有価証券報告書-第30期(2024/04/01-2025/03/31)

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2025/06/20 15:55
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(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度(2024年4月1日~2025年3月31日)における当社グループが属するセキュリティ業界においては、ランサムウェア攻撃や不正アクセス、フィッシング詐欺等、巧妙化・多様化するサイバー攻撃による情報漏洩インシデントが多発していることからICT機器を業務・学習で利用する企業・公共機関・家庭においてセキュリティ意識が高まり、セキュリティ対策ガイドラインの整備やセキュリティ対策製品に対する需要が拡大しております。この流れは、サプライチェーン攻撃に代表されるように業界や規模を問わず、非常に広い範囲でセキュリティインシデントが発生する可能性が以前にも増して高まっていることから、今後も拡大・継続するものと予想しております。
当社は、前年度末にセキュリティコンサルティング事業を展開する連結子会社デジタルアーツコンサルティング株式会社(DAC)の当社保有全株式を譲渡したことによって、当連結会計年度における売上高に対して約2,196百万円の売上高減の影響が発生します。それを受けて、当年度より国産総合セキュリティメーカーとして製品拡大に注力できる経営環境となったことから、改めて中期経営計画(2025年3月期~2027年3月期)を策定しました。本計画では、3つの重点領域「セキュリティ事業の成長」「公共市場シェア拡大」「新施策実行のための人材投資」を掲げ、当年度より各施策を実行しております。企業向け市場においては、クラウド、オンプレミスの両環境に対応した製品戦略の展開により、Webとメールのクラウドセキュリティ対策ニーズやオンプレミスでの継続対策ニーズ、他社オンプレミス製品終売に伴う当社オンプレミス製品への乗換えニーズを捉えたことに加え、主力製品に付加価値を与える新製品・オプション製品の提供によるクロスセル・アップセル戦略が好調に推移した結果、堅調な成長を継続できています。また、公共向け市場では、競争優位性のある「i-FILTER」を広く訴求することで、「GIGAスクール構想 第2期」案件における受注シェアを大幅に拡大することができたことに加え、継続的に需要のある「自治体セキュリティ強靭化」案件や「次世代校務DX」案件の順調な獲得により、契約高が高成長しました。これら各市場での取組により独自の「ホワイト運用」のユーザー数は、1,365万ライセンス(前年度末から103万ライセンス増)に達し、マルウェアの感染被害報告件数0件も継続しています。
費用面においては、DAC連結除外によりDAC売上原価とDAC人件費が減少しましたが、公共向け市場案件でのクラウドサービス系製品の受注が計画以上に増加した結果、データセンターの通信費が増加し、売上原価が増加しました。一方、人材採用方針の見直しに伴い販管費を抑制したため、費用全体では期初計画よりも抑制することができました。
以上の結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
(資産)
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べて109百万円増加し、22,627百万円となりました。これは主として、ソフトウエアが105百万円増加したことによるものであります。
(負債)
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べて1,257百万円減少し、5,262百万円となりました。これは主として、前受金が336百万円、未払法人税等が965百万円それぞれ減少したことによるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べて1,367百万円増加し、17,365百万円となりました。これは主として、配当金の支払い及び自己株式の取得による減少を上回る親会社株主に帰属する当期純利益の計上による利益剰余金の増加があったことによるものであります。
b.経営成績
当連結会計年度における契約高は10,570百万円(前期比2.5%減)、売上高は9,982百万円(同13.3%減)、営業利益は4,558百万円(同3.0%増)、経常利益は4,562百万円(同2.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は3,183百万円(同27.3%減)となりました。なお、DAC譲渡の影響を除いた場合の契約高増減率は、前期比22.3%増、DAC譲渡の影響を除いた場合の売上高増減率は、前期比7.2%増、DAC株式譲渡益の影響を除いた場合の親会社株主に帰属する当期純利益増減率は、前期比4.3%増となっております。
連結経営成績の概況
(単位:百万円)
2024年3月期2025年3月期増減額増減率
(%)
契約高
()内はDAC除く数値
10,838
(8,641)
10,570△267
(+1,928)
△2.5
(+22.3)
売上高
()内はDAC除く数値
11,512
(9,315)
9,982△1,529
(+666)
△13.3
(+7.2)
営業利益4,4274,558+131+3.0
経常利益4,4434,562+119+2.7
親会社株主に帰属する当期純利益
()内はDAC売却益除く数値
4,377
(3,053)
3,183△1,194
(+130)
△27.3
(+4.3)

各市場の業績は次のとおりです。
企業向け市場
企業向け市場においては、「i-FILTER」がローカルブレイクアウト通信制御、IP固定、CASB等のクラウドセキュリティ対策ニーズや他社オンプレミス製品終売に伴う乗換え、クラウドとオンプレミスのハイブリッド運用等のオンプレミスでの継続対策ニーズを捉えたことに加え、オプション製品「Anti-Virus & Sandbox」の販売が好調に推移した結果、高成長を維持しています。また、クラウド型メールサービスの普及に伴うクラウドベースでのメールセキュリティ対策ニーズ(マルウェア対策、誤送信対策、メールアーカイブ等)に対して、多様なメールセキュリティ対策ニーズに対応した総合的な機能が評価され、「m-FILTER」の新規案件獲得が堅調に推移しました。加えて、新製品「f-FILTER」は、「m-FILTER」とのセット販売により、主にPPAP対策案件の獲得が順調に進みました。一方、前年度末に連結子会社デジタルアーツコンサルティング株式会社(DAC)の当社保有全株式を譲渡したことに伴い、売上高に対して約2,196百万円の売上高減の影響が発生しました。
以上の結果、企業向け市場の契約高は5,016百万円(前期比24.7%減)、売上高は4,783百万円(前期比25.9%減)となりました。なお、DAC譲渡の影響を除いた場合の企業向け市場の契約高増減率は、前期比12.4%増、DAC譲渡の影響を除いた場合の企業向け市場の売上高増減率は、前期比12.3%増となります。
公共向け市場
公共向け市場においては、「GIGAスクール構想 第2期」案件の提案が始まり、競争優位性のある「i-FILTER」を営業・マーケティング活動によって広く訴求することで、「GIGAスクール構想 第1期」時と比較して、受注シェアを大幅に拡大することができたことに加え、「自治体セキュリティ強靭化」案件や「次世代校務DX」案件において、「ISMAP(政府情報システムのためのセキュリティ評価制度)」・「教育情報セキュリティポリシーに関するガイドライン」に対応したソリューションを総合的に提案することで、案件を順調に獲得することができた結果、契約高が高成長しました。なお、オンプレミス製品であるライセンス販売系製品は、出荷時に契約高の大部分を一括で売上高計上するのに対し、「GIGAスクール構想」案件や「次世代校務DX」案件で受注が多いクラウドサービス系製品は、サービス提供期間を通じて月額按分で売上高計上します。当連結会計年度においてはクラウドサービス系製品の受注が計画以上に増加したため、売上高計上が進みませんでした。
以上の結果、公共向け市場の契約高は5,146百万円(前期比36.9%増)、売上高は4,788百万円(前期比3.3%増)となりました。
家庭向け市場
家庭向け市場においては、複数年パッケージ製品の販促強化やネットカフェ向け製品の販売促進施策を行いましたが、子ども向けのフィルタリング対策ニーズに一巡感があるため、受注件数が減少しました。
以上の結果、家庭向け市場の契約高は408百万円(前期比2.5%減)、売上高は409百万円(前期比2.1%減)となりました。
当連結会計年度(2024年4月1日~2025年3月31日)の契約高
企業向け市場公共向け市場家庭向け市場合計
百万円百万円百万円百万円
2025年3月期5,0165,14640810,570
2024年3月期6,6593,76041810,838

(百万円未満切捨)
(注) 企業向け市場の契約高は、前年度末に連結子会社デジタルアーツコンサルティング株式会社の当社保有全
株式を譲渡したことに伴い、当連結会計年度における契約高に対して約2,196百万円の契約高減の影響が
発生しました。
当連結会計年度(2024年4月1日~2025年3月31日)の売上高
企業向け市場公共向け市場家庭向け市場合計
百万円百万円百万円百万円
2025年3月期4,7834,7884099,982
2024年3月期6,4564,63741811,512

(百万円未満切捨)
(注) 企業向け市場の売上高は、前年度末に連結子会社デジタルアーツコンサルティング株式会社の当社保有全
株式を譲渡したことに伴い、当連結会計年度における売上高に対して約2,196百万円の売上高減の影響が
発生しました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べて、387百万円減少し、17,952百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益4,563百万円の計上の一方で、法人税等の支払等により、2,817百万円の収入(前連結会計年度は2,830百万円の収入)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、無形固定資産の取得等により、1,107百万円の支出(前連結会計年度は1,012百万円の収入)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払及び自己株式の取得等により、2,096百万円の支出(前連結会計年度は2,545百万円の支出)となりました。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度
(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
前年同期比(%)
企業向け市場 (百万円)4,26769.9
公共向け市場 (百万円)4,729103.8
家庭向け市場 (百万円)41298.5
合 計 (百万円)9,40984.9

(注) 1 金額は販売価格によっております。
2 当社グループは、セキュリティ事業のみの単一セグメントであるため、セグメントに係る記載は省略しております。
b.受注実績
当社グループは受注生産を行っておりませんので、該当事項はありません。
c.販売実績
当連結会計年度
(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
前年同期比(%)
企業向け市場 (百万円)4,78374.1
公共向け市場 (百万円)4,788103.3
家庭向け市場 (百万円)40997.9
合 計 (百万円)9,98286.7

(注) 1 輸出販売高はありません。
2 当社グループは、セキュリティ事業のみの単一セグメントであるため、セグメントに係る記載は省略しております。
3 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先前連結会計年度
(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
当連結会計年度
(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)
ダイワボウ情報システム
株式会社
2,85624.83,07430.8
SB C&S株式会社1,99417.31,88718.9


(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づいて作成されております。この連結財務諸表の作成に当たっては、当連結会計年度末における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積り、予測を必要としております。当社グループは、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り、予測を行っております。そのため実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は以下のとおりであります。
a.経営成績等の状況
(売上高)
当連結会計年度の売上高は9,982百万円となり、前連結会計年度と比較し1,529百万円(前期比13.3%減)となりました。
これは、「GIGAスクール構想 第2期」案件と企業向け市場におけるオプション製品や新製品を主力製品と組み合わせるクロスセル・アップセル戦略が好調に推移した一方、デジタルアーツコンサルティング株式会社の当社保有全株式を譲渡したことに伴い、売上高に対して約2,196百万円の売上減の影響が発生したことが要因です。なお、上記譲渡の影響を除いた場合の売上高増減率は、前期比7.2%増となっております。
(売上原価、売上総利益)
当連結会計年度の売上原価は2,948百万円となり、前連結会計年度と比較し1,635百万円の減少(前期比35.7%減)となりました。また、売上総利益は7,033百万円となり、前連結会計年度と比較し105百万円増加(前期比1.5%増)となりました。
当連結会計年度は、クラウドサービス系製品の拡販及び為替影響に伴うクラウドサーバー費用の増加による通信費の増加、新製品開発費用の増加、開発人員数の増強による労務費の増加等はあったものの、デジタルアーツコンサルティング株式会社の連結除外による売上原価の減少に伴い、売上総利益が増加いたしました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は2,474百万円となり、前連結会計年度と比較し26百万円の減少(前期比1.0%減)となりました。また、営業利益は4,558百万円となり、前連結会計年度と比較し131百万円の増加(前期比3.0%増)となりました。
当連結会計年度は、採用費用の増加等があったものの、デジタルアーツコンサルティング株式会社の連結除外による人件費等の減少に伴い、営業利益は増加いたしました。
(経常利益)
当連結会計年度は、未払配当金除斥益1百万円等を営業外収益に計上したことにより、経常利益は4,562百万円(前期比2.7%増)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、3,183百万円(前期比27.3%減)となりました。
b. 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標についての分析
当連結会計年度における客観的な指標は以下のとおりであります。
契約高成長率と売上高成長率が乖離する理由は、主に従来からの主要製品であるライセンス販売系製品は出荷時に契約高の大部分を一括で売上計上するのに対し、クラウドサービス系製品は、サービス提供期間を通じて月額按分で売上計上するためであります。
前連結会計年度
(自 2023年4月1日
至 2024年3月31日)
当連結会計年度
(自 2024年4月1日
至 2025年3月31日)
契約高成長率 (%)
()内はDAC除く数値
6.4△2.5
(22.3)
売上高成長率 (%)
()内はDAC除く数値
10.3△13.3
(7.2)
営業利益率 (%)38.545.7
自己資本当期純利益率(ROE) (%)29.119.1

c. 資本の財源及び資金の流動性についての分析
資本政策につきましては、企業価値の持続的な向上を目指し、成長分野に対して迅速に投資可能な水準の内部留保の充実と株主の皆様への利益還元を総合的に勘案し、実施していくことを基本方針としております。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は17,952百万円となっているのに対して、有利子負債残高はございません。
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、高付加価値なソリューションを提供するために必要な優秀人材の確保と育成に関する人件費等であります。内部留保については人材の確保と育成に対して優先的に充当し、既存事業の安定的・継続的な成長を持続するとともに、新しいニーズの発掘に積極的に取り組んでまいります。
d.経営成績に重要な影響を与える要因について
「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

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