四半期報告書-第32期第2四半期(2023/07/01-2023/09/30)
文中の将来に関する事項は、当四半期報告書提出日現在において判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
国内の情報通信分野においては、2022年においてもインターネット普及率は84.9%と高水準で推移しており、その中でもスマートフォンを保有している世帯割合は90.1%と、パソコンを保有する世帯割合69.0%を大きく上回る状況となっています(※1)。また、2000年以降、若年層を中心にテレビ離れの動きが継続して進んでいるなか、2022年の日本の広告費はインターネット向け広告費が前年比14.3%増の3兆912億円となり、マスコミ4媒体広告費(新聞、雑誌、ラジオ、テレビメディア広告費の合算)の2兆3,985億円を大きく上回り、日本の総広告費の43.5%に達しました(※2)。世界においてもその傾向は顕著であり、2023年の世界のデジタル広告費は前年比7.8%増の約59兆円(4,243億ドル)となり、デジタル広告費が構成比で58.3%を超える見通しです(※3)。
※1 出所: 総務省 「令和4年通信利用動向調査の結果」
※2 出所: 株式会社電通 「2022年 日本の広告費」
※3 出所: 株式会社電通 グループ「世界の広告費成長率予測(2023~2025)」
また、エンタテインメント市場においては、2022年の世界の音楽市場の売上高は約3兆5,234億円(262億ドル)と前年比9.0%増加し、8年連続で拡大、今世紀に入ってから最高の売上高を記録しています。特に有料サブスクリプションのストリーミングは全体の67%のシェアを占め2兆3,450億円(175億ドル)まで増加しています(※4)。日本においては、音楽ビデオを含む音楽ソフトの生産実績は2,023億円と前年比104%で推移し2019年以来3年ぶりの2,000億円超えとなりました。有料音楽配信の売上実績は1,050億円と前年比117%、ストリーミングの売上は928億円と前年比25%増加し、有料配信売上全体の9割に迫るシェアまで伸長しています(※5)。
2022年のライブ・エンタテインメント市場は、感染拡大抑制と経済活動の両立が図られる中で経済の正常化が進み、市場規模は5,652億円とコロナ禍前2019年比10.2%減(前年は51.2%減)まで急速なペースで回復の兆しをみせています(※6)。一方でオンラインライブはリアルライブの代替としてではなく、新しいライブ・エンタテインメントの楽しみ方として定着し、2022年の有料型オンラインライブ市場規模は推計466億円と推計され(※7)、リアルとオンラインライブ市場の合算が6,118億円となり、過去最高を記録した2019年のリアルライブ市場6,295億円とほぼ同規模な水準になると予測されています。
※4 出所: IFPI「Global Music Report 2023」
※5 出所: 一般社団法人日本レコード協会「日本のレコード産業2023」
※6 出所: ぴあ総研「2022年のライブ・エンタテインメント市場規模速報値
(2023年5月26日公表)」
※7 出所: ぴあ総研「国内オンラインライブ市場に関する調査(2023年5月26日公表)」
当社は1992年に創業され着信メロディを世界で初めて事業化するなど、携帯電話の普及とともに音楽配信事業を中核として順調に成長してまいりました。現在の音楽市場はスマートフォンの普及に伴い、ストリーミング、一般ユーザーが社会へ容易に情報発信できるユーザー生成コンテンツ(UGC)(※8)やソーシャルメディアといったメディアが多様化するなか、コンテンツの流通方法をはじめ、消費スタイルや、コンテンツの制作方法等、音楽業界のあらゆる活動が変化している状況にあります。
※8 インターネット上にユーザー自身が生成し投稿した画像や動画。ユーザー・ジェネレー
テッド・コンテンツ。
このような環境の下、当社グループは、創業以来コンテンツのデジタル流通に注力してきた取組みを活かし、引き続き『マルチコンテンツ&マルチデバイス戦略(様々なコンテンツを、必要なときに、必要な場所で楽しむことができる環境の創造)』を推進し、インターネット上に溢れる情報を収集、整理し、付加価値を高めてユーザーに提供するプラットフォームの開発など市場環境の変化に応じた新規サービス展開に取り組んでまいりました。
新たなプラットフォーム「sprayer®(スプレーヤー)」は、アーティストがオリジナル楽曲を登録するだけで、世界中で配信・収益化できるだけでなく、独自の「spray LINK」機能を通しミュージックビデオやライブなど様々な活動をダイレクトに届けることができる新たな音楽ディストリビューションサービスです。「spray LINK」はサポーターを募集できる機能(楽曲の配信収益の一部をリワードとして還元できるクラウドファンディング)を搭載し、アーティストは活動資金を集められるだけでなく、サポーターと利益を共有することで楽曲をより多くのリスナーに届けることが可能です。今後もアーティスト自身がダイレクトに作品の情報をリスナー・ファンに届けることで、より深いエンゲージを構築しマネタイズできるプラットフォームを提供し、あらゆる層のアーティストエコノミーの拡充と「アーティストがファンと一緒に成長できる」仕組み作りに取り組んでまいります。
当社グループは時代に即した組織を目指し、2023年4月1日付でコンテンツ事業における組織再編を実施いたしました。各社が今までに培ってきた機能を分解しそれぞれのコアコンピタンスを明確化することで、より事業展開をしやすい組織体制とし、利益構造の差別化と一層の効率化を目的としています。目まぐるしく嗜好・流行が変わる音楽市場に対し迅速に対応する体制を構築することで、魅力的なコンテンツの創出力および競争力の向上を図ります。主要レーベルの集約、管理機能や営業機能の一層の強化および効率化、レーベルの保有する資産と当社が保有するテクノロジーの融合など、より一層のグループシナジーの発現を目指してまいります。
また、オフィス機能を南青山オフィスに集約し、行動様式の変化や新たな価値観の定着を見据え、テレワーク勤務体制を恒常化しております。横断的なコミュニケーションを再構築し活発化させることで、積極的に全社的な取組みを行っています。今後もよりフレキシブルな「ワークスタイル」を追求し、多様で効率的な新しい働き方を実現してまいります。
なお、当社は、東京証券取引所プライム市場に上場しておりましたが、2023年4月1日施行の東京証券取引所の規則改正に基づくスタンダード市場への上場の選択申請を行ったことから、2023年10月20日より東京証券取引所スタンダード市場へ移行しております。今後も組織運営の柔軟性を確保し、事業戦略の一元化と意思決定のスピードアップ、ノウハウ・人材等のリソースの効率的な活用を可能とすることにより、当社グループにおける音楽業界の変革期に対応する創造力を一層強化し、当社グループ全体の更なる企業価値向上に取り組んでまいります。
当社グループの第2四半期連結累計期間の業績については、売上高は前年同期比7.2%減の6,773百万円、営業損失は329百万円(前年同期は240百万円の営業損失)、経常損失は362百万円(前年同期は218百万円の経常損失)となり、親会社株主に帰属する四半期純損失は363百万円(前年同期は263百万円の親会社株主に帰属する四半期純損失)となりました。
セグメントごとの業績は、次のとおりであります。
<プラットフォーム事業>プラットフォーム事業においては、既存配信事業の売上が減少を続けているため、新規性ある商品開発、多様化する収益機会の獲得に向けて各サービスの連動やプラットフォーム化を行い、今後も新たな成長分野への投資を行ってまいります。
「FaRao PRO」は、業務用BGMの提供のみならず、店舗のブランディングを提案するソリューションやアナウンス機能など、店舗運営に必要な機能拡充を中心とした営業活動を積極的に展開しております。今後とも、新たなBGM市場の創造と活性化を目指してまいります。
今後拡大が期待される「D2C」(※9)のビジネスモデルによるアーティスト向けプラットフォーム「Fans'」は、オフィシャルサイトの構築、楽曲・映像配信、アーティストグッズの販売、ファンクラブ運営などアーティスト活動に必要な機能の拡充を行っております。SNSとの連携強化によりファンがクリエイターの発信する情報を拡散することでコミュニティの創出に貢献できるシステムを導入しており、より多くのアーティストが作品や情報を自由に発信できるサービスとして、利用者の獲得、拡大を目指すとともに、利便性の追求等サービス品質の向上に努めてまいります。
※9 自社で企画・製造したサービス・商品を直接ユーザーに届けるビジネス形態。Direct to Consumerの略称。
ライブ配信プラットフォーム「Thumva」(サムバ)は、リアルライブ市場の回復に伴い、感染症拡大による行動制限下において「オンラインで心躍るライブ体験を届ける」という当初の目的を果たし、2023年11月末でサービスを終了いたします。なお、「Thumva」のリソースを活用した新たな店舗向けサービス「Thumva BIZ」(サムバビズ)については、2023年10月31日付で事業譲渡契約を締結しております。
業績につきましては、携帯電話向けコンテンツ配信におけるキャリア公式サイトサービスの売上減少や、小売業向けポイントシステム運営プラットフォームにおいて既存加盟店向けポイント発行が減少したことにより、売上高は前年同期比1.7%減の1,051百万円となりましたが、事業スキームの改善により、セグメント損失は108百万円(前年同期はセグメント損失168百万円)となりました。
<コンテンツ事業>コンテンツ事業は、音楽市場の変化に伴う音楽・映像関連業界の厳しい環境の下、パッケージ商品に依存している状況からの脱却を図るため、将来を見据えた新規事業の強化を進めております。日本コロムビア、ドリーミュージック、KSRのレーベル3社においては、新たなヒットを創出すべく、次世代音楽ビジネスに適合するコンテンツの開発と育成を進めております。また、豊富なカタログ資産を新たなスキームで積極的に活用し、国内だけでないグローバルなIP領域の展開を目指しております。NHK2023年度後期連続テレビ小説「ブギウギ」は、日本コロムビアに多くのヒット曲を残した「笠置シヅ子」の生涯をモデルとした作品です。新曲のドラマ主題歌「ハッピー☆ブギ」だけでなく、本人の過去の作品や当時活躍を共にした「服部良一」「淡谷のり子」といった当社グループ音源を、新たなIPとして多面的に展開いたします。
また、当社グループが培ってきたロケーションビジネスの運営ノウハウを生かし、様々な施設、イベントの運営受託を行っております。2023年4月から、東急歌舞伎町タワー内にオープンした「ZEROTOKYO」(エリア最大級のライブホール「Zepp Shinjuku(TOKYO)」の夜間時間帯を活用する新たな施設)における運営を受託いたしました。様々なジャンルのイベントが開催され、訪日外国人数の増加に伴うインバウンド市場の回復を受け、国内外から多くの方にご利用いただいています。本事業はアセットライトな事業構造により堅実な収益が期待できるとともに、既存事業とのシナジーを発揮し、一層の拡大に向け取り組んでまいります。
業績につきましては、主要タイトルの発売延期に加え、大型パッケージ商品の売上減少などにより、売上高は前年同期比8.2%減の5,722百万円、セグメント利益は前年同期比99.0%減の1百万円となりました。
※本文書に記載されている会社名、製品名は、各社および各団体の商標または登録商標です。
当第2四半期連結会計期間末における財政状態について、総資産は、前連結会計年度末に比べて1,982百万円減少し、22,244百万円となりました。主として投資その他の資産の減少によるものであります。
負債は、前連結会計年度末に比べて865百万円減少し、7,975百万円となりました。主として長期借入金の返済ならびに繰延税金負債の減少によるものであります。
純資産は、前連結会計年度末に比べて1,116百万円減少し、14,269百万円となりました。主としてその他有価証券評価差額金の減少によるものであります。
自己資本比率は0.6ポイント増加して、64.1%となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ277百万円減少し10,696百万円となりました。当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間における営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前四半期純損失364百万円、売上債権の減少153百万円ならびに法人税等の還付額135百万円等により、54百万円の収入(前年同期は539百万円の支出)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間における投資活動によるキャッシュ・フローは、6百万円の支出(前年同期は231百万円の支出)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間における財務活動によるキャッシュ・フローは、主として長期借入金の返済による支出等によりの325百万円支出(前年同期は15百万円の収入)となりました。
(3) 経営方針・経営戦略等
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(5) 研究開発活動
当第2四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、21百万円であります。
なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
国内の情報通信分野においては、2022年においてもインターネット普及率は84.9%と高水準で推移しており、その中でもスマートフォンを保有している世帯割合は90.1%と、パソコンを保有する世帯割合69.0%を大きく上回る状況となっています(※1)。また、2000年以降、若年層を中心にテレビ離れの動きが継続して進んでいるなか、2022年の日本の広告費はインターネット向け広告費が前年比14.3%増の3兆912億円となり、マスコミ4媒体広告費(新聞、雑誌、ラジオ、テレビメディア広告費の合算)の2兆3,985億円を大きく上回り、日本の総広告費の43.5%に達しました(※2)。世界においてもその傾向は顕著であり、2023年の世界のデジタル広告費は前年比7.8%増の約59兆円(4,243億ドル)となり、デジタル広告費が構成比で58.3%を超える見通しです(※3)。
※1 出所: 総務省 「令和4年通信利用動向調査の結果」
※2 出所: 株式会社電通 「2022年 日本の広告費」
※3 出所: 株式会社電通 グループ「世界の広告費成長率予測(2023~2025)」
また、エンタテインメント市場においては、2022年の世界の音楽市場の売上高は約3兆5,234億円(262億ドル)と前年比9.0%増加し、8年連続で拡大、今世紀に入ってから最高の売上高を記録しています。特に有料サブスクリプションのストリーミングは全体の67%のシェアを占め2兆3,450億円(175億ドル)まで増加しています(※4)。日本においては、音楽ビデオを含む音楽ソフトの生産実績は2,023億円と前年比104%で推移し2019年以来3年ぶりの2,000億円超えとなりました。有料音楽配信の売上実績は1,050億円と前年比117%、ストリーミングの売上は928億円と前年比25%増加し、有料配信売上全体の9割に迫るシェアまで伸長しています(※5)。
2022年のライブ・エンタテインメント市場は、感染拡大抑制と経済活動の両立が図られる中で経済の正常化が進み、市場規模は5,652億円とコロナ禍前2019年比10.2%減(前年は51.2%減)まで急速なペースで回復の兆しをみせています(※6)。一方でオンラインライブはリアルライブの代替としてではなく、新しいライブ・エンタテインメントの楽しみ方として定着し、2022年の有料型オンラインライブ市場規模は推計466億円と推計され(※7)、リアルとオンラインライブ市場の合算が6,118億円となり、過去最高を記録した2019年のリアルライブ市場6,295億円とほぼ同規模な水準になると予測されています。
※4 出所: IFPI「Global Music Report 2023」
※5 出所: 一般社団法人日本レコード協会「日本のレコード産業2023」
※6 出所: ぴあ総研「2022年のライブ・エンタテインメント市場規模速報値
(2023年5月26日公表)」
※7 出所: ぴあ総研「国内オンラインライブ市場に関する調査(2023年5月26日公表)」
当社は1992年に創業され着信メロディを世界で初めて事業化するなど、携帯電話の普及とともに音楽配信事業を中核として順調に成長してまいりました。現在の音楽市場はスマートフォンの普及に伴い、ストリーミング、一般ユーザーが社会へ容易に情報発信できるユーザー生成コンテンツ(UGC)(※8)やソーシャルメディアといったメディアが多様化するなか、コンテンツの流通方法をはじめ、消費スタイルや、コンテンツの制作方法等、音楽業界のあらゆる活動が変化している状況にあります。
※8 インターネット上にユーザー自身が生成し投稿した画像や動画。ユーザー・ジェネレー
テッド・コンテンツ。
このような環境の下、当社グループは、創業以来コンテンツのデジタル流通に注力してきた取組みを活かし、引き続き『マルチコンテンツ&マルチデバイス戦略(様々なコンテンツを、必要なときに、必要な場所で楽しむことができる環境の創造)』を推進し、インターネット上に溢れる情報を収集、整理し、付加価値を高めてユーザーに提供するプラットフォームの開発など市場環境の変化に応じた新規サービス展開に取り組んでまいりました。
新たなプラットフォーム「sprayer®(スプレーヤー)」は、アーティストがオリジナル楽曲を登録するだけで、世界中で配信・収益化できるだけでなく、独自の「spray LINK」機能を通しミュージックビデオやライブなど様々な活動をダイレクトに届けることができる新たな音楽ディストリビューションサービスです。「spray LINK」はサポーターを募集できる機能(楽曲の配信収益の一部をリワードとして還元できるクラウドファンディング)を搭載し、アーティストは活動資金を集められるだけでなく、サポーターと利益を共有することで楽曲をより多くのリスナーに届けることが可能です。今後もアーティスト自身がダイレクトに作品の情報をリスナー・ファンに届けることで、より深いエンゲージを構築しマネタイズできるプラットフォームを提供し、あらゆる層のアーティストエコノミーの拡充と「アーティストがファンと一緒に成長できる」仕組み作りに取り組んでまいります。
当社グループは時代に即した組織を目指し、2023年4月1日付でコンテンツ事業における組織再編を実施いたしました。各社が今までに培ってきた機能を分解しそれぞれのコアコンピタンスを明確化することで、より事業展開をしやすい組織体制とし、利益構造の差別化と一層の効率化を目的としています。目まぐるしく嗜好・流行が変わる音楽市場に対し迅速に対応する体制を構築することで、魅力的なコンテンツの創出力および競争力の向上を図ります。主要レーベルの集約、管理機能や営業機能の一層の強化および効率化、レーベルの保有する資産と当社が保有するテクノロジーの融合など、より一層のグループシナジーの発現を目指してまいります。
また、オフィス機能を南青山オフィスに集約し、行動様式の変化や新たな価値観の定着を見据え、テレワーク勤務体制を恒常化しております。横断的なコミュニケーションを再構築し活発化させることで、積極的に全社的な取組みを行っています。今後もよりフレキシブルな「ワークスタイル」を追求し、多様で効率的な新しい働き方を実現してまいります。
なお、当社は、東京証券取引所プライム市場に上場しておりましたが、2023年4月1日施行の東京証券取引所の規則改正に基づくスタンダード市場への上場の選択申請を行ったことから、2023年10月20日より東京証券取引所スタンダード市場へ移行しております。今後も組織運営の柔軟性を確保し、事業戦略の一元化と意思決定のスピードアップ、ノウハウ・人材等のリソースの効率的な活用を可能とすることにより、当社グループにおける音楽業界の変革期に対応する創造力を一層強化し、当社グループ全体の更なる企業価値向上に取り組んでまいります。
当社グループの第2四半期連結累計期間の業績については、売上高は前年同期比7.2%減の6,773百万円、営業損失は329百万円(前年同期は240百万円の営業損失)、経常損失は362百万円(前年同期は218百万円の経常損失)となり、親会社株主に帰属する四半期純損失は363百万円(前年同期は263百万円の親会社株主に帰属する四半期純損失)となりました。
セグメントごとの業績は、次のとおりであります。
<プラットフォーム事業>プラットフォーム事業においては、既存配信事業の売上が減少を続けているため、新規性ある商品開発、多様化する収益機会の獲得に向けて各サービスの連動やプラットフォーム化を行い、今後も新たな成長分野への投資を行ってまいります。
「FaRao PRO」は、業務用BGMの提供のみならず、店舗のブランディングを提案するソリューションやアナウンス機能など、店舗運営に必要な機能拡充を中心とした営業活動を積極的に展開しております。今後とも、新たなBGM市場の創造と活性化を目指してまいります。
今後拡大が期待される「D2C」(※9)のビジネスモデルによるアーティスト向けプラットフォーム「Fans'」は、オフィシャルサイトの構築、楽曲・映像配信、アーティストグッズの販売、ファンクラブ運営などアーティスト活動に必要な機能の拡充を行っております。SNSとの連携強化によりファンがクリエイターの発信する情報を拡散することでコミュニティの創出に貢献できるシステムを導入しており、より多くのアーティストが作品や情報を自由に発信できるサービスとして、利用者の獲得、拡大を目指すとともに、利便性の追求等サービス品質の向上に努めてまいります。
※9 自社で企画・製造したサービス・商品を直接ユーザーに届けるビジネス形態。Direct to Consumerの略称。
ライブ配信プラットフォーム「Thumva」(サムバ)は、リアルライブ市場の回復に伴い、感染症拡大による行動制限下において「オンラインで心躍るライブ体験を届ける」という当初の目的を果たし、2023年11月末でサービスを終了いたします。なお、「Thumva」のリソースを活用した新たな店舗向けサービス「Thumva BIZ」(サムバビズ)については、2023年10月31日付で事業譲渡契約を締結しております。
業績につきましては、携帯電話向けコンテンツ配信におけるキャリア公式サイトサービスの売上減少や、小売業向けポイントシステム運営プラットフォームにおいて既存加盟店向けポイント発行が減少したことにより、売上高は前年同期比1.7%減の1,051百万円となりましたが、事業スキームの改善により、セグメント損失は108百万円(前年同期はセグメント損失168百万円)となりました。
<コンテンツ事業>コンテンツ事業は、音楽市場の変化に伴う音楽・映像関連業界の厳しい環境の下、パッケージ商品に依存している状況からの脱却を図るため、将来を見据えた新規事業の強化を進めております。日本コロムビア、ドリーミュージック、KSRのレーベル3社においては、新たなヒットを創出すべく、次世代音楽ビジネスに適合するコンテンツの開発と育成を進めております。また、豊富なカタログ資産を新たなスキームで積極的に活用し、国内だけでないグローバルなIP領域の展開を目指しております。NHK2023年度後期連続テレビ小説「ブギウギ」は、日本コロムビアに多くのヒット曲を残した「笠置シヅ子」の生涯をモデルとした作品です。新曲のドラマ主題歌「ハッピー☆ブギ」だけでなく、本人の過去の作品や当時活躍を共にした「服部良一」「淡谷のり子」といった当社グループ音源を、新たなIPとして多面的に展開いたします。
また、当社グループが培ってきたロケーションビジネスの運営ノウハウを生かし、様々な施設、イベントの運営受託を行っております。2023年4月から、東急歌舞伎町タワー内にオープンした「ZEROTOKYO」(エリア最大級のライブホール「Zepp Shinjuku(TOKYO)」の夜間時間帯を活用する新たな施設)における運営を受託いたしました。様々なジャンルのイベントが開催され、訪日外国人数の増加に伴うインバウンド市場の回復を受け、国内外から多くの方にご利用いただいています。本事業はアセットライトな事業構造により堅実な収益が期待できるとともに、既存事業とのシナジーを発揮し、一層の拡大に向け取り組んでまいります。
業績につきましては、主要タイトルの発売延期に加え、大型パッケージ商品の売上減少などにより、売上高は前年同期比8.2%減の5,722百万円、セグメント利益は前年同期比99.0%減の1百万円となりました。
※本文書に記載されている会社名、製品名は、各社および各団体の商標または登録商標です。
当第2四半期連結会計期間末における財政状態について、総資産は、前連結会計年度末に比べて1,982百万円減少し、22,244百万円となりました。主として投資その他の資産の減少によるものであります。
負債は、前連結会計年度末に比べて865百万円減少し、7,975百万円となりました。主として長期借入金の返済ならびに繰延税金負債の減少によるものであります。
純資産は、前連結会計年度末に比べて1,116百万円減少し、14,269百万円となりました。主としてその他有価証券評価差額金の減少によるものであります。
自己資本比率は0.6ポイント増加して、64.1%となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ277百万円減少し10,696百万円となりました。当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間における営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前四半期純損失364百万円、売上債権の減少153百万円ならびに法人税等の還付額135百万円等により、54百万円の収入(前年同期は539百万円の支出)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間における投資活動によるキャッシュ・フローは、6百万円の支出(前年同期は231百万円の支出)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間における財務活動によるキャッシュ・フローは、主として長期借入金の返済による支出等によりの325百万円支出(前年同期は15百万円の収入)となりました。
(3) 経営方針・経営戦略等
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(5) 研究開発活動
当第2四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、21百万円であります。
なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。