場企業の平均値
当社グループのTSRは、2024年3月期から当中間連結会計期間において業界平均を下回って推移しておりましたが、当連結会計年度においては業界平均を上回っております。これは、当社グループが注力するデータ連携ビジネスの拡大により市場から高く評価される業態の割合が増加していることが資本市場において認識され始めていることに加え、「アンソロピック・ショック」の影響等によりSaaS・SIer企業の株価が下落した一方で、当社グループはITインフラに近い製品特性をもった事業形態であることや、足元で社会全体のAIの利用促進が当社事業に対しては追い風になることが見込まれること等が当社グループのTSRを押し上げている要因と推察しております。