訂正有価証券報告書-第29期(平成30年10月1日-令和1年9月30日)
(1)経営成績に関する分析
(当期の経営成績)
国内における2018年のスマートフォン個人保有率は64.7%まで伸長し、とりわけ10~30代においては8~9割に迫る高水準で普及しており、Z世代、ミレニアル世代を中心とした量的拡大が進行しております。それとともに保有者一人一人の利用目的についても、SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)の利用率の高まりに伴って多様化しており、質的にも顕著な変化がうかがわれます(出所:総務省「平成30年版通信利用動向調査」)。このようにスマートフォンがインターネット利用デバイスの主流となる中で、各種サービス・アプリケーション市場においては、動画、音楽、電子書籍を始めとするコンテンツへの拡大が加速しているほか、ソーシャルメディアの活用方法もコミュニケーションのみに留まらず、決済や購買などの領域にも広がり、その影響力をより一層強めていることから、それぞれのメディア特性やデータ、AIを活用したマーケティング支援の需要は一段と高まっております。
このような環境のもと、当社グループにおいては、成長著しいブランド広告市場の開拓を推進し、併せて、電通グループとの業務提携を開始し、当初の計画に沿って順調に進捗いたしました。
さらには中長期的な競争力強化のため、マシンラーニングを軸とするAI型人事システムを活用した人材採用・育成の積極化や、メディアコンテンツ事業におけるマンガアプリ「GANMA!」を中心としたメディア規模拡大並びに自社コンテンツ強化のための先行投資を実行いたしました。
一方、持分法適用関連会社であるアクセルマーク株式会社について、持分法適用関連会社からの除外により、残存持分を公正価値で測定したことに伴い、発生した損失を当第2四半期連結会計期間に計上いたしました。また、海外連結子会社であるLion Digital Global LTDが、買収当初に見込んでいた事業計画を下回って推移する見通しとなり、IFRSに基づく減損テストを実施し、将来の回収可能性を検討した結果、買収時に認識したのれん及び事業用資産の減損損失1,802百万円を当連結会計年度に計上することとなりました。
これらの結果、収益は16,796百万円(前期比10.0%増)、Non-GAAP営業利益は2,065百万円(前期比104.2%増)、営業利益は183百万円(前期比81.3%減)、税引前当期損失は81百万円(前期は1,353百万円の税引前当期利益)、当期損失は542百万円(前期は847百万円の当期利益)、親会社の所有者に帰属する当期損失は547百万円(前期は847百万円の親会社の所有者に帰属する当期利益)となりました。
当社グループは、経営者が意思決定する際に使用する社内指標(以下、Non-GAAP指標)及びIFRSに基づく指標の双方によって、連結経営成績を開示しております。Non-GAAP営業利益は、IFRSに基づく営業利益から、一時的要因を調整した恒常的な事業の業績を測る利益指標であります。経営者は、Non-GAAP指標を開示することで、ステークホルダーにとって同業他社比較や過年度比較が容易になり、当社グループの恒常的な経営成績や将来の見通しを理解する上で有益な情報を提供できると判断しております。なお、一時的要因とは、将来見通し作成の観点から一定のルールに基づき除外すべきと当社グループが判断する減損損失、固定資産の売却損益等の一過性の利益や損失のことであります。さらに、財務諸表利用者にとって有用であると考えていることから、IFRSに準拠した開示ではありませんが、全ての取引について総額により表示した収益を「売上高」として任意開示しております。
営業利益からNon-GAAP営業利益への調整及び売上高は次のとおりであります。
(単位:百万円)
報告セグメント別の業績は、次のとおりであります。
①ネットマーケティング事業
インターネットを活用した包括的なマーケティング支援サービスを企業向けに展開しております。
当期においては、国内市場における顧客数及び大型顧客の出稿が順調に増加いたしました。海外市場では北米地域及びアジア圏において低調な推移となりました。また、電通グループが取り扱うネットマーケティング案件の広告運用の支援や、ナレッジ、テクノロジーの提供等が計画通り進捗し、収益拡大に貢献いたしました。
これらの結果、収益は15,079百万円(前期比5.9%増)、Non-GAAP営業利益は4,775百万円(前期比18.6%増)となりました。
②メディアコンテンツ事業 マンガアプリ「GANMA!」を展開するマンガコンテンツ事業の他、採用プラットフォーム事業、社会貢献プラットフォーム事業、医療プラットフォーム事業、育児プラットフォーム事業等が属しております。
当期においては、マンガアプリ「GANMA!」の事業規模が順調に拡大し、「GANMA!」の累計ダウンロード数は2019年9月末時点で1,300万件を超え、ブランド広告やサブスクリプション課金の拡大によりトップラインが伸長し、赤字幅が縮小いたしました。
これらの結果、収益は2,005百万円(前期比51.4%増)、Non-GAAP営業損失は901百万円(前期は1,051百万円のNonGAAP営業損失)となりました。
(2)財政状態に関する分析
当期末の資産は、前連結会計年度に比べて、2,959百万円減少し、30,413百万円となりました。これは主に、のれんが1,831百万円減少したことによるものであります。
当期末の負債は、前連結会計年度に比べて、2,038百万円減少し、15,604百万円となりました。これは主に、その他の金融負債(非流動)が859百万円減少したことによるものであります。
当期末の資本は、前連結会計年度に比べて、921百万円減少し、14,809百万円となりました。これは主に、配当金の支払額が253百万円発生したこと及び当期損失を542百万円計上したことによるものであります。
(3)キャッシュ・フローの状況
当期における「現金及び現金同等物」は前連結会計年度に比べて434百万円減少し、14,488百万円となりました。当期における各キャッシュ・フローの状況と主な内容は、次のとおりであります。
①営業活動によるキャッシュ・フロー
当期における営業活動の結果、1,258百万円の資金流入(前連結会計年度は440百万円の資金流出)となりました。これは主に、営業債権の減少112百万円及び法人所得税の還付額458百万円が発生したことによるものであります。
②投資活動によるキャッシュ・フロー
当期における投資活動の結果、205百万円の資金流出(前連結会計年度は310百万円の資金流出)となりました。これは主に、有価証券の売却による収入654百万円があった一方で、有価証券の取得による資金流出730百万円及び有形固定資産の取得による資金流出65百万円が発生したことによるものであります。
③財務活動によるキャッシュ・フロー
当期における財務活動の結果、1,411百万円の資金流出(前連結会計年度は112百万円の資金流入)となりました。これは主に、短期借入金の返済による支出308百万円、長期借入金の返済による支出850百万円及び配当金の支払253百万円が発生したことによるものであります。
(4)仕入及び販売の実績
①仕入実績
仕入は販売と概ね連動しているため、記載は省略しております。
②販売実績
「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表に関する注記 4.セグメント情報」に、販売実績に相当する内容を記載しております。
(5)経営成績に重要な影響を与える要因について
「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に、経営成績に重要な影響を与える要因に相当する内容を記載しております。
(6)経営者の課題認識と今後の方針について
「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に、経営者の課題認識と今後の方針に相当する内容を記載しております。
(7)資金の財源及び資金の流動性について
当社グループは、事業の競争力を維持・強化することによる持続的な成長を実現するため、また、事業規模の拡大と収益源の多様化を進めるために、新サービスないし新規事業に取り組んでいく考えであります。これらの資金需要は、手元資金で賄うことを基本とし、必要に応じて資金調達を実施いたします。
(8)経営成績等の状況の概要に係る主要な項目における差異に関する情報
IFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と、連結財務諸表規則(第7章及び第8章を除く。以下、日本基準)により作成した場合の連結財務諸表における、これらに相当する項目との差異に関する事項は、以下のとおりであります。
①収益の純額表示
日本基準のもとでは、顧客から受け取る対価の総額にて表示しておりましたが、IFRSにおいては、当社が取引の「主たる契約者」に該当する場合には顧客から受け取る対価の総額で表示し、「代理人等」に該当する場合には顧客から受け取る対価の総額から第三者に対する手数料その他の支払額を差し引いた純額で表示しております。これにより、IFRSでは日本基準に比べて収益が59,705百万円減少しております。
(当期の経営成績)
国内における2018年のスマートフォン個人保有率は64.7%まで伸長し、とりわけ10~30代においては8~9割に迫る高水準で普及しており、Z世代、ミレニアル世代を中心とした量的拡大が進行しております。それとともに保有者一人一人の利用目的についても、SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)の利用率の高まりに伴って多様化しており、質的にも顕著な変化がうかがわれます(出所:総務省「平成30年版通信利用動向調査」)。このようにスマートフォンがインターネット利用デバイスの主流となる中で、各種サービス・アプリケーション市場においては、動画、音楽、電子書籍を始めとするコンテンツへの拡大が加速しているほか、ソーシャルメディアの活用方法もコミュニケーションのみに留まらず、決済や購買などの領域にも広がり、その影響力をより一層強めていることから、それぞれのメディア特性やデータ、AIを活用したマーケティング支援の需要は一段と高まっております。
このような環境のもと、当社グループにおいては、成長著しいブランド広告市場の開拓を推進し、併せて、電通グループとの業務提携を開始し、当初の計画に沿って順調に進捗いたしました。
さらには中長期的な競争力強化のため、マシンラーニングを軸とするAI型人事システムを活用した人材採用・育成の積極化や、メディアコンテンツ事業におけるマンガアプリ「GANMA!」を中心としたメディア規模拡大並びに自社コンテンツ強化のための先行投資を実行いたしました。
一方、持分法適用関連会社であるアクセルマーク株式会社について、持分法適用関連会社からの除外により、残存持分を公正価値で測定したことに伴い、発生した損失を当第2四半期連結会計期間に計上いたしました。また、海外連結子会社であるLion Digital Global LTDが、買収当初に見込んでいた事業計画を下回って推移する見通しとなり、IFRSに基づく減損テストを実施し、将来の回収可能性を検討した結果、買収時に認識したのれん及び事業用資産の減損損失1,802百万円を当連結会計年度に計上することとなりました。
これらの結果、収益は16,796百万円(前期比10.0%増)、Non-GAAP営業利益は2,065百万円(前期比104.2%増)、営業利益は183百万円(前期比81.3%減)、税引前当期損失は81百万円(前期は1,353百万円の税引前当期利益)、当期損失は542百万円(前期は847百万円の当期利益)、親会社の所有者に帰属する当期損失は547百万円(前期は847百万円の親会社の所有者に帰属する当期利益)となりました。
当社グループは、経営者が意思決定する際に使用する社内指標(以下、Non-GAAP指標)及びIFRSに基づく指標の双方によって、連結経営成績を開示しております。Non-GAAP営業利益は、IFRSに基づく営業利益から、一時的要因を調整した恒常的な事業の業績を測る利益指標であります。経営者は、Non-GAAP指標を開示することで、ステークホルダーにとって同業他社比較や過年度比較が容易になり、当社グループの恒常的な経営成績や将来の見通しを理解する上で有益な情報を提供できると判断しております。なお、一時的要因とは、将来見通し作成の観点から一定のルールに基づき除外すべきと当社グループが判断する減損損失、固定資産の売却損益等の一過性の利益や損失のことであります。さらに、財務諸表利用者にとって有用であると考えていることから、IFRSに準拠した開示ではありませんが、全ての取引について総額により表示した収益を「売上高」として任意開示しております。
営業利益からNon-GAAP営業利益への調整及び売上高は次のとおりであります。
(単位:百万円)
前期 (前連結会計年度) | 当期 (当連結会計年度) | 増減額 | 増減率 | |
営業利益 | 977 | 183 | △794 | △81.3% |
調整額(減損損失) | - | 1,804 | 1,804 | |
調整額(その他) | 34 | 78 | 44 | |
Non-GAAP営業利益 | 1,011 | 2,065 | 1,054 | 104.2% |
売上高 | 72,443 | 76,501 | 4,058 | 5.6% |
報告セグメント別の業績は、次のとおりであります。
①ネットマーケティング事業
インターネットを活用した包括的なマーケティング支援サービスを企業向けに展開しております。
当期においては、国内市場における顧客数及び大型顧客の出稿が順調に増加いたしました。海外市場では北米地域及びアジア圏において低調な推移となりました。また、電通グループが取り扱うネットマーケティング案件の広告運用の支援や、ナレッジ、テクノロジーの提供等が計画通り進捗し、収益拡大に貢献いたしました。
これらの結果、収益は15,079百万円(前期比5.9%増)、Non-GAAP営業利益は4,775百万円(前期比18.6%増)となりました。
②メディアコンテンツ事業 マンガアプリ「GANMA!」を展開するマンガコンテンツ事業の他、採用プラットフォーム事業、社会貢献プラットフォーム事業、医療プラットフォーム事業、育児プラットフォーム事業等が属しております。
当期においては、マンガアプリ「GANMA!」の事業規模が順調に拡大し、「GANMA!」の累計ダウンロード数は2019年9月末時点で1,300万件を超え、ブランド広告やサブスクリプション課金の拡大によりトップラインが伸長し、赤字幅が縮小いたしました。
これらの結果、収益は2,005百万円(前期比51.4%増)、Non-GAAP営業損失は901百万円(前期は1,051百万円のNonGAAP営業損失)となりました。
(2)財政状態に関する分析
当期末の資産は、前連結会計年度に比べて、2,959百万円減少し、30,413百万円となりました。これは主に、のれんが1,831百万円減少したことによるものであります。
当期末の負債は、前連結会計年度に比べて、2,038百万円減少し、15,604百万円となりました。これは主に、その他の金融負債(非流動)が859百万円減少したことによるものであります。
当期末の資本は、前連結会計年度に比べて、921百万円減少し、14,809百万円となりました。これは主に、配当金の支払額が253百万円発生したこと及び当期損失を542百万円計上したことによるものであります。
(3)キャッシュ・フローの状況
当期における「現金及び現金同等物」は前連結会計年度に比べて434百万円減少し、14,488百万円となりました。当期における各キャッシュ・フローの状況と主な内容は、次のとおりであります。
①営業活動によるキャッシュ・フロー
当期における営業活動の結果、1,258百万円の資金流入(前連結会計年度は440百万円の資金流出)となりました。これは主に、営業債権の減少112百万円及び法人所得税の還付額458百万円が発生したことによるものであります。
②投資活動によるキャッシュ・フロー
当期における投資活動の結果、205百万円の資金流出(前連結会計年度は310百万円の資金流出)となりました。これは主に、有価証券の売却による収入654百万円があった一方で、有価証券の取得による資金流出730百万円及び有形固定資産の取得による資金流出65百万円が発生したことによるものであります。
③財務活動によるキャッシュ・フロー
当期における財務活動の結果、1,411百万円の資金流出(前連結会計年度は112百万円の資金流入)となりました。これは主に、短期借入金の返済による支出308百万円、長期借入金の返済による支出850百万円及び配当金の支払253百万円が発生したことによるものであります。
(4)仕入及び販売の実績
①仕入実績
仕入は販売と概ね連動しているため、記載は省略しております。
②販売実績
「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表に関する注記 4.セグメント情報」に、販売実績に相当する内容を記載しております。
(5)経営成績に重要な影響を与える要因について
「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に、経営成績に重要な影響を与える要因に相当する内容を記載しております。
(6)経営者の課題認識と今後の方針について
「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に、経営者の課題認識と今後の方針に相当する内容を記載しております。
(7)資金の財源及び資金の流動性について
当社グループは、事業の競争力を維持・強化することによる持続的な成長を実現するため、また、事業規模の拡大と収益源の多様化を進めるために、新サービスないし新規事業に取り組んでいく考えであります。これらの資金需要は、手元資金で賄うことを基本とし、必要に応じて資金調達を実施いたします。
(8)経営成績等の状況の概要に係る主要な項目における差異に関する情報
IFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と、連結財務諸表規則(第7章及び第8章を除く。以下、日本基準)により作成した場合の連結財務諸表における、これらに相当する項目との差異に関する事項は、以下のとおりであります。
①収益の純額表示
日本基準のもとでは、顧客から受け取る対価の総額にて表示しておりましたが、IFRSにおいては、当社が取引の「主たる契約者」に該当する場合には顧客から受け取る対価の総額で表示し、「代理人等」に該当する場合には顧客から受け取る対価の総額から第三者に対する手数料その他の支払額を差し引いた純額で表示しております。これにより、IFRSでは日本基準に比べて収益が59,705百万円減少しております。