有価証券報告書-第38期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度(2019年4月1日から2020年3月31日まで。以下、「当期」という。)におけるわが国経済は、第3四半期までは、米中貿易摩擦による世界経済の減速で輸出が低迷したものの、企業収益や雇用・所得環境の改善が続き、個人消費や設備投資などの内需は底堅く推移しました。しかしながら、第4四半期に入り、新型コロナウイルスの世界規模での感染拡大により、経済情勢が急速に悪化しました。
このような状況のもと、当社グループは、2024年3月期に連結売上高1,010億円、営業利益152億円、営業利益率15%、ROE25%の達成を目標とする新中期経営計画を遂行しております。この目標の達成に向けて、「データ経営」(*1)を経営の大方針とし、営業強化、自社商材・自社サービスの拡充、成長分野への集中投資、既存事業のスクラップアンドビルドを行うとともに、米国での投資育成事業であるIoTビジネスと暗号化セキュリティ事業を通じて海外事業への積極展開を推進しました。
ソリューションデザイン事業は、引き続き大きな成長が見込まれる、車載、ネットビジネス、IoT、ロボット/AI、業務システムの分野の拡大に注力し、ニアショア開発・オフショア開発の一層の活用による更なる受注拡大と収益性の向上に取り組みました。
フレームワークデザイン事業は、基幹システムの刷新に伴う開発や業務自動化ソリューションに伴うライセンス販売、導入支援、開発支援など今後拡大の見込まれる収益性の高い案件への積極的な展開を行いました。
ITサービス事業は、企業の新たなIT投資の恩恵を受け、業務範囲が大幅に拡大する中、より顧客のビジネスの成長に直結した高付加価値サービスの提供にシフトすることで、事業の拡大と収益性の向上に繋げております。
ソリューション営業部門は、引き続き好調なシステムインテグレーション事業に注力するとともに、各本部と連携しサービスメニューと自社商材の拡充を図り、システム設計から開発・構築・保守運用に至るまでのオールシステナでのワンストップサービスの提供を強化しました。
ストック型ビジネスの推進を担う新企隊本部は、自社商材『Canbus.\キャンバスドット』、『Cloudstep』の機能拡張、Webマーケティングによる販売促進を積極的に展開する一方で、IoT、セキュリティ、ブロックチェーンをキーワードとした商材開発と当社子会社や米国ベンチャー企業との協業を推進して、グローバルでの販売に取り組みました。
以上の結果、当期の連結業績は、売上高64,552百万円(前期比8.1%増)、営業利益8,163百万円(同18.3%増)、経常利益7,871百万円(同17.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益5,471百万円(同19.3%増)となりました。
なお、各事業におきまして、新型コロナウイルス感染症の当期における影響は軽微でした。
(*1)データ経営とは、顧客ニーズの早期把握と事業のより効果的なスクラップアンドビルドを迅速に行うために、精度の高い原価管理とリアルな損益を早期掌握し、経営判断に活用すること。これを実現するには日々の事業活動で発生する膨大なデータに基づく統計的な思慮による経営が必要であり、当社では自社開発したCanbus.プラットフォームで構築したIT経営システムを使ってデータ経営を実現します。
■新型コロナウイルス感染症への対応状況や事業活動への影響について
当社では、今回の新型コロナウイルス感染拡大の問題が取りざたされ始めた2月から、「感染防止」および最悪の事態を想定した「事業継続」の施策を進めてまいりました。
本社他、各事業拠点では、社内の全ての居室入口に手指消毒用のアルコール除菌液を設置、マスクの着用も推奨し、感染予防に努めてまいりました。
特に人が一定数以上集まる場においては、会社からマスクの配布を行うと共に出来る限り人と人との距離を置き、接触や発声による感染の防止に注力いたしました。
産業医と社内常駐の保健師からの指導に基づき、毎日の検温などの健康管理に関しても社員に対し継続的に指示し、体調不良者については初期段階から出勤を停止して社内でのクラスター発生防止のための徹底した措置を行っております。(6月24日現在、当社内で新型コロナウイルス感染者は確認されておりません。)
併せて、テレワーク実施のため、ノートPC等ハードウェアの調達、社内システムへのリモートアクセスツールやWeb会議システムの導入も進め、在宅勤務可能な社員は順次、テレワークに移行しております。
また、国の施策や要請に応じた柔軟な勤務体系を実現すべく、各種社内規程の改定を行い、社員の勤務時間の自由度を向上させております。
さらに、業務の作業場所の分散による情報セキュリティのリスクを軽減するため、社員教育の強化およびテレワーク環境構築のガイドラインとルールの明確化を行っております。
4月中旬からは病院と提携して社員の専用オンライン診療を実現し、感染者を出さないための施策のみならず、万一の場合に早期発見、早期対応ができる仕組み作りを整備しております。
これら施策により、現在、当社では通常時と同等の業務の継続が可能となっております。
セグメント別の業績は、次のとおりであります。各セグメントの売上高にはセグメント間の内部売上高または振替高を含めております。
なお、当連結会計年度において経営管理区分を見直し、「コンシューマサービス事業」の名称を廃止し、こちらに属していた株式会社GaYaの事業を「投資育成事業」に、それ以外の事業を「ソリューションデザイン事業」に区分変更しております。
前期比較については、前期の数値を変更後のセグメント区分に組替えた数値で比較しております。
a.ソリューションデザイン事業
ソリューションデザイン事業は、「車載」、「社会インフラ」、「ネットビジネス」、「スマートデバイス/ロボット/AI」および「業務システム」の5つのカテゴリーに区分しており、当事業の売上高は22,914百万円(前期比7.9%増)、営業利益は4,059百万円(同10.7%増)となりました。
(車載)
自動運転、車載インフォテインメント、テレマティクス(*2)およびECU(電子制御ユニット)の開発といった車載分野では、得意とする車載インフォテインメント関連は順調に推移したほか、車載事業の経験と通信事業の経験を駆使した技術力が競合他社との差別化となりモビリティサービス関連での受注を獲得しております。
当分野は長期的な重点注力分野として、自動車開発において重要なISO26262(*3)の取得、MONETコンソーシアム(*4)への参加を通じてモビリティ分野での更なる存在価値の向上を目指してまいります。
(*2)テレマティクス(Telematics)とは、テレコミュニケーション(Telecommunication)とインフォマティクス(Informatics)から作られた造語で、自動車などの移動体に携帯電話などの移動体通信システムを利用してサービスを提供することの総称。
(*3)ISO26262とは、自動車の電気/電子に関する機能安全についての国際規格のこと。
(*4)MONETコンソーシアムとは、次世代モビリティサービスの推進と移動における社会課題の解決や新たな価値創造を目的にソフトバンク株式会社とトヨタ自動車株式会社の共同出資会社であるMONET Technologies株式会社が設立したコンソーシアムのこと。
(社会インフラ)
電力、交通、航空、宇宙、防衛、通信など、生活を支えるシステムに関わる分野では、引き続き5G通信のインフラ整備に関わる業務で売上を大きく伸ばしました。また、IoT機器を活用したスマート駐車場やスマートガス、シェアリングサービスなど収益性の高い分野で売上が増加しております。引き続き5G通信のインフラと収益性の高いインフラサービスの分野へ注力してまいります。
(ネットビジネス)
通信キャリア、eコマース、教育など、ネットビジネスに関わる分野では、通信キャリアでの5Gに向けたサービスの改修や、eコマースに関わるキャッシュレス決済、個人データの利活用に関連するシステム開発、検証で堅調に推移しております。
(スマートデバイス/ロボット/AI)
スマートフォン、家電、ロボットなど、プロダクト開発に関わる分野では、スマートフォンの開発業務は「ロボット・情報家電」、「人工知能(AI)」、「IoT関連機器」へのシフト、品質検証業務は収益性の高いネットビジネス、社会インフラへのシフトを推進しております。特に、「ロボット・情報家電」に関わる分野では、得意とするコミュニケーションロボットの開発・検証に加え、省人力化に向けた業務用途のロボットなどの新たな分野で受注を拡大しております。
(業務システム)
業務システムの分野は、デジタルトランスフォーメーション(DX:ITの浸透により生活やビジネスなどあらゆる面が向上するという概念)の実現に向けて需要が増加する中、ベトナムオフショア活用の拡大、OSS(Open Source Software)のサービスメニュー拡張によって短納期・低コストのサービスを提供し、顧客課題を柔軟に解決することで売上を伸ばしました。
b.フレームワークデザイン事業
当事業は、既存顧客を中心とした金融分野と、業務自動化ソリューション(RPA)を中心とした新規サービス分野にカテゴライズし、双方の顧客ニーズを捉えて受注拡大に繋げております。
既存金融分野は、大型保険システム開発がピークから収束期に入るも新規の金融、保険、基盤、業務システム開発の受注も進み堅調に推移しました。
新規サービス分野では、RPAツールのライセンス販売、関連するプロダクトツールの販売、それに伴う開発支援、導入支援が順調に拡大しました。
これらの結果、当事業の売上高は5,771百万円(前期比9.0%増)、営業利益は1,057百万円(同25.7%増)となりました。
c.ITサービス事業
あらゆるものがインターネットにつながりITが新たな価値を生み出す潮流が加速する中、「業務改革」、「スマートデバイスの活用」といった企業が抱えるクリティカルな問題の解決は、ITなくしては実現できず、企業の新たなIT投資は伸長傾向にあります。
このような市場環境のもと、ITシステムの運用・保守、ユーザーサポートを主な業務とする当事業は、人材動員力を強みとした「ヘルプデスク」、「システムオペレーター」などの従来の派遣型サービスから、「ITサポート」、「ITインフラ構築」、「LABO」といった請負型業務へのシフトに加え、顧客のプロフィット部門を中心に戦略的IT活用を支援する「PMO」に注力した結果、高付加価値案件の受注が拡大しました。
また、働き方改革に対応した「AI関連サービス」、「RPA」の導入支援、「ITトレーニング」をはじめ、情報セキュリティに対するリスクマネジメントとしての「セキュリティ環境導入支援・ヒューマンウェア対策・教育」やWindows7のサポート終了を見据えた「Windows10移行」を営業フックに新規顧客を開拓しました。
さらに、事業拡大に不可欠な人材の拡充に関しても、採用手法の多様化や研修教育制度の充実化により順調に推移しました。
これらの結果、当事業の売上高は8,650百万円(前期比10.5%増)、営業利益は1,264百万円(同18.4%増)となりました。
d.ソリューション営業
IT関連商品の法人向け販売および外資・中堅企業向けを中心としたシステムインテグレーションを主な業務とする当事業は、「ITを活用した生産性の向上」と「働き方改革」をキーワードに、モバイル、セキュリティ、クラウドを軸とした需要を喚起するソリューションの構築、そして部門間連携の強化に取り組みました。
具体的には、モバイルPC+クラウドソリューションサービスの提案およびクラウドとオンプレミスサーバーによるハイブリッド環境のサービス強化を推進しました。
こうした中、Windows7搭載機の更新需要や働き方改革関連法の施行などに伴う市場の需要を捉え、PCの販売、およびWeb会議システムに付随する関連製品販売は高い伸びとなりました。
更には開発を含むシステムの一括案件など多くのサーバーソリューションを獲得したことにより、計画を上回ることができました。
これらの結果、当事業の売上高は25,887百万円(前期比7.7%増)、営業利益は1,622百万円(同40.4%増)となりました。
e.クラウド事業
企業等にクラウドソリューションや自社開発商品を提供する当事業は、働き方改革などDXを推進する大手企業から、DXを実現するビジネスアプリプラットフォーム『Canbus.\キャンバスドット(*5)』の引き合いを多くいただき、受注が堅調に推移する中、特に、データドリブンな業務にシフトしようとする企業からはライセンスの販売だけでなく、業務系システムのリプレースやシステム連携などインテグレーションを数多く受注しました。今後も注力商材として積極投資と営業強化を推進してまいります。
また、「G Suite」や「Microsoft Office 365」と連携するグループウェア『Cloudstep(*5)』においても、当社の強みの一つであるシステムインテグレーションが求められる大型案件において、競合他社との差別化に成功し受注に至っております。
当期年度末においては新型コロナウイルス感染症によるテレワーク環境を整備するにあたりPoCを実施していた企業の「Canbus.」、「G Suite」、「Cloudstep」の受注が発生しました。
これらの結果、当事業の売上高は1,404百万円(前期比24.4%増)、営業利益は209百万円(同5.8%増)となりました。
(*5)『Canbus.\キャンバスドット』、『Cloudstep』は、システナの自社開発商品です。
f.海外事業
米国子会社は、大手製造業既存顧客からの継続受注をベースに新規IoT案件受注も増加し、昨年9月から単月営業黒字が定着しております。
また、同社の投資先であるONE Tech社は、ルネサスエレクトロニクス株式会社の子会社Integrated Device Technology,Inc.や在米日系製造業から数多くのIoT案件を受注しました。引き続き米国をはじめとするグローバルでのIoT案件受注についてはONE Tech社と連携してまいります。
さらに、世界各国の中央銀行、大手金融機関、軍事機関など、グローバルで多くの導入実績があるStrongKey社の「暗号化と次世代認証セキュリティ・ソリューション『Tellaro』」に関しては、CCPA(*6)の2020年1月施行を前に問い合わせが増え、日本での販売本格化に向けて、販売代理店との契約締結や戦略的パートナーシップの構築など、マーケティング活動に注力しております。これらをテコとして、日本のみならず、アジア・米国での共同ビジネスに弾みをつけてまいります。
当事業は未だ投資の段階であり、売上高は147百万円(前期比22.6%増)、営業損失は16百万円(前期は営業損失31百万円)となりました。
(*6)CCPAとは「California Consumer Privacy Act」の略で、消費者に自身の個人情報の取扱いをコントロールする権利を与えるためのカリフォルニアの州法。対象はカリフォルニア内の企業だけにとどまらず、一定の売上($25百万)を上げており、かつカリフォルニア州民の個人情報(名刺やメールアドレスなどを含む)などを取得したことのある企業も含みます。
g.投資育成事業
株式会社ONE Tech Japan(旧株式会社インターネットオブシングス)は米国ONE Tech社のIoTエッジコンピューティングAI技術「MicroAI™」の日本での販売を推進するため、セミナー開催など販売促進活動を行っております。従来から行っているIoT向けソリューション開発は、PoC案件を2020年3月から開始する予定でしたが新型コロナウイルス感染症に関わる行動規制に伴い、導入時期を2020年7月に延伸しております。社会情勢による今後の当社活動の影響を抑えるために、インターネット上のセミナーやWebページの活用によるオンライン上の販売促進活動を強化しております。
スマートフォン向けゲームコンテンツの開発・運営を行う株式会社GaYaは、自社開発したSNSゲームを大手SNSサイトへ提供しております。今期からゲーム以外のシステム設計・開発も受注すべく、海外オフショアとの連携強化を図っており、システナのソリューションデザイン本部と共にシステム開発案件に対し、要件定義・開発支援を行いました。また、コンテンツ事業においては来期へ向けた新規タイトルの開発を進め、こちらは先行投資となりました。
これらの結果、当事業の売上高は213百万円(前期比43.4%減)、営業損失は33百万円(前期は営業利益4百万円)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前期末と比較して1,040百万円増加し、15,221百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの増減要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、得られた資金は4,831百万円となりました。この主な増加要因は、税金等調整前当期純利益7,871百万円、未払消費税等の増加額275百万円、によるものであり、主な減少要因は、法人税等の支払額2,664百万円、売上債権の増加額364百万円、たな卸資産の増加額220百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、使用した資金は640百万円となりました。この主な減少要因は、投資有価証券の取得による支出2,031百万円、関係会社貸付けによる支出761百万円、有形及び無形固定資産の取得による支出371百万円によるものであり、主な増加要因は、投資有価証券の売却による収入2,572百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、使用した資金は3,145百万円となりました。この主な減少要因は、自己株式の取得による支出1,985百万円、配当金の支払額1,904百万円によるものであり、主な増加要因は、自己株式の売却による収入739百万円であります。
③生産、受注及び販売の実績
当連結会計年度において経営管理区分を見直し、「コンシューマサービス事業」に区分されていた株式会社GaYaの事業とそれ以外の事業を、「投資育成事業」と「ソリューションデザイン事業」に区分変更しております。
なお、前年同期比については変更後の報告セグメントに組替えたうえで算定しております。
(1)生産実績
当連結会計年度のセグメント別生産実績は次のとおりであります。
(注)1.当社グループ内において、サービスの性格上受注生産活動を伴うセグメントのみ示しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.上記の金額は、製造原価で記載しております。
(2)受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.当社グループ内において、サービスの性格上受注生産活動を伴うセグメントのみ示しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(3)販売実績
当連結会計年度のセグメント別販売実績は次のとおりであります。
(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.前連結会計年度及び当連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、総販売実績に対する割合が100分の10以上の相手先がないため記載を省略しております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
なお、連結財務諸表の作成に当たり採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」」に記載しております。
1.工事進行基準
当連結会計年度末までの進捗部分について成果の確実性が認められる工事につきましては、工事進行基準(ソフトウエア開発の進捗率の見積りは原価比例法)を適用しております。
工事進行基準による完成工事高の計上は、工事原価総額(総工数)の見積りにより、収益及び損益の額に影響を与えます。工事原価総額(総工数)の見積りは当初は実行予算によって行っております。実行予算作成時には、作成時点で入手可能な情報に基づき、仕様や作業内容の仮定を設定し、開発計画の完了に必要となる各工程の原価(工数)を詳細に見積ることによって、工事原価総額(総工数)を見積ります。開発着手後は、プロジェクトごとに、実際の発生原価を管理し、追加開発を含め、状況の変化による作業内容の変更について、適時・適切に工事原価総額(総工数)の見直しを行っております。
工事原価総額の見積りに用いられる前提は想定していなかった原価(工数)の発生等により、工事進捗度が変動した場合には、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において完成工事高及び完成工事原価の修正が必要となる可能性があります。
2.持分法適用会社への投資
当社グループは、米国会計基準が適用される持分法適用会社の投資評価について、持分法による評価を行っています。これらの、投資の評価については、営業損失の発生等の投資価値減少に関する兆候が認められる場合、価値の減少が一時的かどうかを検討し、一時的でないと判断される場合には減損処理を行います。価値の減少が一時的かどうかについては、将来の事業計画に基づき、投資簿価までの回復が困難である、又は投資簿価を正当化する程度の利益水準の維持が困難である等の状況にあるか否かを判定します。当該事業計画の見積りには、売上高に影響する開発スケジュールや売上成長率などの仮定を用いております。
当該事業計画の見積り及び仮定は適切であると判断しておりますが、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合には、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において減損損失が発生する可能性があります。
②当連結会計年度の財政状態の分析
資産、負債及び純資産の状況
当連結会計年度末における総資産は35,956百万円(前期末は33,904百万円)となり、前期末と比較して2,051百万円の増加となりました。
流動資産は30,840百万円(前期末は29,166百万円)となり前期末と比較して1,673百万円の増加となりました。これは主に現金及び預金548百万円の増加、受取手形及び売掛金397百万円の増加、商品225百万円の増加によるものであります。
固定資産は5,115百万円(前期末は4,738百万円)となり前期末と比較して377百万円の増加となりました。有形固定資産は836百万円(前期末は588百万円)となり前期末と比較して248百万円の増加となりました。無形固定資産は303百万円(前期末は307百万円)となり前期末と比較して4百万円の減少となりました。投資その他の資産は3,976百万円(前期末は3,842百万円)となり前期末と比較して133百万円の増加となりました。これは主に関係会社長期貸付金761百万円の増加、敷金及び保証金150百万円の増加、投資有価証券668百万円の減少、繰延税金資産112百万円の減少によるものであります。
負債の合計額は13,000百万円(前期末は13,312百万円)となり前期末と比較して312百万円の減少となりました。これは主に未払法人税等423百万円の減少、賞与引当金255百万円の減少、買掛金188百万円の減少、未払金及び未払費用310百万円の増加、未払消費税等275百万円の増加によるものであります。
純資産は22,955百万円(前期末は20,592百万円)となり前期末と比較して2,363百万円の増加となりました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益5,471百万円、剰余金の配当1,906百万円によるものであります。
これらの結果、自己資本比率は前期末と比較して3.1ポイント上がって63.0%となりました。
③当連結会計年度の経営成績の分析
(売上高)
当社グループは、経営資源を得意とする分野へ選択し集中するとともに、各事業分野において今後更なる発展が見込まれる事業への展開を図ることで、付加価値の最大化を図ったことにより順調に推移し、当連結会計年度の売上高は64,552百万円(前年同期比8.1%増)となりました。
なお、事業部門別の分析は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」の項目をご参照ください。
④経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」において詳細に記載しております。
⑤経営戦略の現状と見通し
当社グループは、安定した高配当、株主資本利益率と売上高営業利益率を目標としております。そのために、安定と成長のバランスを重視した経営の基本方針に則り、高収益体質を目指してまいります。
なお、2024年3月期に向けて売上高営業利益率15%、株主資本利益率25%を目標としており、関連指標の推移は以下のとおりであります。
(注)当社は、2018年6月1日付で普通株式1株につき4株の割合をもって株式分割を行っております。
⑥資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの運転資金・設備資金につきましては、自己資金および借入金により充当しております。当連結会計年度末の現金及び現金同等物は15,221百万円であり、当座貸越契約も含め十分な資金の流動性を確保しております。
当社グループの資金の状況については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりで、キャッシュ・フロー関連指標の推移は以下のとおりであります。
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
※各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
※株式時価総額は、自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しており、期末株価終値×期末発行済株式数により算出しております。
※有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っている全ての負債を対象としております。
※営業キャッシュ・フロー及び利払いは、連結キャッシュ・フロー計算書に計上されている「営業活動によるキャッシュ・フロー」及び「利息の支払額」を用いております。
⑦経営者の問題認識と今後の方針について
当社グループにおける問題と今後の方針については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」において詳細に記載しております。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度(2019年4月1日から2020年3月31日まで。以下、「当期」という。)におけるわが国経済は、第3四半期までは、米中貿易摩擦による世界経済の減速で輸出が低迷したものの、企業収益や雇用・所得環境の改善が続き、個人消費や設備投資などの内需は底堅く推移しました。しかしながら、第4四半期に入り、新型コロナウイルスの世界規模での感染拡大により、経済情勢が急速に悪化しました。
このような状況のもと、当社グループは、2024年3月期に連結売上高1,010億円、営業利益152億円、営業利益率15%、ROE25%の達成を目標とする新中期経営計画を遂行しております。この目標の達成に向けて、「データ経営」(*1)を経営の大方針とし、営業強化、自社商材・自社サービスの拡充、成長分野への集中投資、既存事業のスクラップアンドビルドを行うとともに、米国での投資育成事業であるIoTビジネスと暗号化セキュリティ事業を通じて海外事業への積極展開を推進しました。
ソリューションデザイン事業は、引き続き大きな成長が見込まれる、車載、ネットビジネス、IoT、ロボット/AI、業務システムの分野の拡大に注力し、ニアショア開発・オフショア開発の一層の活用による更なる受注拡大と収益性の向上に取り組みました。
フレームワークデザイン事業は、基幹システムの刷新に伴う開発や業務自動化ソリューションに伴うライセンス販売、導入支援、開発支援など今後拡大の見込まれる収益性の高い案件への積極的な展開を行いました。
ITサービス事業は、企業の新たなIT投資の恩恵を受け、業務範囲が大幅に拡大する中、より顧客のビジネスの成長に直結した高付加価値サービスの提供にシフトすることで、事業の拡大と収益性の向上に繋げております。
ソリューション営業部門は、引き続き好調なシステムインテグレーション事業に注力するとともに、各本部と連携しサービスメニューと自社商材の拡充を図り、システム設計から開発・構築・保守運用に至るまでのオールシステナでのワンストップサービスの提供を強化しました。
ストック型ビジネスの推進を担う新企隊本部は、自社商材『Canbus.\キャンバスドット』、『Cloudstep』の機能拡張、Webマーケティングによる販売促進を積極的に展開する一方で、IoT、セキュリティ、ブロックチェーンをキーワードとした商材開発と当社子会社や米国ベンチャー企業との協業を推進して、グローバルでの販売に取り組みました。
以上の結果、当期の連結業績は、売上高64,552百万円(前期比8.1%増)、営業利益8,163百万円(同18.3%増)、経常利益7,871百万円(同17.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益5,471百万円(同19.3%増)となりました。
なお、各事業におきまして、新型コロナウイルス感染症の当期における影響は軽微でした。
(*1)データ経営とは、顧客ニーズの早期把握と事業のより効果的なスクラップアンドビルドを迅速に行うために、精度の高い原価管理とリアルな損益を早期掌握し、経営判断に活用すること。これを実現するには日々の事業活動で発生する膨大なデータに基づく統計的な思慮による経営が必要であり、当社では自社開発したCanbus.プラットフォームで構築したIT経営システムを使ってデータ経営を実現します。
■新型コロナウイルス感染症への対応状況や事業活動への影響について
当社では、今回の新型コロナウイルス感染拡大の問題が取りざたされ始めた2月から、「感染防止」および最悪の事態を想定した「事業継続」の施策を進めてまいりました。
本社他、各事業拠点では、社内の全ての居室入口に手指消毒用のアルコール除菌液を設置、マスクの着用も推奨し、感染予防に努めてまいりました。
特に人が一定数以上集まる場においては、会社からマスクの配布を行うと共に出来る限り人と人との距離を置き、接触や発声による感染の防止に注力いたしました。
産業医と社内常駐の保健師からの指導に基づき、毎日の検温などの健康管理に関しても社員に対し継続的に指示し、体調不良者については初期段階から出勤を停止して社内でのクラスター発生防止のための徹底した措置を行っております。(6月24日現在、当社内で新型コロナウイルス感染者は確認されておりません。)
併せて、テレワーク実施のため、ノートPC等ハードウェアの調達、社内システムへのリモートアクセスツールやWeb会議システムの導入も進め、在宅勤務可能な社員は順次、テレワークに移行しております。
また、国の施策や要請に応じた柔軟な勤務体系を実現すべく、各種社内規程の改定を行い、社員の勤務時間の自由度を向上させております。
さらに、業務の作業場所の分散による情報セキュリティのリスクを軽減するため、社員教育の強化およびテレワーク環境構築のガイドラインとルールの明確化を行っております。
4月中旬からは病院と提携して社員の専用オンライン診療を実現し、感染者を出さないための施策のみならず、万一の場合に早期発見、早期対応ができる仕組み作りを整備しております。
これら施策により、現在、当社では通常時と同等の業務の継続が可能となっております。
セグメント別の業績は、次のとおりであります。各セグメントの売上高にはセグメント間の内部売上高または振替高を含めております。
なお、当連結会計年度において経営管理区分を見直し、「コンシューマサービス事業」の名称を廃止し、こちらに属していた株式会社GaYaの事業を「投資育成事業」に、それ以外の事業を「ソリューションデザイン事業」に区分変更しております。
前期比較については、前期の数値を変更後のセグメント区分に組替えた数値で比較しております。
a.ソリューションデザイン事業
ソリューションデザイン事業は、「車載」、「社会インフラ」、「ネットビジネス」、「スマートデバイス/ロボット/AI」および「業務システム」の5つのカテゴリーに区分しており、当事業の売上高は22,914百万円(前期比7.9%増)、営業利益は4,059百万円(同10.7%増)となりました。
(車載)
自動運転、車載インフォテインメント、テレマティクス(*2)およびECU(電子制御ユニット)の開発といった車載分野では、得意とする車載インフォテインメント関連は順調に推移したほか、車載事業の経験と通信事業の経験を駆使した技術力が競合他社との差別化となりモビリティサービス関連での受注を獲得しております。
当分野は長期的な重点注力分野として、自動車開発において重要なISO26262(*3)の取得、MONETコンソーシアム(*4)への参加を通じてモビリティ分野での更なる存在価値の向上を目指してまいります。
(*2)テレマティクス(Telematics)とは、テレコミュニケーション(Telecommunication)とインフォマティクス(Informatics)から作られた造語で、自動車などの移動体に携帯電話などの移動体通信システムを利用してサービスを提供することの総称。
(*3)ISO26262とは、自動車の電気/電子に関する機能安全についての国際規格のこと。
(*4)MONETコンソーシアムとは、次世代モビリティサービスの推進と移動における社会課題の解決や新たな価値創造を目的にソフトバンク株式会社とトヨタ自動車株式会社の共同出資会社であるMONET Technologies株式会社が設立したコンソーシアムのこと。
(社会インフラ)
電力、交通、航空、宇宙、防衛、通信など、生活を支えるシステムに関わる分野では、引き続き5G通信のインフラ整備に関わる業務で売上を大きく伸ばしました。また、IoT機器を活用したスマート駐車場やスマートガス、シェアリングサービスなど収益性の高い分野で売上が増加しております。引き続き5G通信のインフラと収益性の高いインフラサービスの分野へ注力してまいります。
(ネットビジネス)
通信キャリア、eコマース、教育など、ネットビジネスに関わる分野では、通信キャリアでの5Gに向けたサービスの改修や、eコマースに関わるキャッシュレス決済、個人データの利活用に関連するシステム開発、検証で堅調に推移しております。
(スマートデバイス/ロボット/AI)
スマートフォン、家電、ロボットなど、プロダクト開発に関わる分野では、スマートフォンの開発業務は「ロボット・情報家電」、「人工知能(AI)」、「IoT関連機器」へのシフト、品質検証業務は収益性の高いネットビジネス、社会インフラへのシフトを推進しております。特に、「ロボット・情報家電」に関わる分野では、得意とするコミュニケーションロボットの開発・検証に加え、省人力化に向けた業務用途のロボットなどの新たな分野で受注を拡大しております。
(業務システム)
業務システムの分野は、デジタルトランスフォーメーション(DX:ITの浸透により生活やビジネスなどあらゆる面が向上するという概念)の実現に向けて需要が増加する中、ベトナムオフショア活用の拡大、OSS(Open Source Software)のサービスメニュー拡張によって短納期・低コストのサービスを提供し、顧客課題を柔軟に解決することで売上を伸ばしました。
b.フレームワークデザイン事業
当事業は、既存顧客を中心とした金融分野と、業務自動化ソリューション(RPA)を中心とした新規サービス分野にカテゴライズし、双方の顧客ニーズを捉えて受注拡大に繋げております。
既存金融分野は、大型保険システム開発がピークから収束期に入るも新規の金融、保険、基盤、業務システム開発の受注も進み堅調に推移しました。
新規サービス分野では、RPAツールのライセンス販売、関連するプロダクトツールの販売、それに伴う開発支援、導入支援が順調に拡大しました。
これらの結果、当事業の売上高は5,771百万円(前期比9.0%増)、営業利益は1,057百万円(同25.7%増)となりました。
c.ITサービス事業
あらゆるものがインターネットにつながりITが新たな価値を生み出す潮流が加速する中、「業務改革」、「スマートデバイスの活用」といった企業が抱えるクリティカルな問題の解決は、ITなくしては実現できず、企業の新たなIT投資は伸長傾向にあります。
このような市場環境のもと、ITシステムの運用・保守、ユーザーサポートを主な業務とする当事業は、人材動員力を強みとした「ヘルプデスク」、「システムオペレーター」などの従来の派遣型サービスから、「ITサポート」、「ITインフラ構築」、「LABO」といった請負型業務へのシフトに加え、顧客のプロフィット部門を中心に戦略的IT活用を支援する「PMO」に注力した結果、高付加価値案件の受注が拡大しました。
また、働き方改革に対応した「AI関連サービス」、「RPA」の導入支援、「ITトレーニング」をはじめ、情報セキュリティに対するリスクマネジメントとしての「セキュリティ環境導入支援・ヒューマンウェア対策・教育」やWindows7のサポート終了を見据えた「Windows10移行」を営業フックに新規顧客を開拓しました。
さらに、事業拡大に不可欠な人材の拡充に関しても、採用手法の多様化や研修教育制度の充実化により順調に推移しました。
これらの結果、当事業の売上高は8,650百万円(前期比10.5%増)、営業利益は1,264百万円(同18.4%増)となりました。
d.ソリューション営業
IT関連商品の法人向け販売および外資・中堅企業向けを中心としたシステムインテグレーションを主な業務とする当事業は、「ITを活用した生産性の向上」と「働き方改革」をキーワードに、モバイル、セキュリティ、クラウドを軸とした需要を喚起するソリューションの構築、そして部門間連携の強化に取り組みました。
具体的には、モバイルPC+クラウドソリューションサービスの提案およびクラウドとオンプレミスサーバーによるハイブリッド環境のサービス強化を推進しました。
こうした中、Windows7搭載機の更新需要や働き方改革関連法の施行などに伴う市場の需要を捉え、PCの販売、およびWeb会議システムに付随する関連製品販売は高い伸びとなりました。
更には開発を含むシステムの一括案件など多くのサーバーソリューションを獲得したことにより、計画を上回ることができました。
これらの結果、当事業の売上高は25,887百万円(前期比7.7%増)、営業利益は1,622百万円(同40.4%増)となりました。
e.クラウド事業
企業等にクラウドソリューションや自社開発商品を提供する当事業は、働き方改革などDXを推進する大手企業から、DXを実現するビジネスアプリプラットフォーム『Canbus.\キャンバスドット(*5)』の引き合いを多くいただき、受注が堅調に推移する中、特に、データドリブンな業務にシフトしようとする企業からはライセンスの販売だけでなく、業務系システムのリプレースやシステム連携などインテグレーションを数多く受注しました。今後も注力商材として積極投資と営業強化を推進してまいります。
また、「G Suite」や「Microsoft Office 365」と連携するグループウェア『Cloudstep(*5)』においても、当社の強みの一つであるシステムインテグレーションが求められる大型案件において、競合他社との差別化に成功し受注に至っております。
当期年度末においては新型コロナウイルス感染症によるテレワーク環境を整備するにあたりPoCを実施していた企業の「Canbus.」、「G Suite」、「Cloudstep」の受注が発生しました。
これらの結果、当事業の売上高は1,404百万円(前期比24.4%増)、営業利益は209百万円(同5.8%増)となりました。
(*5)『Canbus.\キャンバスドット』、『Cloudstep』は、システナの自社開発商品です。
f.海外事業
米国子会社は、大手製造業既存顧客からの継続受注をベースに新規IoT案件受注も増加し、昨年9月から単月営業黒字が定着しております。
また、同社の投資先であるONE Tech社は、ルネサスエレクトロニクス株式会社の子会社Integrated Device Technology,Inc.や在米日系製造業から数多くのIoT案件を受注しました。引き続き米国をはじめとするグローバルでのIoT案件受注についてはONE Tech社と連携してまいります。
さらに、世界各国の中央銀行、大手金融機関、軍事機関など、グローバルで多くの導入実績があるStrongKey社の「暗号化と次世代認証セキュリティ・ソリューション『Tellaro』」に関しては、CCPA(*6)の2020年1月施行を前に問い合わせが増え、日本での販売本格化に向けて、販売代理店との契約締結や戦略的パートナーシップの構築など、マーケティング活動に注力しております。これらをテコとして、日本のみならず、アジア・米国での共同ビジネスに弾みをつけてまいります。
当事業は未だ投資の段階であり、売上高は147百万円(前期比22.6%増)、営業損失は16百万円(前期は営業損失31百万円)となりました。
(*6)CCPAとは「California Consumer Privacy Act」の略で、消費者に自身の個人情報の取扱いをコントロールする権利を与えるためのカリフォルニアの州法。対象はカリフォルニア内の企業だけにとどまらず、一定の売上($25百万)を上げており、かつカリフォルニア州民の個人情報(名刺やメールアドレスなどを含む)などを取得したことのある企業も含みます。
g.投資育成事業
株式会社ONE Tech Japan(旧株式会社インターネットオブシングス)は米国ONE Tech社のIoTエッジコンピューティングAI技術「MicroAI™」の日本での販売を推進するため、セミナー開催など販売促進活動を行っております。従来から行っているIoT向けソリューション開発は、PoC案件を2020年3月から開始する予定でしたが新型コロナウイルス感染症に関わる行動規制に伴い、導入時期を2020年7月に延伸しております。社会情勢による今後の当社活動の影響を抑えるために、インターネット上のセミナーやWebページの活用によるオンライン上の販売促進活動を強化しております。
スマートフォン向けゲームコンテンツの開発・運営を行う株式会社GaYaは、自社開発したSNSゲームを大手SNSサイトへ提供しております。今期からゲーム以外のシステム設計・開発も受注すべく、海外オフショアとの連携強化を図っており、システナのソリューションデザイン本部と共にシステム開発案件に対し、要件定義・開発支援を行いました。また、コンテンツ事業においては来期へ向けた新規タイトルの開発を進め、こちらは先行投資となりました。
これらの結果、当事業の売上高は213百万円(前期比43.4%減)、営業損失は33百万円(前期は営業利益4百万円)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前期末と比較して1,040百万円増加し、15,221百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの増減要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、得られた資金は4,831百万円となりました。この主な増加要因は、税金等調整前当期純利益7,871百万円、未払消費税等の増加額275百万円、によるものであり、主な減少要因は、法人税等の支払額2,664百万円、売上債権の増加額364百万円、たな卸資産の増加額220百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、使用した資金は640百万円となりました。この主な減少要因は、投資有価証券の取得による支出2,031百万円、関係会社貸付けによる支出761百万円、有形及び無形固定資産の取得による支出371百万円によるものであり、主な増加要因は、投資有価証券の売却による収入2,572百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、使用した資金は3,145百万円となりました。この主な減少要因は、自己株式の取得による支出1,985百万円、配当金の支払額1,904百万円によるものであり、主な増加要因は、自己株式の売却による収入739百万円であります。
③生産、受注及び販売の実績
当連結会計年度において経営管理区分を見直し、「コンシューマサービス事業」に区分されていた株式会社GaYaの事業とそれ以外の事業を、「投資育成事業」と「ソリューションデザイン事業」に区分変更しております。
なお、前年同期比については変更後の報告セグメントに組替えたうえで算定しております。
(1)生産実績
当連結会計年度のセグメント別生産実績は次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) (百万円) | 前年同期比(%) |
| ソリューションデザイン事業 | 15,988 | 107.3 |
| フレームワークデザイン事業 | 4,074 | 106.6 |
| ITサービス事業 | 6,212 | 109.3 |
| 合計 | 26,275 | 107.6 |
(注)1.当社グループ内において、サービスの性格上受注生産活動を伴うセグメントのみ示しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.上記の金額は、製造原価で記載しております。
(2)受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 受注高(百万円) | 前年同期比(%) | 受注残高(百万円) | 前年同期比(%) |
| ソリューションデザイン事業 | 22,520 | 99.7 | 5,623 | 94.5 |
| フレームワークデザイン事業 | 5,784 | 104.3 | 2,460 | 100.6 |
| ITサービス事業 | 8,809 | 109.9 | 4,488 | 109.4 |
| 合計 | 37,114 | 102.6 | 12,571 | 100.6 |
(注)1.当社グループ内において、サービスの性格上受注生産活動を伴うセグメントのみ示しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(3)販売実績
当連結会計年度のセグメント別販売実績は次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) (百万円) | 前年同期比(%) |
| ソリューションデザイン事業 | 22,844 | 108.1 |
| フレームワークデザイン事業 | 5,768 | 109.0 |
| ITサービス事業 | 8,424 | 109.2 |
| ソリューション営業 | 25,872 | 107.7 |
| クラウド事業 | 1,385 | 124.3 |
| 海外事業 | 83 | 88.3 |
| 投資育成事業 | 174 | 46.2 |
| 合計 | 64,552 | 108.1 |
(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.前連結会計年度及び当連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、総販売実績に対する割合が100分の10以上の相手先がないため記載を省略しております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
なお、連結財務諸表の作成に当たり採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」」に記載しております。
1.工事進行基準
当連結会計年度末までの進捗部分について成果の確実性が認められる工事につきましては、工事進行基準(ソフトウエア開発の進捗率の見積りは原価比例法)を適用しております。
工事進行基準による完成工事高の計上は、工事原価総額(総工数)の見積りにより、収益及び損益の額に影響を与えます。工事原価総額(総工数)の見積りは当初は実行予算によって行っております。実行予算作成時には、作成時点で入手可能な情報に基づき、仕様や作業内容の仮定を設定し、開発計画の完了に必要となる各工程の原価(工数)を詳細に見積ることによって、工事原価総額(総工数)を見積ります。開発着手後は、プロジェクトごとに、実際の発生原価を管理し、追加開発を含め、状況の変化による作業内容の変更について、適時・適切に工事原価総額(総工数)の見直しを行っております。
工事原価総額の見積りに用いられる前提は想定していなかった原価(工数)の発生等により、工事進捗度が変動した場合には、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において完成工事高及び完成工事原価の修正が必要となる可能性があります。
2.持分法適用会社への投資
当社グループは、米国会計基準が適用される持分法適用会社の投資評価について、持分法による評価を行っています。これらの、投資の評価については、営業損失の発生等の投資価値減少に関する兆候が認められる場合、価値の減少が一時的かどうかを検討し、一時的でないと判断される場合には減損処理を行います。価値の減少が一時的かどうかについては、将来の事業計画に基づき、投資簿価までの回復が困難である、又は投資簿価を正当化する程度の利益水準の維持が困難である等の状況にあるか否かを判定します。当該事業計画の見積りには、売上高に影響する開発スケジュールや売上成長率などの仮定を用いております。
当該事業計画の見積り及び仮定は適切であると判断しておりますが、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合には、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において減損損失が発生する可能性があります。
②当連結会計年度の財政状態の分析
資産、負債及び純資産の状況
当連結会計年度末における総資産は35,956百万円(前期末は33,904百万円)となり、前期末と比較して2,051百万円の増加となりました。
流動資産は30,840百万円(前期末は29,166百万円)となり前期末と比較して1,673百万円の増加となりました。これは主に現金及び預金548百万円の増加、受取手形及び売掛金397百万円の増加、商品225百万円の増加によるものであります。
固定資産は5,115百万円(前期末は4,738百万円)となり前期末と比較して377百万円の増加となりました。有形固定資産は836百万円(前期末は588百万円)となり前期末と比較して248百万円の増加となりました。無形固定資産は303百万円(前期末は307百万円)となり前期末と比較して4百万円の減少となりました。投資その他の資産は3,976百万円(前期末は3,842百万円)となり前期末と比較して133百万円の増加となりました。これは主に関係会社長期貸付金761百万円の増加、敷金及び保証金150百万円の増加、投資有価証券668百万円の減少、繰延税金資産112百万円の減少によるものであります。
負債の合計額は13,000百万円(前期末は13,312百万円)となり前期末と比較して312百万円の減少となりました。これは主に未払法人税等423百万円の減少、賞与引当金255百万円の減少、買掛金188百万円の減少、未払金及び未払費用310百万円の増加、未払消費税等275百万円の増加によるものであります。
純資産は22,955百万円(前期末は20,592百万円)となり前期末と比較して2,363百万円の増加となりました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益5,471百万円、剰余金の配当1,906百万円によるものであります。
これらの結果、自己資本比率は前期末と比較して3.1ポイント上がって63.0%となりました。
③当連結会計年度の経営成績の分析
(売上高)
当社グループは、経営資源を得意とする分野へ選択し集中するとともに、各事業分野において今後更なる発展が見込まれる事業への展開を図ることで、付加価値の最大化を図ったことにより順調に推移し、当連結会計年度の売上高は64,552百万円(前年同期比8.1%増)となりました。
なお、事業部門別の分析は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」の項目をご参照ください。
④経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」において詳細に記載しております。
⑤経営戦略の現状と見通し
当社グループは、安定した高配当、株主資本利益率と売上高営業利益率を目標としております。そのために、安定と成長のバランスを重視した経営の基本方針に則り、高収益体質を目指してまいります。
なお、2024年3月期に向けて売上高営業利益率15%、株主資本利益率25%を目標としており、関連指標の推移は以下のとおりであります。
| 2018年3月期 | 2019年3月期 | 2020年3月期 | |
| 株主資本利益率(%) | 22.4 | 24.6 | 25.5 |
| 売上高営業利益率(%) | 9.5 | 11.6 | 12.6 |
| 1株当たり配当額(円) | 46 | 16 | 20 |
(注)当社は、2018年6月1日付で普通株式1株につき4株の割合をもって株式分割を行っております。
⑥資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの運転資金・設備資金につきましては、自己資金および借入金により充当しております。当連結会計年度末の現金及び現金同等物は15,221百万円であり、当座貸越契約も含め十分な資金の流動性を確保しております。
当社グループの資金の状況については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりで、キャッシュ・フロー関連指標の推移は以下のとおりであります。
| 2018年3月期 | 2019年3月期 | 2020年3月期 | |
| 自己資本比率(%) | 59.5 | 59.9 | 63.0 |
| 時価ベースの自己資本比率(%) | 376.6 | 345.8 | 394.8 |
| キャッシュ・フロー対有利子負債比率(%) | 35.4 | 22.1 | 32.1 |
| インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) | 645.2 | 1,007.7 | 663.8 |
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
※各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
※株式時価総額は、自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しており、期末株価終値×期末発行済株式数により算出しております。
※有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っている全ての負債を対象としております。
※営業キャッシュ・フロー及び利払いは、連結キャッシュ・フロー計算書に計上されている「営業活動によるキャッシュ・フロー」及び「利息の支払額」を用いております。
⑦経営者の問題認識と今後の方針について
当社グループにおける問題と今後の方針については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」において詳細に記載しております。