有価証券報告書-第51期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要
① 財政状態及び経営成績の状況
2019年度の経済環境は、世界経済・日本経済ともに、緩やかに成長いたしましたが、各国の貿易政策を巡る下押しに加え、年明け以降の新型コロナウイルスの世界的な蔓延により、先行きについては景気低迷の懸念が急速に強まっております。
また、金融市場では金融緩和政策が継続されるなか、長期金利、短期金利ともに引き続き低位で推移いたしました。
リース業界におきましては、新型コロナウイルスの蔓延による影響はありながらも、リース取扱高は情報通信機器の取り扱い増加等により、前年度を上回る実績となりました。
当社グループは、2019年4月より2023年度までの5年間を計画期間とする第6次中期経営計画を開始いたしました。この計画に基づき、お客様と共同での事業推進と社会構造・産業構造の変化を捉えた注力分野への取り組みを加速するとともに、みずほフィナンシャルグループ並びに丸紅グループとの連携・協業による事業基盤の拡充と新たな事業領域への挑戦を行ってまいります。
2019年度はみずほフィナンシャルグループ並びに丸紅グループとの連携体制の構築に注力し、第6次中期経営計画で掲げるビジネス戦略を着実に実行してまいりました。当社グループは「モノ」に関する広範な知見と高度な金融ノウハウを用いて、お客様の事業推進に資するソリューションを提供し、社会構造・産業構造の変化を背景とした成長が見込める注力分野で事業を拡大してまいりました。これらの取り組みを既存のお客様に加えて、みずほフィナンシャルグループのお客様に展開することで、一層の事業基盤の拡大を図っております。さらに、当社グループの飛躍的な成長のためには、グローバルな営業・事業基盤の拡充が必要との認識のもと、丸紅グループとの協業を進めております。
注力分野の取り組みについては、環境・エネルギー分野では、風力発電設備のリースやお客様と協働した太陽光発電を用いた自家消費型エネルギー供給サービスの展開、㈱みずほ銀行と連携したバイオマス発電プロジェクトへのファイナンス等、再生可能エネルギー領域での取り組みを強化いたしました。
医療・ヘルスケア分野では、医療・介護施設で導入される設備のリースを中心に、国内ではメーカーと協働で介護施設向け省人化機器のレンタルサービスを新たに開始し、海外ではフィリピンで現地医療機器販社向けのベンダーファイナンスサービスを手掛ける等、ビジネス領域を拡充しております。
不動産分野では、有力な事業者が手掛けるREIT向けに物流施設・倉庫などを対象としたブリッジ案件が伸長したほか、㈱みずほ銀行及びみずほ証券㈱と連携し、REITの物件取得に対する大型ファイナンスプロジェクトに参画いたしました。さらに、お客様の不動産戦略に沿い、工場・事業所・商業施設等の不動産ソリューションを提供しております。
航空機分野では、中長期的な市場成長が見込まれる同分野で事業基盤を拡大させていくために、高度なノウハウ・機能を持つプラットフォームが必要であるとの認識のもと、2020年3月に米国の大手航空機リース会社であるAircastle社の持分25%を取得(当社の持分法適用関連会社に該当)し、同社を当社と丸紅㈱の共同運営会社といたしました。
グローバル分野では、引き続きお客様の設備投資やファイナンスニーズの捕捉、並びに海外でのインフラ整備ニーズを捉えたビジネスにも取り組み、さらに2020年3月には丸紅グループの完全子会社であった米国最大手の冷凍・冷蔵トレーラーリース・レンタル専業事業会社であるMAC Trailer Leasing, Inc.(現商号:PLM Fleet, LLC)の持分50%を取得(当社の持分法適用関連会社に該当)し、同社を当社と丸紅㈱の共同運営会社とする等、新たな事業領域へ進出しております。
契約実行高につきましては、リース・割賦セグメントの契約実行高は692,350百万円と前期(2019年3月期)比26.0%増加しましたが、短期の商流ファイナンスの減少によりファイナンスセグメントの契約実行高が590,088百万円と同40.8%減少したため、全体では同17.2%減少の1,282,438百万円となりました。
損益状況につきましては、売上高は、お客様からの依頼に基づき、当社が物件を取得し一時的に保有する取引(以下、ブリッジ案件)が不動産分野で増加してきたことで、不動産ブリッジ案件の満了に伴う物件の売却が増加したこと等により、前期比40.1%増加の539,241百万円となりました。営業利益は同14.7%増加の26,275百万円、経常利益は同10.3%増加の26,714百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同5.5%増加の17,512百万円となりました。
財政状態につきましては、リース・割賦セグメントでの契約実行高の増加により営業資産残高は前期末比68,937百万円増加し2,090,305百万円となり、資産合計額は同186,543百万円増加の2,348,416百万円となりました。
また、負債合計額は前期末比172,922百万円増加の2,152,635百万円となり、このうち有利子負債は営業資産の増加並びに丸紅㈱との海外共同事業会社への投資により、同165,878百万円増加の2,000,636百万円となりました。
純資産は期間利益の蓄積等により引き続き増加し、195,780百万円となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。(売上高は外部顧客への売上高を記載しております。)
[リース・割賦]
リース・割賦の売上高は不動産ブリッジ案件の満了に伴う物件の売却が増加したこと等により、前期(2019年3月期)比39.8%増加して511,721百万円となりましたが、売上原価も同様に増加し、営業利益は3.0%増加の18,588百万円となりました。
当期(2020年3月期)末の営業資産残高は、産業・工作機械や情報通信機器を中心とした契約実行高の増加に伴い、前期末比161,332百万円増加し1,467,439百万円となりました。
[ファイナンス]
ファイナンスの売上高はお客様の多様なニーズを捉えた対応により前期比12.2%増加して18,772百万円となり、営業利益は営業投資有価証券の売却もあり同33.9%増加して12,832百万円となりました。
当期末の営業資産残高は、お客様の設備投資や事業に係わる融資等の残高は増加したものの、契約期間が短期の商流ファイナンスが減少したことから、前期末比86,083百万円減少し622,866百万円となりました。
[その他]
その他の売上高はブリッジ案件として取り組んでいた太陽光発電事業所を期中で売却したことにより前期比321.9%増加して8,747百万円となりましたが、売上原価が同様に増加したこと等により、営業利益は同11.5%減少して584百万円となりました。
当期末の営業資産残高は、太陽光発電事業所の売却により前期末比6,311百万円減少しゼロとなりました。
② キャッシュ・フローの状況
当期(2020年3月期)のキャッシュ・フローの状況につきましては、営業資産残高の増加や海外事業会社への投資等順調な事業活動に伴う支出に対し、資金の流動性を確保しつつ、金融機関からの借入や市場での資金調達を行いました。その結果、当期末における現金及び現金同等物の残高は、前期(2019年3月期)末比3,139百万円減少し、22,299百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
営業活動によるキャッシュ・フローは、リース債権・リース投資資産を中心に営業資産が増加したこと等により、69,130百万円の支出となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、継続的なシステム投資や丸紅㈱との海外共同事業会社への投資により、98,336百万円の支出となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払による3,920百万円の支出に対し、間接調達で63,927百万円の収入、コマーシャル・ペーパー及び社債等による直接調達で104,481百万円の収入となり、財務活動全体では164,538百万円の収入となりました。
(2)特定金融会社等の開示に関する内閣府令に基づく貸付金(営業貸付金及びその他の営業貸付債権)の状況
「特定金融会社等の開示に関する内閣府令」(平成11年5月19日 大蔵省令第57号)に基づく、提出会社における貸付金の状況は次のとおりであります。
① 貸付金の種別残高内訳
② 資金調達内訳
③ 業種別貸付金残高内訳
④ 担保別貸付金残高内訳
⑤ 期間別貸付金残高内訳
(注)期間は、約定期間によっております。
(3) 営業取引の状況
① 契約実行高
当連結会計年度における契約実行高の実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)リースについては、当連結会計年度に取得した賃貸用資産の取得金額、割賦については、割賦債権から割賦未実現利益を控除した額を表示しております。
② 営業資産残高
連結会計年度における営業資産残高をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)割賦については、割賦債権から割賦未実現利益を控除した額を表示しております。
③ 営業実績
連結会計年度における営業実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(a)前連結会計年度
(b)当連結会計年度
(注)セグメント間取引については相殺消去しております。
(4) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
① 経営成績及び財政状態
当社グループは、2019年度より第6次中期経営計画を開始しており、この計画に基づき、お客様と共同での事業推進並びに注力分野への取り組みを加速するとともに、戦略的ビジネスパートナーとの連携・協業による事業基盤の拡充と新たな事業領域への挑戦を行っております。2019年度の具体的な取り組みにつきましては、「(1)経営成績等の状況の概要①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであり、これらを踏まえて2019年度の経営成績及び財政状態は次のとおりであります。
経営成績につきましては、売上高は不動産ブリッジ案件の満了に伴う物件の売却が増加したこと等により、前期(2019年3月期)比154,348百万円増加して539,241百万円となりました。
外貨資産の増加に伴う外貨借入の増加を主因とし、資金原価は同1,276百万円増加し9,744百万円となりましたが、注力分野への取り組みや、みずほフィナンシャルグループとの協業をはじめとした第6次中期経営計画で掲げる戦略の推進並びに投資物件の入れ替えに伴う売却収益が寄与したことで、売上総利益は同6,390百万円増加し50,519百万円となりました。
販売費及び一般管理費は、人件費及び物件費がビジネス領域の拡大に伴う人員増加や継続的なシステム投資により増加したことで、同3,028百万円増加し24,243百万円となりました。これらにより、営業利益は同3,362百万円増加し26,275百万円となり、経常利益は同2,488百万円増加の26,714百万円となりました。
特別損益は特別利益が481百万円、特別損失が658百万円となり、純額で176百万円の損失となりました。この特別利益は投資有価証券の売却によるもの、特別損失は投資有価証券評価損を計上したこと等によるものです。
これらの結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、同918百万円増加し17,512百万円となり、7期連続で最高益を更新いたしました。
財政状態につきましては、リース・割賦セグメントでの契約実行高の増加により営業資産残高は前期(2019年3月期)末比68,937百万円増加し2,090,305百万円となり、資産合計額は同186,543百万円増加の2,348,416百万円となりました。
また、負債合計額は同172,922百万円増加の2,152,635百万円となり、このうち有利子負債は営業資産の増加並びに丸紅㈱との海外共同事業会社への投資により、同165,878百万円増加の2,000,636百万円となりました。
純資産は期間利益の蓄積等により、同13,620百万円増加し195,780百万円となりました。
セグメントごとの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりです。
また、新型コロナウイルスによる2019年度業績への影響は軽微ですが、2020年度につきましては、新型コロナウイルスの蔓延による厳しい経済状況が当面継続し、その後緩やかな回復を見込むものの、年内は影響が残ると想定しております。当社グループにおいては、一部の業種について、景気悪化に伴う設備投資計画の先送りや、信用コストの増加等の影響を見込んでおります。
② 資本の財源及び資金の流動性
当社グループは、お客様のニーズに対応して幅広い金融サービスを提供するため、資金調達については安定性の確保とコストの抑制を図るよう努めております。また、年度の資金計画と金融環境の変化に即したALM(資産負債の統合管理)運営方針のもと機動的な資金調達を行っております。
当社グループの資金調達につきましては、金融機関からの借入による間接調達と市場からの直接調達による長期及び短期の資金により構成されております。当期(2020年3月期)末において、間接調達は前期(2019年3月期)末比61,416百万円増加し1,064,981百万円となりました。直接調達はコマーシャル・ペーパー及び社債の発行などにより、同104,462百万円増加し935,654百万円となりました。
また、運転資金の流動性や調達の機動性を確保するため、当期末において取引金融機関51社と総額717,778百万円の当座貸越契約及びコミットメントライン契約を締結しております。これらの契約による借入未実行残高は473,902百万円であり、資金の流動性は十分に確保されております。
キャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
また、当社は、株主の皆様に対する利益還元については、収益力の向上を図りつつ業績に応じた配当を実施することを基本方針としております。同時に、株主資本の厚みも企業価値を向上させるうえで重要な要素であると考え、株主の皆様への利益還元と株主資本充実のバランスにも十分意を用いて対応しております。内部留保資金につきましては、今後の成長原資として有効に活用し事業基盤の更なる拡充を図り、中長期的なROEの向上を目指してまいります。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
(a)貸倒引当金の計上
当社グループの貸倒引当金は、予め定めている償却・引当基準に則り、次のとおり計上しております。
破産、特別清算等法的に経営破綻の事実が発生している債務者(以下「破綻先」という。)に係る債権及びそれと同等の状況にある債務者(以下「実質破綻先」という。)に係る債権については、債権額から、担保の処分可能見込額及び保証による回収可能見込額を控除し、その残額を直接減額しております。
また、現在は経営破綻の状況にないが、今後経営破綻に陥る可能性が大きいと認められる債務者に係る債権については、債権額から、担保の処分可能見込額及び保証による回収可能見込額を控除し、その残額のうち、将来の予想損失額を算定し、計上しております。
上記以外の債権については、過去の一定期間における貸倒実績から算出した貨倒実績率等に基づき計上しております。
すべての債権は、資産の自己査定基準に基づき、営業関連部署が自己査定を実施し、当該部署から独立した部署が査定結果を監査しております。
連結子会社の貸倒引当金は、一般債権については過去の貨倒実績率等を勘案して必要と認めた額を、貨倒懸念債権等特定の債権については、個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込頷をそれぞれ計上しております。
当社グループは、債権の評価にあたって用いた会計上の見積りは合理的であり、貸倒引当金は十分計上され、債権が回収可能な額として計上されていると判断しております。
ただし、債権の評価には経営者が管理不能な不確実性が含まれております。
このため予測不能な前提条件の変化等により債権の評価が変動する可能性があり、この場合には、将来、当社グループが貸倒引当金を増額又は減額する可能性があります。
また、2020年度につきましては、新型コロナウイルスの蔓延による厳しい経済状況が当面継続し、その後緩やかな回復を見込むものの、年内は影響が残ると想定しております。
今後の収束状況等によっては、景気悪化に伴う取引先の業況の悪化により当社グループが貸倒引当金を増額する可能性があります。
(b)金融商品の時価評価
金融商品の時価には、市場価格に基づく価額のほか、市場価格がない場合には合理的に算定された価額が含まれております。
有価証券のうち、市場価格のあるものについては、市場価格によっております。
また、市場価格のないものについては、約定に基づく元利金の将来キャッシュ・フローを、内部格付及び期間に基づく区分ごとに、銀行間取引金利等の適切な指標に信用スプレッド及び流動性スプレッドを上乗せした利率で割り引いた現在価値を算定しております。
なお、時価の把握が極めて困難と認められるものについては、帳簿価額を時価とみなしております。
デリバティブ取引は、金利関連取引(金利スワップ)、通貨関連取引(通貨スワップ等)であり、時価は金融機関から提示された価格等によっております。
当社グループは、金融商品の時価の評価にあたって用いた会計上の見積りは合理的であると判断しております。
ただし、当該価額の算定においては一定の前提条件等を採用しているため、予測不能な前提条件の変化等により金融商品の評価に関する見積りが変動する可能性があります。
この場合には将来当社グループにおける時価評価額が変動する可能性があります。
(5) 客観的な指標等の進捗状況・分析等
第6次中期経営計画(2019年度~2023年度)では、当社グループの更なる成長とステークホルダーに提供する価値の向上を実現するため、計画最終年度(2023年度)の経営目標数値(連結)を以下のとおり設定しております。
第6次中期経営計画初年度の2019年度は、親会社株主に帰属する当期純利益については、業績予想(170億円)を上回る175億円の実績となり、7期連続で最高益を更新いたしました。グローバル分野の残高については、丸紅㈱と海外事業会社の共同運営を開始したことにより、前期(2019年3月期)末比924億円増加し2,348億円となりました。また、2019年度の1株当たり年間配当額は82円00銭(創立50周年記念配当2円00銭を含む)と18期連続での増配となり、配当性向は22.7%となりました。
(注)グローバル分野の残高は、グループ会社が保有する営業資産を含む。
① 財政状態及び経営成績の状況
2019年度の経済環境は、世界経済・日本経済ともに、緩やかに成長いたしましたが、各国の貿易政策を巡る下押しに加え、年明け以降の新型コロナウイルスの世界的な蔓延により、先行きについては景気低迷の懸念が急速に強まっております。
また、金融市場では金融緩和政策が継続されるなか、長期金利、短期金利ともに引き続き低位で推移いたしました。
リース業界におきましては、新型コロナウイルスの蔓延による影響はありながらも、リース取扱高は情報通信機器の取り扱い増加等により、前年度を上回る実績となりました。
当社グループは、2019年4月より2023年度までの5年間を計画期間とする第6次中期経営計画を開始いたしました。この計画に基づき、お客様と共同での事業推進と社会構造・産業構造の変化を捉えた注力分野への取り組みを加速するとともに、みずほフィナンシャルグループ並びに丸紅グループとの連携・協業による事業基盤の拡充と新たな事業領域への挑戦を行ってまいります。
2019年度はみずほフィナンシャルグループ並びに丸紅グループとの連携体制の構築に注力し、第6次中期経営計画で掲げるビジネス戦略を着実に実行してまいりました。当社グループは「モノ」に関する広範な知見と高度な金融ノウハウを用いて、お客様の事業推進に資するソリューションを提供し、社会構造・産業構造の変化を背景とした成長が見込める注力分野で事業を拡大してまいりました。これらの取り組みを既存のお客様に加えて、みずほフィナンシャルグループのお客様に展開することで、一層の事業基盤の拡大を図っております。さらに、当社グループの飛躍的な成長のためには、グローバルな営業・事業基盤の拡充が必要との認識のもと、丸紅グループとの協業を進めております。
注力分野の取り組みについては、環境・エネルギー分野では、風力発電設備のリースやお客様と協働した太陽光発電を用いた自家消費型エネルギー供給サービスの展開、㈱みずほ銀行と連携したバイオマス発電プロジェクトへのファイナンス等、再生可能エネルギー領域での取り組みを強化いたしました。
医療・ヘルスケア分野では、医療・介護施設で導入される設備のリースを中心に、国内ではメーカーと協働で介護施設向け省人化機器のレンタルサービスを新たに開始し、海外ではフィリピンで現地医療機器販社向けのベンダーファイナンスサービスを手掛ける等、ビジネス領域を拡充しております。
不動産分野では、有力な事業者が手掛けるREIT向けに物流施設・倉庫などを対象としたブリッジ案件が伸長したほか、㈱みずほ銀行及びみずほ証券㈱と連携し、REITの物件取得に対する大型ファイナンスプロジェクトに参画いたしました。さらに、お客様の不動産戦略に沿い、工場・事業所・商業施設等の不動産ソリューションを提供しております。
航空機分野では、中長期的な市場成長が見込まれる同分野で事業基盤を拡大させていくために、高度なノウハウ・機能を持つプラットフォームが必要であるとの認識のもと、2020年3月に米国の大手航空機リース会社であるAircastle社の持分25%を取得(当社の持分法適用関連会社に該当)し、同社を当社と丸紅㈱の共同運営会社といたしました。
グローバル分野では、引き続きお客様の設備投資やファイナンスニーズの捕捉、並びに海外でのインフラ整備ニーズを捉えたビジネスにも取り組み、さらに2020年3月には丸紅グループの完全子会社であった米国最大手の冷凍・冷蔵トレーラーリース・レンタル専業事業会社であるMAC Trailer Leasing, Inc.(現商号:PLM Fleet, LLC)の持分50%を取得(当社の持分法適用関連会社に該当)し、同社を当社と丸紅㈱の共同運営会社とする等、新たな事業領域へ進出しております。
契約実行高につきましては、リース・割賦セグメントの契約実行高は692,350百万円と前期(2019年3月期)比26.0%増加しましたが、短期の商流ファイナンスの減少によりファイナンスセグメントの契約実行高が590,088百万円と同40.8%減少したため、全体では同17.2%減少の1,282,438百万円となりました。
損益状況につきましては、売上高は、お客様からの依頼に基づき、当社が物件を取得し一時的に保有する取引(以下、ブリッジ案件)が不動産分野で増加してきたことで、不動産ブリッジ案件の満了に伴う物件の売却が増加したこと等により、前期比40.1%増加の539,241百万円となりました。営業利益は同14.7%増加の26,275百万円、経常利益は同10.3%増加の26,714百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同5.5%増加の17,512百万円となりました。
財政状態につきましては、リース・割賦セグメントでの契約実行高の増加により営業資産残高は前期末比68,937百万円増加し2,090,305百万円となり、資産合計額は同186,543百万円増加の2,348,416百万円となりました。
また、負債合計額は前期末比172,922百万円増加の2,152,635百万円となり、このうち有利子負債は営業資産の増加並びに丸紅㈱との海外共同事業会社への投資により、同165,878百万円増加の2,000,636百万円となりました。
純資産は期間利益の蓄積等により引き続き増加し、195,780百万円となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。(売上高は外部顧客への売上高を記載しております。)
[リース・割賦]
リース・割賦の売上高は不動産ブリッジ案件の満了に伴う物件の売却が増加したこと等により、前期(2019年3月期)比39.8%増加して511,721百万円となりましたが、売上原価も同様に増加し、営業利益は3.0%増加の18,588百万円となりました。
当期(2020年3月期)末の営業資産残高は、産業・工作機械や情報通信機器を中心とした契約実行高の増加に伴い、前期末比161,332百万円増加し1,467,439百万円となりました。
[ファイナンス]
ファイナンスの売上高はお客様の多様なニーズを捉えた対応により前期比12.2%増加して18,772百万円となり、営業利益は営業投資有価証券の売却もあり同33.9%増加して12,832百万円となりました。
当期末の営業資産残高は、お客様の設備投資や事業に係わる融資等の残高は増加したものの、契約期間が短期の商流ファイナンスが減少したことから、前期末比86,083百万円減少し622,866百万円となりました。
[その他]
その他の売上高はブリッジ案件として取り組んでいた太陽光発電事業所を期中で売却したことにより前期比321.9%増加して8,747百万円となりましたが、売上原価が同様に増加したこと等により、営業利益は同11.5%減少して584百万円となりました。
当期末の営業資産残高は、太陽光発電事業所の売却により前期末比6,311百万円減少しゼロとなりました。
② キャッシュ・フローの状況
当期(2020年3月期)のキャッシュ・フローの状況につきましては、営業資産残高の増加や海外事業会社への投資等順調な事業活動に伴う支出に対し、資金の流動性を確保しつつ、金融機関からの借入や市場での資金調達を行いました。その結果、当期末における現金及び現金同等物の残高は、前期(2019年3月期)末比3,139百万円減少し、22,299百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
営業活動によるキャッシュ・フローは、リース債権・リース投資資産を中心に営業資産が増加したこと等により、69,130百万円の支出となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、継続的なシステム投資や丸紅㈱との海外共同事業会社への投資により、98,336百万円の支出となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払による3,920百万円の支出に対し、間接調達で63,927百万円の収入、コマーシャル・ペーパー及び社債等による直接調達で104,481百万円の収入となり、財務活動全体では164,538百万円の収入となりました。
(2)特定金融会社等の開示に関する内閣府令に基づく貸付金(営業貸付金及びその他の営業貸付債権)の状況
「特定金融会社等の開示に関する内閣府令」(平成11年5月19日 大蔵省令第57号)に基づく、提出会社における貸付金の状況は次のとおりであります。
① 貸付金の種別残高内訳
2020年3月31日現在 |
貸付種別 | 件数(件) | 構成割合(%) | 残高(百万円) | 構成割合(%) | 平均約定金利 (%) |
消費者向 | |||||
無担保(住宅向を除く) | - | - | - | - | - |
有担保(住宅向を除く) | - | - | - | - | |
住宅向 | - | - | - | - | - |
計 | - | - | - | - | - |
事業者向 | |||||
計 | 1,669 | 100.00 | 362,717 | 100.00 | 2.14 |
合計 | 1,669 | 100.00 | 362,717 | 100.00 | 2.14 |
② 資金調達内訳
2020年3月31日現在 |
借入先等 | 残高(百万円) | 平均調達金利(%) | |
金融機関等からの借入 | 868,982 | 0.54 | |
その他 | 816,554 | 0.09 | |
社債・CP | 685,332 | 0.09 | |
合計 | 1,685,537 | 0.32 | |
自己資本 | 147,213 | - | |
資本金・出資額 | 26,088 | - |
③ 業種別貸付金残高内訳
2020年3月31日現在 |
業種別 | 先数(件) | 構成割合(%) | 残高(百万円) | 構成割合(%) |
製造業 | 90 | 15.33 | 52,569 | 14.49 |
建設業 | 6 | 1.02 | 99 | 0.03 |
電気・ガス・熱供給・水道業 | 8 | 1.36 | 10,630 | 2.93 |
運輸・通信業 | 76 | 12.95 | 131,309 | 36.20 |
卸売・小売業、飲食店 | 121 | 20.62 | 10,965 | 3.02 |
金融・保険業 | 9 | 1.53 | 34,127 | 9.41 |
不動産業 | 40 | 6.82 | 60,133 | 16.58 |
サービス業 | 203 | 34.58 | 43,884 | 12.10 |
個人 | - | - | - | - |
その他 | 34 | 5.79 | 18,998 | 5.24 |
合計 | 587 | 100.00 | 362,717 | 100.00 |
④ 担保別貸付金残高内訳
2020年3月31日現在 |
受入担保の種類 | 残高(百万円) | 構成割合(%) | |
有価証券 | 2,100 | 0.58 | |
うち株式 | 2,100 | 0.58 | |
債権 | 4,810 | 1.33 | |
うち預金 | - | - | |
商品 | - | - | |
不動産 | 762 | 0.21 | |
財団 | - | - | |
その他 | 113,908 | 31.40 | |
計 | 121,581 | 33.52 | |
保証 | 20,622 | 5.69 | |
無担保 | 220,514 | 60.79 | |
合計 | 362,717 | 100.00 |
⑤ 期間別貸付金残高内訳
2020年3月31日現在 |
期間別 | 件数(件) | 構成割合(%) | 残高(百万円) | 構成割合(%) |
1年以下 | 107 | 6.41 | 39,255 | 10.82 |
1年超 5年以下 | 926 | 55.48 | 126,977 | 35.01 |
5年超 10年以下 | 504 | 30.20 | 158,317 | 43.65 |
10年超 15年以下 | 66 | 3.95 | 22,850 | 6.30 |
15年超 20年以下 | 60 | 3.60 | 14,116 | 3.89 |
20年超 25年以下 | 6 | 0.36 | 1,200 | 0.33 |
25年超 | - | - | - | - |
合計 | 1,669 | 100.00 | 362,717 | 100.00 |
1件当たり平均期間 | 6.16年 |
(注)期間は、約定期間によっております。
(3) 営業取引の状況
① 契約実行高
当連結会計年度における契約実行高の実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 契約実行高(百万円) | 前年度比増減率(%) | |
リース・割賦 | 情報・事務用機器 | 157,491 | 56.9 |
産業・土木・建設機械 | 146,052 | 11.0 | |
その他 | 144,116 | 1.3 | |
ファイナンス・リース計 | 447,660 | 19.6 | |
オペレーティング・リース | 187,316 | 55.7 | |
リース計 | 634,976 | 28.4 | |
割賦 | 57,373 | 4.5 | |
692,350 | 26.0 | ||
ファイナンス | 590,088 | △40.8 | |
その他 | - | - | |
合計 | 1,282,438 | △17.2 |
(注)リースについては、当連結会計年度に取得した賃貸用資産の取得金額、割賦については、割賦債権から割賦未実現利益を控除した額を表示しております。
② 営業資産残高
連結会計年度における営業資産残高をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | |||
期末残高 (百万円) | 構成比(%) | 期末残高 (百万円) | 構成比(%) | ||
リース・割賦 | 情報・事務用機器 | 245,254 | 12.1 | 305,994 | 14.6 |
産業・土木・建設機械 | 334,005 | 16.5 | 380,620 | 18.2 | |
その他 | 351,058 | 17.4 | 395,473 | 18.9 | |
ファイナンス・リース計 | 930,318 | 46.0 | 1,082,088 | 51.8 | |
オペレーティング・リース | 229,900 | 11.4 | 245,635 | 11.7 | |
リース計 | 1,160,218 | 57.4 | 1,327,723 | 63.5 | |
割賦 | 145,888 | 7.2 | 139,715 | 6.7 | |
1,306,106 | 64.6 | 1,467,439 | 70.2 | ||
ファイナンス | 708,950 | 35.1 | 622,866 | 29.8 | |
その他 | 6,311 | 0.3 | - | - | |
合計 | 2,021,368 | 100.0 | 2,090,305 | 100.0 |
(注)割賦については、割賦債権から割賦未実現利益を控除した額を表示しております。
③ 営業実績
連結会計年度における営業実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(a)前連結会計年度
セグメントの名称 | 売上高 (百万円) | 売上原価 (百万円) | 差引利益 (百万円) | 資金原価 (百万円) | 売上総利益 (百万円) | |
リース・割賦 | ファイナンス・リース | 271,676 | - | - | - | - |
オペレーティング・リース | 82,699 | - | - | - | - | |
リース計 | 354,375 | 320,889 | 33,485 | 5,654 | 27,830 | |
割賦 | 11,720 | 10,036 | 1,683 | 344 | 1,339 | |
366,095 | 330,926 | 35,169 | 5,999 | 29,169 | ||
ファイナンス | 16,724 | 284 | 16,440 | 2,468 | 13,971 | |
その他 | 2,073 | 1,086 | 986 | - | 986 | |
合計 | 384,893 | 332,297 | 52,596 | 8,467 | 44,128 |
(b)当連結会計年度
セグメントの名称 | 売上高 (百万円) | 売上原価 (百万円) | 差引利益 (百万円) | 資金原価 (百万円) | 売上総利益 (百万円) | |
リース・割賦 | ファイナンス・リース | 303,303 | - | - | - | - |
オペレーティング・リース | 195,383 | - | - | - | - | |
リース計 | 498,686 | 461,114 | 37,572 | 5,925 | 31,646 | |
割賦 | 13,034 | 9,853 | 3,180 | 675 | 2,504 | |
511,721 | 470,968 | 40,753 | 6,601 | 34,151 | ||
ファイナンス | 18,772 | 311 | 18,461 | 3,117 | 15,343 | |
その他 | 8,747 | 7,698 | 1,049 | 25 | 1,023 | |
合計 | 539,241 | 478,978 | 60,263 | 9,744 | 50,519 |
(注)セグメント間取引については相殺消去しております。
(4) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
① 経営成績及び財政状態
当社グループは、2019年度より第6次中期経営計画を開始しており、この計画に基づき、お客様と共同での事業推進並びに注力分野への取り組みを加速するとともに、戦略的ビジネスパートナーとの連携・協業による事業基盤の拡充と新たな事業領域への挑戦を行っております。2019年度の具体的な取り組みにつきましては、「(1)経営成績等の状況の概要①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであり、これらを踏まえて2019年度の経営成績及び財政状態は次のとおりであります。
経営成績につきましては、売上高は不動産ブリッジ案件の満了に伴う物件の売却が増加したこと等により、前期(2019年3月期)比154,348百万円増加して539,241百万円となりました。
外貨資産の増加に伴う外貨借入の増加を主因とし、資金原価は同1,276百万円増加し9,744百万円となりましたが、注力分野への取り組みや、みずほフィナンシャルグループとの協業をはじめとした第6次中期経営計画で掲げる戦略の推進並びに投資物件の入れ替えに伴う売却収益が寄与したことで、売上総利益は同6,390百万円増加し50,519百万円となりました。
販売費及び一般管理費は、人件費及び物件費がビジネス領域の拡大に伴う人員増加や継続的なシステム投資により増加したことで、同3,028百万円増加し24,243百万円となりました。これらにより、営業利益は同3,362百万円増加し26,275百万円となり、経常利益は同2,488百万円増加の26,714百万円となりました。
特別損益は特別利益が481百万円、特別損失が658百万円となり、純額で176百万円の損失となりました。この特別利益は投資有価証券の売却によるもの、特別損失は投資有価証券評価損を計上したこと等によるものです。
これらの結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、同918百万円増加し17,512百万円となり、7期連続で最高益を更新いたしました。
財政状態につきましては、リース・割賦セグメントでの契約実行高の増加により営業資産残高は前期(2019年3月期)末比68,937百万円増加し2,090,305百万円となり、資産合計額は同186,543百万円増加の2,348,416百万円となりました。
また、負債合計額は同172,922百万円増加の2,152,635百万円となり、このうち有利子負債は営業資産の増加並びに丸紅㈱との海外共同事業会社への投資により、同165,878百万円増加の2,000,636百万円となりました。
純資産は期間利益の蓄積等により、同13,620百万円増加し195,780百万円となりました。
セグメントごとの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりです。
また、新型コロナウイルスによる2019年度業績への影響は軽微ですが、2020年度につきましては、新型コロナウイルスの蔓延による厳しい経済状況が当面継続し、その後緩やかな回復を見込むものの、年内は影響が残ると想定しております。当社グループにおいては、一部の業種について、景気悪化に伴う設備投資計画の先送りや、信用コストの増加等の影響を見込んでおります。
② 資本の財源及び資金の流動性
当社グループは、お客様のニーズに対応して幅広い金融サービスを提供するため、資金調達については安定性の確保とコストの抑制を図るよう努めております。また、年度の資金計画と金融環境の変化に即したALM(資産負債の統合管理)運営方針のもと機動的な資金調達を行っております。
当社グループの資金調達につきましては、金融機関からの借入による間接調達と市場からの直接調達による長期及び短期の資金により構成されております。当期(2020年3月期)末において、間接調達は前期(2019年3月期)末比61,416百万円増加し1,064,981百万円となりました。直接調達はコマーシャル・ペーパー及び社債の発行などにより、同104,462百万円増加し935,654百万円となりました。
また、運転資金の流動性や調達の機動性を確保するため、当期末において取引金融機関51社と総額717,778百万円の当座貸越契約及びコミットメントライン契約を締結しております。これらの契約による借入未実行残高は473,902百万円であり、資金の流動性は十分に確保されております。
キャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
また、当社は、株主の皆様に対する利益還元については、収益力の向上を図りつつ業績に応じた配当を実施することを基本方針としております。同時に、株主資本の厚みも企業価値を向上させるうえで重要な要素であると考え、株主の皆様への利益還元と株主資本充実のバランスにも十分意を用いて対応しております。内部留保資金につきましては、今後の成長原資として有効に活用し事業基盤の更なる拡充を図り、中長期的なROEの向上を目指してまいります。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
(a)貸倒引当金の計上
当社グループの貸倒引当金は、予め定めている償却・引当基準に則り、次のとおり計上しております。
破産、特別清算等法的に経営破綻の事実が発生している債務者(以下「破綻先」という。)に係る債権及びそれと同等の状況にある債務者(以下「実質破綻先」という。)に係る債権については、債権額から、担保の処分可能見込額及び保証による回収可能見込額を控除し、その残額を直接減額しております。
また、現在は経営破綻の状況にないが、今後経営破綻に陥る可能性が大きいと認められる債務者に係る債権については、債権額から、担保の処分可能見込額及び保証による回収可能見込額を控除し、その残額のうち、将来の予想損失額を算定し、計上しております。
上記以外の債権については、過去の一定期間における貸倒実績から算出した貨倒実績率等に基づき計上しております。
すべての債権は、資産の自己査定基準に基づき、営業関連部署が自己査定を実施し、当該部署から独立した部署が査定結果を監査しております。
連結子会社の貸倒引当金は、一般債権については過去の貨倒実績率等を勘案して必要と認めた額を、貨倒懸念債権等特定の債権については、個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込頷をそれぞれ計上しております。
当社グループは、債権の評価にあたって用いた会計上の見積りは合理的であり、貸倒引当金は十分計上され、債権が回収可能な額として計上されていると判断しております。
ただし、債権の評価には経営者が管理不能な不確実性が含まれております。
このため予測不能な前提条件の変化等により債権の評価が変動する可能性があり、この場合には、将来、当社グループが貸倒引当金を増額又は減額する可能性があります。
また、2020年度につきましては、新型コロナウイルスの蔓延による厳しい経済状況が当面継続し、その後緩やかな回復を見込むものの、年内は影響が残ると想定しております。
今後の収束状況等によっては、景気悪化に伴う取引先の業況の悪化により当社グループが貸倒引当金を増額する可能性があります。
(b)金融商品の時価評価
金融商品の時価には、市場価格に基づく価額のほか、市場価格がない場合には合理的に算定された価額が含まれております。
有価証券のうち、市場価格のあるものについては、市場価格によっております。
また、市場価格のないものについては、約定に基づく元利金の将来キャッシュ・フローを、内部格付及び期間に基づく区分ごとに、銀行間取引金利等の適切な指標に信用スプレッド及び流動性スプレッドを上乗せした利率で割り引いた現在価値を算定しております。
なお、時価の把握が極めて困難と認められるものについては、帳簿価額を時価とみなしております。
デリバティブ取引は、金利関連取引(金利スワップ)、通貨関連取引(通貨スワップ等)であり、時価は金融機関から提示された価格等によっております。
当社グループは、金融商品の時価の評価にあたって用いた会計上の見積りは合理的であると判断しております。
ただし、当該価額の算定においては一定の前提条件等を採用しているため、予測不能な前提条件の変化等により金融商品の評価に関する見積りが変動する可能性があります。
この場合には将来当社グループにおける時価評価額が変動する可能性があります。
(5) 客観的な指標等の進捗状況・分析等
第6次中期経営計画(2019年度~2023年度)では、当社グループの更なる成長とステークホルダーに提供する価値の向上を実現するため、計画最終年度(2023年度)の経営目標数値(連結)を以下のとおり設定しております。
第6次中期経営計画初年度の2019年度は、親会社株主に帰属する当期純利益については、業績予想(170億円)を上回る175億円の実績となり、7期連続で最高益を更新いたしました。グローバル分野の残高については、丸紅㈱と海外事業会社の共同運営を開始したことにより、前期(2019年3月期)末比924億円増加し2,348億円となりました。また、2019年度の1株当たり年間配当額は82円00銭(創立50周年記念配当2円00銭を含む)と18期連続での増配となり、配当性向は22.7%となりました。
指標 | 2018年度 (実績) | 2019年度 (実績) | 最終年度(2023年度)の数値目標 |
親会社株主に帰属する当期純利益 | 166億円 | 175億円 | 300億円 |
グローバル分野の残高 | 1,425億円 | 2,348億円 | 2019年3月末比 3倍 |
配当性向 | 20.1% | 22.7% | 25%以上を目指す |
(注)グローバル分野の残高は、グループ会社が保有する営業資産を含む。