訂正有価証券報告書-第28期(平成29年10月1日-平成30年9月30日)
(1)経営成績に関する分析
(当期の経営成績)
国内における2017年のスマートフォン個人保有率は60.9%まで伸長し、とりわけ10~30代においては8~9割に迫る高水準で普及しており、ミレニアル世代を中心とした量的拡大が進行しております。それとともに保有者一人あたりの利用時間についても、SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)の利用率の高まりに伴って増加しており、質的にも顕著な変化がうかがわれます(出所:総務省「平成29年版通信利用動向調査」)。このようにスマートフォンがインターネット利用デバイスの主流となる中で、これまでゲームを中心に拡大してきた各種サービス・アプリケーション市場においては、ゲーム以外の動画、音楽、電子書籍を始めとするコンテンツへの拡大が加速しているほか、ソーシャルメディアの活用方法もコミュニケーションのみに留まらず、決済や購買などの領域にも広がり、その影響力をより一層強めていることから、それぞれのメディア特性を活かしたマーケティング支援の需要は一段と高まっております。
このような環境のもと、当社グループにおいてはスマートフォン広告及び運用型広告に注力し、その中でも成長著しい動画広告の販売並びにブランド広告市場の開拓を強化してまいりました。併せて、海外での事業拡大を推し進め、東南アジア地域と中華圏を中心に収益拡大を図ってまいりました。
さらにはマシンラーニングを軸とするAI型人事システムを活用した積極的な人材採用・育成や、中長期的な競争力強化を目的とし、2017年10月より新たな人事制度導入による人材への投資、メディアコンテンツ事業におけるマンガアプリ「GANMA!」を中心としたメディア規模拡大並びに自社コンテンツ強化のための先行投資を実行いたしました。
一方、当期においては競争力強化を目的としたクリエイティブに関する費用、人材投資等の費用増に対して、とりわけ国内ネットマーケティング事業における取扱高が低調に推移いたしました。
これらの結果、収益は15,272百万円(前期比3.9%増)、Non-GAAP営業利益は1,011百万円(前期比56.5%減)、営業利益は977百万円(前期比56.5%減)、親会社の所有者に帰属する当期利益は847百万円(前期比61.7%減)となりました。
報告セグメント別の業績は、次のとおりであります。
なお、当期より、各報告セグメントにおける経営の実態をより適切に反映するため、各報告セグメントに配賦していた持株会社運営に係る費用は、各報告セグメントに配賦しない方法に変更しております。当該内容の詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表に関する注記 4.セグメント情報」をご参照ください。
下記の前期比較については、変更後の前期実績をもとに算出しております。
①ネットマーケティング事業
インターネットを活用した包括的なマーケティング支援サービスを企業向けに展開しております。インターネット広告の販売をはじめ、自社サービスとしてクラウド型CRMサービスやアフィリエイトネットワーク等のマーケティングプラットフォームの運営を手掛けております。
当期においては、スマートフォン向け運用型広告を中心とするネット広告市場の拡大と、ユーザの認知度や購買意欲向上を測る効果指標であるブランドリフトを目的とする、広告予算のマス4媒体からのデジタルシフトが追い風となり、その需要が高まるとともに、広告商品やマーケティング手法の多様化、広告表現のリッチ化が進んだことにより成長が後押しされ、当事業における動画広告とブランド広告の取扱高は順調に拡大いたしました。一方で、既存の一部大型案件における出稿減の影響がありました。また、中長期的な競争力確保のための組織基盤の強化を目的とした積極的な人材投資を行ってまいりました。
これらの結果、収益は14,234百万円(前期比2.9%増)、Non-GAAP営業利益は4,026百万円(前期比26.4%減)となりました。
②メディアコンテンツ事業 「マンガコンテンツ事業」では、自社IP(知的財産)の企画・開発を目的にマンガ家の育成・支援を手がけるとともに、専属作家によるオリジナル作品を中心に構成されたマンガアプリ「GANMA!」を自社メディアとして運営しております。その他に、社内ベンチャーから生まれた新規事業として、「採用プラットフォーム事業」、「社会貢献プラットフォーム事業」、「医療プラットフォーム事業」、「育児プラットフォーム事業」等を展開しております。
当期のマンガコンテンツ事業においては、マンガアプリ「GANMA!」のメディア規模拡大のためのオンラインプロモーションを一定の規模で実施しながら、ユーザのアクティブ率の上昇や滞在時間の増加を目的とした、コンテンツおよびプロダクト強化のための投資を実行いたしました。その結果、「GANMA!」のユーザ数は堅調に増加し、アプリの累計ダウンロード数は2018年9月末時点で約1,098万件に拡大いたしました。また、「GANMA!」に掲載される広告の堅調な拡販に加え、課金収益の伸長により、広告収益を中心とするアプリ収益は順調に推移いたしました。
これらの結果、収益は1,324百万円(前期比13.9%増)、Non-GAAP営業損失は1,051百万円(前期は1,324百万円のNon-GAAP営業損失)となりました。
(2)財政状態に関する分析
当期末の資産は、前連結会計年度に比べて、443百万円増加し、33,371百万円となりました。これは主に、現金及び現金同等物が597百万円減少した一方で、その他の流動資産が481百万円及びその他の非流動金融資産が484百万円増加したことによるものであります。
当期末の負債は、前連結会計年度に比べて、64百万円減少し、17,641百万円となりました。これは主に、その他の非流動金融負債が605百万円増加した一方で、営業債務が236百万円、その他の流動負債が208百万円、その他の流動金融負債が131百万円及び未払法人所得税が122百万円減少したことによるものであります。
当期末の資本は、前連結会計年度に比べて、507百万円増加し、15,730百万円となりました。これは主に、配当金の支払額が410百万円発生した一方で、当期利益を847百万円計上したことによるものであります。
(3)キャッシュ・フローの状況
当期における「現金及び現金同等物」は前連結会計年度に比べて597百万円減少し、14,922百万円となりました。当期における各キャッシュ・フローの状況と主な内容は、次のとおりであります。
①営業活動によるキャッシュ・フロー
当期における営業活動の結果、440百万円の資金流出(前連結会計年度は808百万円の資金流出)となりました。これは主に、継続事業からの税引前当期利益1,353百万円の計上及び法人所得税の還付450百万円があった一方で、運転資本990百万円の減少及び法人所得税の支払額1,124百万円が発生したことによるものであります。
②投資活動によるキャッシュ・フロー
当期における投資活動の結果、310百万円の資金流出(前連結会計年度は1,706百万円の資金流出)となりました。これは主に、関連会社株式の売却による収入372百万円があった一方で、有価証券の取得による資金流出497百万円及び有形固定資産の取得による資金流出304百万円が発生したことによるものであります。
③財務活動によるキャッシュ・フロー
当期における財務活動の結果、112百万円の資金流入(前連結会計年度は2,457百万円の資金流入)となりました。これは主に、配当金の支払額410百万円があった一方で、長期借入れによるネットの資金流入467百万円(長期借入金の返済による資金流出2,533百万円、長期借入れによる資金流入3,000百万円)が発生したことによるものであります。
(4)仕入及び販売の実績
①仕入実績
仕入は販売と概ね連動しているため、記載は省略しております。
②販売実績
「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表に関する注記 4.セグメント情報」に、販売実績に相当する内容を記載しております。
(5)経営成績に重要な影響を与える要因について
「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に、経営成績に重要な影響を与える要因に相当する内容を記載しております。
(6)経営者の課題認識と今後の方針について
「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に、経営者の課題認識と今後の方針に相当する内容を記載しております。
(7)資金の財源及び資金の流動性について
当社グループは、事業の競争力を維持・強化することによる持続的な成長を実現するため、また、事業規模の拡大と収益源の多様化を進めるために、新サービスないし新規事業に取り組んでいく考えであります。これらの資金需要は、手元資金で賄うことを基本とし、必要に応じて資金調達を実施いたします。
(8)経営成績等の状況の概要に係る主要な項目における差異に関する情報
IFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と、連結財務諸表規則(第7章及び第8章を除く。以下、日本基準)により作成した場合の連結財務諸表における、これらに相当する項目との差異に関する事項は、以下のとおりであります。
①収益の純額表示
日本基準のもとでは、顧客から受け取る対価の総額にて表示しておりましたが、IFRSにおいては、当社が取引の「主たる契約者」に該当する場合には顧客から受け取る対価の総額で表示し、「代理人等」に該当する場合には顧客から受け取る対価の総額から第三者に対する手数料その他の支払額を差し引いた純額で表示しております。これにより、IFRSでは日本基準に比べて収益が57,171百万円減少しております。
②のれんの償却
日本基準のもとでは、のれん償却については、償却年数を見積り、その年数で償却することとしておりますが、IFRSにおいては、のれんの償却は行わず、減損テストにより必要な場合は減損損失を計上しており、取得原価から減損損失累計額を控除した金額で測定しております。これにより、IFRSでは日本基準に比べて販売費及び一般管理費が356百万円減少しております。
(当期の経営成績)
国内における2017年のスマートフォン個人保有率は60.9%まで伸長し、とりわけ10~30代においては8~9割に迫る高水準で普及しており、ミレニアル世代を中心とした量的拡大が進行しております。それとともに保有者一人あたりの利用時間についても、SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)の利用率の高まりに伴って増加しており、質的にも顕著な変化がうかがわれます(出所:総務省「平成29年版通信利用動向調査」)。このようにスマートフォンがインターネット利用デバイスの主流となる中で、これまでゲームを中心に拡大してきた各種サービス・アプリケーション市場においては、ゲーム以外の動画、音楽、電子書籍を始めとするコンテンツへの拡大が加速しているほか、ソーシャルメディアの活用方法もコミュニケーションのみに留まらず、決済や購買などの領域にも広がり、その影響力をより一層強めていることから、それぞれのメディア特性を活かしたマーケティング支援の需要は一段と高まっております。
このような環境のもと、当社グループにおいてはスマートフォン広告及び運用型広告に注力し、その中でも成長著しい動画広告の販売並びにブランド広告市場の開拓を強化してまいりました。併せて、海外での事業拡大を推し進め、東南アジア地域と中華圏を中心に収益拡大を図ってまいりました。
さらにはマシンラーニングを軸とするAI型人事システムを活用した積極的な人材採用・育成や、中長期的な競争力強化を目的とし、2017年10月より新たな人事制度導入による人材への投資、メディアコンテンツ事業におけるマンガアプリ「GANMA!」を中心としたメディア規模拡大並びに自社コンテンツ強化のための先行投資を実行いたしました。
一方、当期においては競争力強化を目的としたクリエイティブに関する費用、人材投資等の費用増に対して、とりわけ国内ネットマーケティング事業における取扱高が低調に推移いたしました。
これらの結果、収益は15,272百万円(前期比3.9%増)、Non-GAAP営業利益は1,011百万円(前期比56.5%減)、営業利益は977百万円(前期比56.5%減)、親会社の所有者に帰属する当期利益は847百万円(前期比61.7%減)となりました。
報告セグメント別の業績は、次のとおりであります。
なお、当期より、各報告セグメントにおける経営の実態をより適切に反映するため、各報告セグメントに配賦していた持株会社運営に係る費用は、各報告セグメントに配賦しない方法に変更しております。当該内容の詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表に関する注記 4.セグメント情報」をご参照ください。
下記の前期比較については、変更後の前期実績をもとに算出しております。
①ネットマーケティング事業
インターネットを活用した包括的なマーケティング支援サービスを企業向けに展開しております。インターネット広告の販売をはじめ、自社サービスとしてクラウド型CRMサービスやアフィリエイトネットワーク等のマーケティングプラットフォームの運営を手掛けております。
当期においては、スマートフォン向け運用型広告を中心とするネット広告市場の拡大と、ユーザの認知度や購買意欲向上を測る効果指標であるブランドリフトを目的とする、広告予算のマス4媒体からのデジタルシフトが追い風となり、その需要が高まるとともに、広告商品やマーケティング手法の多様化、広告表現のリッチ化が進んだことにより成長が後押しされ、当事業における動画広告とブランド広告の取扱高は順調に拡大いたしました。一方で、既存の一部大型案件における出稿減の影響がありました。また、中長期的な競争力確保のための組織基盤の強化を目的とした積極的な人材投資を行ってまいりました。
これらの結果、収益は14,234百万円(前期比2.9%増)、Non-GAAP営業利益は4,026百万円(前期比26.4%減)となりました。
②メディアコンテンツ事業 「マンガコンテンツ事業」では、自社IP(知的財産)の企画・開発を目的にマンガ家の育成・支援を手がけるとともに、専属作家によるオリジナル作品を中心に構成されたマンガアプリ「GANMA!」を自社メディアとして運営しております。その他に、社内ベンチャーから生まれた新規事業として、「採用プラットフォーム事業」、「社会貢献プラットフォーム事業」、「医療プラットフォーム事業」、「育児プラットフォーム事業」等を展開しております。
当期のマンガコンテンツ事業においては、マンガアプリ「GANMA!」のメディア規模拡大のためのオンラインプロモーションを一定の規模で実施しながら、ユーザのアクティブ率の上昇や滞在時間の増加を目的とした、コンテンツおよびプロダクト強化のための投資を実行いたしました。その結果、「GANMA!」のユーザ数は堅調に増加し、アプリの累計ダウンロード数は2018年9月末時点で約1,098万件に拡大いたしました。また、「GANMA!」に掲載される広告の堅調な拡販に加え、課金収益の伸長により、広告収益を中心とするアプリ収益は順調に推移いたしました。
これらの結果、収益は1,324百万円(前期比13.9%増)、Non-GAAP営業損失は1,051百万円(前期は1,324百万円のNon-GAAP営業損失)となりました。
(2)財政状態に関する分析
当期末の資産は、前連結会計年度に比べて、443百万円増加し、33,371百万円となりました。これは主に、現金及び現金同等物が597百万円減少した一方で、その他の流動資産が481百万円及びその他の非流動金融資産が484百万円増加したことによるものであります。
当期末の負債は、前連結会計年度に比べて、64百万円減少し、17,641百万円となりました。これは主に、その他の非流動金融負債が605百万円増加した一方で、営業債務が236百万円、その他の流動負債が208百万円、その他の流動金融負債が131百万円及び未払法人所得税が122百万円減少したことによるものであります。
当期末の資本は、前連結会計年度に比べて、507百万円増加し、15,730百万円となりました。これは主に、配当金の支払額が410百万円発生した一方で、当期利益を847百万円計上したことによるものであります。
(3)キャッシュ・フローの状況
当期における「現金及び現金同等物」は前連結会計年度に比べて597百万円減少し、14,922百万円となりました。当期における各キャッシュ・フローの状況と主な内容は、次のとおりであります。
①営業活動によるキャッシュ・フロー
当期における営業活動の結果、440百万円の資金流出(前連結会計年度は808百万円の資金流出)となりました。これは主に、継続事業からの税引前当期利益1,353百万円の計上及び法人所得税の還付450百万円があった一方で、運転資本990百万円の減少及び法人所得税の支払額1,124百万円が発生したことによるものであります。
②投資活動によるキャッシュ・フロー
当期における投資活動の結果、310百万円の資金流出(前連結会計年度は1,706百万円の資金流出)となりました。これは主に、関連会社株式の売却による収入372百万円があった一方で、有価証券の取得による資金流出497百万円及び有形固定資産の取得による資金流出304百万円が発生したことによるものであります。
③財務活動によるキャッシュ・フロー
当期における財務活動の結果、112百万円の資金流入(前連結会計年度は2,457百万円の資金流入)となりました。これは主に、配当金の支払額410百万円があった一方で、長期借入れによるネットの資金流入467百万円(長期借入金の返済による資金流出2,533百万円、長期借入れによる資金流入3,000百万円)が発生したことによるものであります。
(4)仕入及び販売の実績
①仕入実績
仕入は販売と概ね連動しているため、記載は省略しております。
②販売実績
「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表に関する注記 4.セグメント情報」に、販売実績に相当する内容を記載しております。
(5)経営成績に重要な影響を与える要因について
「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に、経営成績に重要な影響を与える要因に相当する内容を記載しております。
(6)経営者の課題認識と今後の方針について
「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に、経営者の課題認識と今後の方針に相当する内容を記載しております。
(7)資金の財源及び資金の流動性について
当社グループは、事業の競争力を維持・強化することによる持続的な成長を実現するため、また、事業規模の拡大と収益源の多様化を進めるために、新サービスないし新規事業に取り組んでいく考えであります。これらの資金需要は、手元資金で賄うことを基本とし、必要に応じて資金調達を実施いたします。
(8)経営成績等の状況の概要に係る主要な項目における差異に関する情報
IFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と、連結財務諸表規則(第7章及び第8章を除く。以下、日本基準)により作成した場合の連結財務諸表における、これらに相当する項目との差異に関する事項は、以下のとおりであります。
①収益の純額表示
日本基準のもとでは、顧客から受け取る対価の総額にて表示しておりましたが、IFRSにおいては、当社が取引の「主たる契約者」に該当する場合には顧客から受け取る対価の総額で表示し、「代理人等」に該当する場合には顧客から受け取る対価の総額から第三者に対する手数料その他の支払額を差し引いた純額で表示しております。これにより、IFRSでは日本基準に比べて収益が57,171百万円減少しております。
②のれんの償却
日本基準のもとでは、のれん償却については、償却年数を見積り、その年数で償却することとしておりますが、IFRSにおいては、のれんの償却は行わず、減損テストにより必要な場合は減損損失を計上しており、取得原価から減損損失累計額を控除した金額で測定しております。これにより、IFRSでは日本基準に比べて販売費及び一般管理費が356百万円減少しております。