四半期報告書-第23期第2四半期(2023/07/01-2023/09/30)
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)業績の状況
当社グループを取り巻く事業環境は、少子高齢化社会が及ぼす人手不足等の社会課題の蓄積やコロナ禍を起因としたライフスタイルの変遷など、目まぐるしく変化していく社会情勢への適応力が一層求められる大きな変革期を迎えています。
このような環境の中、当社グループでは、2023年3月期より、新たな経営理念体系「ミッション(Mission)、ビジョン(Vision)、バリュー(Value)」を策定いたしました。そして、”未来の子供たちのために、より良い社会づくりの視点で、人々と共に「安心」「安全」「笑顔」の日々をつくる。”をミッションとして掲げ、2025年3月期を目標に更なる成長を見据えて策定した中期経営計画「Re-Growth 2025」の着実な遂行に、注力してまいりました。
当第2四半期連結累計期間の業績につきましては、受注契約の増加に加え、経済活動の正常化が一段と進む中、主要3事業における各種需要が回復するなど、売上高は引き続き堅調に推移し増収となりました。一方、利益面においては、主に原材料価格の高騰によるコスト上昇への対策に課題を残すなど、収益率の低下に伴い営業減益となりました。
当第2四半期連結累計期間における主な経営成績は次のとおりであります。 (単位:百万円)
セグメントの業績は、次のとおりであります。 (単位:百万円)
(フードサービス事業)
大手同業他社との競争激化や慢性的な人員不足に加え、足元においては原材料価格の高騰が継続するなど、事業環境は依然として厳しい状況が続いております。
社員食堂を中心とするコントラクトフードサービス部門では、オフィス、工場セグメント店舗を中心に喫食数が回復に向かう一方で、リモートワーク等の新しい働き方を取り入れる契約先も多く、職場における食事提供についても新しいサービスに対する期待が高まってきております。このような中、様々な食事提供サービスや在宅勤務等の増加によって減少した食数に対応したローコストオペレーションモデルの提案活動に加え、増加傾向にあるイベントや宴会等の新規案件獲得に努めてまいりました。
病院・高齢者施設・保育給食を中心とするメディカルフードサービス部門では、新型コロナウィルス感染症の5類移行後、高齢者施設は回復傾向となりましたが、病院施設においては回復が鈍化するなど不透明な状況が続いており、材料費の抑制等コストコントロールの強化を図っております。また、保育給食においては、オイシックス・ラ・大地株式会社との協業モデルの構築に向け、ミールキットを活用したテストマーケティングを実施しております。
以上の結果、売上高は、既存店の回復が続き増収となりましたが、営業利益においては、難航している価格転嫁の進捗および労務コストの上昇による原価率の悪化が影響し、減益となりました。
(車両運行サービス事業)
民間法人においては、ノンコア業務をアウトソーシングする流れが継続しており、特に車両運行管理業務については、役員送迎車や社員送迎バス等がその対象となっております。また、地方自治体においては財政再建と地域活性化のため、新たな交通体系の整備や学校統廃合におけるスクールバス需要等のニーズが高まっております。その一方で、運転士不足が深刻化しつつあり、全国で路線バスの減便が拡大するなど運転士の確保と育成が大きな課題となっております。
このような環境のもと、役員車両部門及び一般車両部門においては、安定収益が見込める公共法人への営業活動として、需要が高まっているデマンドシステム及びスクールバスの提案に積極的に取り組んだほか、成果が表れているWebプロモーションによる販促やクロスセル営業を推進し、新規契約の獲得に向けた営業体制の強化を図ってまいりました。
旅客運送部門においては、地方自治体に対してデマンドバスを含めた地方交通体系の提案や、高速乗合バスの新規路線として、3路線目となる新規ルートとして千葉・津田沼と関西方面(大阪・滋賀)を結ぶ高速乗合バスを2023年8月より運行開始するなど、売上構造の安定化を図ってまいりました。
以上の結果、臨時便減少や燃料単価上昇の影響があったものの、期首からの増車に加え、運行時間の延長や休日運行の稼働等が順調に推移し、引き続き増収増益となりました。
(社会サービス事業)
政府が掲げる「地方創生」政策は、地方創生の推進に向けた施策に政府一丸となって取り組んでおり、地方自治体においては財政健全化と地域活性化のため、自治体が提供するサービスを民間に委託するニーズは高まっております。さらに、住民サービスの効率的な運用を目指した施設の統合が進められるとともに、少子高齢化による行政サービスのコストアップと人手不足が、行政サービスのアウトソーシング市場を確実に伸長させる要因となっております。
このような環境のもと、成長ドライバーとして特に力を入れている学童保育・児童館・子育て支援受託業務においては、多様化する子育てニーズに応えるべく、2023年8月より、トヨタ・コニック・プロ株式会社と連携し、トヨタ自動車が全国の小学校で実施してきた出張授業プログラム「未来モビリティプログラミング教室」を開催するなど、コンテンツ開発に注力してまいりました。また、全国の自治体からの受託数は前年同期比で258箇所増加し、大きく成長し続けております。
施設管理・図書館運営および学校給食受託業務においても、新たにPFIを活用した学校給食センターの運営を開始するなど、引き続き多くの自治体からの案件を受託するとともに、行政支援経験を活かしたサービスによる施設の安全性や利便性、図書館アプリの導入等による運営効率の向上を図ってまいりました。
以上の結果、運営施設数の増加が大きく寄与し、売上高は二桁成長を遂げ、好調に推移いたしました。なお、営業利益においては、減益となりましたが、上・下期の不均衡が一定程度解消する見込みであり、セグメント計画に変更はありません。
(ESGとSDGsへの取り組み)
当社グループは、環境(Environment)、社会(Social)、統治(Governance)のESGに関する様々なステークホルダーの要請に対応し、かつDX(Digital Transformation)を活かした経営改革・事業改革を実践するために、地球環境対応、労働と人権に配慮した働き方改革・お客様満足度向上・地域社会への貢献といった社会課題やガバナンスへの対応などを進めてきております。
2021年10月には取締役会に直属するSDGs委員会を設立し、経営理念、経営目標、経営戦略の達成のために事業活動を通してSDGsの達成に寄与することを目指しております。2022年5月のSDGs委員会において、SDGs経営方針を“『未来の子供たちのために、より良い社会づくりの視点で、人々と共に「安心」「安全」「笑顔」の日々をつくる。』というミッションのもと、社員エンゲージメントへの投資により生産性を高めてその成果を還元し、顧客・パートナー企業との協創でイノベーションを進め、社会価値と経済価値が好循環するCSV(Creating Shared Value:共通価値の創造)を目指します。”といたしました。また、2023年9月に開示した統合報告書においても、SDGs経営の推進を説明しております。
当社グループの事業は、社員が生み出す、安心、安全、そして笑顔などの「価値」をお客様や取引先様へ提供することで幸せを育む事業であり、ジェンダー平等や多様性に配慮した社員一人ひとりの可能性を育み、「人を育み、幸せを最大化する社会課題解決企業」として持続可能な社会づくりに貢献してきております。
当社グループは、事業活動を通じて競争優位性を確立し、事業基盤を強化するとともに、人や社会、環境、そして株主に広く還元をしてまいります。
(ESG/SDGsに関する主な活動事例)
当社グループで公共施設(観光施設や図書館)、学童保育、自治体施設・業務の受託運営等を行う社会サービス事業では、東京都国立市にPFI(※1)方式を活用して新設される学校給食センター「くにたち食育推進・給食ステーション」の受託運営を開始いたしました。2023年8月30日より1日約5,000食の学校給食の提供をしております。大量調理から食器洗浄に至るまで最新鋭の設備を導入し、HACCP(※2)に基づく「安心・安全」な衛生管理と作業工程を実施するほか、「食物アレルギー等対応室」(1日60食調理可)も設置。また地域の子どもたちや保護者様と共に食の学びを提案できる食育リーダーを配置するほか、調理場の様子がガラス越しに眺められる見学通路や展示スペースの設置等、食育機能を推進いたします。学校給食部門では、全国約230の自治体(2023年8月現在)で、給食センター方式、公立小中学校の自校式含め、計約600カ所の学校給食運営の受託実績があります。当センターにおいても、シダックスグループが60年以上にわたりフードサービス事業で蓄積してきた衛生管理ノウハウを活用し、「安心・安全」で、子どもたちが笑顔になる学校給食サービスに努めてまいります。
また、フードサービス、車両運行サービス、社会サービス等、事業を通じて社会課題解決を目指す総合サービス企業である当社は、学校法人 香川栄養学園 女子栄養大学(学長:香川 明夫、以下、女子栄養大学)と、2023年9月26日に産学連携包括協力協定を締結いたしました。社員食堂をはじめ、保育園や高齢者施設での食事提供、放課後児童クラブの受託運営等「食と健康」に関わるサービスを多岐にわたって展開する当社と女子栄養大学の連携により、「食育」「持続可能で健康な食環境整備」等の情報提供や啓発活動を展開していくことを目指します。その第1弾として、当社グループで食事提供業務を受託運営する全国の店舗・施設において、食環境イニシアチブ(厚生労働省)の一環で適塩施策実施店舗認証を2023年度からスタートさせます。その認証にあたり、女子栄養大学の監修を受けることをはじめとして、適塩施策の取り組みへの監修・助言を受けていきます。
事業を通じて社会課題解決の実現をミッションとする当社グループでは、今後もSDGs経営を推進し、産学が一体となった取り組みを積極的に展開してまいります。
※1 PFI:「Private Finance Initiative」の略。地方公共団体が発注者となり、民間の資金と経営能力や技術力を活用し、公共施設等の設計、建設、改修、更新や維持管理・運営を行う公共事業の手法。
※2 HACCP:「Hazard Analysis and Critical Control Point(危害分析重要管理点)」の略。1960年代に、NASAが宇宙食の安全性を確保するために発案された衛生管理手法。2021年6月より食品を扱う全事業者に対して義務付けられる。
(健康経営への取り組み)
当社は、社内の健康経営を推進するべく、従業員の健康維持・増進を支える部署横断型の「健康経営推進プロジェクト」を設置しております。2023年3月には、「健康経営優良法人(大規模法人部門)」に3年連続で選定されました。
当社グループは、財産は「人」であると考え、性別、国籍、障がいの有無にかかわらず、異なる個性や能力を持った「人」が活躍できるダイバーシティ経営を推進しており、今後も「人」を重要視した経営を続けていくとともに、すべての従業員が働き甲斐があり、かつ安心して働ける環境整備に継続して努めてまいります。
(2)財政状態の分析
当第2四半期連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末に比べ2,127百万円増加し35,322百万円(前連結会計年度末比6.4%増)となりました。流動資産においては、2,616百万円増加し26,899百万円となりました。これは主に、受取手形及び売掛金が1,461百万円、現金及び預金が1,494百万円増加したことによります。固定資産においては、489百万円減少し8,422百万円となりました。これは主に、繰延税金資産が732百万円減少したことによります。
当第2四半期連結会計期間末における負債は、前連結会計年度末に比べ1,180百万円増加し22,150百万円(前連結会計年度末比5.6%増)となりました。流動負債においては、1,930百万円増加し20,569百万円となりました。これは主に、未払金が951百万円、その他に含まれる前受金が394百万円、未払費用が334百万円増加したことによります。固定負債においては、750百万円減少し1,580百万円となりました。これは主に、借入金の返済により長期借入金が750百万円減少したことによります。
当第2四半期連結会計期間末における純資産は、前連結会計年度末に比べ946百万円増加し13,172百万円(前連結会計年度末比7.7%増)となりました。これは主に、配当により資本剰余金が533百万円減少した一方で、親会社株主に帰属する四半期純利益1,336百万円を計上したことによります。
以上の結果、当第2四半期連結会計期間末における自己資本比率は、前連結会計年度末に比べ0.5ポイント増加し37.3%となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ1,494百万円増加し8,920百万円(前連結会計年度末比20.1%増)となりました。
当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、3,259百万円の資金増加(前年同四半期は2,190百万円の資金増加)となりました。これは主に、税金等調整前四半期純利益が2,335百万円、未払金の増加額1,035百万円が計上された一方で、売上債権の増加額が1,461百万円あったことによります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、468百万円の資金減少(前年同四半期は1,290百万円の資金増加)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出が331百万円あったことによります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、1,307百万円の資金減少(前年同四半期は4,374百万円の資金減少)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出が750百万円、配当金の支払額が545百万円あったことによります。
(4)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(5)経営方針・経営戦略等
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(6)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(7)研究開発活動
特記すべき事項はありません。
(1)業績の状況
当社グループを取り巻く事業環境は、少子高齢化社会が及ぼす人手不足等の社会課題の蓄積やコロナ禍を起因としたライフスタイルの変遷など、目まぐるしく変化していく社会情勢への適応力が一層求められる大きな変革期を迎えています。
このような環境の中、当社グループでは、2023年3月期より、新たな経営理念体系「ミッション(Mission)、ビジョン(Vision)、バリュー(Value)」を策定いたしました。そして、”未来の子供たちのために、より良い社会づくりの視点で、人々と共に「安心」「安全」「笑顔」の日々をつくる。”をミッションとして掲げ、2025年3月期を目標に更なる成長を見据えて策定した中期経営計画「Re-Growth 2025」の着実な遂行に、注力してまいりました。
当第2四半期連結累計期間の業績につきましては、受注契約の増加に加え、経済活動の正常化が一段と進む中、主要3事業における各種需要が回復するなど、売上高は引き続き堅調に推移し増収となりました。一方、利益面においては、主に原材料価格の高騰によるコスト上昇への対策に課題を残すなど、収益率の低下に伴い営業減益となりました。
当第2四半期連結累計期間における主な経営成績は次のとおりであります。 (単位:百万円)
前第2四半期 連結累計期間 | 当第2四半期 連結累計期間 | 前年同期比増減 | 前年同期比 | |
売上高 | 59,497 | 63,832 | 4,334 | 107.3% |
営業利益 | 2,383 | 2,268 | △114 | 95.2% |
経常利益 | 2,138 | 2,341 | 202 | 109.5% |
親会社株主に帰属する四半期純利益 | 1,905 | 1,336 | △568 | 70.1% |
セグメントの業績は、次のとおりであります。 (単位:百万円)
売上高 | 営業利益 | |||||
当第2四半期 連結累計期間 | 前年同期比増減 | 前年同期比 | 当第2四半期 連結累計期間 | 前年同期比増減 | 前年同期比 | |
フードサービス事業 | 27,300 | 1,342 | 105.2% | 928 | △193 | 82.7% |
車両運行サービス事業 | 12,185 | 566 | 104.9% | 1,193 | 54 | 104.8% |
社会サービス事業 | 22,875 | 2,252 | 110.9% | 1,293 | △60 | 95.5% |
その他 | 1,752 | 184 | 111.7% | 222 | 88 | 166.0% |
消去・全社費用 | △281 | △10 | - | △1,369 | △3 | - |
合計 | 63,832 | 4,334 | 107.3% | 2,268 | △114 | 95.2% |
(フードサービス事業)
大手同業他社との競争激化や慢性的な人員不足に加え、足元においては原材料価格の高騰が継続するなど、事業環境は依然として厳しい状況が続いております。
社員食堂を中心とするコントラクトフードサービス部門では、オフィス、工場セグメント店舗を中心に喫食数が回復に向かう一方で、リモートワーク等の新しい働き方を取り入れる契約先も多く、職場における食事提供についても新しいサービスに対する期待が高まってきております。このような中、様々な食事提供サービスや在宅勤務等の増加によって減少した食数に対応したローコストオペレーションモデルの提案活動に加え、増加傾向にあるイベントや宴会等の新規案件獲得に努めてまいりました。
病院・高齢者施設・保育給食を中心とするメディカルフードサービス部門では、新型コロナウィルス感染症の5類移行後、高齢者施設は回復傾向となりましたが、病院施設においては回復が鈍化するなど不透明な状況が続いており、材料費の抑制等コストコントロールの強化を図っております。また、保育給食においては、オイシックス・ラ・大地株式会社との協業モデルの構築に向け、ミールキットを活用したテストマーケティングを実施しております。
以上の結果、売上高は、既存店の回復が続き増収となりましたが、営業利益においては、難航している価格転嫁の進捗および労務コストの上昇による原価率の悪化が影響し、減益となりました。
(車両運行サービス事業)
民間法人においては、ノンコア業務をアウトソーシングする流れが継続しており、特に車両運行管理業務については、役員送迎車や社員送迎バス等がその対象となっております。また、地方自治体においては財政再建と地域活性化のため、新たな交通体系の整備や学校統廃合におけるスクールバス需要等のニーズが高まっております。その一方で、運転士不足が深刻化しつつあり、全国で路線バスの減便が拡大するなど運転士の確保と育成が大きな課題となっております。
このような環境のもと、役員車両部門及び一般車両部門においては、安定収益が見込める公共法人への営業活動として、需要が高まっているデマンドシステム及びスクールバスの提案に積極的に取り組んだほか、成果が表れているWebプロモーションによる販促やクロスセル営業を推進し、新規契約の獲得に向けた営業体制の強化を図ってまいりました。
旅客運送部門においては、地方自治体に対してデマンドバスを含めた地方交通体系の提案や、高速乗合バスの新規路線として、3路線目となる新規ルートとして千葉・津田沼と関西方面(大阪・滋賀)を結ぶ高速乗合バスを2023年8月より運行開始するなど、売上構造の安定化を図ってまいりました。
以上の結果、臨時便減少や燃料単価上昇の影響があったものの、期首からの増車に加え、運行時間の延長や休日運行の稼働等が順調に推移し、引き続き増収増益となりました。
(社会サービス事業)
政府が掲げる「地方創生」政策は、地方創生の推進に向けた施策に政府一丸となって取り組んでおり、地方自治体においては財政健全化と地域活性化のため、自治体が提供するサービスを民間に委託するニーズは高まっております。さらに、住民サービスの効率的な運用を目指した施設の統合が進められるとともに、少子高齢化による行政サービスのコストアップと人手不足が、行政サービスのアウトソーシング市場を確実に伸長させる要因となっております。
このような環境のもと、成長ドライバーとして特に力を入れている学童保育・児童館・子育て支援受託業務においては、多様化する子育てニーズに応えるべく、2023年8月より、トヨタ・コニック・プロ株式会社と連携し、トヨタ自動車が全国の小学校で実施してきた出張授業プログラム「未来モビリティプログラミング教室」を開催するなど、コンテンツ開発に注力してまいりました。また、全国の自治体からの受託数は前年同期比で258箇所増加し、大きく成長し続けております。
施設管理・図書館運営および学校給食受託業務においても、新たにPFIを活用した学校給食センターの運営を開始するなど、引き続き多くの自治体からの案件を受託するとともに、行政支援経験を活かしたサービスによる施設の安全性や利便性、図書館アプリの導入等による運営効率の向上を図ってまいりました。
以上の結果、運営施設数の増加が大きく寄与し、売上高は二桁成長を遂げ、好調に推移いたしました。なお、営業利益においては、減益となりましたが、上・下期の不均衡が一定程度解消する見込みであり、セグメント計画に変更はありません。
(ESGとSDGsへの取り組み)
当社グループは、環境(Environment)、社会(Social)、統治(Governance)のESGに関する様々なステークホルダーの要請に対応し、かつDX(Digital Transformation)を活かした経営改革・事業改革を実践するために、地球環境対応、労働と人権に配慮した働き方改革・お客様満足度向上・地域社会への貢献といった社会課題やガバナンスへの対応などを進めてきております。
2021年10月には取締役会に直属するSDGs委員会を設立し、経営理念、経営目標、経営戦略の達成のために事業活動を通してSDGsの達成に寄与することを目指しております。2022年5月のSDGs委員会において、SDGs経営方針を“『未来の子供たちのために、より良い社会づくりの視点で、人々と共に「安心」「安全」「笑顔」の日々をつくる。』というミッションのもと、社員エンゲージメントへの投資により生産性を高めてその成果を還元し、顧客・パートナー企業との協創でイノベーションを進め、社会価値と経済価値が好循環するCSV(Creating Shared Value:共通価値の創造)を目指します。”といたしました。また、2023年9月に開示した統合報告書においても、SDGs経営の推進を説明しております。
当社グループの事業は、社員が生み出す、安心、安全、そして笑顔などの「価値」をお客様や取引先様へ提供することで幸せを育む事業であり、ジェンダー平等や多様性に配慮した社員一人ひとりの可能性を育み、「人を育み、幸せを最大化する社会課題解決企業」として持続可能な社会づくりに貢献してきております。
当社グループは、事業活動を通じて競争優位性を確立し、事業基盤を強化するとともに、人や社会、環境、そして株主に広く還元をしてまいります。
(ESG/SDGsに関する主な活動事例)
当社グループで公共施設(観光施設や図書館)、学童保育、自治体施設・業務の受託運営等を行う社会サービス事業では、東京都国立市にPFI(※1)方式を活用して新設される学校給食センター「くにたち食育推進・給食ステーション」の受託運営を開始いたしました。2023年8月30日より1日約5,000食の学校給食の提供をしております。大量調理から食器洗浄に至るまで最新鋭の設備を導入し、HACCP(※2)に基づく「安心・安全」な衛生管理と作業工程を実施するほか、「食物アレルギー等対応室」(1日60食調理可)も設置。また地域の子どもたちや保護者様と共に食の学びを提案できる食育リーダーを配置するほか、調理場の様子がガラス越しに眺められる見学通路や展示スペースの設置等、食育機能を推進いたします。学校給食部門では、全国約230の自治体(2023年8月現在)で、給食センター方式、公立小中学校の自校式含め、計約600カ所の学校給食運営の受託実績があります。当センターにおいても、シダックスグループが60年以上にわたりフードサービス事業で蓄積してきた衛生管理ノウハウを活用し、「安心・安全」で、子どもたちが笑顔になる学校給食サービスに努めてまいります。
また、フードサービス、車両運行サービス、社会サービス等、事業を通じて社会課題解決を目指す総合サービス企業である当社は、学校法人 香川栄養学園 女子栄養大学(学長:香川 明夫、以下、女子栄養大学)と、2023年9月26日に産学連携包括協力協定を締結いたしました。社員食堂をはじめ、保育園や高齢者施設での食事提供、放課後児童クラブの受託運営等「食と健康」に関わるサービスを多岐にわたって展開する当社と女子栄養大学の連携により、「食育」「持続可能で健康な食環境整備」等の情報提供や啓発活動を展開していくことを目指します。その第1弾として、当社グループで食事提供業務を受託運営する全国の店舗・施設において、食環境イニシアチブ(厚生労働省)の一環で適塩施策実施店舗認証を2023年度からスタートさせます。その認証にあたり、女子栄養大学の監修を受けることをはじめとして、適塩施策の取り組みへの監修・助言を受けていきます。
事業を通じて社会課題解決の実現をミッションとする当社グループでは、今後もSDGs経営を推進し、産学が一体となった取り組みを積極的に展開してまいります。
※1 PFI:「Private Finance Initiative」の略。地方公共団体が発注者となり、民間の資金と経営能力や技術力を活用し、公共施設等の設計、建設、改修、更新や維持管理・運営を行う公共事業の手法。
※2 HACCP:「Hazard Analysis and Critical Control Point(危害分析重要管理点)」の略。1960年代に、NASAが宇宙食の安全性を確保するために発案された衛生管理手法。2021年6月より食品を扱う全事業者に対して義務付けられる。
(健康経営への取り組み)
当社は、社内の健康経営を推進するべく、従業員の健康維持・増進を支える部署横断型の「健康経営推進プロジェクト」を設置しております。2023年3月には、「健康経営優良法人(大規模法人部門)」に3年連続で選定されました。
当社グループは、財産は「人」であると考え、性別、国籍、障がいの有無にかかわらず、異なる個性や能力を持った「人」が活躍できるダイバーシティ経営を推進しており、今後も「人」を重要視した経営を続けていくとともに、すべての従業員が働き甲斐があり、かつ安心して働ける環境整備に継続して努めてまいります。
(2)財政状態の分析
当第2四半期連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末に比べ2,127百万円増加し35,322百万円(前連結会計年度末比6.4%増)となりました。流動資産においては、2,616百万円増加し26,899百万円となりました。これは主に、受取手形及び売掛金が1,461百万円、現金及び預金が1,494百万円増加したことによります。固定資産においては、489百万円減少し8,422百万円となりました。これは主に、繰延税金資産が732百万円減少したことによります。
当第2四半期連結会計期間末における負債は、前連結会計年度末に比べ1,180百万円増加し22,150百万円(前連結会計年度末比5.6%増)となりました。流動負債においては、1,930百万円増加し20,569百万円となりました。これは主に、未払金が951百万円、その他に含まれる前受金が394百万円、未払費用が334百万円増加したことによります。固定負債においては、750百万円減少し1,580百万円となりました。これは主に、借入金の返済により長期借入金が750百万円減少したことによります。
当第2四半期連結会計期間末における純資産は、前連結会計年度末に比べ946百万円増加し13,172百万円(前連結会計年度末比7.7%増)となりました。これは主に、配当により資本剰余金が533百万円減少した一方で、親会社株主に帰属する四半期純利益1,336百万円を計上したことによります。
以上の結果、当第2四半期連結会計期間末における自己資本比率は、前連結会計年度末に比べ0.5ポイント増加し37.3%となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ1,494百万円増加し8,920百万円(前連結会計年度末比20.1%増)となりました。
当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、3,259百万円の資金増加(前年同四半期は2,190百万円の資金増加)となりました。これは主に、税金等調整前四半期純利益が2,335百万円、未払金の増加額1,035百万円が計上された一方で、売上債権の増加額が1,461百万円あったことによります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、468百万円の資金減少(前年同四半期は1,290百万円の資金増加)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出が331百万円あったことによります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、1,307百万円の資金減少(前年同四半期は4,374百万円の資金減少)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出が750百万円、配当金の支払額が545百万円あったことによります。
(4)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(5)経営方針・経営戦略等
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(6)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(7)研究開発活動
特記すべき事項はありません。