四半期報告書-第27期第3四半期(平成30年10月1日-平成30年12月31日)

【提出】
2019/02/14 12:00
【資料】
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【項目】
29項目
文中の将来に関する事項は、当四半期報告書提出日現在において判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
国内の情報通信分野においては、2017年においてもインターネット普及率は80.5%と高水準を維持しております。また、個人のインターネット利用においては13歳から50歳未満における利用者の割合は95%を上回っており(※1)、なかでも、スマートフォンのみでインターネットを利用している人が全世代で増加し、特に30代では前年と比べ46%増加しております(※2)。一方、若年層を中心としたテレビ離れの動きは進んでおり、今後もインターネット利用率の上昇とスマートフォンの普及拡大を背景に、デジタル化時代に沿ったサービスへの移行が加速していくものと見込まれます。この様な状況の中で、当社は時代に即したユーザーニーズに機敏に対応していくことがますます重要となっています。
※1 出所: 総務省 平成30年版 「情報通信白書」
※2 ニールセンデジタル株式会社「Nielsen Digital Database 2018」
また、エンタテインメント市場においては、世界の音楽市場は定額制配信サービス(サブスクリプション)を中心に前年比8.1%増加し173億ドルとなり(※3)、平成11年以降初めて3年連続の売上高の伸びを記録しています。日本においては、音楽ビデオを含む音楽ソフトの生産実績は前年比6%減少し2,320億円となり(※4)、依然としてパッケージ商品の縮小傾向が続いておりますが、この反面、有料音楽配信の売上実績は573億円と前年比8%増加しており、特に定額制配信サービス(サブスクリプション)は前年比22%上昇するなど躍進しています。一方、ライブ・エンタテインメントの市場規模はコト消費の拡大を元に3,324億円と前年比7.2%増加しております。(※5)。
※3 IFPI「Global Music Report 2018」
※4 一般社団法人日本レコード協会「日本のレコード産業2017」
※5 一般社団法人コンサートプロモーターズ協会「平成29年基礎調査報告書」
このような環境の下、当社は、創業以来コンテンツのデジタル流通に注力してきた取組みを活かし、引き続き『マルチコンテンツ&マルチデバイス戦略(様々なコンテンツを、必要なときに、必要な場所で楽しむことができる環境の創造)』を推進し、インターネット上に溢れる情報を収集、整理し、付加価値を高めてユーザーに提供するプラットフォームの開発など市場環境の変化に応じた新規サービス展開に取り組んでまいりました。
また、訪日観光客数が順調な伸びを示すなか、日本におけるナイトタイムエコノミーの拡大も見据え、都内最大級のミュージックラウンジ「PLUSTOKYO」(プラストーキョー)を2018年11月に東京銀座にオープンし、音楽を軸とした新しいライフスタイルの提案を行ってまいります。
当社グループの当第3四半期連結累計期間の業績については、主要な売り上げである既存配信サービスの売上の減少により、売上高は前年同期比3.4%減の15,796百万円、営業利益はレーベル事業における利益率の高い過年度発売作品やゲーム作品売上、音楽許諾権収入の減少が影響し、前年同期比77.9%減の292百万円、経常損失は持分法による投資損失を計上したため、363百万円(前年同期は1,229百万円の経常利益)、親会社株主に帰属する四半期純損失は307百万円(前年同期は862百万円の親会社株主に帰属する四半期純利益)となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
<コンテンツ事業>コンテンツ事業においては、スマートフォンなどの普及や音楽視聴スタイルの変化など市場環境に応じた新たな商品開発を積極的に進めているほか、多様化する収益源の獲得に向けてプラットフォーム化などを行うとともに、既存の事業を含めたサービス内容や市場性の結果検証を行い、機能の改善や各サービスの連動など、より付加価値を高める施策を推進しております。
「FaRao PRO」は、業務用BGMの提供のみならず、店舗のブランディングを提案するソリューションやアナウンス機能など、店舗運営に必要な機能拡充を中心とした営業活動を積極的に展開しております。また、タブレット端末を使用する従来商品に加え、初期費用を抑えたアプリ版サービスのリリース、ポイント事業との連携による小売店営業の強化を進めております。日本でのサービスを基盤として、インドネシアにおいて「FaRao PRO」事業を展開しており、今後とも、国内外において新たなBGM市場の創造と活性化を目指してまいります。
今後拡大が期待される「D2C」(※6)のビジネスモデルによるアーティスト向けプラットフォーム「Fans'」は、オフィシャルサイトの構築、楽曲・映像配信、アーティストグッズの販売、ファンクラブ運営などアーティスト活動に必要な機能の拡充を行っております。より多くのアーティストが作品や情報を自由に発信できるサービスとして、利用者の獲得、拡大を目指すとともに、使いやすさの追及等サービス品質の向上に努めてまいります。
※6 自社で企画・製造したサービス・商品を、直接ユーザーに届けるビジネス形態。Direct to Consumerの略称。
この結果、コンテンツ事業の売上高は、市場環境の変化に合わせた新たなサービス展開を積極的に進めたものの、キャリア公式サイトサービスの売上減少、新規事業の立ち上がりの遅れ、および連結子会社株式の売却に伴い、前年同期比20.1%減の2,533百万円となり、営業損失は406百万円(前年同期は営業損失118百万円)となりました。
<ポイント事業>ポイント事業においては、既存加盟店でのポイント発行が、販売促進施策の展開により堅調に推移したため、前年同期比2.2%増の2,052百万円となりました。営業利益に関しましては、前年同期比47.2%増の89百万円となりました。
<レーベル事業>レーベル事業においては、音楽市場の縮小に伴う音楽・映像関連業界の厳しい環境の下、パッケージ商品に依存している状況からの脱却を図るため、将来を見すえた新規事業の強化を進めております。
業績につきましては、株式会社ドリーミュージックにおけるアニメ関連商品や日本コロムビア株式会社におけるアニメ作品、所属アーティストのライブ売上が堅調に推移しており、売上高は前年同期比0.4%増の11,209百万円となりました。営業利益に関しましては、利益率の高い過年度発売作品やゲーム作品売上、音楽許諾権収入の減少が影響し、前年同期比55.8%減の606百万円となりました。
※本文書に記載されている会社名、製品名は、各社および各団体の商標または登録商標です。
当第3四半期連結会計期間末における財政状態について、総資産は、前連結会計年度末に比べて1,963百万円減少し23,741百万円となりました。主として現金及び預金並びに投資有価証券が減少したことによるものであります。負債は、前連結会計年度末に比べて710百万円減少し6,323百万円となりました。主として借入金を返済したことによるものであります。純資産は、前連結会計年度末に比べて1,253百万円減少し17,418百万円となりました。主として親会社株主に帰属する四半期純損失の計上、自己株式の取得によるものであります。
自己資本比率は、0.8ポイント改善し、73.3%となりました。
(3) 経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(4) 研究開発活動
当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、30百万円であります。なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。