有価証券報告書-第26期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

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2021/06/23 14:55
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133項目

(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度(2020年4月1日~2021年3月31日)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大に伴う、経済活動の停滞や縮小により、個人消費及び企業収益は急速な悪化が続く厳しい状況となりました。その後、社会経済活動レベルの引き上げと政府による経済活性化に向けた施策により、景気は持ち直しつつありましたが、感染症の再拡大により緊急事態宣言が再発令されるなど、先行きについて極めて不透明な状況にあります。
当社グループが属するセキュリティ業界においては、ランサムウェア・エモテット等、多様化するサイバー攻撃被害が相次いでいることを背景としてセキュリティ製品に対する需要が拡大しており、大規模企業のみならず、相対的にセキュリティ対策が遅れていた中堅・中小企業においても新規導入需要が拡大しております。
また、公共向け市場は、児童生徒向けの1人1台の学習用端末と、高速大容量の通信ネットワークを一体的に整備する「GIGAスクール構想」において、児童生徒「1人1台端末」の整備が進みました。
このような状況の中、企業向け市場においては、テレワークの普及等によりWebサービスやメール環境のクラウド化が急速に進んでいることを背景として、「DigitalArts@Cloud」の認知度向上と拡販を進め、クラウド環境においても、「安全なWebのみにアクセスできる」・「安全なメールのみを受信する」世界を広げました。さらに、オンライン会議やチャット機能を有し、それらにセキュリティ対策機能も付加したコミュニケーションツール「Desk@Cloud」を開発し、セキュリティ対策だけでなく業務効率の向上を提供するソリューションの提供も開始しました。また、公共向け市場においては、「GIGAスクール構想」のニーズに合わせた「i-FILTER」の特別版を提供すると共に「教育情報セキュリティポリシーに関するガイドライン」に準拠したサービスを無償提供するなどのキャンペーンを実施し、学校向けの拡販に努めました。
新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、企業向け市場及び公共向け市場において、クラウドサービス系製品への需要が急激に高まりました。従来からの主要製品であるライセンス販売系製品は、出荷時に契約高の大部分を一括で売上計上するのに対し、クラウドサービス系製品は、サービス提供期間を通じて月額按分で売上計上します。そのため、当期においてはクラウドサービス系製品の全契約高に占める割合が急増し、来期以降に繰り延べられる売上高が増加したため、契約高と売上高の差額が大きく発生しました。
以上の結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下の通りとなりました。
a.財政状態
(資産)
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べて4,003百万円増加し、14,856百万円となりました。これは主として、現金及び預金が3,730百万円増加したことによるものであります。
(負債)
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べて2,621百万円増加し、4,793百万円となりました。これは主として、受注した契約高の増加に伴い、前受金が2,140百万円増加したことによるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べて1,382百万円増加し、10,062百万円となりました。これは主として、親会社株主に帰属する当期純利益の計上によるものであります。
b.経営成績
当連結会計年度における売上高は6,825百万円(前年同期比121.0%)、営業利益は2,977百万円(前年同期比127.9%)、経常利益は2,991百万円(前年同期比128.6%)、親会社株主に帰属する当期純利益は2,059百万円(前年同期比129.5%)となりました。
連結経営成績の概況
(単位:百万円)
2020年3月期2021年3月期増減額増減率
(%)
売上高5,6416,825+1,183+21.0
営業利益2,3282,977+649+27.9
経常利益2,3262,991+664+28.6
親会社株主に帰属する当期純利益1,5902,059+469+29.5

各市場の業績は次の通りです。
企業向け市場
企業向け市場においては、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、運用管理負荷軽減とコスト低減を考慮した「i-FILTER」、「m-FILTER」のクラウドサービスの利用が加速しました。また、セキュリティコンサルティングサービスを提供している子会社デジタルアーツコンサルティングの需要が伸び、売上高が増加しました。
以上の結果、企業向け市場の売上高は、3,984百万円(前年同期比121.3%)となりました。
公共向け市場
公共向け市場において、当社は従来から国産セキュリティ対策メーカーとして高い認知とシェアを獲得しており、「GIGAスクール構想」においてもその実績と信頼性が評価され、「i-FILTER」シリーズの受注が大きく伸びました。
以上の結果、公共向け市場の売上高は、2,408百万円(前年同期比126.0%)となりました。
家庭向け市場
家庭向け市場においては、携帯電話事業者やMVNO事業者等との連携、1つのシリアルIDで複数OSでの利用が可能な「i-フィルター for マルチデバイス」の販売に注力したことにより、利用者数が増加しました。一方で、携帯電話事業者に対する提供価格の見直しの影響により、売上高は減少しました。
以上の結果、家庭向け市場の売上高は、432百万円(前年同期比97.0%)となりました。
当連結会計年度(2020年4月1日~2021年3月31日)の売上高
企業向け市場公共向け市場家庭向け市場合計
百万円百万円百万円百万円
2021年3月期3,9842,4084326,825
2020年3月期3,2841,9114455,641

(百万円未満切捨)
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べて、3,730百万円増加し、11,382百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益3,001百万円及び減価償却費859百万円の計上等により、5,221百万円の収入(前連結会計年度は2,686百万円の収入)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、無形固定資産の取得等により、830百万円の支出(前連結会計年度は111百万円の収入)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、自己株式の処分による収入があったものの、配当金の支払等により、671百万円の支出(前連結会計年度は709百万円の支出)となりました。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度
(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)
前年同期比(%)
企業向け市場 (百万円)3,849120.8
公共向け市場 (百万円)2,387126.8
家庭向け市場 (百万円)43496.9
合 計 (百万円)6,671120.9

(注)1 金額は販売価格によっております。
2 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
3 当社グループは、セキュリティ事業のみの単一セグメントであるため、セグメントに係る記載は省略しております。
b.受注実績
当社グループは受注生産を行っておりませんので、該当事項はありません。
c.販売実績
当連結会計年度
(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)
前年同期比(%)
企業向け市場 (百万円)3,984121.3
公共向け市場 (百万円)2,408126.0
家庭向け市場 (百万円)43297.0
合 計 (百万円)6,825121.0

(注)1 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
2 輸出販売高はありません。
3 当社グループは、セキュリティ事業のみの単一セグメントであるため、セグメントに係る記載は省略しております。
4 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先前連結会計年度
(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)
当連結会計年度
(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)
金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)
ダイワボウ情報システム
株式会社
1,10920.81,40923.2
SB C&S株式会社1,16621.91,28721.2

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づいて作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度末における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積り、予測を必要としております。当社グループは、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り、予測を行っております。そのため実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は以下の通りであります。
a.経営成績等の状況
(売上高)
当連結会計年度の売上高は6,825百万円となり、前連結会計年度と比較し1,183百万円増加(前年同期比121.0%)となりました。
これは、企業向け市場においてテレワークの普及が追い風となり、i-FILTERシリーズの受注が増加したこと、公共向け市場において「GIGAスクール構想」におけるi-FILTERシリーズの受注が増加したこと、さらにデジタルアーツコンサルティング株式会社において新規顧客による売上が拡大したことが主要因です。
(売上原価、売上総利益)
当連結会計年度の売上原価は1,946百万円となり、前連結会計年度と比較し584百万円増加(前年同期比142.9%)となりました。また、売上総利益は4,878百万円となり、前連結会計年度と比較し598百万円増加(前年同期比114.0%)となりました。
当連結会計年度は、新製品のリリースに伴う減価償却費の増加、コンサルタントの人員増による労務費の増加等はあったものの、売上高の増加に伴い、売上総利益が増加いたしました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は1,900百万円となり、前連結会計年度と比較し51百万円減少(前年同期比97.4%)となりました。また、営業利益は2,977百万円となり、前連結会計年度と比較し649百万円の増加(前年同期比127.9%)となりました。
当連結会計年度は、新型コロナウイルス感染拡大防止のための社外イベント開催の自粛や在宅勤務の徹底により、販売費及び一般管理費の減少も伴い収益性が改善し、営業利益は増加いたしました。
(経常利益)
当連結会計年度は、為替差益7百万円等を営業外収益に計上したことにより、経常利益は2,991百万円(前年同期比128.6%)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、2,059百万円(前年同期比129.5%)となりました。
b. 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標についての分析
当連結会計年度における客観的な指標は以下の通りであります。
契約高成長率と売上高成長率との乖離は、主に当連結会計年度において、新型コロナウイルス感染症拡大の影響に伴い、企業向け市場及び公共向け市場において、クラウドサービス系製品への需要が急激に高まったことによるものであります。
従来からの主要製品でありますライセンス販売系製品は、出荷時に契約高の大部分を一括で売上計上するのに対し、クラウドサービス系製品は、サービス提供期間を通じて月額按分で売上計上いたします。
当連結会計年度におきましては、クラウドサービス系製品の全契約高に占める割合が急増し、翌連結会計年度以降に繰り延べられる売上高が増加したため、契約高と売上高の差額が大きく生じており、売上高成長率と比べて契約高成長率が著しく大きくなっております。
前連結会計年度
(自 2019年4月1日
至 2020年3月31日)
当連結会計年度
(自 2020年4月1日
至 2021年3月31日)
契約高成長率 (%)△8.6103.1
売上高成長率 (%)△3.421.0
営業利益率 (%)41.343.6
自己資本当期純利益率(ROE) (%)19.422.0

c. 資本の財源及び資金の流動性についての分析
資本政策につきましては、企業価値の持続的な向上を目指し、成長分野に対して迅速に投資可能な水準の内部留保の充実と株主の皆様への利益還元を総合的に勘案し、実施していくことを基本方針としております。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は11,382百万円となっているのに対して、有利子負債残高はございません。
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、高付加価値なソリューションを提供するために必要な優秀人材の確保と育成に関する人件費等であります。内部留保については人材の確保と育成に対して優先的に充当し、既存事業の安定的・継続的な成長を持続すると共に、新しいニーズの発掘に積極的に取り組んでまいります。
d.経営成績に重要な影響を与える要因について
「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

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