有価証券報告書-第18期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)

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2019/06/27 14:10
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業績等の概要
(1)業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、企業収益や雇用環境の改善により緩やかな回復基調にあるものの、米国の政策運営や近隣諸国の地政学リスクの高まりなど、景気の先行きは不透明な状況が続いております。また、個人消費においても緩やかな回復傾向で推移いたしましたが、賃金の伸び悩みや社会保険料の負担増加など将来不安を背景とした消費者の節約志向は依然として強く、さらに人手不足とこれに伴う労務コストの上昇、加えて業種・業態の垣根を越えた競争の激化から、経営環境は引続き厳しい状況が続いております。当社グループは第1四半期において、連結子会社であるシダックス・コミュニティー㈱(以下「SC社」という)の持分81%及び当社が保有するSC社への債権を、㈱B&Vへ譲渡し、赤字セグメントに係る抜本的な事業ポートフォリオの変革を致しました。また、調達の多様性を得るべく第2四半期において、優先株式の発行を7月19日付にて2,500百万円、第4四半期において、第三者割当による自己株の処分を3月29日付にてスターフェスティバル㈱及びピーシーフェーズ㈱宛ての合計271百万円実施し、アライアンスによる事業の更なる補完と強化を行うとともに自己資本の強化を図りました。このような環境のもと、当社グループは、“フードサービスから公共サービスまで提供可能な水平垂直統合型の企業構造”で他社との差別化を図り、プレミアムブランド戦略による高品質・高付加価値のサービスを提供するとともに、より一層の「安心・安全」な管理体制の強化、グループ総合力を活かしたトータルアウトソーシングサービスによる積極的な営業拡大を行うとともに、時間外労働の削減、消耗品の見直し等に係る原価圧縮施策、本部コスト削減による間接費の圧縮に取り組んでまいりました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高につきましては、トータルアウトソーシング事業の売上は増収したものの、SC社事業譲渡による減収分をカバーするまでには至らず、加えて主に第2四半期において、台風や地震等の自然災害による減収要因もあり、128,278百万円(前連結会計年度比10.2%減)となりました。利益面につきましては、間接コストの圧縮が予想以上に進捗し、SC社事業譲渡並びに赤字店舗の閉鎖等による利益改善効果があったため、原価圧縮及び労務コスト削減が見込みを下回ったこと、SC社の譲渡に係る収益改善の目途が立ったことから、夏季賞与は不支給としたものの、役職員に対して1,423百万円の業績回復感謝金の支給をしたことによる一過性の労務コストが今期要因としてありましたが、業績予想を上回ることとなり、営業利益は1,739百万円(前連結会計年度比48.7%増)となりました。経常利益につきましては、SC社事業譲渡による利益改善効果及び持分法による投資損失等が減少したものの、営業損益による一時的な労務費計上の影響及びシンジケートローンのウェーブ(6月7日付財務制限条項の適用除外)及びアメンド(2月28日付財務制限条項の修正)費用等一過性の営業外費用の計上もあり、420百万円(前連結会計年度は1,387百万円の経常損失)となりました。また、親会社株主に帰属する当期純損失につきましては、第1四半期においてSC社事業譲渡による株式売却損4,334百万円を計上した一方で、SC社が連結納税グループから外れたことにより将来の課税所得がより多く見込めることから繰延税金資産を追加計上し、法人税等調整額を△2,091百万円(△は利益)計上したことにより、3,284百万円(前連結会計年度は、SC社において減損損失1,165百万円を計上したこと等により、1,396百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
なお、当連結会計年度の期首をみなし売却日として、当社の連結子会社であるSC社の持分の81%を譲渡し、SC社を連結の範囲から除外したことに伴い、当連結会計年度より「レストランカラオケ事業」を報告セグメントから除外しております。
(コントラクトフードサービス事業)
大手同業他社との競争激化に加え原材料価格の高騰など経営環境は依然として厳しい状況にあります。このような環境のもと、季節に合わせたフェアメニューを展開、1月は寒さも本番を迎え、しんしんと冷えるこの時期にぴったりな“あったか麺フェア”を展開。2月は全国調理師会考案メニューをフェアとして展開。中国の春節(旧正月)に合わせて中華料理「怪味ソースの油淋鶏」「中華加哩の黒酢酢豚」の2品を提供。大変ご好評を頂きました。また、3月は東日本大震災から8年が経過し、記憶の風化を防ぐ事と復興に向けたエールを送る為、「東北応援フェア」を開催。「宮城フカカツごま味噌だれ」と「岩手菜彩鶏のW親子丼」を提供致しました。そうしたフェアメニューの展開と合わせてテイクアウト、ビュッフェスタイルの導入による売上向上策を実施するとともに、コスト管理の徹底、既存店舗の解約防止、赤字店舗の10店舗撤退並びに損益改善などによって既存店舗の活性化と収益力の強化及び新規34店舗の新設に取り組んでまいりました。また、多様化するお客様のニーズを的確に捉え、グループ総合力を活かしたソリューションサービスの提案を行い、営業開発とも連動して新規案件の獲得を強化し事業拡大と経営効率の改善に努めてまいりましたが、売上は前年比減少、さらに労務費及び原材料費のコストアップの影響がございました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は26,689百万円(前連結会計年度比3.1%減)、セグメント利益は993百万円(前連結会計年度比20.7%減)となりました。
(メディカルフードサービス事業)
大手同業他社との競争激化に加え原材料価格の高騰など経営環境は依然として厳しい状況にあります。このような環境のもと、1月に“新春”をテーマにした「紅白ケーキ」「カラフル白玉団子」、2月には“チョコ”をテーマにした「チョコレートタルト」「米粉ココアカップケーキ」、3月には“もも”をテーマにした「白桃カスタードロール」「米粉のピーチタルト」など季節のスイーツを展開、また、様々な食育イベントを実施するなど、高品質なサービスの提供を行うとともに、セントラルキッチンを活用した「やわらかマザーフード」や、季節の彩り溢れる食材を重箱へ盛り付けし、高級感をアップした「御膳シリーズ」の商品提供を行うなど、お客様満足度の向上に努めてまいりました。一方で院外調理品の充実、既存店舗の解約防止、赤字店舗の5店舗撤退並びに運営改善強化などによって既存店舗の活性化と収益性の向上及び新規35店舗の新設に取り組んでまいりました。また、お客様の潜在的なニーズを的確に捉え、グループ総合力を活かしたソリューションサービスの提案を行い、営業開発とも連動して新規案件の獲得を強化し事業拡大に努めるとともに、収益力の強化と経営効率の改善を進め、売上は前年並みを確保したものの、人手不足による募集費と労務費のコストアップと原材料費高騰の影響を吸収するには至りませんでした。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は32,155百万円(前連結会計年度比0.3%増)、セグメント利益は974百万円(前連結会計年度比24.0%減)となりました。
(トータルアウトソーシング事業)
政府が掲げる「地方創生」政策のもと、地方自治体においては財政再建と地域活性化へのニーズが高まっており、自治体が提供するサービスを民間に委託する流れが続いております。また、コンパクトタウン・スモールタウン化構想のもと、住民サービスの効率的な運用を目指した施設の統合や交通体系の整備が進められております。さらには少子高齢化が行政サービスのコストアップ、人手不足を招き、行政サービスのアウトソーシング市場は確実に伸長しております。また、我が国の経済指標は低めではありますが好調を継続しております。しかしながら、好況が見込まれるのは東京五輪開催の2020年までとの認識がある中、国際情勢についてはなお不安定要素があり、各企業は競争力強化のため、なお一層のコスト削減が迫られている状況にあります。
このような環境のもと、車両運行管理事業においては、現場でサービスにあたる社員の教育を更に強化し、より良いサービスを実現するための適正価格受託に努めてまいりました。また、既存顧客の掘起しを中心に事業拡大を図り、黒塗役員車の他、スクールバスやインバウンド需要に対応した貸切運送等の運行業務を受託するとともに、コスト管理を徹底し収益確保に努めてまいりました。今期の新規獲得台数は198台となりましたが、ユーザーによる経費削減等の理由による契約終了も201台となっており、厳しい環境下ながら、前年並みの数値を維持致しました。また、社会サービス事業においては、特に力を入れている学童保育・児童館・子育て支援受託業務において、全国の自治体から新規案件を受託し、事業拡大を実現いたしました。また、既存の施設管理および学校給食受託業務等におきましても、堅調に推移をしております。当連結会計年度の社会サービス事業全体では、小規模の案件も含め282件を新規獲得し、期中終了は28件となった為、新規案件が売上および利益貢献をする中、既存契約においてもコスト管理の徹底による収益確保に努めてまいりました。一方でインバウンドバスの運行や道の駅等の観光施設受託事業については、昨夏の豪雨や台風、北海道胆振東部地震による集客減の影響を受けることとなりました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は45,821百万円(前連結会計年度比7.5%増)、セグメント利益は2,764百万円(前連結会計年度比15.4%減)となりました。
(コンビニエンス中食事業)
同業他社・大手コンビニエンスストアとの新規案件競争の激化や、商圏内への競合出店、店舗での人員不足など厳しい環境ではありますが、お客様の生活ニーズに応じた利便性向上・満足度向上の実現に向け、運営力の改革・オリジナリティ強化に取り組んでまいりました。
新規営業活動においては、クライアントニーズに柔軟に対応するべく、大手コンビニFC、中堅コンビニモデル、小規模独自売店と3モデルによる営業展開を軸に、地域別に支店長による営業先訪問を強化し、進捗管理を行ってまいりました。また、事業拡大の観点と事業の親和性・相乗効果から判断し、㈱ミツウロコプロビジョンズから2019年3月31日付でショップ事業約50店舗を譲り受けました。
商品・サービス面においては、恵方巻予約販売強化、防寒グッズなどの季節商品の販売の他に、「メゾンカイザーチョコ」「みちのく春先取りお菓子フェア」など、食品・非食品の催事を短期サイクルで実施し、便利・楽しい・発見がある売り場作りに取り組み売上につなげるとともに、高値入商品の仕入・販売を強化し利益確保に努めました。
運営面では、労務費・残業時間の適正化、商品発注精度向上によるチャンスロス削減と廃棄の適正化、経費の見える化によるコスト削減など、既存店改善に努めたほか、赤字店閉鎖による利益改善を進めてまいりましたが、人手不足要因による募集費を含めた労務費の高騰を吸収するまでには至りませんでした。店舗数は、当連結会計年度で新規に5店舗を出店、6店舗を閉鎖し、今期累計で出店11店、閉鎖17店、計356店となりました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は13,238百万円(前連結会計年度比6.3%減)、セグメント利益は147百万円(前連結会計年度比48.7%減)となりました。
(エスロジックス事業)
当社グループのスケールメリットを最大限に活かし、安全性・信頼性の高い商品を徹底した衛生管理体制で一括発注・配送を展開してまいりました。また、一元物流システムをより合理的に活用できるよう、標準メニュー導入の促進、調達コスト上昇の抑制、物流費の値上げ抑制などに努めるとともに、同業他社とのアライアンスによる共同購買機構によって、スケールメリットを最大限に活用し、収益性の向上にも努めてまいりました。また、健康効果が期待される食事メニューの開発、トレーサビリティ、アレルゲン関連など、付加価値の向上にも努め「安心・安全」な食材の供給を行い、グループ外への食材・消耗品等の更なる販売強化により、外部売上の増加を図り外部売上比率を前連結会計年度比で、85%増加させることが出来ました。
以上の結果、当連結会計年度の内部売上高を含めた売上高は32,995百万円(前連結会計年度比11.8%減)、セグメント利益は2,331百万円(前連結会計年度比12.3%減)となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ1,943百万円減少し7,011百万円(前連結会計年度末比21.7%減)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、885百万円の資金減少(前連結会計年度は3,897百万円の資金増加)となりました。これは主に、税金等調整前当期純損失が4,700百万円計上されたほか、賞与引当金の増加額が629百万円、関係会社株式等売却損が4,334百万円あった一方、法人税等の支払額が869百万円あったことによります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、3,182百万円の資金増加(前連結会計年度は13,912百万円の資金増加)となりました。これは主に、貸付けによる支出が1,018百万円あった一方、連結範囲の変更を伴う子会社株式等の売却による収入が4,672百万円、過年度子会社株式売却代金の回収による収入が564百万円あったことによります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、4,274百万円の資金減少(前連結会計年度は16,524百万円の資金減少)となりました。これは主に、株式の発行による収入が2,467百万円、長期借入による収入が2,488百万円あった一方、短期借入金の純減額が169百万円、長期借入金の返済による支出が8,216百万円並びに配当金の支払額が584百万円あったことによります。
生産、受注及び販売の実績
当社グループの事業は、企業、官公庁、学校等の食堂の給食及び管理業務の受託運営を行うコントラクトフードサービス事業、病院入院患者を対象とした給食、病院内職員食堂及び老人保健施設等の給食の受託運営を行うメディカルフードサービス事業、民間企業や地方自治体への車両運行管理や施設管理及び運営など、食を含めた業務の一括アウトソーシング受託を行うトータルアウトソーシング事業、病院、企業、官公庁、大学及びオフィスビル等において、食料品、飲料、日用品及び医療衛生用品等を販売する施設内売店の受託運営を行うコンビニエンス中食事業、事業所給食事業、外食産業に利用する食材、消耗品を当社グループ及び得意先等へ販売を行う他、厨房設備の設計、販売を行うエスロジックス事業であり、受注・生産活動は行っていないため、生産の状況及び受注の実績は記載しておりません。
なお、当連結会計年度の期首をみなし売却日として、当社の連結子会社であるSC社の持分の81%を譲渡し、SC社を連結の範囲から除外したことに伴い、当連結会計年度よりレストランカラオケ事業を報告セグメントから除外しております。
販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2018年4月1日
至 2019年3月31日)
前年同期比(%)
コントラクトフードサービス事業(百万円)26,689△3.1
メディカルフードサービス事業(百万円)32,1550.3
トータルアウトソーシング事業(百万円)45,8217.5
コンビニエンス中食事業(百万円)13,238△6.3
エスロジックス事業(百万円)4,929△11.8
報告セグメント計(百万円)122,834△10.1
その他(百万円)5,443△12.4
合計(百万円)128,278△10.2

(注)1 セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりまして、当連結会計年度末における資産、負債の金額、及び当連結会計年度における収益、費用の金額に影響を与える重要な会計方針及び各種引当金等の見積り方法(計上基準)につきましては「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。
(2)当連結会計年度の財政状態の分析
当社グループの当連結会計年度末における財政状態は、総資産38,967百万円(前連結会計年度末比19.1%減)、負債33,964百万円(前連結会計年度末比21.1%減)、純資産5,003百万円(前連結会計年度末比0.7%減)となりました。また、自己資本比率につきましては、前連結会計年度末に比べ2.1ポイント改善し12.3%となっております。
① 資産の部
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ9,175百万円減少し38,967百万円(前連結会計年度末比19.1%減)となりました。
流動資産においては、1,778百万円減少し24,410百万円となりました。これは主に、SC社が連結子会社から除外されたことによる影響があったほか、現金及び預金が1,943百万円及びその他に含まれている未収入金が616百万円減少したことによります。
固定資産においては7,397百万円減少し14,556百万円となりました。これは主に、SC社が連結子会社から除外されたこと等により有形固定資産が4,228百万円、SC社の持分譲渡に合わせてSC社の持分法適用会社であったシダックストラベラーズコミュニティー㈱に対する債権を譲渡したこと等により投資その他の資産が3,012百万円減少したことによります。
② 負債の部
当連結会計年度末における負債は、前連結会計年度末に比べ9,138百万円減少し33,964百万円(前連結会計年度末比21.1%減)となりました。
流動負債においては、2,092百万円減少し25,791百万円となりました。これは主に、SC社が連結子会社から除外されたことによる影響があったほか、1年内返済予定の長期借入金が1,283百万円及び1年内返済予定のリース債務が790百万円減少したことによります。
固定負債においては、7,045百万円減少し8,172百万円となりました。これは主に、SC社が連結子会社から除外されたことによる影響があったほか、長期借入金が4,433百万円、資産除去債務が1,733百万円減少したことによります。
③ 純資産の部
当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べ37百万円減少し5,003百万円(前連結会計年度末比0.7%減)となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純損失3,284百万円の計上と剰余金の配当が584百万円、SC社の連結除外による利益剰余金の増加額652百万円の計上があったほか、資本剰余金が2,690百万円、非支配株主持分が212百万円、自己株式の処分により自己株式が368百万円増加した一方、新株予約権が143百万円減少したことによります。
(3)当連結会計年度の経営成績の分析
当社グループの当連結会計年度の経営成績は、売上高128,278百万円(前連結会計年度比10.2%減)、営業利益1,739百万円(前連結会計年度比48.7%増)、経常利益420百万円(前連結会計年度は1,387百万円の経常損失)、親会社株主に帰属する当期純損失3,284百万円(前連結会計年度は1,396百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
① 売上高
売上高につきましては、前連結会計年度に比べ14,612百万円減少し128,278百万円となりました。これは主に、トータルアウトソーシング事業において、現在特に力を入れております学童保育・児童館受託事業並びに全国の自治体から多くの案件を受託している社会サービス事業が概ね堅調に推移したことにより売上高が3,140百万円増加した一方当連結会計年度の期首をみなし売却日として、当社の連結子会社であるシダックス・コミュニティー㈱(以下「SC社」という)の持分の81%を譲渡し、SC社を連結の範囲から除外したことに伴い、当連結会計年度より「レストランカラオケ事業」を報告セグメントから除外したことによる減収要因があったこと等によります。
② 売上総利益及び営業利益
売上総利益につきましては、前連結会計年度に比べ838百万円減少し16,955百万円となりました。営業利益につきましては、前連結会計年度に比べ569百万円増加し1,739百万円となりました。これは主に、SC社事業譲渡並びに赤字店舗の閉鎖等による利益改善効果があったことに加え、間接コストの圧縮が予想以上に推移したことによります。
③ 営業外損益
営業外収益につきましては、前連結会計年度に比べ187百万円減少し512百万円となりました。これは主に、受取利息が144百万円減少したことによります。営業外費用につきましては、前連結会計年度に比べ1,425百万円減少し1,831百万円となりました。これは主に、当連結会計年度の期首をみなし売却日としてSC社の持分の一部を譲渡したことに伴い、シダックストラベラーズコミュニティー㈱が持分法適用関連会社から除外されたことに等により持分法による投資損失が1,738百万円減少したことによります。
④ 特別損益
特別利益につきましては、前連結会計年度に比べ3,444百万円減少し139百万円となりました。これは主に、固定資産売却益が2,691百万円減少したこと及び前連結会計年度において関連会社株式売却益を488百万円計上したことによります。特別損失につきましては、前連結会計年度に比べ2,916百万円増加し5,260百万円となりました。これは主に、関係会社株式等売却損4,334百万円を計上したこと及び減損損失が1,931百万円減少したことによります。
⑤ 親会社株主に帰属する当期純損失
親会社株主に帰属する当期純損失につきましては、前連結会計年度に比べ1,887百万円増加し3,284百万円の純損失となりました。これは主に、税金等調整前当期純損失が4,552百万円増加したこと及び法人税等調整額が2,496百万円減少したことによります。
(4)経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループのトータルアウトソーシング事業は、車両運行管理業務を受託しており、原油価格の高騰等によりガソリン、軽油等の仕入単価が上昇した場合、基本的にはコスト増加相当分をお客様に転嫁させていただくよう努めておりますが、それができない場合には当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループのエスロジックス事業は、コントラクトフードサービス事業、メディカルフードサービス事業等への食材一元物流事業を行っております。当該事業では、食材の「安心・安全」を追求し、地球環境へ配慮した物流体制を構築し、その上で食材価格や物量の安定調達を計画実行しておりますが、調達食材が市況・為替相場・自然災害等で需給バランスが崩れ品質や価格が変化した場合には、調達コストが上昇し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
その他、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
(5)経営戦略の現状と見通し
当社グループの経営戦略の現状と見通しにつきましては「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
(6)資本の財源及び資金の流動性についての分析
①キャッシュ・フロー
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの分析につきましては「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
②資金需要
当社グループの運転資金需要は主に大きく分けて運転資金需要と設備資金需要の二つがあります。
運転資金需要のうち主なものは、食材の購入費用や現場で従事する従業員に対する労務費のほか、経費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。また、設備資金需要としましては、主に新規現場に対する設備投資等によるものであります。
③財務政策
当社グループは、運転資金及び設備資金につきましては、内部資金または借入により資金調達することとしております。このうち、借入による資金調達に関しましては未行使の借入枠を利用した短期借入金及び固定金利の長期借入金で調達しております。なお、2020年3月期におきましては「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な後発事象)」に記載のとおり、資金調達方法を多様化しより高い水準の財務基盤を確保する目的で、第三者割当による優先株式の発行による資金調達を予定しております。
(7)経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、事業活動を通じて健全・健康な社会を実現し、様々な社会問題を解決する企業「ソーシャル・ウェルネス・カンパニー」として、お客様の満足度を最大化することに日々努めております。
その実現のために持株会社である当社においては、各事業子会社を含めたグループ全体の経営戦略を策定し、資産効率と収益性の向上を追求しております。よって、当社は総資産経常利益率の向上及び財務の安定性、企業としての健全性、資金調達手段の多様化などを踏まえた自己資本利益率の向上を経営目標として掲げております。
当連結会計年度における総資産経常利益率は1.0%(前年同期比3.4ポイント改善)となり、自己資本利益率は△67.8%(前年同期比45.1ポイント下落)となりました。引き続きこれらの指標について、改善されるよう取り組んでまいります。
(8)経営者の問題認識と今後の方針について
当社グループの経営陣は、現在の事業環境及び入手可能な情報に基づき、長期、中期、短期の経営方針を策定し、常にその実行状況の検証をするよう努めております。しかしながら、当社グループを取り巻く経営環境は、同業他社との競争激化に加え、将来への不安を背景とする消費者の低価格・節約志向の継続と併せ、引続き厳しい状況で推移することが予想されます。
当社グループといたしましては、水平垂直統合型グループ構造をより一層強化していくとともに、グループ総合力を活かした高品質・高付加価値なサービスを提供し、安定的な収益を確保できる経営基盤の強化を引き続き進めてまいります。
(9)事業等のリスクに記載した重要事象等を解消するための対応策
当社グループは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な後発事象)」に記載のとおり、ユニゾン・キャピタル4号投資事業有限責任組合及びUnison Capital Partners Ⅳ(F), L.P.(総称して、以下、「割当予定先」といいます。)との間で2019年5月17日付で資本業務提携契約の締結をいたしました。また、同契約に基づき第三者割当の方法により、割当予定先に対して総額40億円のB種優先株式及び総額25億円のC種優先株式を発行すること、並びに2019年7月11日開催予定の臨時株主総会に本優先株式の発行に係る議案を付議することを2019年5月17日開催の取締役会において決議いたしました。
本資本業務提携契約において、優先株式の割当によって自己資本が充実され、財務的基盤が強化されるのと同時に、当社と割当予定先は、当社グループのガバナンスを強化し、当社グループの経営改革・事業成長プランの企画実行及びモニタリングを徹底的に実施していくことにより収益力の更なる強化及び経営基盤の強化を図ることが可能となります。ここで、当社及び割当予定先は具体的に以下の内容の協力を進めていくことを合意しております
①営業開発
事業分野が多岐に渡る中で、お客様への提案の質と提供価値の向上及びそれを通じた利益率の改善を図るべく、サービス業において数多くの投資先企業で経営支援を行った実績及び当社グループの事業領域での経験と知見を持つ人材を有するユニゾンのノウハウを活用しつつ、お客様の課題とニーズに対応したベストな提案をする等による営業力の向上及び営業開発部門と事業毎の専門性を有する運営部門との連携を組織的に強化して参ります。また、部門間でのクロスセル活動を強化し、総合サービス企業である当社グループの強みをこれまで以上に追求して参ります。
②ITシステム整備と業務効率化
現在当社グループ各社で一部個別に運用している又は機能が重複しているITシステムについて、必要な投資を行い、改廃・統合とインフラ移行を行うことにより、IT関連コストの削減を進めて参ります。また、システムの抜本的な整理を通じた管理業務効率化と攻めの時間創出を同時に進めて参ります。
③フードサービス事業
当社グループの中核事業の一つとしてフードサービス事業の立て直しを図ります。当社グループの強みと市場環境変化を踏まえて注力分野を明確にした上で、高品質な運営を全国どこでも可能とする人財の育成・組織力の底上げを追求いたします。事業基盤の強化と併せて、既存の赤字・不採算契約の収益性改善若しくは撤退、並びに適切な収益性が確保可能な新規契約の獲得を進めて参ります。
④トータルアウトソーシング事業
市場が拡大しており、当社グループが強みを有する学童保育・学校給食運営受託等の自治体向けアウトソーシング事業に一層の経営資源を投下して参ります。また、今後も様々な分野でアウトソーシングサービスの受託獲得の可能性があると考えており、当社グループの幅広い業務でのコンタクトポイントを活用し、新規分野でのビジネス獲得を進めて参ります。車両運行管理業務においては、非稼働のバス車両の稼働率向上を通じて、収益の底上げを図って参ります。
⑤非中核事業、不採算事業
現状事業規模が小さく赤字事業も含まれる、いくつかの非中核事業については、将来の当社グループの中核事業発掘のためのR&Dという位置付けとし、事業毎の検証テーマと時間軸、検証予算を明確にした上で、規律を持った運営を行って参ります。
これら諸施策の実施により、『継続企業の前提に関する開示について(監査・保証実務委員会報告第74号)』に記載されている重要な事象又は状況あるいは当社の経営に重要な影響を及ぼす事象に関して、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断しております。